第137回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーストロンガー」
2016年1月29日 更新
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「仮面ライダーV3」「ライダーマン」に続き、数年越しの出し遅れレビューです。
このページでは、先にレビューした「カブトロー」セット同梱版ではなく、単独販売版をメインに取扱います。
といっても、セット版のストロンガーも、全く同じ仕様なんですけどね。
■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーストロンガー
2012年7月14日発売。
2012年7月の配送ラインナップは、以下の通り。
- 7/14 「仮面ライダーフォーゼ・モジュールセット03」
- 7/21 「スコーピオン・ゾディアーツ(仮面ライダーフォーゼ)」
- 7/27(配送開始日)「仮面ライダーガイ(仮面ライダー龍騎)」「ハイパーシンケンレッド(侍戦隊シンケンジャー)」「劉鳳最終形態(スクライド)」(すべて魂ウェブ限定)
- 7/28 「仮面ライダー電王ソードフォーム」「ルナティック(タイガー&バニー)」「アキバブルー(非公認戦隊アキバレンジャー)」
全高は約14.5センチ(頭頂部まで。ツノ含まず)。
4種8個の手首付き。
電撃エフェクトパーツ一組(3パーツ構成)付属。
専用台座はなし。
初版時価格は3,150円(税5%時)。
仮面ライダーストロンガー。
毎日放送・TBS系にて、1975年(昭和50年)4月5日から12月27日まで全39話放送された、「仮面ライダー」シリーズ第5弾にして、シリーズ第一期の最終作品。
主人公・城茂は、悪の秘密組織ブラックサタンの秘密を知ってしまった友人・沼田五郎の仇を討つため、自ら進んでブラックサタンの改造手術を受け電気人間ストロンガーとなった。
同じく改造手術を受け電波人間となったタックルと共にブラックサタンに反旗を翻し逃走、以降は二人で全国各地を巡り、旅先でブラックサタンの奇っ械人と闘っていくことになる。
26話にてブラックサタン大首領を倒したことで同組織は壊滅したものの、元幹部ジェネラルシャドウが仲間の改造魔人を“魔の国”から呼び寄せ、新たな組織「デルザー軍団」を結成。
ストロンガーは改造魔人達との更なる闘いに巻き込まれ、ついにはタックルも命を落としてしまう。
だがその時、歴代の仮面ライダー達が次々と帰国し――
ストロンガーはシリーズ初の甲虫(カブト虫)がモチーフで、またこれまでの仮面ライダーと異なり、電気を武器にするという特殊戦闘能力を持っている。
同時に、それを利用した「電ショック」「エレクトロ・ファイヤー」などの(非体術系の)特殊攻撃技を持っている。
これらは、一部または簡易なレベルであれば、変身前でも両手に嵌めている絶縁体の手袋を外すことで使用可能。
31話以降は、元ブラックサタンの科学者・正木洋一郎博士により「超電子ダイナモ」を搭載されたことでパワーアップを果たし、1分間限定で「チャージアップストロンガー(劇中呼称はチャージアップのみ)」になることが可能となった。
必殺技は電撃を帯びたライダーキック「電キック」で、デルザー軍団編以降の超電子ダイナモを搭載以降は、「チャージアップ」を経た「超電子ドリルキック」「超電スクリューキック」「超電大車輪キック」「超電逆落とし」など多彩な技を用いるようになる。
愛車はカブトローで、詳細はこちら。
さて、ストロンガーです。
ストロンガーといえば大きな頭と胸部が特徴で、仮面ライダーZX同様、かなり着膨れしているスタイルです。
当然、これは可動範囲に著しい制約を受けてしまうわけで、さすがのフィギュアーツでも劇的な改善は行えませんでした。
このような事情のため、この時点までの昭和ライダーアーツとしては、最も可動に癖が生じる個体となっています。
これを、製作側のアイデア不足と取るか元デザイン上のどうしようもない問題と取るかは人それぞれですが、本ページでは後者の概念に基き、「こればっかりはしょうがなかんべ」という評価で参ります。
まずは、前後比較。
シリーズ開始当初の頃の、やたら細い体型や小さ過ぎる頭部のアンチテーゼってな如き、劇中スーツのバランスを意識したような造形が素敵です。
尚、マフラーはこの一種類しかなく、風になびいているような別形状のものはありません。
頭部アップ。
イベント試作品では、何故かクリアパーツにされていた複眼も、劇中マスク同様細かな覗き穴付きの黄緑目で再現されています。
覗き穴は、非放射状パターン。
ツノも単なる赤色(朱色?)ベタ塗りではなく、ラメが含まれているのが秀逸。
唯一、鼻部分(ツノの末端部)の形状が、実際より細くアレンジされている点が気になりますが、それ以外は概ね良好かと。
肩・腕部の可動はこんな感じ。
やはりというか、カブテクターの干渉が大きいです。
また、ストロンガーは上腕ロールがない構造のため、1号や2号同様に前腕を胸の前に水平に伸ばすのが難しいのですが、カブテクターのために更に難易度が増しています。
胸部「カブテクター」。
ストロンガーを象徴する独特な形状の装甲。
従来のライダー素体の上に被さるような配置で、全体が少々浮かせられます。
この接続方式のおかげで、腕を上方向に伸ばすと、カブテクターが斜めに傾くようになり、いかにも劇中のようなモフモフ状態っぽくなります。
そうなると今度は、首や頭に干渉してしまうのですが。
ちなみに、撃中で実際に使用されていたスーツのカブテクターは、中に綿が詰められていて、かなり柔らかかったようです。
「電キック」のモーション中にもその弾力性が窺い知れますが、そのため、腕を大きく動かすとカブテクターが圧迫され、肩や首辺りで盛り上がる様になりました。
可動フィギュアにそこまで求めるのは酷というものですから、この干渉は仕方ないでしょうね。
カブテクターの接続方式はこんな感じ。
アマゾンやライダーマンのような、胸に独自の可動軸を設けて、そこにカブテクターを接続しています。
それにしても、下腹出たおっさんみたいな……
変身ベルト「エレクトラー」。
側面のボックスも、文字の彫りこみまでしっかり再現。
ベルト全体は、いつものように別パーツです。
ストロンガーも、定番の引き出し式股関節なのですが、上着の裾が長くややスカート状になっているため、脚部への干渉が大きくなっています。
この影響で、脚を大きく曲げるのが若干厳しくなります。
曲げること自体は可能なんですが、素直に垂直にしづらかったり、股関節から脚が外れやすくなったりします。
一応、裾は前後で二分割されていて、少しでも干渉を和らげようとしてはいるのですが。
これ、素材の張力の影響なのよね……
今回はボーナスパーツとして、電撃エフェクトパーツが付属します。
電撃エフェクトは、もっと大型のものが「魂エフェクト」等で発売済みですが、こちらは小振りかつ簡素なものなので、ちょっとした効果を生み出したい時に重宝します。
電撃エフェクトは、3パーツ構成。
基本的に、ストロンガーの腕に装着する形になります。
まず、手首を外した上腕部に、一段目のパーツを通します。
一段目のパーツを通した後、手首パーツを着けてロックします。
その後、二段目のパーツを接続。
二段目下側にある凸ジョイントを、一段目上面にある凹ジョイントに差し込むようにします。
更に、三段目パーツの凸ジョイントを、二段目上面の凹ジョイントに差し込みます。
これで完成。
見た通り各パーツが物凄く尖っているので、手や指にチクチク容赦なく刺さります。
冗談抜きで、マジ痛い!
エフェクトパーツは、拳を包み込むような構成な上、前(上?)に伸びているデザインですから、非常に迫力があり、有効活用出来そうです。
劇中のストロンガーは、こういったモロ電撃といった効果を表現することはあまりなく、専ら火薬による爆発で送電効果を見せていましたが、可動フィギュアの場合はむしろこういう漫画的な表現の方が似合うかもしれませんね。
でも、長さがあるのが災いして、他の可動フィギュアと絡ませるのにはちょっとコツが必要なのかもしれません。
当然ながら、このエフェクトはストロンガー以外の可動フィギュアにも対応可能です。
足首の着脱が可能なら、電撃キック風に用いることも出来ます。
「カブトローセット」があれば、両手エフェクト装着なんかも……
これ、妙に迫力出ていて個人的に好きだなあ。
適当なポージング。
このエフェクトだと、エレクトロファイヤーっぽくはならないかなあ。
それでは最後に。
「トォッ!!」
「ストロンガー!!」
右腕はこれが限界!
「電―――!!」
「キ―――ック!!」
ストロンガーの、独特の体勢から繰り出す電キック、大好きです。
以上、仮面ライダーストロンガーでした。
【買ってみて一言】
もう買ってから随分経ったので、当時の思い出は薄れてしまったのですが……
可動に癖があり、派手なポージングを思い切り楽しむといった遊び方には向かないのですが、やはり劇中スーツのバランスにかなり近いスタイルと、何より昭和ライダーコンプリートの大きな足がかりとなるアイテムという意味は大きく、非常に存在意義のある商品です。
ただ、限られた可動範囲の中でもカッコイイポージングはいくらでも楽しむことが可能で、また時折おっ! と思わされる決めポーズが出来たりもして、そういった“隠された良さ”を見つけ出す楽しみのようなものが潜んでいる気もします。
また、2015年12月に発売された「カブトロー」と組み合わせることで、更に魅力もプレイバリューも向上しますので、本当に遊べる良い物となりました。
実は、筆者は昭和ライダーの中でストロンガーにはあまり強い思い入れがないんですが(本放送当時、城茂がどうも好きじゃなかったみたいです)、それでもこの商品は買って本当に良かったと思えるものでした。
さて、「仮面ライダーストロンガー」関連商品として、2013年10月に「チャージアップストロンガー」、同年11月に「電波人間タックル」が発売されています(どちらもプレミアムバンダイ限定)。
前者は、ツノが銀メッキになったりしている割に、ツノの形状がノーマルのままだったり(実際は角ばった全くの別形状)、目の色が同じままだったりと、かなり不評を買った模様です。
タックルの方は、思いの外? 評判は悪くなかったようですが、果たしてテントローまで出る余地はあるのか?! といったところです。
まぁ……さすがにそこまではないかなぁ……?
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