第73回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーアマゾン」

2011年9月19日 更新

 

 S.H.フィギュアーツ・昭和ライダー第二弾登場!
 「仮面ライダー新1号」に続くのは、意外にも仮面ライダーアマゾン。
 「仮面ライダーディケイド」にも出演し、近年知名度が高まった感もある異形のライダーが商品化しました。

■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーアマゾン(通常版)

 

 2011年9月17日発売。
 同時販売物は、「仮面ライダーカイザ(仮面ライダー555)」。
 2011年9月の販売(配送)ラインナップは、以下の通り。

  • 9/3  「野比のび太(ドラえもん)」
  • 9/23 「ワイルドタイガー(TIGER&BUNNY)」「ゴーカイレッド(海賊戦隊ゴーカイジャー)」
  • 9/29(配送開始日) 「カザリ(仮面ライダーオーズ)」「シンケンピンク」「シンケンイエロー(侍戦隊シンケンジャー)」「銀牙騎士 絶狼(牙狼)」

 全高は約14.7センチ(頭頂部先端まで)
 合計4種7個の手首付き。
 コンドラー分離状態(本体・棒部分)各一点付属。
 コンドラー・ロープ一本付属
 「ガガの腕輪」と合体した「ギギの腕輪」一点付属。
 交換用マフラー一点付属
 エフェクトパーツ付属。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込3,150円。

 

 仮面ライダーアマゾン。
 シリーズ4作目の主人公で、6号ライダー。
 モチーフはマダラオオトカゲと云われているが、そのような名称の生物は実在しない(マダラトカゲモドキという生物なら実在する)。

 アマゾン上空で発生した飛行機事故に巻き込まれながらも、奇跡的に助かった赤子・山本大介は、その後23年間をジャングルの中で過ごし、文明を知らない野生児として成長した。
 だがある日、アマゾンの奥地に隠れ住んでいた古代インカ一族が、十面鬼ゴルゴスに襲撃される。
 十面鬼が狙うインカ文明の秘密を守るため、長老バゴーは大介に改造手術を施し、「ギギの腕輪」と呼ばれるアイテムを授けた。
 バゴーが死の間際に残した「日本へ行け!高坂に会うのだ!!」という暗示に突き動かされた大介は、人間の言葉もろくに喋れないまま船に密航し、日本へ向かう。
 だがそこには既に、十面鬼率いる「ゲドン」の魔の手が迫っていた。
 ゲドンの秘密の手がかりを知る者を次々に暗殺していく十面鬼と、彼に従う獣人そしてジューシャ達。
 ついに高坂に会えたもののゲドンから守り切ることが出来なかった大介は、怒りの叫びと共に変身、異形の戦士となって刺客・クモ獣人を退ける。
 その様子を見ていた“日本で初めての友達”岡村まさひこは、変身した大介の姿を見て「アマゾンライダー」と命名した。

 古代インカ文明の遺した超エネルギーは、ギギの腕輪と、十面鬼の持つ「ガガの腕輪」が合わさる事で出現するという。
 世界征服を狙う十面鬼は、ギギの腕輪を奪うため、大介を狙い始める。
 ここに、大介=アマゾンとゲドンの戦いの火蓋は切って落とされた。

 

 仮面ライダーアマゾンは、本名の設定があるにも関わらずメイン・客演含めほぼ全てにおいて、本名で呼ばれなかった唯一のライダーである。
 正確には、変身前からアマゾンと呼ばれ、以降は形態に関係なく統一呼称されている。
 最初は片言の日本語しか話せず、主にジェスチャーで他人との意思の疎通を行っていたが、まさひこの特訓を受けて読み書きや流暢な言葉を話せるようになり、以降はそれまでのライダーと変わりないタイプのキャラとなった(これは路線変更による影響)。
 番組当初は文化に触れた経験の全くない野生児として描かれ、他の人間や文明の利器になじめず嫌悪したり、ホームシックにかかったりする描写があったが、基本的に知能と学習能力はかなり高く、また敵の策略に殆ど引っかからない(それどころか敵の罠を逆に利用する事もある)という、策略家としての一面も持ち合わせている。
 加えて、立花藤兵衛の口頭説明だけでバイクの運転方法を一発で理解・マスターしたり、縄文字(キープ)を読むことが出来たり、現代医学でも解明・治療不能の病気をも治せる薬を調合するなど高い知識も持っており、「(新)仮面ライダー」30話では、筑波洋のために怪人オオバクロンについての膨大な調査資料を作成・送付している(勿論日本語で)。
 このように、様々な場面で獣性と理知性が共存するキャラである事を印象付けた。

 劇中でのアマゾンは、「誰かが変身した特別な存在」というよりは、「アマゾン(大介)のもう一つの姿」として扱われており、本人も特に正体を隠そうとはしていない(ただし、よほどの極限状態にならないと変身しないので、結果的に正体がバレにくくなる)。
 またワイルドな戦法と併せて華麗かつスピーディな技も多用するという性質も持っており、決して単なる暴れん坊ライダーというわけではなく、非常に個性的な存在として描かれていた。

 必殺技は、これまでのライダーキック系とは大きく異なる「大切断で、腕のヒレ(劇中では腕ビレと表現)や脚部のヒレをカッターのように使い、獣人の身体を切り刻むという恐ろしいもの。
 これを食らった獣人は大量の血(体液?)を吹き出し、或いは腕や首を切断されたりと、生々しく残酷な死を迎える。
 また、アマゾンも敵の返り血を浴びながらトドメを刺すなど、ビジュアル的にもショッキングな場面が多く、その部分だけ印象深く覚えているという子供も多かった。

※:ただしキック系をトドメに使った事が全くないわけではなく、イソギンチャク獣人は「アマゾンキック」という技で倒され爆死している。

 

 変身は身体能力に依存+ギギの腕輪によるエネルギー付与※1を受けて行っているため、それまでのライダーとは異なりベルトは全く関与していない。
 「コンドラー」と呼ばれるベルトは所謂便利ツールの集合体で、劇中でもそのように活用していた。
 ギギの腕輪はアマゾンのエネルギー供給源であると同時に生命線でもあり、これを奪われる事は死を意味する(そのため絶対に外せない)。
 劇中では最重要アイテムとして扱われ、「ガガの腕輪」と合わせることで古代インカ文明が生み出した超エネルギー解明の謎が解けるとされている。
 しかし、実際はギギの腕輪だけでもかなりのエネルギーを発揮可能で、18話ではハンミョウ獣人の罠に嵌り地下1000メートルもの深さで生き埋めにされるも、鉄をも溶かす高熱を出す能力と、背ビレと腕ビレを激しく作動させて全てを突き破る能力をアマゾンの身体に付加し、脱出を敢行させた。
 また19話では、フクロウ獣人の攻撃で盲目化した際に即効で回復を促すなどのヒーリング能力をも発揮した。
 最終回では、ゼロ大帝の翳したガガの腕輪を引き寄せて合体、アマゾンに急激なパワーアップを施し、ゼロ大帝の変身阻害ビームの影響を受け付けなくなった。

 専用バイク「ジャングラー」は、高坂博士がアマゾン(地名)から持ち帰った設計図※2を基に立花藤兵衛が作り出したもので、意外にも変身前の使用率の方が高かった。
 カウル内部にロープ付の銛を射出する機能があり、これでアカジューシャのバイク部隊を攻撃したこともある。

※1:最終回のゼロ大帝のセリフによる。
ゼロ大帝の持つ矛先から放つビーム(実際は火花)がギギの腕輪と同調、瞬時にエネルギーを奪うためアマゾンの変身が即時解除されてしまうと説明されている。

※2:設定上ではバゴーが作った設計図とされているが、劇中では上記以外の説明がない。

 

 仮面ライダーアマゾンは、その後「仮面ライダーストロンガー」「(新)仮面ライダー」「仮面ライダースーパー1(劇場版)」「仮面ライダーZX(特番)」「仮面ライダーBLACK RX」に客演したが、その後約20年振りに「仮面ライダーディケイド」に登場する。
 ただし、ここではいささか設定が異なっており、「アマゾン個人の設定が違う」「岡村姉弟が協力者ではない」「モグラ獣人がいない」「大ショッカーの支配下にある世界」「ギギの腕輪が外れても死なない」などの特徴が見て取れた。
 また、劇中に登場するガガの腕輪もデザインが大幅に異なっていた(ギギの腕輪と対になる形ではない)。
 その他、同作劇場版にも登場しているが、これもディケイド本編登場時の設定とは異なる可能性が高い。

 

 さて、フィギュアーツ仮面ライダーアマゾンです。
 まずは、前面・背面比較。
 破綻も少なく非常にバランスの良い体型です。
 所々に注目箇所がありますが、それはおいおい。

 

 まず体表の赤い模様ですが、今回はそれぞれ縁彫りが施されており、その内側に彩色するという形が取られています。
 このため、縁の彫り込みが気になってしまう人も出てくると思われますが、逆に言えば塗装のはみ出しが抑えられ、或いは気になりにくくなるという利点の方が大きく、むしろ良い結果に結びついていると思います。
 少なくとも、撮影に使用した物は殆ど問題がなく、むしろよくここまでしっかり塗ってくれたもんだと驚くほどです。

 中には、頭部と身体の緑色に違いがありすぎて違和感を覚える人がいるかもしれませんが、実はこれ、本編以上に違和感を抑えられています。
 実際に撮影に使われたスーツも、マスクの色は濃くスーツの色は薄かったのです。
 特に、後期の赤い胸バージョンになってからは殆ど「戦隊シリーズのグリーン」に近い、明るめのエメラルドになってしまいました。
 そうして考えると、まだ緑色らしい緑色をしているだけ本商品の方が良いバランスなんじゃないかなとも云えます。

 

 胸は、前期の黄色いグラデ有りのバージョン。
 10話以降の、赤くなったバージョンとの交換などは残念ながらありません。
 今回、胸部にちょっとした仕掛けがあり、胸板がある程度独立可動するようになっています。
 画像は、左右の胸板を取り外した状態。
 このようにボールジョイントを配することで、分厚い胸パーツが腕に干渉しても逃げ道が作れるようになり、結果可動範囲を妨げないという効果を生み出しています。

 ――というと画期的に感じられますが、実際には目に見えて大きく貢献しているという程ではないです。

 

 胸板の可動は、上下左右のぶれ幅はさほどなく、むしろ回転幅の方が大きめです。
 このため、腕を前方に翳した場合に上腕が干渉しやすい胸板上部が回るというのは凄いアイデアです。
 ですが、両胸板が中央に寄せられる(所謂寄せ胸状態)にはしづらいため、画像のような動きのポーズを取らせたい場合はあまり役に立ちません。
 アマゾンは、胸板パーツを外して両腕を交差させると、両方の肘がもう少しでクロスするというくらいまで動かせるのですが、胸板がはまっていると前ならえ程度までしか動かせません。
 せっかく肩部分の可動範囲が広いのにもったいない話ですが、ではどうすれば良かったかという代用案も簡単には出て来ませんから(軟質素材にするというのは癒着問題もあってナンセンスですし)、ここはとても評価が難しい所だと思います。

 

 頭部アップ。
 赤い模様は、一部省略? もあるものの、かなり細かいラインまで丁寧に塗られています。
 額のシグナルはクリアパーツ。
 クラッシャーは開閉可能で、交換式ではありません。
 オープニングで見られる牙は、やっぱり付いてませんでした。

 複眼のパターンが間違っているのも、本商品の特徴です。
 アマゾンはよく「複眼パターンが存在しない」とか言われてますが、実際は細かい丸状のパターンが施されていて、これは「ライダーマスクコレクション」でも再現されています。
 また、朝日ソノラマから刊行された「仮面ライダー立体資料集」にもマスク実物写真と共に表記されています。
 大きさの問題もあり完全再現は厳しいとは思いますが、こういう時こそ「シャドームーン」のパターンを用いるべきではなかったかなと思ったり。

 

 口を思い切り開いた状態。
 口内を表す赤い部分が円筒状(写真では中心が角張って見えますが)になっているせいで、あまり奥行きが感じられません。
 「仮面ライダーギルス」や「エクシードギルス」に匹敵する、素敵な笑顔。

 

 首が横方向に曲がる(傾げる動作)が可能なため、「ジャガーショック」の再現も可能です。
 顎の上げ下げ幅が広いのも、アマゾンにはありがたいことです。
 これで、お気に入りのフィギュアーツに好きなだけかぶりつかせる事が出来ます。

 

 ケケケケーン!(シャキィン、シャキィン!!)

 そういえば、勝利のポーズがあるヒーローって珍しいですよね。
 パッと思いつくのは、他にヤッターマンくらいしかないや僕。

 

 かじり取った相手の身体の一部をくわえたまま、構えを取るのもアマゾンの個性です。

 実際は、顎の保持力だけでパーツを支えるのは困難ですが……

 

 背中部分の構成。
 アマゾンには背ビレがあるため、どのように可動を確保しているかは、特に気になる点だと思います。
 実際には、写真のように上中下と三分割されています。
 上部1/3と中部1/3が胸部裏に、下部1/3が腹部裏に付いています。
 なんでこんな構成なのかと言うと――

 

 3つのヒレは真横三分割ではなく、中のパーツが上下パーツの横から食い込むような特異な配置になっています。
 これは、前屈させた際に背ビレがなるべく途切れないように、かつ横方向の捻りを加えた際に動きを制限させないための処置です。
 一見意味不明の構造なんですが、実際に手にとって動かしてみると、アイデアの秀逸さが理解出来ます。 

 

 中部ヒレの根元だけはボールジョイントが仕込まれていて、捻りに対応出来る構造になっています。
 何故ここだけこんななのかと言うと、上体を左に捻った時には上部のヒレと、右に捻った時は下部のヒレとのラインが揃うようにするためです。
 実際には、どっちに捻っても上部のヒレに引っ張られる事が多いのですが、出来る限りヒレに途切れを作らないための工夫です。
 この構造を考えた人は、かなり凄いよと本気で思います!

 

 ――と、手放しで喜べない事もあったりして。
 アマゾンに背ビレがあるせいで、意外な所で困った影響が出てしまいました。
 ここ最近の仮面ライダー系フィギュアーツのように、腰部などに版権表記が行えなくなった都合なのか、なんとこんな所に印刷しやがりました。
 ここってさりげに目立つ部分なので、マジ勘弁モノです。
 気になって仕方ないという人は、いっそ塗りつぶしてしまってもいいかもしれません。

 

 股関節は、もはやお馴染みの引き出し式。
 また腰部関節も「New電王」のスライドタイプを用いているため、非常に前屈しやすい構造になっています。
 これらを組み合わせると、跪くような姿勢も難なくこなせてしまいます。

 

 反面、背中を反らせる事は殆ど不可能です。
 言うまでもなく、これも背ビレの影響……と思いきや、実は違いました。
 単に上体を支える軸が中心にあり、のけぞらせるためのスペースを確保してないことが原因のようです。
 これは、背ビレの一部を取り外してみればすぐにわかります。
 一応、腰部分で若干の反らしが可能ではあるので、劇中で印象深い「ヘンテコ宙返り」はそれっぽく再現可能です。
 前方宙返りを逆再生している方ではなく、本当に後方宙返りしている方ね。

 

 ギギの腕輪、装着状態でアップ。
 半円状の輪っかと、上部のジョイントによる二点? 保持で、勝手に外れることはまずありません。
 目の塗装が劇中のものと異なり、白目がなく赤一色になっています。

 

 ギギの腕輪を取り外すと、こんな感じです。
 アマゾン死んじゃう、あああ、あまじょん死んじゃうよ!
 DCDアマゾンは死なないけどね!

 

 「ガガの腕輪」と合体した状態の腕輪パーツも付属。
 これで、最終回のゼロ大帝大虐殺シーンも再現可能です。
 ゼロ大帝の可動フィギュアなんかないけどさ!

 

 上は、ノーマル状態のギギの腕輪。
 下は、ガガ&ギギの腕輪。
 ガガの腕輪は、劇中と違い完全な輪っか状ではありません。

 

 「コンドラー!!
 万能ベルト・コンドラーは差し替えで分離状態が再現可能です。
 設定上は、ノコギリになったり薬を調合するスリコギ? になったり、ロープになったり大針になったり、赤い目の部分は火打ち石になったりと凄く応用性が広いのですが、劇中では殆どロープしか使ってませんでした。
 また、変身前の使用頻度の方が高かったのも特徴です。

 

 本商品では、最も使用頻度が高かったロープバージョンのみ付属。
 10話で黒ネコ獣人の右目を刺し貫いた、針バージョンは付属してません。
 ロープはPVC製で長さはこんな感じです。
 割と柔らかめなので、軽く曲げる程度なら問題なしです。
 本編ではとてもベルトに収まるとは思えないくらい長かったのですが、まあアクションフィギュアの付属品としてはこんなものでしょうか。

 

 ロープ用の持ち手は左右付属。
 これでいつでもジャングラーが待てるというものです。
 劇中のロープは、逃げる敵を捕らえたりビル間の移動に使用したり、トゲつき落とし穴からの脱出に用いたりと非常に活用の幅が広かったので、今回付属したのも納得といったところでしょうか。
 そういえば、カニ獣人に切断されても元に戻る素晴らしいトカゲっぷりを披露してくれたこともありましたね。

 

 コンドラーの能力初披露は2話の戦闘時からでした。
 ターザンキック? をかます時に、さりげなく利用していましたね。
 ケケケケーン。

 

 今回最大の目玉とも言える「大切断」エフェクトパーツ。
 物凄い大振りのもので、パッケージの上下にまたがりそうなほどデカいです。
 2パーツ構成で、このようにアマゾンの「大切断用右手首(親指を折り畳んでいる平手)」に接続して使用します。
 ちなみに、左手首はありません。

 

 正面から。
 エフェクトパーツは2パーツ構成で、手首をサンドイッチするように接続・保持します。
 手首関節にモロに負担がかかるため、飾る際は関節の角度に気を配ったり、エフェクトパーツを接地させる・魂ステージで支えるなどの工夫が必要でしょう。
 こんな構造なので、他のフィギュアーツに応用するには、いささか難があるかもしれません。

 

 エフェクトパーツ右側の断面。
 ちょっとわかり辛いですが、四本指を挟み込むための溝が設置されています。

 

 ガガ&ギギの腕輪を着けて「スーパー大切断」!
 ……と言いたいところですが、劇中のスーパー大切断って後期の大切断と全く区別が付かない(呼称が違うだけ)なので、全然派手さはないんですけどね。
 「仮面ライダーSPIRITS」で披露した、超ド派手なスーパー大切断を期待すると、あまりの落差に首がポロッと落ちそうってなもんです。

 

 どうでもいいんですけど、大切断って手のひらではなく、袖口の腕ビレで切断する技なので、このエフェクトパーツはあまり正しくないんですよね。
 ただ、劇中でも手刀でカットしているように見える場面がたまにあったので、そこにこじつけることも可能ではあるんですが。

 

 本商品は、もはやすっかり定着しつつある非ダイキャスト。
 そのため、自立性はあまり高くなく、微妙な関節の調節具合に頼らなければなりません。
 足首の関節は新1号と同じですが、若干軸が長いように思え、自由度が高まっています。
 色々不満はあるものの、各関節は程よく固めで保持力も高いので、魂ステージなどを併用すれば色々楽しく飾れると思います。

 って、ごめん嘘。
 どうやら、今回も股関節や肩関節がギチギチするケースが多いようなので、またまたシリコンスプレーのごやっかいになる可能性が高いです。

 

 白いマフラーは、垂れ下がっている状態となびいている状態の2種類で、差し替えで利用します。
 ですが、根元の可動部が左後方に位置する前提で作られているためか、胸に垂れかけさせたり、動きに合わせて右側になびかせたりするのはいささか困難です。
 一応、首の輪部分で位置調整も出来るんですが、ちょっともにょもにょしてしまいがちです。

 

 ここから、適当にアマゾンのアクション再現。
 特徴的な膝曲げジャンプ(コンドルジャンプ)。
 変身前後問わず多用していたポーズなので、一体感がハンパなかったですね。

 

 アマゾンのアクションは非常に個性的で、ガランダー帝国編で「既ライダーアクション」と似たような物になってからも、ひときわ輝く動作が見られました。
 そんな中の一つ「キック止め(仮称)」があります。
 これは、ハイキックやミドルキック、或いは踏みつけで一旦動きを止め、相手を制するというものです。
 激しい動きの中で突然加わる「静の動作」が、アクションにメリハリを加えていました。
 実際にやってみるとわかるのですが、アクターにはものすごいバランス感覚と筋力が求められます(特に喉元でキックを止める場合など)。

 やられ役「カニ獣人代理」は、数年前のアイドル「ボルキャンサー」。

 

「大! 切!! だぁ――ん!!!」

 飛び上がって腕ビレで斬りつけるバージョン。
 技名を叫ぶようになったのは、意外と遅くて対獣人ヘビトンボ戦と十面鬼戦からでしたね。
 初期の、近接戦からザクザク斬りまくるのも好きなんですが、やっぱりこっちの方が必殺技っぽくて好きです。

 

 一の太刀後、突然スローモーションになる演出も好きでした。
 吹き出すムース……もとい、獣人の血エフェクトが欲しいところです。
 この後、2〜3回さらに斬りつけるところが魅力です。

 

 二の太刀。
 横斬り。

 

 さらに、三の太刀。
 斬った直後のアマゾンのポージングが、痺れるくらい格好良かったものです。

 蟹よ今宵もありがとう。

 

 「仮面ライダー新1号」との比較。
 昭和ライダー、先はまだまだ長いです。
 次に控えしは、新2号。
 V3以降も、早く欲しくなってしまいますね。

 

 「仮面ライダーディケイド激情態(頭部はノーマル)」との比較。
 ディケイド放送時、アマゾン客演という情報はにわかに信じられないものがありましたが、本当にやっちゃいましたね。
 アレのせいで、アマゾンの知名度が妙に高まったという噂を聞きますが……
 ディケイドには、「Xの世界」も出たよね?!

 

 十面鬼ユグ・キミルと対峙した際のイメージで、「仮面ライダーディエンド」「仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム」との比較……というか、揃い踏み。
 そういえば、最終的にガガの腕輪を着けたのはコンプリートフォームの方でしたね。

 

 以上、「仮面ライダーアマゾン」でした。
 とにかくあまじょーんに思い入れがあって、かつ手軽にガシガシ動かせるフィギュアが欲しいという人にはお勧めです。
 ただし、リキッドストーン原型アーツ特有の癖(上腕ロールがないため、腕の角度が思うように作れない)などもあるため、これらが苦手という人は一考の余地有りかもしれません。

 色々疑問点や問題点も目立つものの、それを補って余りある商品だと、筆者は考えます。
 あと、本編を視聴しながら弄った際のテンションの高まりはかなりヤバげなので、これもまたオススメです。

 本商品は、ここで紹介した通常版の他に、「Amazonエディション」という別バージョンが存在します。
 そちらは、通販サイト「Amazon」でのみ購入可能なもので、パッケージデザインが違い、魂ステージに貼れるオリジナルシールが付属しています(価格は同じ)。
 9月中旬現在、どちらもまだなんとか入手可能なようなので、欲しい人は是非検索してみてください。

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【買ってみて一言】

 不安視されていた全身の模様なども順当にクリアし、可動範囲も広く非常に遊び甲斐のある良いアイテムになったと思います。
 一部、かなり実験色の強い部分も見られますが、それを踏まえてもかなりイケてる商品だと言い切って良いでしょう。
 ただ、新1号の時も書いたように昭和ライダーの造形物はいずれもかなり厳しい目で見られがちなため、こだわりが強すぎる人には難点も目立って感じるかもわかりません。
 どの辺に妥協点を見出すか、それとも遠い将来完璧な品物が出るのを待ち望むか。
 この辺りの考え方は人それぞれなので、あまり強く何かを言うべきではないのですが、とりあえず「現時点ではイイ線行ってる商品ではある」とまとめて良いかなと感じる次第です。
 実際、このサイズで破損を気にせず好きに動かせるアイテムってのは、なかなかないですから。

 

 先述の通り、「仮面ライダーディケイド」に単独客演した影響で知名度を高め、その関連もあってかアマゾンは商品化発表時にかなりの反響があったようです。
 またネット予約も早急に終了するなど、平成勢に全く劣らない反響を見せていたのも凄いものです。
 まあ、ライダーの新作アーツならだいたいのものがそうなるとも言えるわけですが。

 さて、次に控える昭和ライダーは、11月予定の「仮面ライダー新2号」ですが、それ以降の発表は現状まだありません。
 一応イベントでは仮面ライダーV3の試作品が展示されていましたが、その前に何か別なものを挟むつもりがあるらしい的な発言がありました。
 昭和ライダーの立体化というと、仮面ライダーXライダーマンスカイライダー以降がハブられるケースが非常に多いのですが、もし本当にV3の前に何か挟むなら、「それを持ってくるか!」と思わず驚くような何かを是非出して欲しいものです。
 個人的にはXが凄く欲しいですけど。

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