第135回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダー旧2号&サイクロン号(改造Ver.)セット」

2015年11月26日 更新

 

 2013年8月発売の旧サイクロンから、早や二年以上。
 その間、新サイクロンが二種類も出たり、V3以降のマシンも(あまつさえライダーマンマシンまで)出たりと、驚くべき展開をしてきましたが、肝心の「改造サイクロン」がなかなか出ない! とやきもきされた方は、日本全国に二十億三千万人くらいいたと推測されます。
 しかし、この度! ようやく改造サイクロンがフィギュアーツ化しました!
 しかも、2013年12月度配送のWEB限定「仮面ライダー旧2号」のバージョン違いとセットで!(単品もですが)
 というわけで、今回は改造サイクロンと仮面ライダー旧2号のセット版をレビューしたいと思います。

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■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー旧2号&サイクロン号(改造Ver.)セット

 

 2015年10月17日発売。
 同時配送物は、下記参照。
 2015年10月のラインナップは、以下の通り。

  • 10/15(配送開始日)「仮面ライダーシグルド チェリーエナジーアームズ(仮面ライダー鎧武)」「ホースオルフェノク(仮面ライダー555)」「ゴールデンフリーザ」「ウォーマシンMARK-II(アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン)」(すべて魂ウェブ限定)
  • 10/17「サイクロン号(改造Ver. 単品)」
  • 10/23(配送開始日)「武装チェイサーセット(仮面ライダードライブ)」「超サイヤ人ゴッドSS(超サイヤ人)孫悟空」「セーラーV(美少女戦士セーラームーン)」(すべて魂ウェブ限定)
  • 10/24「仮面ライダー3号」「木之本桜(扉をあけて)」

 仮面ライダー旧2号と改造サイクロンのセット。
 仮面ライダー旧2号号全高は約14.3センチ(頭頂部まで。ツノ除く)。
 改造サイクロン号最大全長は約18センチ。
 合計5種10個の手首付き(フィギュアの手首含む)。
 交換用マフラー一点付属。
 後輪固定用スタンド付属。
 専用台座などはなし。
 魂STAGE固定用ジョイント付属。
 価格は7,884円(税込)。

 

 サイクロン(改造Ver.)、通称「改造サイクロン」。
 「仮面ライダー」14話より登場した二台目のライダーバイクで、劇中では特に新規車両であるといった説明はない。
 第1話から使用されていた通称・旧サイクロン(オンロードタイプ)と異なり、オフロードタイプ(厳密には純粋なオフロードではない)のベース車を用いたことで、よりアクションシーンへの対応力が向上したタイプ。
 旧・新1号2号の全て(桜島1号含む)が搭乗経験を持つ、唯一の車両でもある。
 垂直走行(壁面吸着?)能力と、救助用ロープ射出機能を搭載しており、その一部はOPなどで見ることが出来た。

 本郷猛が普段使用していたバイクに、前後カウル等を新造・移植して完成されたもので、ベース車両はホンダSL350K1またはホンダCB350DTと云われている。
 旧サイクロン同様、大まかに分類して三種類のバリエーションがあり、カウル形状等の差異によってA〜Cタイプという呼称が存在する。

 劇場版「仮面ライダー対ショッカー」のOPでは、二台の改造サイクロンに乗った1号(桜島Ver.)と旧2号が併走するという、その後の本編では実現しなかった映像が存在しているが、その際に使用された二台目の改造サイクロンは、41話で出番を終えた旧サイクロンのフロントカウルやマフラーを移植されたもの。

 

 改造サイクロンは、14話から67話まで、通算53話と、ほぼ4クールに渡って登場した最も露出度の多いバイクだったが、その後も72&73話で登場し、「仮面ライダー」本編ではこれが最後の出演となった。

 その後、「仮面ライダー(新)」用にベース車を改めたリメイク版とも云える車両が製造され、ゲスト出演の1号が搭乗したが、各部の形状がかなり異なっており、特に筒状になったライト(フロントカウル)は出目金を思わせる特異な形状となり、同作で2号が搭乗した(これまたリメイク車両)新サイクロンと併せて、通称「ブザイクロン」などとファンに呼ばれたことがあった。

 

 さて、改造サイクロンです。
 「仮面ライダー」劇中で最も登場していたマシンなのですが、何故か後回しにされてようやく発売です。
 仮面ライダー1号2号の代表的バイクで、大ヒット商品となった「ポピニカ」版も、この改造サイクロンがベースでした。
 何はともあれ、出てくれて本当に嬉しいライダーバイクで、昭和ライダー&マシン勢揃い(※第一期まで)まで、遺すところあと1台「カブトロー」のみとなりました。
 凄いところまで来ちゃったもんだなぁ……

 

 フロントビュー&リアビュー。
 実車に比べると車高が高めで、タイヤ幅も細め。
 そのせいか、ややのっぽになった感もあります。

 

 サイドビュー。

 

 フロントカウルアップ。
 旧2号が搭乗していたのは、横幅が狭く縦長のカウル(Bタイプ)なので、今回のこれはどちらかというと、新1号以降に登場したCタイプと解釈した方が良いようです。
 独特な形状の風防から前輪上部にかけてのカーブライン、二つのダミーライト、立花レーシングチームのエンブレムなど、なかなか良い雰囲気を出しています。
 細かな差異は当然ありますが、個人的にはここまでやってくれていれば充分かと。

 

 今回の「ここまでやるか」ポイント。
 なんと、フロントカウル裏側には、ベース車量のライト(丸一灯)が隠されていました。
 先の通り、改造サイクロンの実車のライトはダミーだったので、形状的にはこれで正解。
 しかし、なんだかすごくニヤリとさせられてしまうポイントですね。
 どうやら、エンブレム裏側からライトにかけてネジ留めがされているらしく、このままではフロント&リアカウルを外して「アクションシーン用サイクロン」再現とは行かないようです(ヘッドライト側面のウィンカーランプもないですし)。

 

 ちなみに、今回は予備のハンドルが付属していないのですが、ハンドルそのものは、これまで同様外せる仕様になっています。
 ジョイント軸が短いので、一旦癖が付くと外れる頻度がやや高まるかもしれないので、紛失にはくれぐれもご注意です。

 

 前輪アップ。
 今回はブレーキケーブルがありますが、実車同様銀色になっています。
 タイヤ自体はドレッドパターンのおとなしめないつもの奴で、改造サイクロン=荒々しいほど激しい凹凸のあるタイヤというイメージの方には、些か違和感があるかもしれません。

 

 エンジン部周辺。
 特に凝った造りではないのですが、質感はなかなかのものです。
 地味な箇所ながら意外に目を惹く増設カウルとの組み合わせ状態も、非常に良く再現されています。

 

 リアカウル、後輪、マフラー周辺。
 リアカウル形状は、ヒップアップ型でリアフェンダーが見える後期のタイプです。
 リアカウルの三角形状の模様はありません。
 後輪は、今回もいつものサスペンションギミック搭載。
 独特な形状のマフラーは、きちんと開口されています。
 後輪スタンドについては、また後ほど。

 

 ほぼ一年前、2014年10月に発売された「新サイクロン(単独発売版)」と共に。
 こうして比較すると、実際はかなり小振りな車体だった改造サイクロンが、結構大型化しているのがわかるかと思います。

 

 旧サイクロンと共に。
 映像では最後まで併走シーンがなかった組み合わせですが(40話撮影時に撮られたものの採用されなかったそうで)、本商品の発売でいくらでも演出できるようになったのは、実に嬉しいものです。

 改造サイクロンの仕様はこんなところで、次は仮面ライダー旧2号に触れてみます。

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■ 仮面ライダー旧2号:

 

 セット版同梱の、仮面ライダー旧2号です。
 先の通り、2013年12月配送のプレバン限定旧2号が既に出ていますが、今回のものは若干バージョンが異なっています。
 一番大きな特徴は、クラッシャー(顎)部分が細くなっている、後期旧2号マスク的な解釈が施されている点でしょうか。

 

 前後比較。
 今回の各関節部はかなりきつめで、ユルユルに感じられる部分はないかと思われます。
 程好い固さより若干渋めという感じなので、最初はポージングに戸惑う(バイク搭乗も)かもしれませんが、プレイバリューに支障が出るほどではありません。
 むしろ、安心して弄れる具合です。

 

 過去に発売された、フィギュアーツ仮面ライダー2号との比較。
 左がプレバン限定の旧2号、右が新2号
 コンバーターラングの色が、随分暗めに変更されているのがわかります。
 今回の旧2号のボディは、プレバン旧2号(&旧1号&桜島1号)と共通で、今回もボディ側面ライン内にスーツの合わせ目モールドが残っています。

 

 頭部アップ。
 細顎Ver.ということもあって、商品情報公開直後は旧1号のリペじゃないかと考えられていたのですが、どっこい意外にも完全新造でした。
 ツノの形状と大きさ・角度、覗き穴(複眼下の部分)の形状、耳のモールド形状、クラッシャー全体の形状など、かなりの部分が過去商品と異なっています。
 またマスクの色も、完全な黒ではなく、濃い緑とファンを唸らせる配色です。

 

 このマスクの登場により、新2号との差し替えで客演版黒マスク2号が再現可能となりました。
 プレバン旧2号でも一応出来たのですが、こちらの方が違和感なく劇中のイメージに近づけるかと。
 というか、あまりに違和感なさ過ぎて、最初からこれで発売されていればとすら思えてしまう気が。

 

 プレバン旧2号とのマスク比較。
 旧2号と云えばエラの張ったマスクという印象が強いせいか、細顎マスクは違和感が……という人もおられるかもしれませんが、実際旧2号時代の後期では(厳密には26話辺りから)顎が細まったマスクが登場しているので、これは決して捏造ではありません。

 

 プレバン旧2号で大変不評を買ったボディ側面のラインですが、今回ようやく銀色に変更されました。
 ただ、劇中のテッカテカの、どちらかといえば銀というよりアルミっぽかった色合いではなく、ややガンメタ寄りのイメージで、これまたイメージとの違いが気になります。
 プレバン旧2号と比較すると、こんなに違って見えます。
 どうして、素直に銀色にしないんだろう?

 

 旧2号を、改造サイクロンに搭乗させてみます。
 今回、旧2号の関節の固さの都合に加え、サイクロン本体のボディの厚みが関係して、今までの昭和ライダーバイクの中では乗せ辛い感覚です。
 ただ、関節が比較的柔らかい新2号を搭乗させると、特に問題は感じないようなので、旧2号の股関節に若干シリコンスプレー等を吹いて調整すれば、いけるようになるかもしれません。
 というか、個人的にはやっておいた方がいいように思えてなりません。

 

 搭乗スタイルをサイドから。
 ライディングポジションは特に問題なく、尻の接地もステップへの足掛けも普通に行えます。
 また加速時等の前屈姿勢や、ジャンプ時の腰を浮かせた姿勢なども、再現に問題ありません。

 

 今回、マシンがやや大型のせいか、取り回しが些か厳しい感があります。
 時に、片足をついてマシンを支えるポーズは、尻の位置を降ろす脚の側に若干ずらしてやらなければなりません。

 

 お馴染みとなった魂STAGE接続用ジョイントは、ジャングラーハリケーンクルーザー同様の外付式。
 保持力は充分なので、魂STAGE支柱のネジさえしっかり締められていれば、浮かせた状態で飾ることも出来ます(転倒が怖いですが)。
 まあ、後輪スタンドと合わせてのウイリー状態で飾るのが、無難なところでしょうか。

 

 今回も、後輪用スタンドパーツが付属します。
 後輪の安定性は非常に高く、こんな姿勢でも安定してしまいます。
 試しにこの状態でどれだけ姿勢保持出来るか実験してみたのですが、一晩以上持ちました(結局回収するまで転倒はなかったです)。

 

 桜島1号を搭乗させてみました。
 こちらの組み合わせが好きという人も多いかと。
 筆者も個人的に好きです。

 

 桜島1号も、本商品と同じ17日に再販されましたが、近年の定価上昇前の商品なせいか、異様に安く感じられます。
 割引店だと、2000円ちょいとくらいで買えちゃうしなあ。

 

 「仮面ライダー新1号&新サイクロン号セット」同梱の、緑頭新1号を乗せてみます。
 この組み合わせは、実際に劇中でもあったもので、個人的にかなり好きです。 改造サイクロンもこの形状のものだったので、ある意味最もベストマッチな組み合わせかも?

 

 単品版新サイクロン&新1号と、ボディを新2号と挿げ替えた2号の組み合わせ。
 このパターンで揃い踏みしたエピソードにちょっと心当たりがないのですが、なんとなく好きですこういうの。

 

 新2号+改造サイクロン。
 この時は確かAタイプだったような気がしますが、細かいことは気にしない方向で。

 

 二台の新サイクロン(単品版)と共に、新1号と客演版2号(本商品2号+新2号)の組合せなど。
 2号の頭しか、本商品のパーツないじゃん!

 

 スカイライダー客演版のイメージで撮影。
 バイクは、スカイ客演時に乗ってた通称「ブサイクロン」に近い、初期型新サイクロンで。

 

 最後に、パッケージを。
 「仮面ライダーギャレン&レッドランバスセット」から始まるバイクセット型のレイアウトパターンです。
 箱の大きさも、だいたい同じくらいです。

 

 ブリスター内訳。
 今回も、ライダーとバイクのブリスターは一体式になっています。

 

 以上、仮面ライダー旧2号&サイクロン号(改造Ver.)セットでした。

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【買ってみて一言】

 個人的には、バイクより旧2号の方に旨味のある商品構成だったように感じます。
 リデコではあるのですが、非常にツボを突いた良い出来で、プレバン旧2号の不満点の多くが解消されているのは、本当にありがたいことです。
 プレバン旧2号と頭部を入れ替えるのも、ありかもしれませんね。

 一方の改造サイクロンは、バイク玩具としては非常に良く出来ているのですが、やはり比率的にやや大きすぎる車体や、何故後期バージョンを(搭乗していない)旧2号と合わせたのかなど、細かな不満点が見られます。
 恐らく、ベースになっているバイクの型が過去に商品化されたライダーバイクと同じために発生した問題点かとも思うのですが、ここはトライチェイサーのように、専用のベースを構築して欲しかったと思えてなりません。
 このため、仮に単品版を初期型のカウルに変更したとしても、車体の大きさのせいで違和感が強まっただけだったのではないかと。
 そう考えると、非常に惜しい商品だったと思えてなりません。

 

 それでは全てがダメかというと、決してそういうことではありません。
 サイズ比を気にせず単独で見た場合はかなり満足度が高く、またヘッドライト部分などニヤリとさせられるニクい点もあって、これはこれで充分魅力的です。
 また、平成以降のライダー映画用に新規製作された新サイクロンのように、新しく製造された新・改造サイクロンといった風に脳内補完するのはアリじゃないかと個人的に考えます(筆者はそれで納得しています)。
 
 サイクロンに対して深い拘りをお持ちの方には納得出来ない完成度かもしれませんが、だからといってそれだけで切り捨てるのはとても惜しい。
 本商品は、そんな性質がある物ではないかと、筆者は思っています。

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