第127回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「ハリケーン」
2015年3月6日 更新
仮面ライダーV3の愛車・ハリケーン号が、ついにフィギュアーツ化しました。
昭和ライダーバイクもこれで第五弾(新サイクロンを2つと数えて)となりますが、フルコンプの気配がなんだか本当に感じられて来た気がします。
何はともあれ、今回はハリケーンのレビューなんですが、実はまだV3のレビューをしていませんでしたので、今回はそちらもまとめてアップしたいと思います。
■ S.H.フィギュアーツ ハリケーン
2015年2月14日発売。
2015年2月の配送ラインナップは、以下の通り。
- 2/18(配送開始日)「白いカラス(人造人間キカイダー)」「アルファモン(デジタルモンスターX-evolition)」(すべて魂ウェブ限定)
- 2/25(配送開始日)「人造人間16号(ドラゴンボール)」(魂ウェブ限定)
- 2/28 「シャドームーン(リニューアルVer.)」「高坂穂乃果(ラブライブ!)」
交換用ウィングパーツ付属。
交換用ハンドル一組付属。
後輪スタンド付属。
魂STAGE接続用ジョイント付属。
価格は税込4,860円。
さて、ハリケーンです。
実は今回のハリケーンは、発売前にアナウンスがあり、「A-TYPEとB-TYPEの良い所取り」をしているとの事でした。
A-TYPEとかB-TYPEとか、どう違うのかといいますと、「仮面ライダーV3」本編内では場面によって複数のマシンを使い分けており(400cc、250cc、125ccの三台があったみたいです)、AやBはその区別のためにファンまたはマニア向け書籍上で付けられた仮称のようなものなのです(つまり新1号とか旧2号みたいなもの)。
ただ、劇中のハリケーンは上記のような二種のみで単純区分出来るわけではなく、細かく見ると非常に細かな違いが散見されるので、大変ややこしいのです。
そんな背景もあり、単に「A-TYPEとB-TYPEの良い所取り」と云われてもなんだかなぁ、という気がしてなりません。
とりあえず、筆者もどこのどれが何の特徴で……みたいなややこしい話を細々と書くのは避けたいので(間違ってたら嫌だし)、本商品に関しては特定の車種を忠実に再現したわけではない、ということだけ理解していればいいのかなー、なんて勝手に思っている次第です。
ハリケーンは、当時の特撮ヒーロー物に登場する専用マシンとしては、とても洗練されたデザインになっていますが、 これは石森章太郎氏のラフデザインを基に、スズキ自動車のデザイングループに当時所属されていたカーデザイナー・斉藤勝彦氏によって設計されたためです。
つまり、本職による本格的なデザイン・設計の起こしだったわけですね。
それでは、前後比較から。
特徴的なフロントとリアスタイル。
フロントカウルの横幅が、ちょっと広めになっているようです。
サイドビュー。
全長は約19.8センチ(前輪〜リアテールまで)で、意外やジャングラーの全長とほぼ同じ。
風防の角度が浅く、風防のすぐ横にある青い変形三角形部分が薄くなっています。
これだけ見ると、B-TYPE? っぽく見えるんですが、見方によっては「(新)仮面ライダー」客演時に新造されたバージョンのハリケーンにも見えます。
というか、青い三角部分だけ見ると、それが一番近いように感じられます。
フロントカウルアップ。
風防は、リベット五点留めなのでA-TYPEっぽく見えますが、風防自体の形状がちょっと違っています。
前部のタイフーンカバーは、実車同様内部の黒い部分に段差が設けられています。
このタイフーン、時速200キロまでは青く回転、400キロまでは黄色、600キロで赤になるという設定があるんですが、通常の状態でも赤色なので、なんだかよくわかりませんね。
フロントカウルの下は、白になっています。
ハリケーンは、場面によってカウル下部が黒かったり白かったりするんですが、A-TYPEとB-TYPEどちらにも白と黒のバージョンがあるので、どの色だとこのタイプという明確な区分が出来ません。
とりあえず、白はどうしても気に入らないという人は、塗装するしかありません。
前輪部アップ。
逆噴射ノズルもしっかり再現。
ブレーキケーブルは、新サイクロンやジャングラー同様、二本が一体化した状態になっています。
この処置は、もう諦めるしかないようですね。
エンジン部周辺アップ。
ハリケーンの場合、「SUZUKI」のロゴは絶対外せませんね。
クラッチカバー下部の切り欠きが、ちょっと大きすぎなような気がします。
エアインテークの形状などは、かなりイメージ通り。
ちなみにインテークは、前後共に開口されていません。
後輪部アップ。
今回もサスペンションギミック搭載で、ちゃんとシャフトも伸縮します。
マフラーが開口してないのが残念ですが、この太さならしょうがないかなとも。
ハンドル周り。
新サイクロン同様、ベース車両のタンクの黄色が見えます。
メーターはありません。
メーターがあるのは、「(新)仮面ライダー」客演時に新造されたバージョンのみ?
ハリケーンのリアカウルの垂直尾翼(?)の断面も、白くなっています。
この断面部分が黒いバージョンも、劇中には登場しています。
カウル下部の色と同じなので、もしカウル下部を黒く塗りたいなら、ここも塗装する必要がありますね。
フロントカウル横から伸びるウィングは、交換可能です。
このように、伸ばしたバージョンに変更出来ます。
それぞれ二点保持で、若干交換させ辛いですが、一度しっかり付けば勝手に外れたりはしません。
仮面ライダーV3搭乗。
特段バランスがおかしいということもありません。
対比的には、400cc版という感じでしょうか。
ハリケーンのカウルは、前輪基部よりかなり前に出っ張っているデザインなので、このように急ハンドルを切っているポーズだと、車輪の向きと全然違う方向を向きます。
いわば、それが他のライダーバイクにはない、ハリケーン独自の表情のような気がします。
それにしても、ベース車のトップ部分とのずれ具合が、本当に良くわかるアングルです。
マフラーなびかせ君と僕。
後輪用スタンドの保持力は、今回は万全。
ズレも起こらないので、安心して飾れます。
搭乗者とは全く異なるカラーリングにも関わらず、ここまでベストマッチな配色のバイクというのも、凄いものがあると思います。
ジャングラー同様、今回も、バイク下部に接続可能なジョイントがあります。
はめ込むのは簡単で、しかも勝手に外れにくいという優れもの。
これを魂STAGEの支柱に接続すれば、バイクアクションを再現可能です。
ハリケーンの場合、OP冒頭での大ジャンプが印象的ですから、特に重要な要素だと思われます。
角度を変えて。
ああ、やっぱV3とハリケーンのジャンプは、本当に絵になるなぁ。
ちなみに、これをやる場合は支柱のねじをちょっときつめに締め直した方がいいようです。
また、設置角度によっては土台が本体の重さに負けることもありますので、もしお持ちなら「魂STAGEact超合金(魂フェスティバル2011配布品)」を利用した方がいいかもしれません。
新サイクロン二台と共にハイジャンプ。
ハリケーンだけ、魂STAGEが本の上に置かれています。
改めて、先輩ライダー達とそのマシンと共に。
新1号が乗っているのは、初期カラー版新サイクロンです。
本来なら2号と同じものにすべきなんですが……まぁその辺はゴニョゴニョで。
以上、V3のマ〜シ〜ン〜、ハリケーンハぁ〜リケぇーンでした。
【買ってみて一言】
まず前提として、出来そのものは非常に良く、パーツ毎の考証も、全体的に見れば結構良い線行っていると思います。
しかし、特定の車種の再現ではなく、劇中登場の情報を寄せ集めたせいなのか、マシンに思い入れの強い人にとってはイマイチ中途半端な造形になってしまった感が拭い切れません。
もしかしたら、ハリケーンの原型製作時に資料をまとめ切れなかったのではないかな? などと勝手な想像をしてしまいそうですが、個人的には、A-TYPEならA-TYPEで、B-TYPEならB-TYPEでと、しっかり的を定めて欲しかったと思います。
あと、カウルの形状がやや平べったくてシルエットが若干狂ってしまっているのも問題かなと。
まあ、先でも触れた通り、ハリケーンの考証はえらくめんどくさいようなので、情報が断片的になるのはやむを得ないと、理解はできますが。
それでも、やけになってスカイライダー版とかを再現されなかっただけ、マシなんでしょうけど。
逆に言えば、そこまで細かく部位の違いに拘らないという人にとっては、完成度の高い良い商品だと思います。
成型色の白部分が、後々の経年劣化的な意味で些か怖いですけど。
フィギュアーツV3との親和性も非常に高いので、ファンの方には是非とも組み合わせて飾って欲しいところであります。
さてこの後は、なんとびっくり「ライダーマンマシン」が5月に控えています。
まさかこんなものまで出すなんて、という気持ちで一杯ですが、コレクター事業部の本気度が感じられて、期待せずにはいられません。
一応そちらも押さえてはいますので、今回と同じように、フィギュアーツ・ライダーマンのレビューと共にアップ出来ればと思っています。
残るは「クルーザー」「カブトロー」「スカイターボ」「ブルーバージョン&Vマシーン(Vジェット)」ですが、果たしてどこまで行ってくれるのか、期待と不安が入り混じりです。
……テントロー、どうなるんでしょうね?
一応、乗せる対象はフィギュアーツ化していますけど。