第119回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「キカイダー」
2014年12月7日 更新
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サイドマシーンに先駆けること約2ヶ月、メインである「キカイダー」がWEB限定品として登場しました。
本当であれば、こちらがメインで、サイドマシーンがサブという扱いにすべきなんですが、個人的な事情で配送当時にキカイダーのレビューが出来なかったため、このような形で扱うことにしました。
勿論、決してキカイダーが二の次だと考えているわけじゃないのよ!
■ S.H.フィギュアーツ キカイダー
2014年4月25日〜6月29日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
2014年9月25日配送開始(26日頃到着)。
同時配送物は、下記参照。
2014年9月のラインナップは、以下の通り。
- 9/20 「アイアンマン マーク42」「アイアンパトリオット(IRONMAN3)」「仮面ライダー鎧武カチドキアームズ」「バイオライダー(仮面ライダーBLACK RX)」
- 9/27 「アカレンジャー(秘密戦隊ゴレンジャー)」「マイケルジャクソン」
- 9/19配送 「仮面ライダーブラーボ ドリアンアームズ(仮面ライダー鎧武)」「仮面ライダーブレイド ジャックフォーム(仮面ライダー剣)「シャドーチェイサー(仮面ライダー剣)」」「ワイルドタイガーStyle2(タイガー&バニー)」「バーナビー・ブルックスJr. Style2(タイガー&バニー)」(すべて魂ウェブ限定)
- 9/25配送「キュアサニー(スマイルプリキュア!)」「仮面ライダー鎧武ジンバーレモンアームズ」「人造人間17号(ドラゴンボール)」(すべて魂ウェブ限定)
全高は約15センチ(左半身フード頂部まで)。
合計5種10個の手首付き。
専用台座などはなし。
価格は税込4,860円。
人造人間キカイダー。
昭和47年7月8日から昭和48年5月5日まで、NET(現・テレビ朝日)系列で、毎週土曜日午後8時から全43話放送された、東映の特撮番組。
「仮面ライダー」の大成功は、変身ブームと呼ばれる社会的現象を巻き起こすまでに至り、それを背景に様々な新しいヒーローの企画が東映社内で持ち上がったが、本作はそのうちの一つ。
「仮面ライダー」と同じ等身大特撮ヒーローでありながらライダーとの差別化を図り、また当時裏の放送枠だったTBSの怪物番組「8時だョ!全員集合」の対抗馬の一つとして企画された(もう一つの対抗馬は、午後8時半からの放送だった「デビルマン」)。
なお、「仮面ライダー」同様、原作者とされる石森章太郎氏は、正しくは企画発案時からの参加スタッフ兼コミカライズ担当であり、本来の意味での原作者ではない。
本作は、当時平均視聴率27%を誇った「〜全員集合」の裏番組としては、僅か1クールで16%前後にまで達する健闘ぶりを見せ、次作「キカイダー01」に繋ぐこととなる。
キカイダーとは、光明寺博士が、自身の死別した長男「タロー」に似せて作り出したロボット(人造人間)。
良心回路「ジェミニ7.」を内蔵しているため、人間同様に「感情」を持っている。
しかし、ジローは光明寺博士が悪の秘密結社ダークに捕らわれている最中、首領プロフェッサーギルに極秘で製作された上、最後の配線作業完了直前で基地を脱出したため、不完全な状態で活動せざるをえなかった。
このため、ジローはギルの吹く笛(のついた杖)の音を聞くと、不完全な良心回路による善の心とダークロボットの悪の心が葛藤を始め、半暴走状態に陥ってしまうという弱点を抱えてしまった。
普段の姿のままでも高い戦闘能力を発揮し、ダーク戦闘員(アンドロイドマン)などと互角以上の闘いを行うが、ダークロボット等強力な敵に対しては、両手首の電磁リングで両肩に内蔵される補助コンピューターを起動させ、戦闘モードとも云える姿「キカイダー」にチェンジ(変身)する。
水中での活動も可能で、足裏からエアークラフトを噴出し(映像では火を噴いてるけど)、飛行または低空ホバー移動が可能。
エアークラフトは通常戦闘時、構えを解かずに移動する際などにも用いられる。
必殺技は、ダブルチョップや大車輪投げ、電磁エンド(またはデンジエンド)。
今回は非常にシンプルな商品構成なので、とっとと本体仕様説明に入ります。
まずは、前後比較。
やや頭でっかちで、細身で小柄(のように見える)な体型は、充分再現されています。
試作品では、やや脚が長すぎるような印象もあったのですが、実物を手にすると殆ど気になりません。
顔アップ。
こうして見ると、正直あまり似てない気がしてきます。
実際、劇中のどこか悲しげな面持ちは完全に再現されているわけではなく、目の大きさや形状に微妙な差異を感じます。
また、撮影用マスクでは鼻筋の中心線から僅かに右にずれていたたフードの先端部なども、多少左寄りになっている感があります。
尚、フード内側のパーツが内側にずれていますが、これは商品の問題ではありません。
詳しくは後述しますが、商品ではここはきっちり閉じてますので、ご安心ください。
左斜めから。
左頭部のフード内の機械モールドが、効果的に作られています。
このモールドは、撮影用マスクのものを大雑把に再現はしていますが、細かく見ると全く違う構成になっています。
とはいえ、さすがにここまで違いを指摘するのもどうかと思われるので、ここは雰囲気再現OKということで評価したい気分です。
右斜めアップ。
左側と全く印象の異なるフェイスの、雰囲気を上手く再現しています。
ただ、目がクリアパーツのため暗くなっていて、それで表情が変わって見えてしまっているのが、非常に惜しいです。
キカイダーは、スチールや撮影時の状況などで目の色がよく変わって見えるため、多少なら誤差の範疇として容認されるのかもしれないのですが、このように暗いとNG版マスク(目が暗い)のようにしか見えません。
また、クリア目の宿命で目が小さく見えてしまうという欠点もあります。
しかし、実はこれ簡単に改修する方法がありますので、詳しくは後述。
サイドビュー。
こうして改めて見ると、とても同一個体とは思えない感じですね。
ベルト部アップ。
特段、ギミックなどはなし。
近年のフィギュアーツの構造と同じく、今回もベルトは別パーツです。
変身ベルトではないのであまり意味はないかもしれませんが、一応他のフィギュアに付け替えることも可能。
もっともその場合、青の部分が上になっている変身後のバージョンなんで、ジロー用として使えないのが難点ですかね。
肩や腕の可動範囲は、だいたいこんな感じ。
デザインの時点でシンプルなため、これといった干渉や制約は発生しません。
上腕はロール軸があり、それぞれ腕の模様部分でパーツ区分されているため、違和感は抑えられています。
肩は、「仮面ライダーBLACK(リニューアル)」同様、引き出し式になっています。
このため、胸の前で腕をクロスする動きが可能となっています。
デンジエンド再現のためには、なくてはならない機構ですね。
更に、肩関節は上下左右へのスイングが可能。
先の引き出し式の肩と合わせると、非常に広い可動範囲を確保出来ます。
見た目のシンプルさに反して、ここまで凝った構造というのが、なんか嬉しいものです。
首の可動範囲は、こんな感じです。
左が正位置、中央が最大まで顎を上げた状態、右が顎を目一杯引いた状態。
サイドマシーンに乗せる都合上、顎上げはかなりの角度まで行えます。
もっとも、この可動範囲確保の副次的効果? として、延髄辺りに割と大きな隙間も生じてしまっていますが、そこはまさに愛で補って頂きたい心境。
特に意味はないんですが、首の可動を最大限に活かすと、ここまで顎を下げられます。
一見あまり意味のなさそうな顎下げですが、実はキカイダーの代表的なファイティングポーズを取らせる時に、必須となるギミックだったりします。
ちなみに、首のジョイントはこんな風になっています。
首を外さない限り、外側からは見えないのにこのこだわりよう。
この他、股関節の軸も左右で色が違っています。
各手首の指先は、劇中スーツ同様左右それぞれのパーソナルカラーで塗装されています。
決して塗装漏れじゃないの。
立ち膝すらもなんのその。
特殊なライディングスタイルを要するバイクに乗る前提のためか、非常に優秀な可動範囲を誇ります。
その可動っぷりは、初見の印象を確実に上回るかと。
そんないいとこずくめのキカイダーですが、擁護し切れない惜しいポイントが一つ。
右足首の黄色い立て線が、何故か一箇所塗装されていません。
見た感じモールド自体はありますし、試作品も塗られているので、明らかな塗装漏れだと思われるのですが……
残念ながら、これは個体差ではなく、全体的な仕様のようです。
納得出来ない人は自前で塗るしかないのですが、完成品に手を加えたくないという人はちょっと辛いかもしれない問題ですね。
ここまでの画像で、ところどころキカイダーの目が明るいものが含まれていたことに気付いた人も多いかと思われますが、実は簡単な処置で、目の色に補正をかけられるのです。
しかも、工具や接着剤剥がしなどは一切必要なく、何度でも元に戻せるほどお手軽なんです。
まあ、改造とは呼べないレベルなんですけどね。
以下の処置を行うにあたり、破損などが生じても当方では責任は持てませんので、あくまで自己責任で行ってください。
まずは頭部を外し(画像では外してませんが)、画像の黄色いラインに沿って爪などを差し込み、フードパーツの隙間を広げます。
無接着なので、問題なく出来ます。
後頭部のこの位置にある、留めパーツを外します。
フード全体を、やや下に引くようにすればいいのですが、あまり強くやるとパーツが破損するかもしれないので、細心の注意を払ってください。
画像の黄色い丸部分には、顔の裏側に入り込むようにツメが計二本隠れています。
それを、折らないように気をつけながら引き抜きます。
具体的には、左斜め上方向にフードを引くようにすれば、意外とあっさり外れます。
くれぐれも、フードパーツを割らないように、出来るだけ歪ませないようにしましょう。
フードさえ外れてしまえば、後は簡単に分解出来ます。
頭部を分解すると、このような構成になります。
画像では、既に目の色を調整済みですが、実際はここまでやると目が透過状態になります。
左頭部のメカ部分は、顔の裏側にパーツが回り込むような構造ですが、無接着なので簡単にスライドイン出来ます。
フード内側のCの字型のパーツも、無接着です。
アルミホイルなどを適当な大きさにカットして、目の裏側に貼り付けます。
もしあれば、「テープのり」などを反射面につけて固定をしやすくするといいでしょう。
ただ、目の裏側は思ったよりも凹凸が大きいので、きっちり貼らないと影が生じます。
アルミホイルを貼ったら、裏から麺棒などで優しく押し付けてあげるといいかと思います。
左が、アルミホイルを目の裏に貼った状態。
右はノーマル。
これだけの色味の差が生じます。
後は、バラした時のポイントを踏まえて再度頭部を組み直せば完了。
これにより、比較的劇中のイメージに近い表情となります。
この撮影では、サイドマシーンの画像を最初に撮影、その後キカイダー単体を撮影しましたが、途中一度目の裏のアルミを剥がし、もう一度貼り直しています。
頭部の分解は本当に簡単に出来るのですが、あまりやり過ぎるとフード断面部のC字型パーツとフードの間に隙間が生じやすくなるようなので、その点もご注意です。
さっきの頭部アップ画像で、フードがずれていたのは、実はその弊害です。
まあ、実物をみるとあまり気にならないんですけどね。
てなわけで、簡易版ファイティングポーズなど。
拳を握って、この画像と鏡写しにした構えもいいですけどね。
以下は必殺技再現など。
「ダブルチョーップ!!」
ダークロボット・グレイサイキング(代用)の両肩に、キカイダーの手刀が振り下ろされる!
もっとロボっぽいサイ型の方でもいいかなと思ったけど、サイズが合わなかったんだもん。
「大車輪投げー!!」
割と適当に撮ってたり。
苦労したんだろうなあ、大車輪投げの撮影って。
胸の前で両手を交差させて、トドメの必殺技「デンジエンド」の構え。
これで画面がヒビ割れれば、完璧ですね。
サイドマシーンのページと同様、仮面ライダー新1号および、それぞれの愛車との揃い踏み。
何かしらの形で、共闘場面が見たかったなあ。
本商品のパッケージは、これまでのフィギュアーツと比べて妙にコンパクトです。
参考に、同時期発売の「バイオライダー」と比較。
こんなに横幅が狭いです。
こういう無駄のないコンパクトさは大変良いと思うんですけど、サイドマシーンの時といい、このセンスの欠片もないパッケージデザインは、なんとかならなかったのかなあと。
尚、ハカイダーもだいたいこんな感じだそうです。
以上、人造人間キカイダーでした。
【買ってみて一言】
非常に完成度の高い商品で、キカイダー好きなら是非とも手にして欲しい! と思えます。
ですが、目の暗さによる顔の印象変化がかなり大きく、これを許容出来るかどうかが、購入者にとっての大きなポイントかと感じます。
今回に限らず、クリア目の処理については、出来ればあともう一歩だけ踏み込んで欲しいなと感じさせられました。
中には、クリアの裏に塗装を施して発色を高める処置をしているアーツもあるので、今回も是非そうして欲しかったところですね。
とはいえ、このクリア目と足首の塗装忘れを除けば、かなり理想に近い形だと断言してもいいのではないでしょうか。
また、先にご紹介したサイドマシーンと組み合わせた際の充実度は、想像を超えるほどです。
どことなく漂うレトロな雰囲気と、かつて皆に愛されたヒーローを、最新の技術と造形力で形作られた商品として購入出来る……本当にいい時代になったもんです!
WEB限定品のため、今後は限られたルートのみの入手となりますが、好きな人は早めに手を打たれた方がいいかと思われます。
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