第133回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「クルーザー」

2015年9月12日 更新

 

 どうやらバンダイコレクター事業部の、昭和ライダーコンプにかける想いはマジモンのようです。
 「ライダーマンマシン」発売も信じがたい事態ではありましたが、とうとうXライダーの愛車まで出してくださりやがりました!
 7人ライダーマシンコンプまで、(改造サイクロン入れて)あと2台。
 しかも、その両方とも商品化情報が既に出ているという状況……え、えらいこっちゃ。

 個人的に、あくまで個人的に!(共感者はいなくていい…)最も大好きな昭和ライダーマシンのため、サイクロン発売当時にうっすらと期待を抱きはしましたが、まさかそれが現実となる日が来ようとは!!
 とにかく、良い意味で恐ろしい展開になっちゃったもんです。
 というわけで、今回は「白い弾丸“クルーザー”」をレビューいたします。

▲ TOP ▲

■ S.H.フィギュアーツ クルーザー

 

 2015年3月24日〜2015年5月31日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
 2015年8月20日配送開始(21日頃到着)。
 同時配送物は、下記参照。
 2015年8月のラインナップは、以下の通り。

  • 8/8「仮面ライダードライブ タイプデッドヒート」「ルーク・スカイウォーカー〜EpisodeVI(STARWARS)」
  • 8/20(配送開始日)「仮面ライダーX&クルーザーセット」「キュアソード(ドキドキ!プリキュア)」「仮面ライダードライブ タイプテクニック」(すべて魂ウェブ限定)
  • 8/22「仮面ライダーアギト グランドフォーム(真骨彫製法)」
  • 8/26(配送開始日)「ハートロイミュード(仮面ライダードライブ)」「インペリアルドラモン・パラディンモード(デジモンアドベンチャー02)」(すべて魂ウェブ限定)
  • 8/29「アイアンマン マーク45(アベンジャーズ2 AOU)」「矢澤にこ〜僕らは今のなかで(ラブライブ!)」

 全長は約19センチ(前輪〜リアカウル末端まで)。
 後輪スタンド付属。
 魂STAGE固定用ジョイント付属。
 価格は4,860円(税込)。

 

 クルーザー。
 「仮面ライダーX」に登場するマシンで、仮面ライダーXが搭乗する海底開発用バイク。
 神敬介の父・神啓太郎が建造した海底基地「神ステーション」に収納されており、カイゾーグとなった敬介に与えられた。
 太陽エネルギーと風力、水力という三つのエネルギーを動力源とし、陸・海・空を自在に駆ける能力を持つ。
 自動操縦機能もあり、Xライダーの召還に応じ無人走行で駆けつけるシーンが複数存在する。
 敬介が普段搭乗しているバイクと同一個体(変身と同時に変型)かどうかは、定かではない。
 Xライダーを乗せて上空高く飛翔し、一回転する「クルーザー大回転」や、GOD怪人への体当たり「クルーザーアタック」などの技(能力)がある。

 

 ベース車両は資料によっていくつか説があるが、「仮面ライダーX」に登場したオリジナルはスズキTM250とする説が有力。
「仮面ライダー(新)」に登場したリメイク車体は、スズキハスラーが用いられた。
 昭和ライダーバイクの中でも特に装飾が多いバイクで、撮影中は脱落や破損が多発し、スタッフは修繕に非常に苦労させられたというエピソードが存在する。
 撮影用車両のフロントのプロペラ及び後部のスクリューは動力のないただの飾りで、OPで回転しているのは単純に風を受けているだけに過ぎない。

 

 さて、クルーザーです。
 当時品のポピニカをはじめ、これまで幾度か立体・商品化の機会こそあったものの頻度はあまり高くなく(むしろ低め)、そのため以前はフィギュアーツ化などまずないだろうという雰囲気が漂っていた感があったものです。
 筆者も叶うことなどないだろうと思い込んでいたので、今回の商品化は本当に嬉しかったものです。

 

 それまでのライダーバイクは、ライダーマンマシンを例外とすれば、比較的スッキリまとまったシンプルデザイン&流線型に統一されていました。
 せいぜい「ハリケーン」の、フロントウィングやリアウィングくらいしか目立つ飾りはありませんでしたが、クルーザーはそういった傾向に真っ向から反発するかのような、角ばった&ゴテゴテと飾りのついたデザインでした。
 バイク+飛行機+潜水艦というコンセプトのようにも見受けられ、所々にプロペラやらスクリューやらチューブが付いていて。
 こんなにゴテゴテしているにも関わらず、妙な統一感があるのも特徴で、スマートさこそないものの、好きな人にはたまらないスタイルとなっています。

 

 それでは、本体を見て行きます。
 まずは、フロントビューとリアビュー。

 

 サイドビュー。
 意外とスマートな車体。
 付加要素の割に結構すっきりまとまっている所が素晴らしい。
 フロントのプロペラエンジン? がやや下向きに付いているところがマニアック過ぎて、実に泣かせます。

 

 特徴的にも程がある、フロントカウルとその周辺。
 従来の位置にヘッドライトがなく、風防と重なるような位置に付いているせいか、ともすればデメキンっぽくも見えて面白いかと。
 加えて、本来ヘッドライトがありそうな位置に赤色のインテーク(?)があるせいか、こっちがメインの顔にも思えてくる構成が面白いです。
 風防の銀色部分は、クリアパーツに塗装されているものなので、コーティングをする際にはマスキング必須かと。

 カウルとプロペラエンジンを繋ぐアームの黒い三角の模様は、段差はなくただのプリントで、ここだけちょっと残念。
 左右のプロペラは非常に軽快に回転し、正面から息を吹きかけるだけで結構回ります。
 転倒時の破損に注意。

 

 前輪アップ。
 「ハリケーン」他でよく取り上げたケーブルの不自然な途切れ問題は、今回ありません。
 というか、ケーブルそのものを豪快にオミットしているのです。
 でもそのおかげで、違和感がかえってなくなって良くなった気もします。
 まあ、完全な状態でケーブルが付いていればそれに越したことはないのですが、個人的にはこの処理はアリです。
 ホイール中央付近の黒も、いい味です。
 クルーザーのタイヤは、凹凸(トレッドパターン)が激しいオフロード用のものなのですが、そこはさすがに再現されていません。
 前面に大きく出る部分なので結構特徴的なんですが、ここもちょっと残念ですね。

 

 リアカウルアップ。
 OPでマフラー? から火を噴いていたのが印象的です。
 スクリューは手動で回転可能ですがちょっと固めで、息を吹いた程度ではビクともしません。
 後輪は、いつものようにサスペンションギミック搭載。

 

 仮面ライダーXを搭乗させてみます。
 非常に良いバランスで文句なしなんですが、重箱の隅突きをすると、実はこれでもクルーザー大きすぎだったりします(劇中の実車は意外にコンパクト)。
 でも、これくらいの方が玩具的に映えるので、全然問題じゃないと思われます。
 握り手は、Xライダーにデフォで同梱されているものを使用可能ですが、そのためハンドルグリップがかなり細めになっています。
 転倒による破損注意です。

 

 Xライダーの発売が、2013年5月。
 実に二年以上もの間を空けて、相棒が揃ったわけです。
 Xファンにとって、これほど嬉しいことはないと思います。

 

 ちなみに、今回もライダーとバイクのセット商品として「仮面ライダーX&クルーザーセット」が別途発売されています。
 基本的にXライダーとクルーザーをそのまま合わせたセットなのですが、Xの仕様に若干変化があり、体色がグレーになっています。
 本編注番辺りに良く見られたバージョンのスーツを意識したカラーリングではないかと思われます。
 Xの場合、この色は前期、この色は後期という明確な区分がないため、このような曖昧な表現となりますが、とにかく別バージョンカラーはそれなりにオイシイアイテムだと思われます(買いませんでしたが)。

 尚、この後12月に配送となる「カブトロー」では、過去最悪のバージョン違いが発売されることになってしまいましたが……

 

 後輪スタンド。
 いつものアレですが、今回の安定性はまあまあ。
 クルーザーは、劇中でも本当に無人状態で走っている遠景シーンが多々あったので、Xを乗せていない状態でもこれを活用する意味が出てきます。
 ええ、バトルホッパーアクロバッターみたいに、足元だけしか見せない無人走行じゃなくて、本当に誰も乗っていない状態で走っているのです。

 

 ――どうやら実際は、バイクの反対側(カメラの死角になる側)に運転する人が身を隠して、無茶な姿勢で動かしていたらしいんですが。
 しかし、それでも「そうは見えない」シーンもあったりして、本当に興味深かったものです。
 個人的に、これとロードセクターは、無人走行シーンを上手く表現した(された)バイクだと思っています。

 

 最近定着し始めた感のある、魂STAGE固定用ジョイント。
 今回も、外付け式になります。

 

 クルーザーは劇中でも「浮いてる」ことが多いバイクだったため、このパーツはもはや必須といえるでしょう。

 

 こうなるとやりたくなるのが「クルーザー大回転!」。
 意外と出来ちゃうものなんですね。
 Xもクルーザーも軽めなため、適当にクリップを掴ませても、バランスさえ取れていれば案外いけるみたいです。

 

 最近になって思うようになったんですけど、クルーザーは、白バイに通じるかっこよさがあるような気がします。
 勿論、白バイとは全然似てない姿なんですけど、ボディカラーと、フロントカウル周辺に付いている各種装備とそれによるボリュームアップ感が、何となくそう感じる気がしてならないんですよね。

 

 ただ非常に残念なことに、今回の白部分は成形色です。
 ご存知の通り、白プラは経年劣化による黄変色が高確率で起こりうるので、これはなんとか白塗装を行って欲しかったものです。
 「マシンデンバード」の時も思ったんだけど、ホント、白成形色に関してはもうちょっとだけ気を使って頂きたいところです。

 

 先輩ライダー4人及びそのマシンと共に。
 これだけでも、実に壮観です。
 本当なら、ここに加えてジャングラーも並べるべきなんですが、Xとアマゾンの初対面が「仮面ライダーストロンガー」最終エピソードなので、何となくここに加えるのに違和感がありました。

 

 以上、クルーザーでした。

▲ TOP ▲

【買ってみて一言】

 個人的思い入れもあって、どうしても評価が上乗せされまくりなんですけど、出来は非常に良く安心の完成度です。
 プレバン限定がもったいないくらいで、是非とも一般で出て欲しかったものですが、まあ知名度的に厳しいだろうことは火を見るより明らかで……
 ともあれ、Xライダーが好きで、更にクルーザーファンには、かけがえのないものになるだろう可能性が非常に高いアイテムです。
 このサイズで、より充実度の高いクルーザーが今後発売されるかどうかも読めませんし、まさに今買うしかないものなのでしょう。
 しかし、既に受注も終わって久しい状況なので、中古屋かオークションに頼るしかないのが残念でなりません。

 

 この後、10月に「改造サイクロン」が一般発売、12月に「カブトロー」が二種類、プレミアムバンダイで発売されます。
 それが出揃って、ようやくストロンガーまでの昭和ライダー&バイクがコンプリートされます(細かなバージョン違いは置いといて)。
 果たして、「スカイターボ」や「ブルーバージョン」、「Vマシーン(Vジェット)」は発売されるのか?!
 期待せずにはいられませんが、「Vマシーン」と「Vジェット」をそれぞれ別売りにするとか、そんな売り方はしないで欲しいと、切に願う次第です……←杞憂に終わりました。

 

「人生に玩具あり 2式」トップページへ戻る