第52回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーギルス」

2010年4月25日 更新

 これまで発売後すぐに見かけなくなったり、品薄になるフィギュアーツは多々ありましたが、瞬殺状態を発生させたケースはありませんでした。
 けど、ついにそれが来ました。
 というわけで今回は、発売ンヶ月も前から注目度MAXだった「仮面ライダーギルス」のレビューです。

■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーギルス

 2010年4月24日発売。
 同時販売物は、シリーズ中にはなし。
 ただしこの4日後(28日)に「仮面ライダーW・サイクロンセット」「同・ヒートセット」が発売。
 全高約14.3センチ(ツノ含まず)、全4種の手首付き。
 頭部2種類、ツノ長短計2種類付属。
 ギルスクロウ(長)2本、ギルスヒールクロウ長短各2本付属。
 ギルスフィーラー計6節付属(内訳は後述)。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込3,150円。

 仮面ライダーギルス。
 城北大学の学生・葦原涼がメタファクターの力で変身した姿。
 モチーフは、仮面ライダーZXと同じくカミキリムシ。
 津上翔一asアギトが「既に仮面ライダーである男」と表現されるのに対し、こちらは「仮面ライダーになってしまった男」。
 バイク事故をきっかけに不完全な覚醒を果たし、アギトの亜種とされるギルスとなった。
 ただし不完全体のためか変身するごとに身体に負担がかかり、極端な老化現象という形で発現するというデメリットがある。
 これは後のエクシードギルス化の際に克服されるが、このため涼はまさに身を削って闘うことを強いられた。 
 スタイリッシュなアギト、メカニックなG3に対して生物的なフォルムが特徴で、まさに異形の戦士。
 初期のアギトと違い変身後に性格が変化することはないが※、その異形っぷりのせいで水泳のコーチや恋人に拒絶され孤独で過酷な人生を歩む。
 ギルスもアギトの一種であるため、やはりアンノウンと対峙するが、当初はアギトやG3と反目しあい、戦い合ったこともある。
 だが様々な経緯を経て後に和解に至り、最終的にはアナザーアギトas木野薫を含めたライダー三人と共闘するようになる。
 
 戦闘スタイルはまさに「野獣」そのもので、仮面ライダーアマゾンを彷彿とさせるようなワイルドな戦法を用いる。
 独特の叫び声を上げながら挑みかかり、身体から伸びる各種武器を用いて攻撃する。
 腕から飛び出るギルスクローやギルスフィーラーを主体にアンノウンを追い詰め、トドメは踵のトゲ(ギルスヒールクロー)を伸ばして相手に浴びせ蹴り(踵落とし)を食らわせる。

 葦原涼が普段乗っているバイクは、ギルスへの変身に連動して専用バイク「ギルスレイダー」に変型。

※性格の変化はないが、殺戮本能のようなものに突き動かされトラブルを起こす事はあった

 というわけで、フィギュアーツ・ギルスです。
 2009年12月下旬、雑誌に原型写真が掲載されてから大きな注目を集めました。
 2010年1月下旬にはWEB上の予約受付が次々に満了、その早さも語り草となりました。
 本商品は、2010年2月開催「魂フィーチャーズ」の試遊コーナーにて一足先にお目見えし、会場で触れた人達の評価も上々とあって益々期待感が煽られていきました。
 カルトな人気を誇っているキャラという事もあってか、「アナザーアギト」の時以上の盛り上がりがあったような気がします。

 それで発売日当日ですが、全体的に出荷数はあまり多くなかった模様で、各所で瞬殺またはごく短時間で完売するという報告が多く出てきました。
 これ以前にも「強化外骨格・零」や「仮面ライダーイクサ」など、すぐに物がなくなってしまうケースはありましたが、いつもなら大量に在庫をスカットする筈の量販店でも一時間せずに完売するなど、それらを超えるほどのトンデモな結果を出してしまいました。
 ちなみに、筆者が購入したヨドバシカメラ新宿西口店では、開店22分後に店内で完売コールがかかりました。
 同店は、零やイクサ、イースの時もここまで短時間ではなくなりませんでした。

 まずは全身。
 今回も、フィギュアーツとしてはかなり太めな体格で、より劇中イメージに近くなっています。
 実際のスーツはもっと太めなんですが、その辺は丁度良いバランスアレンジが加えられているかと。
 頭の大きさのバランスも、特に気になりません。

 本体構造はアナザーアギトタイプで、見た目の印象に反して可動箇所・可動幅はかなり高め。
 後述しますが、特に脚部は出色の出来です。

 照明のせいか、体表が若干テカテカにも見えますが実際は半光沢で、質感は決して悪くありません。
 特に肩などは表面にデコボコのモールドがあり質感をより高めています。
 (ただし、劇中のものは結構つるつるのっぺりしています…)

 前面・背面・側面比較。
 独特な背中の形状もばっちり再現されています。
 横から見るとやや猫背っぽく見えるラインも、実にいい感じです。

 写真を撮った後にずれてる事に気付いたんですけど、せっかくなんで解説。
 このようにベルト「メタファクター」は別パーツで、独立回転します。
 「ライジングアルティメットフォーム」や「仮面ライダーW」と同じ仕様ですね。

 マスクの造型がとてもいいので、このようにやや上目遣いの姿勢が良く映えます。
 やっぱりギルスは低姿勢が似合うかなと。

 脚部構造については後述しますが、今回はあまり自立性は良くありません。
 写真のポーズも、本当はもう少し深い姿勢にしたかったんですが自立させる都合上これ以上は無理でした。
 足首の形状の都合、あまり前方に曲げられないため引き足の再現が困難になっています。
 また足首はアナザーアギト同様ボールジョイントのためふんばりが効かず、少し角度が狂うとすぐ倒れそうになってしまったり。

 それでも、工夫させれば充分かっこよく自立させられます。
 劇中で印象的な構えも再現可能。
 これ用の「小指を折り曲げた平手」もしっかり付いてきます。
 個人的に、このポーズは再現不能だろうと思いこんでいたので実にありがたいものがあります。
 けどこの手首、用途を知らない人には何がなんだからわからないかもなあ。

 前屈は、だいたい「仮面ライダーアギト」と同じくらい可能です。
 ただし、ギルスは股関節が引き出し式のためこれを利用するとより前屈みが可能になります。

 次は武器について。
 ギルスは、ご存じの通り前腕部に複数の生態武器を持っていますが、本商品はこれを差し替えで再現しています。
 ただし、慣れないと取り外しが難しいので注意が必要です。

 前腕部の金色のツメを取り外し差し替えますが、このパーツが小さい上にかなり固く接続されているため、慣れないとスムーズに取り外せません。
 ツメを引っこ抜く前に、人差し指と親指で横向きに軽く押して揺らしてみましょう。
 そうすると、あっけないほどあっさりと外れます。
 前腕部は軟質パーツなので、これで破損する事はなく穴が広がる危険もまずありません。
 力ずくで取ろうとすると破損の危険もあるため、是非活用してみてください。

 ギルスクロウを装着した状態。
 長さ・大きさ・鋭さは丁度良いバランスと思われます。
 この写真だと、角度のせいで短く見えてしまいますね。
 あと、写真の印象に反して根元はかなり分厚くガッシリしています。

 別角度。
 だいたいこんな感じです。
 もう少し迫力がある方がいいという人もいるかもしれませんが、個人的にはベストかなと。
 ちなみに、これを装着させたまま手首を交換するのは止めた方がいいかも。
 本来は特に支障ないんですけど、たまに手にグサッと……

 そういえば、劇中でギルスクロウを見た記憶がほとんどないような気が……
 いつも伸びっぱなしのエクシードギルスは別として。
 というわけで、適当にポージング。
 以降、滞空状態写真は「魂STAGE」を使用しています。
 アームだけ消してなかったり。

 続けて、ギルスフィーラー。
 まずは、片手で前腕のツメを掴んで……

 ズルリ、と……
 劇中では引き出されるフィーラーはCG処理でしたね。

 ギルスフィーラー。
 所謂「触手」を武器にするパターンですが仮面ライダーでこういうシチュはさすがに他に例を見ません。
 あえて挙げるとしたら、Wのルナジョーカーがそれに近い?!
 触手というとネチャネチャベチョベチョなイメージがありますが、ギルスフィーラーは金属のようなヂャラヂャラした音を立てていて結構新鮮でした。

 ギルスフィーラーは6つの節ごとに別パーツ化されていて、組み合わせることで長くしたり短くしたり出来ます。
 軟質素材なのである程度の自由も利きます。
 ただし材質の都合上貼りがあるので、あまり急角度で曲げたりするのは苦手のようです。
 まあつまり、ベンダブルではないという事です。

 劇中では、ギルスフィーラーはヌンチャクのように使われていました。
 あれはなかなかのアイデアだったなと今でも思う筆者ですが、残念ながらその構えの再現はちょっと難しいです。
 一応写真みたいにそれっぽくは出来るのですが、パーツにかなり負担をかけてしまうので長時間の保持は危険です。
 実際、この構えを取った後に見てみたら、一部分が白くなってしまいました……

 ヌンチャクの片方を脇に挟む構えを模したポーズ。
 こちらも、根元付近に負荷がかかるためあまりオススメできませんが、一応ある程度の再現は可能ということで。
 それにしても、これ用と思われる武器持ち手がしっかり付いているのも嬉しいものです。
 ひょっとしたらないかも、とか言われてましたからねぇ。

 ギルスフィーラーの構えはバリエーションが多くて楽しいです。
 これは比較的負荷が少ないパターンかな?
 本当は、端っこが垂れ下がってないといけないのですが。

 ギルスフィーラーは、全部つなげるとかなりの長さになります。
 手に持たせるとこんな感じですが、これだとあんまり長さがわからないですよね。

 こちらは、左右の長さを揃えて全てのパーツを繋げた状態。
 ジョイント先端部から末端部まで、それぞれ約17.7センチ。
 これだけで、フィギュアーツの身長より長いです。

 そして、これが全部繋げて伸ばした状態。
 これは、先端の膨らんだ部分と前腕部へのジョイント部分を一つずつ外して、残りを全て繋げています。
 この状態だと、全長約33センチ
 比較として、同じフィギュアーツの「イース」を近くに置いてみました。
 先の理由で、残念ながら触手プレイはちと無理なご様子。

 ギルスフィーラーパーツの内訳です。
 左端にあるのが、前腕部に接続するジョイント。
 それ以外の節はすべて末端部が凹凸になっていて、自由に接続可能。
 右端の先が太いパーツも、先端部分が取り外せる仕様です。

 曲げたまま固定させたり、折り曲げるのが不可能とあまり自由度は高くありませんが、予想外の長さ&パーツ構成で実に遊べる装備となっています。
 ヌンチャクテイストで保持させるには無理がありますが、そういうのを意識せず自由に活用すれば、存在意義はより増すと思われます。
 七月発売のエクシードギルスは、これが二倍付く……のかなぁ?

 次の装備の説明に入る前に、足首周辺の説明を。
 アナザーアギトタイプのフィギュアーツではありますが、今回は脛部分が合金パーツになっています(濃緑色と金色の部分)。
 皮膜が厚めで冷たい感触がないので気付きにくいですが、意外な所で使われていました。
 また、アナザーアギト同様つま先も金属パーツになっています。
 しかし、残念ながら足首関節がボールジョイントのためふんばりが効かず、先のようにあまり自立性は高くありません。
 ぶっちゃけると、アナザーアギトと大差ない感じ。
 あと、結構良く足首が外れます。

 踵のツメは取り外し可能で、ここを差し替えてヒールクロウを再現します。

 ギルスヒールクロウを左右に装着。
 もうちょっと長くても良かったかな? とも思いますが、なかなかいい形をしています。
 結構丈夫ではありますが、プラ製パーツなのでくれぐれも折らないようにご注意。

 ギルスヒールクロウ再現。
 踵落としを決めるという、当時としては珍しいタイプのライダーキック(の派生?)ですが、当時発売された装着変身版ではこれは再現不能でした。
 ところがフィギュアーツは、股関節引き出し式採用のおかげでこれが再現出来るようになりました。
 勿論、本商品最大のセールスポイントでもあります。

 たまたま傍にあった兄さんに協力してもらい、必殺技再現なんかを。
 ヒット時の再現なので右足が若干下がっていますが、実際はこれよりももう少し上げられます。

 ギルスといえば雄叫びですが、当然ながらデモンズクラッシャー展開(口開き)状態もないといけません。
 その辺も、本商品はバッチリです。
 本当ならもっとえびぞってるんですが、これ以上はさすがに無理。
 正しくは、可動的には可能なんですがアームの関係で姿勢が崩れてしまうのです。

 左足で相手の胸を蹴って、後方宙返りの離脱。

 技後の着地。
 こんな感じで、それっぽく必殺技の再現が可能です。
 ちなみに両肩の可動幅ですが、そのまま上げると写真までが限界です。
 ただし、肩全体を一旦下げてから上げ直すと、ほぼ水平まで上げられるようになります。
 このように、ギルスの肩は段階を踏むことで可動幅が変更されるという特殊な構造になっています。

 ギルスアントラー(ツノ)は、短いバージョンも付属。
 ツノのみを取り外す構造です。

 「ワ゛アァァァァァァァァァァッッ!!」
 雄叫びフェイス。
 こちらは、頭部交換とツノ差し替えで再現します。

 通常頭部アップ。
 ギルスは「仮面ライダークウガ」のように複眼がややくぼんで見える(内側に影が入る)構造のようで、写真によっては目が小さくも見えてしまいますが、実際の造型はちゃんとした大きさです。
 確かに、実物のマスクよりは対比的に小さめにも思えますが、印象を悪化させるほどアンバランスということはないようです。
 それよりも、ツヤのある黒一色というマスクパーツに違和感を覚える人も多いかも。
 ギルスの頭は確かに黒なんですけど、こんなにツヤツヤしておらず半光沢なので、ここもボディ同様の処置をして欲しかったところです。
 それがとても残念。

 ツノを取るとこんなお顔。
 目が繋がっていて某おまわりさん状態。

 せっかく付いた口開け頭部ですが、なぜか笑っているように見えてしまいます。
 これは気のせいではなく、ノーマル頭部と比較するとわかりますが、目の下部分が笑ってるような形になっているのです。
 単に口を開けているから笑っているように見える、というわけじゃないのですね。

 ツノを取った口開け顔グワー。
 素敵な笑顔です。
 っつーか、別に目の形変えなくてもいいんじゃないかしら……

 一応変身ベルトということになっている「メタファクター」。
 今回はこの丸い部分に細かな傷の入った個体が多いようで、購入時のチェックポイントの一つのようです。
 中心部はクリアになっていますが、構成上塗装に見えてしまうことも。
 先述の通り、このベルト部分は独立パーツなので回転します。

 装着変身版ギルスとの比較。
 ものすごい身長差!
 さすがに年月の差を感じさせられますが、実物の写真と比較すると、実は装着変身版の方が全体のバランスが似ているという意外な発見があったり。
 その他、頭部もフィギュアーツよりも劇中に近い出来になっていますね。
 当時も割と評価が高かった装着ギルスですが、こうして改めて見ると、今でもそんなに悪くない気もしてくるから不思議です。
 ――いや、確かに可動範囲とかギミックとかはもはや比較する以前の問題ですが。

 当時品「DXギルスレイダー」と一緒に。
 対比的には、玩具的バランスな意味で可もなく不可もなくといったところです。
 現物を所有している人は、しばらくの間はこれで充分楽しめると思います。

 なぜしばらくの間なのかというと、魂ウェブ限定でSHF仕様版が2010年8月配送されるからです。

 ギルスレイダーに搭乗。
 マシントルネイダーにアギトを乗せるのよりも、若干姿勢の調整に手間取りますがそんなに無理なく搭乗させられます。
 尻も浮きませんし、しっかり乗せられるのは嬉しいものです。

 別角度から。
 武器持ち手のおかげでグリップは持てますが、指の隙間がやや大きいためすっぽ抜けやすいです。

 ライディングポーズはバッチリ決まります。
 クウガとトライチェイサーを彷彿とさせるスタイルですね。
 ギルスレイダーは見た目の印象に反して合金パーツがかなり多いので、ビートチェイサーよりも遙かにズッシリ来ます。

 インチキウイリー。
 さすがにこの体勢だと乗せるのにはかなり絶妙なバランスが要求されます。
 手首の保持力がほとんど頼りにならないので。

 正面から。
 ちなみにこのギルスレイダー、クラッチレバーが折れてたりします。
 SHF仕様は必須であります。

 アギト&マシントルネイダーと並べて。
 マシントルネイダーは、ギルスレイダーに合わせてDXポピニカ版を使用。
 ギルスレイダーの方が車高高めですけど、悪くないバランスです。
 どちらも同時期の製品なんで当然なんですが。

 アギトと対峙!
 そういえばライダー同士の誤解による対立って図式、この辺りから始まったんでしたよねぇ……

 アナザーアギトと対峙。
 劇中での対決も印象的でした。
 本当ならエクシードギルスで絡めたいところですが……

 三人揃って。
 あとは五月発売予定のG3-Xを待つばかりです。
 しかし、このメンツが揃い踏みする日が来るなんて、本当に夢のようです。

【買ってみて一言】

 大変出来が良く、しかも待ち望んでいたアイテムという事もあり、これは売れて当然と思わされる商品と思います。
 期待に沿うだけの魅力とプレイバリューがあるのも嬉しいもので、恐らく大満足した人も多いのではないでしょうか。

 ただし、先までで指摘してきた点以外にも問題点・注意点があります。

 まず股関節ですが、せっかくの広い可動幅を確保していて固定力も高くとても良い物なのに、ギチギチになってしまいヘタすると折れてしまうという問題が指摘されています。
 「仮面ライダーW」でもあった問題ですが、どうも後天的に股関節がきつくなるという謎の仕様があるようで、最初は平気でも後からダメになるという場合もあるそうです。
 対策としては、プラスチック保護成分の含まれたシリコンスプレーを使用して摩擦力を適度に減らすことなど。
 ボールジョイントを削るのもいいですが、こちらが確実かつ間違いのない方法です。
 ただし、当然ですが付けすぎるのはアウト。
 ラジコンやミニ四駆などを扱っている店舗に割と安めの価格で取り扱われていますから、出来るだけ購入しておいた方がいいでしょう。
 また、一旦シリコンスプレーを吹いても保護膜が弱まりまたギチギチが回復する場合もあるので、再メンテナンスにも活躍します。
 以前のように、すぐ足の付け根がクタクタになるのも困ったものですが、こういう破損の原因を生み出すものはもっと困ります。

 また、足首のボールジョイントのせいで自立性が弱まっているのも残念なところ。
 こちらはアナザーアギトの時にも指摘されていた点で、更にはプリキュアシリーズでも難点としてよく上げられているものです。
 足首全体が合金製のフィギュアーツは、足首関節の強度のおかげで多少バランスが崩れても保持して自立性を高めてくれるのですが、今回はそれがないどころか足首が(ある程度以上深く曲げようとすると)容易に外れてしまいます。
 せっかく足首周囲に合金パーツを使っているのに、これじゃ本当にもったいない。
 特に、特殊な体勢になることが多いギルスだけにこの部分の影響は多大です。
 出来れば、このようなタイプの造型の際も……というか、プリキュアも含めて全部足首全体を合金パーツ化して欲しいとすら思います。
 とにかく、今回の撮影ではこの自立性の弱さに本当に泣かされました……

 まあ、このように悪い点も目立ちはしますが、それを含めても非常に出来の良い商品である事は変わらず、魅力溢れるアイテムである事には変わりません。
 惜しむらくは、その出荷数の少なさ及び需要と供給のアンバランスさでしょうか。
 こればかりはどうしようもなく、早めの再販を待つしかないようです。

 七月には、パワーアップ形態の「エクシードギルス」も発売されるため、益々ギルスが欲しくなる人もいるでしょうし。

 以下蛇足ですが、「仮面ライダーアギト」放映当時、なぜかギルス関連商品はあまり優遇されていませんでした。
 装着変身やDXポピニカ、なりきりセットなど発売されていたにも関わらず、いずれの商品も出荷数が少なく販売期間も短かったのです。
 劇中の活躍から、それなりに人気を誇っていたかのようにも思えたのですが、実に不思議な話です。
 しかもこのうち、なりきりセットは他の同系列商品よりも遙かに遅れて発売されるという扱いの悪さ。
 その上、装着変身では唯一CMがないという酷い有様でした。
 当時の噂によると、ギルスははなから売れないものというレッテルを貼られていたとも言われています。
 理屈はわかりませんが、生物的なんでキショイから人気でないだろうと高をくくられていたんでしょうか?
 今となってはわからないことですが、ともあれあまり積極的に関連商品が売られていなかったのも事実で、メインライダーの一人でありながら番組中盤を過ぎた辺りには品物がほとんど見当たらなくなるという状況でした。
 今回もそういう見解が生きていたのかどうかわかりませんが、またもギルスは販売数を絞られるという不幸に見舞われたようです。
 確かに、ネット上で大人気=沢山売れるというわけではないので、初回は出荷数を絞って後々増やしていくというのは悪い手段ではないでしょう。
 けど、当時の事を覚えている上で今回の状況を見ると、ちょっとだけ哀れに思えたり思えなかったり……

 さて、6月に早速再販なんて話もあるようですが、本当なのかしら?!

 のぞみさんが、涼に何やら怪しい力を注入しようとしているぞ!!

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