第51回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダークウガ・ライジングアルティメットフォーム」

2010年3月2日 更新

 「仮面ライダークウガ」放送終了9年後に、まさかの新フォーム登場。
 「仮面ライダーディケイド」劇場版2作から、新しいスタイルの“究極の闇”クウガがフィギュアーツ化されました。
 今回は、この「仮面ライダークウガ・ライジングアルティメットフォーム」2種をレビューしてみます。

 当初は、こちらも「SHF仮面ライダークウガ」のレビューページに組み込む予定でしたが、これ以降更なる別フォーム商品化が確定しているため、ページの増加を防ぐ意味で分けさせてもらいました。

■ S.H.フィギュアーツ・仮面ライダークウガ・ライジングアルティメットフォーム

 2009年8月18日〜11月4日まで、「魂ウェブ」および「東映ヒーローネット」上にて受注受付(ただし後者のみ諸事情により締切日を一日延長。詳細は後述)。
 2010年2月19日前後より発送開始(後述)。
 魂ウェブ版は目が黒い「ダークアイズVer.」、東映ヒーローネット版は目が赤い「レッドアイズVer.」と仕様が異なっている。
 それぞれ手首全5種(左右計9個)と、特別版「魂STAGE(台座)」が付属。
 価格はどちらも税込3,465円+送料・手数料。

 「仮面ライダークウガ・ライジングアルティメットフォーム」。
 「仮面ライダーディケイド」劇場版「オールライダー対大ショッカー」にて初登場。
 ディケイド(大ショッカー首領)・門矢士の妹である門矢小夜こと「大神官ビシュム」が、地の石の力で「究極の闇の力」を小野寺ユウスケに与え誕生させた存在。
 本来のクウガのフォームチェンジ系統から逸脱した姿で、究極形態とされる「アルティメットフォーム」を更に凶悪化させた外観と能力を持つ。
 強制的に変身させられた際はユウスケの自意識は消失しており、ビシュムのメッセンジャー兼刺客として士の命を狙い続けた。
 しかし後に改心したビシュムが地の石を破壊した事で、洗脳状態から脱出。
 小野寺ユウスケが自分の意思で変身した際には、自我を維持した赤い目の状態となった。
 しかし、残念ながら大ショッカー首領の座を奪取した月影ノブヒコこと「シャドームーン」には全く歯が立たず、途中乱入してきた「仮面ライダーW」の助力により窮地を脱する。

 その後、「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」にも再登場。
 スーパーショッカーが生み出した究極生命体ドラスとの戦いに参戦したDCDクウガが、ディケイドのファイナルアタックライドで超変身し、この姿になる。
 その際は、最初から自我を維持していた(赤目状態)。
 実質的には「仮面ライダーディケイド」のエクストラキャラ扱いのため、原典である「仮面ライダークウガ」では当然未登場。
 五代雄介が変身するオリジナルクウガにはない、小野寺ユウスケ独自のフォームとしての存在意義も大きい。
 一応、設定スペックとしてはアルティメットフォームよりかなり強力になっているが、劇中描写では正直あまり強い印象を抱かれ難い。

 今回は2商品同時レビューですが、目と台座の色以外に違いがまったくないため、まとめて批評していきます。
 違う部分はその都度比較ということで。

 まずは黒目で、前面・背面の比較。
 そこら中痛いくらいにトゲトゲです。
 金色は黄色分の多い色合いでこれまでのクウガとは違った印象。
 着ぐるみに比べると細身に見えますが、これはこれで手に取るとかなりのボリューム感があります。

 黒目で顔周辺を。
 フィギュアーツというと「大きすぎる角」「細すぎる顔」がよくマイナスポイントとして挙げられますが、今回はその辺の違和感がかなり乏しく、大変良い造形になっています。
 一部では、試作品よりツノが短くなっているという指摘もありますが、それによるマイナス要素はほとんど感じられません。
 というか、ツノが長く見えたのは単に写真の角度の問題じゃねーのと筆者は思ってたり。

 背中の辺りはこんな造形で、モールドが装甲(というかスーツ?)の質感を再現しようとしているみたいで実にリアルです。
 後頭部の金色ラインが、劇中に比べていささかぶっといですね。
 あと側頭部の菱形は劇中では黒で、金色ではありません。
 赤目も同様なので、これは配色指示のミスかな?

 股関節は引き出し式で、カブト系というよりは「アナザーアギト」とほぼ同じものです。
 このため、デザインラインの割に脚部可動幅はとんでもなく高く、クウガのノーマルフォームはおろか、比較的自由度が高かったディケイド系すらも凌駕しています。

 どれくらいすごいかって言うと、こんだけ極端に足が開けて、しかも自立出来てしまうという事からおわかりになるかと。
 この写真、こっそり台座で支えて消してるとかナシで、ガチで自立してるんですよ。
 もっともこれは、足首がダイキャスト製のため重心問題や関節強度問題が解決しているからこそ出来るわけですが。

 キックポーズの決まり具合なんか、ほれぼれするほどです。
 他のフィギュアーツよりもいい感じに飾れます。
 脚のユルユルがなければだけど(後述)。

 あれ、ライジングアルティメットのキックって片足だっけ? 両脚?! ←忘れてる

 今回面白いなと思った点として「腰が360度回転してしまう」というものがあります。
 今までのフィギュアーツの腰は軽く捻る程度しか可動幅がなかったのですが(それでも支障はほとんどなかったですけど)、今回は大盤振る舞い大サービス。
 更に、アークル(ベルト)まで独立可動。
 これは、後に「SHF仮面ライダーW」にもなぜか継承されることに。

 これだけ動きまくる腰下ですが、それでも大きな問題があります。
 まず、膝のパーツがめったやたら外れやすいという点。
 脚部全体の形状のせいか、膝を曲げると膝パーツが浮くような形になり、指などに引っ掛けてしまい易くなるようです。
 このため、初期の頃の装着変身並のポロポロ感が堪能可能。
 思い切りの良い人は、いっそ接着してしまうべきかと思います。

 もう一つ、股関節がやわやわになっている個体の混入率がかなり高いようです。
 筆者が購入したものは、赤目は全く問題ないのですが黒目の右股関節がもう悲しいくらいにふにゃふにゃで、まともに自立させる事すら困難な状況です。
 今回の撮影ではこれでかなり苦労させられました(先の前後比較画像が斜めなのも、こうしないと自立出来なかったため)。
 更に、右つま先もクタクタだったためふんばりが利かず、気を抜くとすぐ倒れてしまいます。
 一応隙間に接着剤を流し込むとか対処法はあるようですが、その辺は自己責任で。
 それにしても、つま先関節が緩いだけでこんなに自立が困難になるとは思いませんでした。

 ちなみに、股関節の「緩い部分」は足を接続するボールジョイントがダメな場合と、ボールジョイント軸の受け部分(根元の根元)の接続がユルユルな場合、或いはその両方と3パターンの問題があるようです。
 試しにボールジョイントに両面テープを少し挟んでみたんですが、その程度だとほとんど改善されませんでした。

 下半身の可動っぷりの見事さに反比例するように、上半身可動にはかなり多くの制約があります。
 まず腕の横方向可動ですが、写真の通り目測約45度程度しか上げられません。
 しかし、これは肩アーマーが干渉しているからではなく、肩アーマーは見ての通り更に上げられます。
 原因は、肩アーマー基部を肩ブロックに配置しているからというフィギュアーツ特有の物なんですけど、本商品はこの部分の可動域が極端に狭いため、こんな程度になってしまうわけです。

 これでポージングに支障が出ないなら問題はなかったんですが、残念ながら意外に影響大です。
 特に腕を前方に向け、肘を外に向けるような動きでは思った以上にストレスが溜まります。
 画像は、門矢士の代用で変身後を使い劇中のフルボッコシーンを再現。
 それにしても「黒電話」とは良く言ったものです……

 更に加えて、肘関節の曲がり具合がイマイチという難点も加わってしまいます。
 当初は「フィギュアーツ初の非・二重関節」等と言われていましたがこれは間違いで、実際は二重関節です。
 しかし、上腕寄りの関節が上腕内部にめり込んでいる構造のためほとんど曲げられず、結果「90度よりは曲がるけどすっきりしない」という、微妙な曲がり具合になってしまいます。
 ちなみに、似たような構造として他に「SHF仮面ライダーイクサ」がありますが、あちらより曲がりません。

 付属手首は、塗装こそ違えどクウガ・マイティフォームと同じ型です。
 指先の金色、手甲の金色とリント文字が加えられています。

 マイティフォームと同じという事は、当然ながら「サムズアップ」も付いています。
 まあ、ユウスケは劇場版だとサムズアップしてるからあってもいいんじゃないでしょうか。

 しかし、自我がない状態の黒目にも付いてるというのは少し不思議な気分。

 せっかくなので、こんな使い方なんかどうかなと思ったりして。

 ライジングアルティメットには、クウガ従来の変身ポーズと違うモーションで変身します。
(左腰のスイッチオンがなく、1号ライダーのように右手と左手を入れ違いにする)
 変身構えの手が左右揃ってるので、そちらもきっちり再現。

 って変身直後は、いつもと同じで両手開いてるんだった……

 SHFシャドームーンが発売されていないので、代役として知性の青き泉な人にご足労願い、両者フルボッコシーンをもんのすごく適当に再現。
 この後、W初登場時の観客に転ずる二人の姿があまりにも情けなく、思わず三回泣いてしまいます。

 ライジングアルティメットというだけあって、アークルは当然「ビリビリモード(仮称)」になっています。
 ところがここで更なる問題が!
 なんと、過去に発売された「SHF仮面ライダークウガ・アメイジングマイティフォーム」や「同・ライジングマイティフォーム」のアークルと、全然形が違っているのです。
 言うまでもなく、劇中のものはどれも同じ形です。

 結論から言うと、形状としてはライジングアルティメットの方が本来の形状に近く、他のクウガのものはアレンジが入りすぎです。
 しかし、パッと見の豪華さはアレンジ版の方が良かったり、ライジングアルティメットの方もやや小さすぎ&造形が妙に緩い等の特徴があり、結局どっちもどっちだったり。
 これは単純に原型製作者が異なるために発生した「すり合わせ出来なかった部分」なのですが、他の共通部分(手首や足首は過去のクウガと同一形状パーツ)のことを考えると少し複雑な心境になりそうです。
 
 つーかこれくらい統一しろよと言いたい。 

 クウガ・マイティフォームとアメイジングマイティフォーム、そして黒目赤目と並べて撮影。
 なんと、ライジングマイティはこんなに背が高い! です。
 横幅があるし肉厚な造形なんで、見た目の印象的に他のクウガよりデカく思えるだけかと考えていたら、本当にデカかったという落ち。

 アメイジングマイティフォームと個別比較。
 どちらも「黒の金の」なんだけど、もう完璧に別物(別物ですけど)。
 同一人物にはとても見えません(違いますけど)。

 一見ベルトと目、口の辺り以外ほとんどクウガの原型を残していないようにも見えますが、実際はそうではなく「アルティメットフォーム」の発展系である事が見て取れる面白いデザインにまとめられています。
 体表のラインは代表例ですが、その他にも脛部分のデザインや太股など、あちらのデザインを知っていると「なるほど」と思わされる箇所が色々見て取れます。
 また、手首・足首の輪状パーツは色こそ変われどまんまクウガで、この辺もニヤリとさせられるポイント。
 このように、ライジングアルティメットは色々な見所に溢れています。

 ちなみにアークルのボタンが無彩色なのも劇中準拠。

 赤目アップ。
 複眼のパーツ構成は大幅に変わっており、フィギュアーツ・クウガの弱点である「目が小さく見える」がまったくありません。
 また複眼内部のモールドも際立っていて、実に良いです。

 黒目アップ。
 写真だと沈んでいるためモールドが見えませんが、こちらも複眼はしっかり再現されており、黒くてもちゃんと確認出来ます。

 劇中の着ぐるみに比べると細身ですらりとしすぎな感もあるフィギュアーツ・ライジングマイティですが、これはこれで見事なバランスを構築していて、恐らくはあまり違和感は覚えずに済む造りなのではないかと筆者は考えます。
 勿論、この辺は個人によって解釈は様々なので断定は出来ませんが、比較的良好なアレンジが施されていると言っても過言ではないでしょう。

 黒目も赤目も、色以外は全く同じ形状のものなんですが、不思議と別物に感じられてしまう魅力があります。
 黒目は悪役然とした佇まいが映え、赤目は過剰にパワーアップしたヒーロー然としている印象があります。
 劇場版での活躍から来るイメージによっても左右される感覚ですが、こういう差異も悪くないなと思われます。

 さて、ではなんで黒目と赤目がコンパチではなく、別商品として販売されたのかというと……
 その理由については明確な情報が示されていないため、はっきりとは断言出来ません。
 しかし、「赤と黒両方揃えるためにわざわざ二個買いを強要される」という販売形式に対する批判はかなり多かったようです(筆者もこれはどうよと思ったし)。
 この辺についての顛末については、後ほど別途まとめます。

 ビートゴウラムに乗せてみると、なんだか凄いことになっちゃいました。
 黒と金がこれ以上ないってくらい重なってなんつーかもう。
 こうしてみると、バイクとの対比は他のフォームより良い印象がありますが、実はかなり乗せづらいです。
 足をもて余す感じでマイティフォームなどを搭乗させる時とはまた違った「足の曲げ方」を強要される結果に。

 ビートゴウラムの後部パーツを取り外し、足の状態を見てみます。
 こんな風に、相当大股開きさせないと尻が浮いてアンバランスになっちゃいます。
 また、身体が大きいため搭乗スペースがギリギリまで埋まり、乗せ方が悪いと後部パーツと接触してしまったり。
 まー劇中でこんなシチュはありえないので、無理に乗せる必要はないんですが念のため。

 せっかく倉庫の奥から取り出したので、ビートチェイサーにも乗せてみました。
 黒金ペアで妙に似合ってるような気がする?
 武器なんかないのに武器持ち手付属なので、何の工夫もいらず自然にバイクに乗せられるのは嬉しいところです。

 後ろから。
 他フォーム搭乗時の時と比べると、バイクが小さく思えてしまいますね。
 実際はこれくらいの対比が丁度良い筈なんですが。

 って、ビートチェイサーが出てこない「仮面ライダーディケイド」のライダーなんだから、トライチェイサーに乗せるのが本道! と思い返し、ブラックヘッドにも搭乗させてみました。
 (ゴールドヘッドは諸事情あり倉庫から取り出せませんでした……)
 クウガの方がボリュームありすぎな感じで、多分ゴールドヘッドに乗せても似合わないんじゃないかなーという気が。

 今回の特典として、専用カラーの「魂STAGE」がそれぞれ1セット付属します。
 赤目はレッドクリア。

 組んでみると、素立ちで飾るにはちょっと長すぎる感じ。
 それと、関節部分だけはクリアではありません。
 こいつもちと違和感。

 黒目はブラッククリアです。
 関節がクリアじゃないのは赤目と同じ。
 これらは「SHF強化外骨格零」や「SHF仮面ライダーイクサ(初回版)」などに付属したものと同じパーツ構成で、軸は中の長さのもの二本です。
 保持力はいずれもかなり高めで、結構重宝します。

 こちらは、2010年2月開催の「魂フィーチャーズ」会場限定販売版「魂STAGEカーマインレッド」に、ライジングマイティを合わせてみたものです。
 こちらは蛍光レッドの成型色で、付属する軸は長が一本、アーム基部は「軸を挟むタイプ」のみです。
 その他、台座部分に「S.H.Figuarts」の文字がプリントされています。
 カメラの性質上、うまく蛍光レッドが発色されていないですが、ご容赦を。

 ダークアイズVer.とレッドアイズVer.では、パッケージデザインが異なります。
 こちらは「魂ウェブ」のダークアイズVer.。

 こちらは「東映ヒーローネット」のレッドアイズVer.。
 眼の部分だけ、わざとらしく赤くなっています。
 あと、なぜか「Red Eyes Ver.」といった表記がないという。
 ひょっとしたらこちらがメイン商品のつもりで黒目の方がバリエーション商品のつもりだったんでしょうかね?

【買ってみて一言】

 部分的な不具合や問題点はありますが、それを踏まえてもかなりの完成度を誇る秀逸アイテムだと思われます。
 発売前は散々言われまくった本商品ですが、そのほとんどは販売形式や劇中活躍に対する不満についての指摘であり、実物の良さはそれとは別な所にあったと言って良いのでしょう。
 台座に飾って良し、目の色ごとにイメージングされるポーズを付けるも良し、二体使ってネタに走るも良し、他のSHFクウガを並べるも良し、「そこにあるだけで」充分な存在感を発揮出来るというのは素晴らしいことだと思います。
 個人的には、こういうのもプレイバリューの一つとして捉えたいものですが、なんとも伝え辛いものがありますね。
 ともあれ、限定品ではありますがクウガ好きには、そして何より「ユウスケが好きな人」には、是非とも手に取っていただきたい逸品です。

 ただし、取り扱いには厳重な注意が必要かと思われます。
 というのも、このライジングアルティメット各部位の尖り具合はハンパではなく、特に前腕部分のトゲなどは気を抜くと成人でも負傷しかねないほどの鋭利さを持っています。
 間違っても、対象年齢以下の人には触れさせないようにすべきでしょう。
 (よく誤解されますが、対象年齢は安全基準の概念で、その商品に相応しい年齢という意味ではありません。詳しくはこちらを)

■ SHFクウガ・ライジングアルティメット 通販顛末期

 ライジングアルティメットの通販告知は、受注開始一週間前の2009年8月11日頃に行われました。
 当時は「オールライダー対大ショッカー」が公開されてまだ三日目で、相当な電撃発表で大変話題になりました。
 しかも、発表された原型がマッシブかつ造形が細やかで、劇中の雰囲気を感じさせる好印象なものでした。
 更に、造形は人気を博した「アナザーアギト」を彷彿とさせるもので、良い意味でSHFクウガと違う印象を与えていました。
 また赤目と黒目両方の写真が出ていたことから、誰もが頭部交換式になるだろうと信じ込んでいました。

 ところがライジングアルティメットのレッドアイズVer.とダークアイズVer.がそれぞれ別売り、しかも魂ウェブ経由と東映ヒーローネット経由で二分されるという情報が大きな波紋を呼びました。
 それまでにも「SHFアギト」や「アナザーアギト」のように頭部または顔面パーツ交換でバリエーション変化を再現していた例があるため、この時のファンの反発具合は凄まじいものがありました。

 もう一つ、送料の問題も挙げられていました。
 両方欲しい人は二つ別々に注文する必要があるため、当然送料・代引手数料もそれぞれに発生しますが、東映ヒーローネットは送料が1,000円と魂ウェブの倍額で、そのためただでさえ高めの価格が更に割高になってしまいます。
 結局、両方買うと総額9,135円という、だいたいSHF三体分以上もの価格に膨れ上がってしまいます。
 しかし、この決定は結局覆されることはなく、予定通り受注が開始されました。
 受注期間の約三ヶ月間、筆者をはじめとする多くのファンは「どちらを買うか」「両方買うべきか」で散々悩まされる事になります。

 ライジングアルティメットの受注開始は、魂ウェブ・東映ヒーローネット共に2009年8月18日からで、これは「オールライダー対大ショッカー」公開の10日後。
 劇場版を観た人はライジングアルティメットの予想外のヘタレ扱いっぷりに驚かされたものですが、これも注文も迷わせる要因となったようです。
 「仮面ライダークウガ」でのアルティメットフォームの描写から、黒目=非正常意識・赤目=正常意識というのは容易に予想され、実際その通りだったのですが、実は黒目の時の方が活躍しており、赤目はほとんど一方的にやられてばかりというお粗末な扱い。
 しかも、黒目はただ門矢士をボコるだけ、赤目に至っては対戦相手のシャドームーンに触れることすら出来ないという始末。
 劇中の活躍次第で購入を検討するタイプの人が迷うのも、当然といえるでしょう。

 受注受付期間は同年11月4日までで、この頃は12月10日公開の冬の劇場版「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」に対する期待と注目が集まっており、当然ながらライジングアルティメットの名誉挽回を期待する声もありました。
 ただ、この作品は「オールライダー〜」に比べて事前情報がほとんど出回らず、公開間近になってようやく概要が知られるという状況だった事もあり、ライジングアルティメットが出るかどうかすらハッキリしませんでした。
 最終的に、両方買う覚悟を決めた人、劇中の活躍を考慮し黒目のみを選んだ人、ヒーロー性を重視?して赤目のみにした人が注文を行い、後は翌年2月の到着を待つばかり……となる筈だったのですが、受注最終日にまたまた予想外のトラブルが発生します。

 魂ウェブの受注は特に問題なく終了した様子でしたが、東映ヒーローネットは11月4日に深刻なサーバダウンが発生。
 これにより、最後の最後まで赤目の購入を悩んだ人達が注文を行えないというトラブルに発展しました。
 東映ヒーローネット側は、この問題に対し予定より一日受注期間の延長を行いましたが、当然この日もアクセスが集中し、スムーズに注文が行えなかったようです。
 それでも、「S.I.C.ワイルドカリス」の時のようなトンデモ事態までには至らなかったため、その後は所謂「喉元過ぎれば」状態に落ち着いたようです。


 年が開け、魂ウェブは2010年2月19日に発送開始を告知し、各注文者にお知らせメールを送りました(これはいつも普通に行われているものです)。
 ところが、東映ヒーローネットからは注文時の確認メール以外全く連絡がありません。
 当初の発表はどちらも2月下旬発送予定というアバウトなものだったため、黒目はいいとして赤目注文者はいつ届くかわからないわけです。
 そのため、恐らく黒目と同じく19日以降に届くだろうと予想されていたのですが、意外にも黒目より早く18日には到着報告が各所で上がり始めました。
 20日には、黒目の到着報告も出始めます。
 19日は金曜日、20・21日は土日だったため、両方注文した人は赤と黒を並べてニヤニヤする事が出来た筈でしたが、ここに至って更なるトラブルが発生しました。

 なんと、週明けの22日になってもまだ赤目が届かないという報告が出て来たのです。

 商品の配送状況を確認したくても、東映ヒーローネットからの発送についてのメールも届かないため行えません。
 東映ヒーローネットは、メルマガ配信をしないと発送メールなどが届かない仕様で、それを知らない人がいつものネット通販の習慣でチェックを外していたというケースが多かったようですが、普通これらは混同される事はありえないので、これも問題点として挙げられていました。
 メールによる問い合わせも、「東映ヒーローネットは土日はお休み」という事情のため返信が遅れていたようで、2月下旬の週末は大変に不透明な状況と相成りました。

 東映ヒーローネットの通販は、魂ウェブと違いすべての商品が同日発送処理されるわけではなく、少しずつ順次行われるという独特のパターンになっており、以前にも利用した事のある人はそれを理解していたようですが、(筆者も含め)今回初めて利用した人は不安タラタラです。
 しかし、どうもこれは「注文順に発送している」というわけではない事もわかりました。
 例えば、筆者は都内23区で11月1日に注文しましたが、幸い21日(日曜日)の午後3時頃に到着しました(時間指定は夜間だったんですが……)。
 かと思うと、WEB上では19日に北海道に届いたとか、沖縄にも届いたという報告が見られました。
 WEB上の報告全てをそのまま受け止める事は出来ませんが、少なくともかなりムラのある配送状況だったのは間違いないようです。

 結局、最終と思われる発送処理は2月22日に行われ、25日頃には未到着報告はほとんど見かけなくなりました。
 ただ、それでも中には25日(木曜日)にやっと届いたという人も居たようで、どちらにしろ後々の課題は多く残ったと言えそうです。

 2010年2月下旬現在、ヤフオクの相場は赤目がやや高めで、黒目の方が低めになっているようですが、送料・代引手数料を含めて考えれば今のところいずれも定価プラスアルファの域を出てはいない様子です。
 ただ明確な需要がハッキリしないこともあり、今後どう変化していくかはなんともいえない状況です。

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