第118回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダー新1号&新サイクロン号セット」「新サイクロン号」

2014年11月2日 更新

 

 旧サイクロン発売から、約1年2ヶ月。
 フィギュアーツ昭和ライダーシリーズの(実質)第一弾である「仮面ライダー新1号」から、約3年3ヶ月。
 ようやく、相棒である新サイクロンが発売されました。
 幸い、WEB限定品ではなく一般販売となりましたが、今回は68話〜72話&劇場版に登場した「初期カラーリング版」と、それ以降の「後期カラーリング版」がそれぞれ別々に発売となりました。
 また初期カラーの新サイクロンは、カラーリング変更版の新1号とセットでの販売。
 更に同時期に、「仮面ライダー新2号」も再販されて、ダブルライダーを完全状態で飾れるようになったわけです。
 ライダーといえば1号2号! という人には、たまらない内容となったわけですが、果たしてその出来栄えは?

 というわけで、今回は新サイクロン2バージョンをレビューしてみたいと思います。

 また補足として、以前レビューしそびれていた「旧サイクロン号」も、新たにレビューしてみました。
 本ページ上下にあるリンクをご利用ください。

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■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー新1号&新サイクロン号セット

 

 2014年10月25日発売。
 同時販売物は、「新サイクロン号(単品版)」(「仮面ライダー新2号」の再販もあり)。
 2014年10月のラインナップは、以下の通り。

  • 10/17配送(到着は18日頃) 「ロボイザー(仮面ライダーBLACK RX)」「仮面ライダー黒影 マツボックリアームズ(仮面ライダー鎧武)」「グリンクローバー(仮面ライダー剣)」(すべて魂ウェブ限定)
  • 10/18 「メガバシャーモ(ポケットモンスターXY)」
  • 10/24配送(到着は25日頃)「キュアダイヤモンド(ドキドキプリキュア!)」「ハカイダー(人造人間キカイダー)」「ゼロ(ロックマン・ゼロ)」(すべて魂ウェブ限定)

 仮面ライダー新1号と新サイクロン号のセット。
 仮面ライダー新1号全高は約14.3センチ(頭頂部まで。ツノ除く)。
 新サイクロン号最大全長は約19センチ。
 合計4種7個の手首付き。
 交換用マフラー一点付属。
 サーベル(武器)一本付属。
 キック用エフェクトパーツ付属。
 新サイクロン号交換用ハンドル一組付属。
 後輪固定用スタンド付属。
 専用台座などはなし。
 価格は税込7,560円。

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■ 新サイクロン号(初期カラーVer.)

 

 新サイクロン号。
 「仮面ライダー」68話〜98話、及び劇場版「仮面ライダー対じごく大使」に登場。
 TV本編の登場が1972年7月15日で、劇場版は7月16日公開のため、1日だけTVの登場の方が早い。
 設定上は、本郷猛・滝和也・立花藤兵衛が協力して設計・製作したオリジナルマシンで、旧サイクロンを凌ぐ高性能を発揮する。
 フロントカウルには一対のサイクロンカッター、後部にはブースターロケットという加速用装置が装備され、急制御用のパラシュートもリアカウル部分に内蔵されている。

 

 仮面ライダー新1号が、改造サイクロンに次いで使用したマシンだが、その後の客演時の殆どに用いられたこともあり、1号ライダー(及び2号)の代表的なバイクとして認知された感がある。
 本商品の新サイクロンは、68話から72話と劇場版にかけての、ごく短期間のみ登場したカラーリングバージョン。

 

 さて、新サイクロン(初期カラーVer.)です。
 仮面ライダーファンが待ちに待ったバイクです。
 新幹線を思わせる、丸いフロントカウルが特徴的です。

 

 2014年度は、フィギュアーツ・バイクの商品化に力を入れるという宣言が、コレクター事業部から発表されていまして、これまで以上に充実したラインナップが公開されたわけですが、この新サイクロンもその中の一つで、「ついに来たか!」というサプライズが強烈でした。
 仮面ライダーを代表するバイクでありながら、何故か(旧サイクロン他に比べると)商品化の機会があまり多くなかった感もあったんで、一部では、フィギュアーツ版の発売も危ぶむファンも居たようです。
 まあ、既に杞憂極まりない話となったわけなんですけど。

 

 新サイクロンというと、これより以前にフジミからプラモデルが発売されていまして、そちらもフィギュアーツに合うサイズだったのですが、やはり玩具のような耐久性を求めるのは酷なようで、遊んでいるとすぐ破損するという報告も多々あったようです。
 そういう側面もあって、今回の商品化は本当にありがたがられたのではないでしょうか。

 

 それではまず、フロントビューとリアビュー。
 後述しますが、サイクロンカッター差込口の塗装がオミットされている関係上、実車と些か印象が異なる面構えとなっています。
 実車は、サイクロンカッター口の黒塗装のために、矢印マークのある部分がダンゴっ鼻っぽく見えるラインになっていました。
 ここに違和感を覚える方は、カッター口部分に黒を塗ることで、より実車の雰囲気に近づくのではないかなー、と考えます。
 実際にやったわけじゃないので、あくまで想像ですが。

 

 サイドビュー左。
 サイクロンの名を踏襲する赤ラインと、アイボリーがかった白ボディのバランスが素敵です。

 

 サイドビュー右。
 赤ラインは、きちんと左右非対称になっています。
 ボディバランスも申し分なく、実にスマートかつ力強さを感じます。
 シートは薄め。
 マークはちゃんと白縁取りされています。

 

 フロントカウルアップ。
 ライトは、クリアパーツの裏側から塗装されています。
 試作品では豪快に左右分割されていましたが、今回は立花レーシングチームのエンブレムと矢印マーク部分が別パーツで、それを左右のカウルパーツで挟むという構成に変更されました。
 このため、違和感はかなり解消されました。
 こういう素晴らしい改善は、素直に絶賛したいと思います。

 

 前輪部アップ。
 ブレーキケーブルが、二本一体化しています。
 耐久性の問題でしょうがないのかもしれませんが、ここは切り離すか間を開けて欲しかったところです。

 

 メーター部分は、シールで再現されています。
 ハンドルは、いつものアーツバイク同様取り外しが可能です。
 ライダーを乗せにくい場合は、ハンドルを外して先に手に持たせてポーズを取り、シートに乗せてから再接続するのがいいと思います。

 

 タンク部分は二層構造になっていて、内側は黄色になっています。
 本放送当時のカラーリング再現で、さりげなく嬉しいです(最近の客演版では、ここが白になっているようです)。

 

 右側面、フットステップ周辺。
 つま先のブレーキペダルや、キックペダルもしっかり再現。
 キックペダルは、いかにも動きそうに見えますが、この状態のまま固定で非可動。

 

 後輪のサスペンションギミックも、当然健在。
 今回は車体が低めなせいか、見た感じあまり沈まないように思えます。
 チェーン部分は黒の成型色ままで、ちょっと残念。

 

 ブースターロケット。
 ノズルは長めのものになっています。
 残念ながら、ノズル周辺の黒い部位の塗装はオミットされているので、些か安っぽく感じられてしまいます。

 

 サイクロンカッター(ウィング)を装着。
 それぞれ二点支持で、脱落は起きにくく、かつはめ込みやすいので非常に理想的です。
 裏側の銀色や、縁部分の黒ラインは残念ながらオミットされていて、赤一色です。

 

 新サイクロンの下部には、魂STAGE接続用の穴があります。
 これを使えば、ジャンプや滑空状態の再現も可能になります。

 

 魂STAGEの置き方次第で、ウィリー状態も再現可能です。
 出来れば、後輪スタンドも併用した方がいいかもしれませんが。

 新サイクロンの概要は、ひとまずここまで。
 続けて、新1号を見てみます。

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■ 仮面ライダー新1号(初期カラーVer.)

 

 本商品の同梱版仮面ライダー新1号は、53話からの(新1号としての)初期カラー版で、現在知られているメタリックグリーンのマスクになる前のものを再現しています。

 

 基本仕様は、以前に発売された「仮面ライダー新1号」と同じですので、可動の癖や造形の特徴は、そのまま受け継がれています。
 (詳細は、上部リンク先をご参照ください)
 付属品も全く同じなので、ショッカー戦闘員から奪った剣もそのまま付属します。

 

 マスクアップ。
 本放送当時の販促用イラストや、各種商品パッケージでは、このカラーのマスクが多用されていました。
 そのため、この色は(当時としては)旧2号マスクに並んで印象深いものなのですが、新1号を客演版で知った層には、なじみが薄いかもしれません。
 個人的には、些か緑が濃すぎな気もするのですが、この溢れるレトロ感覚がたまりません。

 

 「仮面ライダー新1号(単品版)」との比較。
 マスクの色以外にも、コンバーターラングの色が若干異なるようです。
 緑マスクの方は、少しだけ彩度が低めのグリーンになっています。

 

 それぞれの頭部側面比較。
 マスクの色味の違いが、はっきりわかると思います。
 これだけの違いで、一気にレトロヒーロー風味が出て味わい深くなった気がします。

 

 新1号を、新サイクロンに乗せた状態。
 特にコツや複雑なポージングの必要性はなく、ストレスなく簡単に搭乗可能です。
 ただ、些かハンドルが外れやすいので、そこだけ注意が必要です。

 

 新1号は、上腕ロール軸がない構造のため、肘を外側に向けるライディングポーズが少し苦手気味です(若干であれば可能ですが)。
 また、肩部分の関節がギチギチな個体を引いた場合、搭乗時に上手くハンドルを握らせられない(或いは、握れるけど肩と腕の位置がおかしくなる)現象が起きやすくなるようなので、この場合は早めのシリコンスプレー対策を行った方がよろしいかと思います。

 

 キック用エフェクトの比較。
 上は、単品版新1号付属のもので、下が本セット付属のもの。
 一見違いがないように思えますが、良く見ると下の方が青部分の塗装面積が広くなっています。
 また、足首を接続する部分の青が一番濃い部分は、単品版より更に色味が強くなっています。
 形状そのものに変化はありません。

 

 代表的かつほぼ同世代の昭和特撮ヒーローということで、プレミアムバンダイ9月配送商品「人造人間キカイダー」と共に。
 キカイダーと「サイドマシーン」のレビューは、それぞれのテキストリンク先をご覧ください。

 

 本商品のパッケージ正面。
 かなり横長になっています。

 

 「仮面ライダーギャレン&レッドランバスセット」のパッケージと比較。
 だいたい同じくらいの厚みと大きさですが、ギャレンセットの方が若干幅があります。

 

 内部ブリスター内訳。
 今回は、バイク・ライダー・ライダーの備品の三分割になっていて、それぞれ別々に取り出せるようになっています。
 厳密には、ライダーの手首などが入ったブリスターは、バイクのブリスター底部に(底上げ用のダンボールと共に)収まっています。

 

 ちなみに、キックエフェクトはライダーの後ろ側に収まっています。

 セット版の内訳は、以上です。
 以降は、単品販売版の新サイクロンです。

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■ S.H.フィギュアーツ 新サイクロン号(単品版)

 

 2014年10月25日発売。
 同時販売物は、「仮面ライダー新1号&新サイクロン号セット」。

 新サイクロン号交換用ハンドル一組付属。
 後輪固定用スタンド付属。
 専用台座などはなし。
 価格は税込4,536円。

 

 「仮面ライダー」74話以降及び、その後の各シリーズの客演時に搭乗した新サイクロンの別カラーバージョン(73話は未登場)。
 初期カラー版の呼ばれるフロントカウルが白いものをリペイントしてメリハリを強調したもので、当初は一台しかなかったが、92話以降の「ショッカーライダー編」にてショッカーライダー搭乗用としてもう一台製作され、その後これが新2号用に流用されることになる。

 

 その後、新サイクロンは「仮面ライダーストロンガー」までは同じ車両が使用されたが、「(新)仮面ライダー」では他のライダーマシンと共に新造されることになる。
 その後も、CM用や平成ライダー作品の客演時にも新造されている(区分は諸説あるため割愛)。

 

 さて、こちらは単品版の新サイクロンです。
 基本的な商品仕様は、セット版とほぼ同じです。
 そのため、特徴的な部分の説明は全てセット版に準拠します。
 というわけで、ここではさらりと触れる程度に。

 

 フロントビューとリアビュー。
 一見初期カラー版のリペイントに思えますが、実はものすごく微妙な形状違いがあります。
 フロントカウルの白と赤の境目にはスジ彫りがあるのですが、これがセット版と単品版で位置が違っています。
 まあ、それだけの違いなので、リペ品と言っても差し支えはないかとは思うのですが、一応触れておきたいと思います。

 

 サイドビュー。
 ライト部周辺が塗装されたことで、この角度からでもかなり印象が変わりました。
 サイクロンカッター基部の黒塗装がこちらのバージョンでもオミットされていますが、劇中でもここが未塗装(というか赤のまま)状態だった時期があるので、これ自体は特段問題はない……という見方も出来ます。
 まあ、実際は(後述する)フロントフェンダーの長さとの兼ね合いもあるので、なかなか難しいところではあるんですけど。

 

 単品版新1号を搭乗させてみます。
 ちなみに、今回は新2号の再販がありましたが、新1号単品版の再販はありませんでした。
 そのため、新1号を持っていなかった人は、新サイクロンと組み合わせるためにはセット版を買う必要があったわけですが、こっちのカラーの新サイクロンじゃないと駄目だ! という人は、単品版新サイクロンも買わざるをえなくなるという、ちょっとしたジレンマを感じさせる商品構成でした。
(単品版新1号は、過去に一度再販されています)

 

 車体に赤の面積が増えると、いかにも新サイクロンという佇まいになりますね。

 

 フィギュアーツの新サイクロンは、フロントフェンダー部分が若干飛び出し気味なので、人によっては違和感を覚えるかもしれません。
 また、サイクロンカッター差込口も赤のままなので、ここも気になるかもしれません。

 実車の新サイクロンのフェンダーは、初期カラー版及びは短めで、フロントカウルから殆ど飛び出してないのですが、二台目の車両は逆にフェンダーが長く、本商品と似たようなイメージになっています。

 

 こちらには、「仮面ライダー新2号」を搭乗させてみます。
 本体の赤と、手袋ブーツの赤が組み合わさって、新1号とは違う良さが感じられます。

 

 新1号を搭乗させてみます。

 

 以降、適当なライディングなど。

 

 リアアングル。

 

 新サイクロン単品版パッケージ前面。
 これまでのアーツライダーバイクと、同じような構成です。

 

 パッケージ裏面。
 セット版パッケージ裏の画像と対象になるポージング構図になっています。

 

 ブリスター。
 セット版の新サイクロンのものと同じ構成です。

 

 以上、新サイクロン(単品版)でした。

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【買ってみて一言】

 非常に良く出来た素晴らしい完成度で、待ちに待った分だけファンの思い入れが込められそうな商品です。
 若干、カラーリングの解釈違いがあったり、フロントブレーキケーブルの処理など妙に安っぽい処置も目立ちはしますが、全体的にはかなり細かく作りこまれていて、相当なハイクオリティに仕上がっているのではないかと感じます。
 何より、バリエーションが二種類同時発売というのも魅力で、かつ初期カラー版新1号も付属というのがたまりません。
 この新1号は、とても単品販売するほどのものではないでしょうけど、しかしてあると嬉しい物でもありますから、こういった販売形態が一番適していたのかもしれませんね。

 

 しかし、決して全てのユーザーに歓迎されているわけではないようです。
 ギャレンセットの時同様、ライダーとバイクのセット売りに抵抗感を覚える方も割とおられるようで、欲しいものをダイレクトに買いたいのに! と感じた人にとっては、新1号とのセットはあまりありがたくないようです。
 まあ確かに、新1号とリペイント版新サイクロンだけが欲しかった人にとっては、ちょっときつい出費になりますからね。
 この辺は、新1号を持っている・持っていないで大きく見解が分かれるところで、一概に問題とは言い切れませんが、個人的に、初期版新サイクロンはそこまで需要はがあったかな? という気分は、確かに付きまとっている気がします。

 さて昭和ライダーバイクは、この後「ハリケーン」「ジャングラー」が確定していて、10月31日から開催の「魂ネイション2014」では、参考展示で全ての昭和ライダーバイクが展示されていました。
 その中には「ライドロン」も含まれていましたが……果たしてどこまで発売されることでしょう?

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