第137回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーストロンガー&カブトローセット」

2016年1月29日 更新

 

 昭和ライダー七人、専用マシンと共についに集結完了!
 仮面ライダー新1号発売から4年5ヵ月、ファンの長き願いが叶いました。
 まさに感無量、特に幼少期からのファンにとっては、何年越しの夢だったことでしょう。
 トリを飾るのは、ストロンガーのマシン「カブトロー」!

 というわけで、今回はこちらのレビューをするのですが……今回は経済的な事情から、セット版のみの取扱いとなります。
 単品版は、仕様の違いを本文で触れる程度に留めさせて頂きたいと思います。

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O■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーストロンガー&カブトローセット

 

 2015年7月24日〜9月24日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
 2015年12月25日配送開始(26日頃到着)。
 同時配送物は、下記参照。
 2015年12月のラインナップは、以下の通り。

  • 12/12 「バッファローマン(キン肉マン)」
  • 12/15(配送開始日)「キュアエコー(プリキュアオールスターズ NewStage〜みらいのともだち)」「スーパーサイヤ人ベジータ -Premium Color Edition-(ドラゴンボール)」「仮面ライダーデッドヒートマッハ(仮面ライダードライブ)」「にせセーラームーン(美少女戦士セーラームーン)」(すべて魂ウェブ限定)
  • 12/18 「ファーストオーダー・ストームトルーパー(スターウォーズ・フォースの覚醒)」「カイロ・レン(スターウォーズ・フォースの覚醒)」
  • 12/25(配送開始日)「カブトロー(単品Ver.)」「ギルハカイダー(キカイダー01)」「はたけカカシ(NARUTO疾風伝)」(すべて魂ウェブ限定)

 仮面ライダーストロンガーとカブトローのセット。
 仮面ライダーストロンガー全高は約14.5センチ(頭頂部まで。ツノ含まず)。
 カブトロー最大全長は約19センチ。
 5種10個の手首付き。
 交換用ハンドル一組付属。
 後輪スタンド付属。
 魂STAGE固定用ジョイント付属。
 価格は8,424円(税込)。

 

 カブトロー。
 大気中の静電気を吸収して、無限に走ることが出来るストロンガー専用マシンで、製作者は不明(ブラックサタン製作という設定もあるようだが、劇中では触れられていない)。
 ストロンガーへの電力チャージも可能で、一般的なバイク車両への変型設定などはなく、常時この形状を維持している。
 ストロンガー=城茂は、変身前後問わず、このマシンに搭乗している。
 これまでのライダーマシンと比較すると非常にシンプルで、原型バイクの形状が良くわかるスタイルだが、これは作品コンセプト中にバイクアクションの強調が意図されていたため。

 

 実際の撮影では、三種類の車両(オンロードタイプ、オフロードタイプ、トライアルタイプ)が使用され、場面により使い分けられていた。
 メインはオンロードで、元車両はスズキGT380。
 こちらはほぼ城茂専用車的なものだった(ストロンガー搭乗はスチール写真程度)。
 オフロードタイプとトライアルタイプは、共にアクションシーン用で使用され、ストロンガーに変身後は主にこちらへの搭乗がメインになる。
 これらは、アクションに特化するため装飾が省略されていた。
 ただし、これは作品中では全て同一車両という前提で、「仮面ライダー」における旧サイクロンが、場面によって大きく形状が変わっていたのと同じようなもの。
 尚、トライアルタイプは、第六話撮影中に車体真下で火薬が爆発した影響で大破したため、以降登場していない。
 バイクアクション担当だった熊沢敏明氏は、この事故で一時心配停止状態に陥ったというエピソードは有名。

 

 さて、カブトローです。
 これまで、プレバン限定の昭和ライダーバイクは、バイク単品と、ライダーとのセット版があり、後者は過去発売されたライダー単品版と若干の差異があるというのが定番でした。
 ところが今回は、ストロンガーは単品版と同じ仕様として、代わりにバイクを単品版・セット版で変えるという手法を取って来ました。
 そのため、フィギュアーツ・カブトローは、形状違いで二種類存在することになります。

 

 セット版のカブトローは、このページに貼られている画像の通りですが、単品版はアクションシーンでの撮影に使われた車両をイメージした“テールが短い(ない?)”バージョンとなっています。
 この仕様違いに対しては、ネット上各方面で大変な不評が出た反面、どちらのが(ユーザー各位の)作中イメージに近いかという議論も発生し、意外やどちらにもそれなりの需要がある様子が伺えました。

 

 ただ、カブトローの本体そのものはアクション用車両をベースにした造形のため、それに長いテールを付けたバージョンは、放送開始前のお披露目「番組撮影会」でのみ登場した、いわば劇中未登場のものとなります。
 そのせいで、城茂が搭乗していたオンロードタイプは日の目を見ないまま。
 オンロードタイプの方がカブトローのイメージ! というファンには不評、逆に劇中でガンガン走り回っていたオフロードタイプの印象が強い人には、単品版の需要が高い……では、このセット版カブトローの存在意義は? という話になります。
 個人的には、アクションシーン用のカブトローは、あくまで撮影の都合によりでっち上げられた代用品みたいな認識なので、テール付きじゃないとカブトローとは認めたくない感じです。
 となると、消去法的にこのセット版を買うしかなかったわけですが。
 いや、やっぱテールがないアクション用も、これはこれで魅力的だなあ……

 

 ひとまず、カブトロー前後比較。
 巨大なテールパーツのせいで、前後の印象が全く異なります。

 

 サイドビュー。
 タンク部分のSUZUKIのマークは、シールではなくプリント。
 先の通り、アクション用のオフロードタイプがベースなので、エンジン周りのややスカスカな印象が、どうしても拭い切れません。

 

 フロント部アップ。
 ライダーマンマシンに並ぶ、ノンカウルタイプ。
 ライト部の赤い星が実にシャープでいいのですが、表面凸部に本来あるべき白のラインが省略されているため、今ひとつ締まりがよろしくありません。
 星に隠れている左右三つずつのランプ(ウィンカー?)は、カラフルなクリアパーツで構成。

 

 前輪アップ。
 アクションタイプなので、フェンダーは赤色(オンロードタイプは銀メッキでした)。
 二本一体式のケーブルは、今回また採用。
 ホイール中央に配置された小さな星が、いいアクセントになっています。

 それはいいのですが、今回からドレッドパターンの凹凸が激しくなり、いかにもオフロードバイクの面構え(?)となりました。
 ……が、それ、せめてクルーザーの時から採用して欲しかったなあと。

 

 エンジン部アップ。
 赤色は塗装で、成形色ではありません。
 撮影用の車両は、かなり無理矢理に赤塗装を施したものだったので、今回のこの処理は(パッと見安っぽいですが)ある意味かなり忠実な再現なのかも?
 どうしても質感が乏しいという方は、軽くウェザリングを施すのもいいかなと感じます。

 

 問題のテール部分、というかリアカウル。
 側面の黒丸は、塗装で表現。
 末端部の星の色は、赤。
 なかなかの迫力で、この部位そのものは特段違和感はありません。
 車体全体を見た場合に違和感を覚えるか否かは、ユーザー次第でしょうか。

 

 後輪部アップ。
 こちらも、前輪同様オフロードバイク用のタイヤになりました。
 せめてクルry
 サスペンションギミックは、当然今回も健在。

 

 エンジンから後輪にかけて、ライトサイドUP。
 前にも何かで見たような、特徴的なマフラー(元車が同じだから当然だけど)。
 エンジン部にある、星マーク付きプレートのリベットはポイント塗装で、決してゴミの付着ではありません。

 

 ハンドル周辺。
 すっきりとして何もない、実にシンプル。
 カブトローにはメーターがあった筈、という人は、オンロード版の発売を待ちましょう(多分ないけど)。

 

 一旦カブトローから離れて、セット付属版の「仮面ライダーストロンガー」を見てみます。
 ストロンガー単独レビューは、こちらから。

 

 左:単品版。
 右:セット版。
 最初にアナウンスがあった通り、今回は単品・セット版の区別は全くありません。
 ストロンガー本体だけでなく、付属のエフェクトや交換用手首、マフラーまで、全て同一です。
 まあ正確には、ハンドルを握る手首が一組追加されていますが、それはカブトロー単品版のパーツなので。
 せめて、風になびいているマフラーくらい新規で付けてくれても良かったのに。

 

 ストロンガーを、カブトローに搭乗させてみます。
 通常走行スタイルは、やはりテール付きの方が映えます。

 

 詳しくはストロンガーのレビューで触れますが、可動範囲の制約の影響で、今回は搭乗があまりスムーズに行えません。
 全く搭乗出来ないという事ではなく、ちょっとやりづらいというレベルですが。
 尻の位置が前寄りになり易かったり、腕の開きや角度がおかしくなりがちだったりしますが、この辺は愛を持って微調整。

 

 ウィリー再現などに必要な、魂STAGE接続用ジョイント付属。
 ジャングラーやクルーザー同様、本体下にはめ込むタイプです。
 今回、やや接続が甘めに感じますので、脱落に要注意。

 

 後輪用スタンドも、当然付属。
 タイヤが太いせいか、今回も安定性は抜群。

 

 仮面ライダーアマゾンジャングラーと共に。
 ライダー・バイク共に、あまりにも違いすぎるスタイルに、改めて驚かされます。

 

 仮面ライダーXクルーザーと共に。
 ストロンガー劇中では、アマゾンと合流して(というか初対面)から本格共闘に参加しましたが、あまりコンビが連想しづらい組み合わせのせいか、握手のシーンが妙に熱かったのを覚えています。

 

 仮面ライダーV3ハリケーンライダーマンライダーマンマシンと共に。

 

 仮面ライダー新1号新2号新サイクロンと共に。
 新サイクロンはアイシャドウ(?)有の二台揃えが、やっぱり良いですね。
 新2号は、「改造サイクロンセット」付属の旧2号ヘッド+新2号ボディの組み合わせででっちあげた、ナンチャッテ客演版です。

 

 以上、仮面ライダーストロンガー&カブトローセットでした。

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【買ってみて一言】

 商品自体は、当初思っていたよりも楽しめるものでした。
 しかし、販売方法に対する大きな不満点は、無視し難いものがあります。
 セット版は、劇中に出て来ない形態のカブトローだったり、単品版と全く変化のないストロンガーが同梱だったりと、テール付き版が欲しい人にだけリスクが生じるなど、テール付きカブトローだけが欲しい人は、かなりの妥協や我慢を強いられる結果となりました。
 まして、テールなし版は撮影の都合で製作されたいわば代用品で、決してカブトローのメインの姿ではないという見方もあります。
 そういったマニアックなものまで商品化してくれる姿勢はありがたいのですが、それをこういった販売形式にする必要があったのか、疑問を差し挟む余地が大いにあります。
 今後は是非とも、こういう売り方は止めて欲しい所ではあります。

 とはいえ、ストロンガー単品版を持っていなくて、かつカブトローにはテールがないと駄目という人にとってはメリットが高いのも事実なため、なんとも複雑な心境です。
 また、別な見方として。
 ストロンガーが搭乗するカブトローは、殆どがアクション用のオフロードタイプだったこともあって、(人にもよるかとは思いますが)もしオンロードタイプで発売されたら、それはそれで違和感を覚えられた可能性もあるかな? と少々感じました。
 そういう見地で見た場合、オフロードタイプとオンロードタイプの両方の特徴を兼ね備えたカブトローは、これはこれで悪くないのかなという考え方も出来ると思います(実際、筆者はこれで割りと納得出来ています)。
 まあ、一番良いのは、三種類用意して好きなタイプを選んでもらうものにするか、オンロード版・オフロード版を別に出して、オフロード版はテール差換可能にするというスタイルなんでしょうが……難しいんでしょうね、それは。

 ともあれ、これで昭和ライダー初期7人は揃いました。
 次のコンプは、スカイライダーの「スカイターボ」と、スーパー1の「Vマシーン(Vジェット)」「ブルーバージョン」ですが……
 果たしてそこまで完走してくれるのか?
 ハードル高そうですよね、特にハーレー。

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