第48回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「マシントルネイダー&仮面ライダーアギト・トリニティフォーム」

2010年1月30日 更新

 フィギュアーツ・アギトは以前にも大々的にレビューしたんですが、今回はその補足という形でもう少しだけ。
 2010年1月23日、この年最初の新作玩具発売ラッシュ時に合わせて、二つの「魂ウェブ限定品」が到着しました。
 今回は、そちらの簡素レビューをば。
 当初は既出のアギトページにつなげる予定でしたが、思いの外写真の枚数が増えたため独立させました。

 尚、ポピニカ版マシントルネイダーとフィギュアーツの絡みや、グラント・フレイム・ストーム組替によるトリニティフォームについてはこちらで多く語っていますので、是非ご参照ください。

■S.H.フィギュアーツ マシントルネイダー(SHF仕様)

 2009年9月30日〜11月11日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
 到着は2010年1月23日以降。
 同時販売物は「SHF仮面ライダーアギト・トリニティフォーム」で、同梱発送可能。
 オリジナル台座(魂STAGE)付属。
 アギト・グランドフォーム用の手首1種付属(後述)。
 価格は税込3,675円+送料・手数料。
 当たり前ですがバイクのみで、アギト本体は付属しません。

 以前も何度か搭乗写真を掲載しましたが、本来全くの別規格同士とは思えないほどのベストマッチングぶりに驚かされます。
 当時品を知らない人は、フィギュアーツに合わせて新造されたと誤解されるケースもあるかも?! などと思ってしまうくらいです。

 マシントルネイダーが、フィギュアーツ仕様で復活!
 こちらは、2001年「仮面ライダーアギト」本放送当時に発売された「DXポピニカ・マシントルネイダー」の仕様変更バージョンで、実質的には復刻版みたいなものです。
 つまり、おおまかなスタイルや部分形状は当時品のまんまで、大きな変更は多くありません。
 それなのに、これだけの完成度を誇っているわけですから、いかに当時の商品が優れていたかを改めて実感させられます。

 基本仕様は当時品のままで、SHF仕様化にあたり、細かい部分への彩色追加や玩具っぽい部位の削除・変更が行われています。
 当然ながら、スライダーモードへの変形ギミックも健在。
 質感やリアリティさが、かなり向上しました。

 サイドビュー。
 スタンドが左側だけになったため、車体が少し手前に傾いています。
 玩具のマシントルネイダーにはフットステップに相当するものがなく、今回もこれが追加されることはありませんでした。
 「DXポピニカ版」では、スタンドを折りたたむことで(実車とは違いますけど)疑似ステップに見立てることが出来ましたが、今回それは適わなくなってしまいました。  

 比較用に「DXポピニカ版」も。
 スタンド形状が違うため、上写真とは角度が違っています。
 ハンドル周囲、タイヤのディスクブレーキ付近を比較すると、塗装追加箇所がよくわかるかも。
 その他、特徴的な「小さな補助輪」も、SHF仕様化で削られることになりました。

 SHF仕様の、スタンド部分アップ。
 うわ、上がちょっとずれてる!
 「DXポピニカ版」発売当時散々叩かれた補助輪がなくなって実にスッキリしました。
 もっとも、これによりスライダーモード時の安定性が著しく失われた点も無視出来ませんが。
 (今回の撮影で思い知らされました)
 スタンド基部の形状はそのまんまで、単にスタンド部品だけが入れ替わった状態です。

 前面部の比較。
 左がSHF仕様、右が「DXポピニカ版」。
 アギトの紋章が大型化して、ライト部分がクリアブルーに。
 より精悍な顔つきになった気がします。

 後部比較。
 こちらは手前がSHF仕様、奥が「DXポピニカ版」です。
 タイヤの形状が違うように見えますが、それは角度やヌケの関係でそう見えるだけで実際は同じです。
 それよりむしろ気になるのは、なぜかタイヤが 灰 色 になってしまった点。
 これが、今回最大の問題点です。
 一度気にすると、かなり目立ってしまいます。
 このページの写真はライトの当たり具合&筆者の撮影下手が合わさってあまり差異が感じられませんが、実物を比較するとびっくりしますよ。

 メーター周辺は、こんな風になりました。
 メーター内部に目盛りや針の表現が加わり、よりバイクらしいスタイルに。
 反面、謎の黒い平面が発生してしまいました。
 ここには何があったのかというと……

 こちらは「DXポピニカ版」のメーター周辺。
 ごらんの通り、メーター内部の表現がオミットされている代わりに、謎のモニターやスイッチ類を表現したシールが貼られていました。
 この玩具っぽい部分を除去したため、SHF仕様は黒い板になってしまったわけです。
 個人的には、別なモールドを配したシールを貼ってごまかしてもらいたかったです。
 この「DXポピニカ版」のシール自体、どうせ玩具オリジナルなんだし。

 スライダーモードの比較です。
 SHF仕様は、本体の腹で直接接地する形になります。
 安定性は意外に悪く、「DXポピニカ版」のように上にアギトを立たせて長期間飾るというのは、補助具なしでは厳しいかもしれません。
 あと、さすがにサイド部分の金色のツメの一段目〜二段目は分離しませんでした。

 前輪の色の差が、ハッキリ出ていますな。

 スライダーモードの中心辺り。
 上が「DXポピニカ版」、下がSHF仕様。
 SHF仕様には、意味深な穴が開いておりますが、これが今回付加されたナイスすぎるアイデアなんです。
 詳しくは後述します。

 スライダーモード・底面。
 こちらはSHF仕様です。
 すっきり!

 こちらは「DXポピニカ版」。
 スライダーモード用の小さな収納式前輪があるのがわかります。
 また、スタンドの形状が全く別物なのもおわかりになるかと。
 謎の青いシールが光ってるぜ。
  ――これ検品確認用だったっけ?

 今回の特典、アギト紋章入り魂STAGE!!
 こちらは、本商品発売決定時からアナウンスがありましたが、実物の写真が出るまで結構な時間がかかりました。
 そのせいか、ネット上では「台座自体がアギトの紋章の形状をしているに違いない!」といった妄想も渦巻いてました。
 それはそれで面白そうではあるけどね。

 というわけで、これを利用すれば「ライダーキック直前の構え」で飾るのも可能になります。
 本当はこの場面、手の形状が違う(指が揃えられている)んですけど、その辺はご容赦。
 つーか前回やったし。 

 アーム部分を引っこ抜き、スライダーモードの謎穴に差し込むと、あら不思議!
 こんな飾り方が可能になります。
 これは本当に嬉しい仕様!

 背面から。
 実際には、片方の足が浮いてても全然余裕で保持しちゃいます。
 実物を見れば単純な発想に思えるかもしれませんが、こういうさりげなくかつ効果の大きい工夫には本当に脱帽です。
 ただし、アームはこの長さのものしかないため、もっと短い物などが必要な場合は「魂STAGE」を買い足す必要があります。

 ちょっと無理すれば、一応「ライダーブレイク」射出直後の再現も可能。
 ただし、これをやるにはさすがにスライダーモード本体の安定性の低さが災いします。
 あと、アームのネジを少し強めに締めた方がいいかも(この写真では何もしてません)。

 上方向に伸ばすなら、多少の無理でも余裕っぽいです。
 手近にあった変なのを持ち上げてみます。

 SHF仕様マシントルネイダーには、アギト・グランドフォーム用の手首が付属しています。
 これのおかげで、ようやく正式にバイクに乗れるようになりました。

 相変わらず、グリップ感はバッチリです。

 さてこの手首ですが、やはりというか当然というか、過去の商品に付属したものと同じです。
 画像では「SHF仮面ライダーBLACK RX」の武器持ち手と比較していますが、「SHF仮面ライダーアギト・フレイム(またはストーム)フォーム」付属のとも同一形状です。
 ですから、これらを持っているまたは既に流用しちゃってる人は、特に今回の付属品を使う必要はありません。

 手の甲側から比較。
 ちょっと角度ズレてますが、全く同一形状なのはわかると思います。

 各種スライダーモード比較。
 奥から、「DXポピニカ版」「SHF仕様」「FFRアギトトルネイダー」。
 無駄に壮観な光景になってしまいました。

 パッケージはこんな感じで、今までのフォーマットをきっちり踏襲。
 ちなみに郵送時のダンボール箱は、このパッケージがほぼゆとりゼロで入っているほどコンパクトなので、取り出す際は注意が必要。
 結局両方の蓋を開けて、片方から押し出すようにしないと出てきてくれません。
 箱を大事にしたい人は、擦れたりしないように注意が必要です(ただし到着時は白い紙で覆われていますけど)。

 SHF仕様マシントルネイダーは、基本が良く出来ていることが分かっていたので、特にこれといった大きな不満は感じられず、実に安心して手に取ることが出来ました。
 スタンド部分の大幅変更なども、充分予想の範囲内でしたし、何より玩具っぽさを消すための処置なので当然なのではないかと考えられます。

 ただし、タイヤの灰色化だけは意味不明。
 「DXポピニカ版」は、タイヤとマフラーの癒着が問題視されていましたが、それを避けるため別な素材でも用いた結果なのでしょうか?
 もし可能であれば、「DXポピニカ版」とタイヤを交換するのもいいかもしれません。

 今回の商品化は、当時品を持っている人に対しても大きな意味があったと思います。
 以前にも触れた通り「DXポピニカ版」は耐久性に問題が多いため、予備または買い直しとして有効でしょう。

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■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーアギト(トリニティフォーム)

 2009年9月30日〜11月11日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
 到着は2010年1月23日以降。
 同時販売物は「SHF仕様・マシントルネイダー」で、同梱発送可能。
 頭部(前面のみ)二種類付属。
 手首は全5種付属(後述)。
 そのうち1種は、アギト・グランドフォーム用の新造手首。
 フレイムセイバーとストームハルバード(どちらも展開後)付属。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込3,150円+送料・手数料。

 ようやく正式なトリニティフォームが到着しました。
 これで、おっかなびっくり腕を引き抜く作業から解放されます。
 トリニティフォーム自体についての詳細は以前こちらでやりましたので、今回はさらりと触れる程度で。

 基本仕様は、SHFグランド+フレイム+ストームと同様。
 二大武器・フレイムセイバーとストームハルバードについても同様です。
 ただし、トリニティ本体は細かい部分に微妙な差異がありますので、そちらについては後述。

 大振りポーズが決まりまくり。
 (まだ)固い関節が個人的に嬉しいです。

 ビデオ版(だったかな?)でやっていた、フレイムセイバー二刀流もこれで再現可能に。
 パーツ請求したりもう一個買う必要もな(略)

 手首も、フレイム&ストームと同様の物が付属。
 あちらにあって今回のトリニティに足りない物は、(構成部品という意味で)ありません。

 本商品と、以前紹介した非公式組替版を比較。
 右は、特に意味なくホーンクラウン展開させています。
 先の通り基本仕様は変更なしなのですが、

  • 複眼の表面が若干曇っている
  • 胸部の金色が濃くなった
  • ベルトのバックル中心部分の色が薄くなった

といった違いがあります。
 いずれも問題というわけではありませんが、特に胸部とバックルの色は目立つかもしれません。
 ちなみに、撮影し忘れてしまいましたがベルトの後ろ側の塗装はオミットされておらず、グランドフォーム同様ちゃんと赤く塗られているのでご安心を。 

 次に、今回の特典「グランドフォーム用新造手首」です。
 SHF仕様マシントルネイダーに付属した物も含め、ようやく4種目の正式手首の登場となりました。
 上の画像が、その現物。

 ――従来の開き手と大差ないと感じた人も多いのでは?

 というわけで比較してみました。
 上の写真は若干手首の位置がズレてしまってますが、中指〜小指にかけての角度が異なり、人差し指が割とまっすぐ伸びているという違いがあります。

 実際は特にアナウンスはなかったんですが(それどころか新造手首の発売前画像公開すらなし)、ネット上では「ライダーキック時の構え手首」で確定のような言われ方でした。
 でも、実際はそれとは違うもので、何に用いれば効果的なのか、すぐには思いつき難い感じです。
 四本の指がせめてもう少しくっついていれば良かったんですけどね。
 上の写真は、四本の指を手でグッと押さえ、元に戻る前に撮影したものですが、せめてこんな感じだったら良かったんですが。

 まあ実際の映像では、このポーズの際必ず指が閉じられてるわけではなく、角度のせいか微妙に離れているケースもあったので、あまり神経質になるのもどうかという気がします。
 ともあれ、今までの開き手やBLACK系の手刀手首を用いるよりは、遙かにそれっぽい雰囲気にまとまります。
 やっぱりありがたいものです。

 当初心配だったんですが、この新造手首のトリニティ版もきちんと同梱されていました。
 ごめんね疑ってごめんね。

 全然関係ないですが、さっき挙げた「目が曇ってる」という点、この写真だと特にわかりやすいかも。

 「君達、(中略)ボクと握手!」

 うーん、これと紋章台座組み合わせて撮影すれば良かったかも。

 なんとなく同じ構えで背中合わせ。

 さて、本商品には一つ奇妙な特徴があります。
 それは、「武器持ち手」がなぜか二組も付属していること。
 決して問題というわけではないのですが、なんだかとっても不思議です。
 このため、付属手首は計5種でありながら合計数は12個にも及ぶという奇妙なことになっています。

 こちらが、本商品の手首全部の内訳です。
 上段と中段は、フレイム&ストームフォームに付属していたものと同じです。
 当初、一見同じに見える武器持ち手は付け根の角度が違う(微妙にポージングが変化する)という情報がどこぞで流れていたようですが、検証したら完全な同一品でした。
 一見無駄に思えるこの手首ですが、よく考えるとストームハルバードのような持たせ辛い武器につけっ放しにしておくとか、或いは一組をバイク搭乗時専用にするとか、色々活用法はありそうです。
 どっちにしろ、不足しているよりは多い方がいいんですし、予備としても重宝しますから、これはこれでアリなんではないでしょうか。

 それにしても、グランドフォームの手首全2種の話題で騒がれていた頃を思い出すと、凄いことになったものです。

 1月23日発売&到着のフィギュアーツを揃えてみたり。
 説明は不要な気もしますが、手前右手は「SHF仮面ライダーイクサ」。
 こちらも、「SHF強化外骨格零」を思わせる品薄状態に突入しましたねぇ。

 あ、イクサのレビューは予定してないのでごめんなさいと先にお詫びしておきます。

 本商品の予約開始当時は、まだ「SHF仮面ライダーアギト・フレイムストームフォーム」の再販情報が出ていなかったため、フレイムとストームの代替品的な意味で予約を考えた人、または所詮代替品と考えて手を出さなかった人が多かったような印象があります。
 確かに、物自体は過去の販売物で代用出来るものでしたし、新造手首だけを目的に購入しようにもその情報がとうとう公開されず仕舞いというちょっとよくわからない状況だった事もあり、イマイチ素直に手を出す気になり辛いアイテムになってしまった感は否めません。
 でも、そういった因縁めいた話は別にして、単純に「アギト4つ目のフォーム」として購入する分には、なかなか悪くないアイテムだと思います。
 フレイム&ストームフォームが、以前からは考えられないほどダダ余りになっている2010年1月現在、トリニティフォームの存在意義は良い意味で変化している気がします。
 現在なら、まだヤフオクなどで高価になっていないので、あらためて興味を抱いた人は入札してみるのもいいかもしれませんね。

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【買ってみて一言】

 今回は書くことがない……
 どちらも似たようなものが別経路で手に入る商品のためか、人によってはあまり新鮮味が感じられない商品かもしれません。
 でも、アギト基本フォームを全部個別で飾りたいとか、「DXポピニカ版」の経年劣化が不安だから対策したいとか、そういう需要にはバッチリ符号します。
 ある意味、本当の意味でコレクター向けアイテムだったような気がします。

 それにしても、アギトだけでよくもまぁここまで揃ったものです。
 装着変身の時もすごいなと思いましたが、フィギュアーツもギルス、エクシードギルス、G3-X、G4が発売済みなので、アナザーアギトも加えて更に上を行くわけですね。
 まさかこんな事になろうとは……

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