第44回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「アナザーアギト」

2009年6月28日 更新

 たて続けに、フィギュアーツのレビューです。
 今回は、前回の「強化外骨格・零」と並んでまさかのラインナップ。
 「仮面ライダーアギト」のアナザーアギトです。

 有名でファンも多いキャラクターですから、今回は余計な解説は極力省いてあっさりめにレビューを。
 それにしても、本当によくこんなのが出たものだなあ……

■ S.H.フィギュアーツ アナザーアギト

 2009年6月20日発売。
 同時販売物は、シリーズ中にはなし。
 仮面ライダーシリーズのフィギュアーツで、「仮面ライダー電王」のイマジンを除けば、現状唯一の非・仮面ライダー※。
 全高約14センチ(ツノ含まず)、全4種の手首付き。
 頭部二種類付属、背面マフラーパーツ付属(バリエーションはなし)。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込3,150円。

※一部書籍上の表記を除き、他媒体では仮面ライダーという分類に加えられていないケースが多いため、(仮面ライダー的条件を多く持ってはいるものの)本ページでは仮面ライダーとは認識しない方針で記述する。

 「仮面ライダーアギト」35話から登場。
 ただし、変身前の存在は以前から幾度も劇中で語られており、初登場時には既にその存在の重要性は知れ渡っていた。 
 かつて天才医師として名を馳せた木野薫が、あかつき号事件に巻き込まれた際にアギトの因子を受け、その影響で変身可能となった姿。
 劇中では、アギトの因子を持ち超能力者化を経て更に進化した存在を総じて“アギト”と呼称(ギルスも一応本編内では「アギトの亜種」とされている)されるため、人間から変身した者は特に個別名称を持っていない。
 「アナザーアギト」というのは、主人公・津上翔一(本名・沢木哲也)が変身する「アギト」と区別する意味で「Another(もう一つの)」を付け加えた名称。
 よって、この名称は劇中では登場せず、主に雑誌&紙媒体上や玩具製品上での呼称となる。

 アギトのマシントルネイダー同様、市販のバイクを自身の能力で変化させた「ダークホッパー」を駆る。
 ただし、特殊な経緯で変形能力を得たマシントルネイダーと異なり、ダークホッパーには更なる変形モードは存在しない。

 身体形状が大きく異なるものの「アギト」であるため、「仮面ライダーアギト」との共通点はかなり多く、「ホーンクラウンがある」「複眼状の目・足首周辺のモールドが酷似」「胸板中央部のモノリス」「ベルト状器官の存在(オルタリングに対してオルタポイント)」「独自の紋章を持つ」「キック技時にエフェクトが出現する」「バイクを変形させられる」などの特徴が見られる。
 逆に、大きな違いとして「フォームチェンジ能力を持たない」「常に徒手空拳で戦う(或いは相手の武器を奪う)」というものがあり、ある意味では劇中に登場する中で最も“仮面ライダー”のフォーマットに忠実。
 デザインモチーフは、「仮面ライダーアギト」の竜に対してこちらはバッタ。
 その他、各部意匠に昭和ライダー的なものが混じっている。

 必殺技は「アサルトキック」で、所謂ライダーキックタイプのもの。
 技を発動させる前に、「仮面ライダーアギト」同様足元に紋章型のエネルギーフィールドが発生する。
 46話にて、木野薫の状態でウォルクリス・ファルコの頭突き攻撃を受けてしまい、それが致命傷となり後に死亡してしまう。
 木野薫死亡のエピソードは、脚本担当の井上敏樹氏自身が「最終回のつもりで書いた」と発言している通り、大変印象深い内容となった。

 放送当時、木野薫は「歴代最高齢ライダー(劇中設定32歳)」として話題となりましたが、後に「仮面ライダー響鬼」で三十代ライダーが続出し珍しくなくなったことに加えて、51歳の渡辺裕之氏が演じる「仮面ライダー牙王(仮面ライダー電王劇場版)」も登場したため、現在はあまりその点では話題にならなくなってしまいました。
 ちなみに、木野薫を演じた菊池隆則氏は当時42歳でした。

 フィギュアーツとは思えない骨太っぷりで、ごっつくもスマートさを失っていない見事なプロポーション。
 また、見た目の印象に反して可動率も大変高く、とても遊べるアイテムになっています。
 ポージングの決まり具合、説得力、迫力は、装着変身から含めて見てもかなり突出してものになっています。

 ギミックや可動に特別目を見張るものはないのですが、とにかく造形が良くて飾っているだけで楽しいアイテムになっています。
 まあ、前提として「アナザーアギトが好き」という要素は必要になるでしょうけど。

 詳しくは後述しますが、本商品は色々な意味であまりフィギュアーツらしくない出来で、しかしてフィギュアーツの良い所はきっちり持っているという、大変欲張りな造りです。
 若干色味が明るすぎたり、一部特徴的な部分の塗装が足りなかったりしますが、そういった問題点を差し引いてもなかなかのものです。

 アナザーアギトは、これまでも何度か製品化してはいるのですが、ほとんどが非可動の固定フィギュアばかりで、可動物と云えば「S.I.C.シリーズ」くらいしか思い当たらない感じでした。
 そのS.I.C.自体、アレンジが強く好き嫌いが大変分かれる出来だったこともあり、いわば劇中に比較的忠実に作られた可動フィギュア版は、実質今回が初めてであるとも云えます。

 上の画像でも大きく写ってる前腕、及びふくらはぎにもある虫の脚状の突起は軟質樹脂製で、可動には全く支障を来しません。

 アナザーアギトは、歴代の中でもっとも珍奇な変身ポーズを取ることで有名です。
 下腹部を引く姿勢をとり、ベルトの前で両腕を交差させるため 背筋を伸ばしながら尻だけを突き出してるようなスタイルになってしまうためです。
 筆者は、これを「腰の入ったヘッピリ腰」と呼んでいます。
 残念ながら、この珍奇ポーズは少々難しい様子。
 上腕が太いため大胸筋部分に大きく干渉してしまい、腕全体が肩から下がってしまうのです。
 変身直後はこのポーズを維持している状態のため、出来ないのはいささか残念ではありますが、アナザーアギトは終盤変身ポーズが変わり、木野薫の時点で次の動作ステップ(肘を曲げた左腕を前に出し、右手を引くいつものファイティングポーズへの以降)が行われ、それから姿が変わるようになったので、そちらの再現と割り切れば充分対応可能です。

 クウガ、強化外骨格・零と「あまり上に上がらない肩」が続きましたが、今回はバッチリ文句なしです。
 零同様、本来肩アーマーではない部分がアーマー化して浮いてますが、これのおかげで肩から上腕にかけての可動幅は相当なものになっています。
 写真は、腕を限界まで上げた状態で、ここまで行ければ充分です。
 けど、似たような構造のクウガでどうしてここまで出来なかったのかなという疑問も……

 左肩のアナアギマークはモールドされていますが、残念ながら劇中のような縁取りペイントはありません。
 どうしてもアレが欲しいという人は自力でペイントするしかなさそうです。
 肩パーツはABSらしいので塗料の食いつきはいいかもしれませんが、肝心のモールドのエッジがかなり緩いので、境界線きっちりにあの細いラインを乗せて行くにはそれなりの技量が必要かと考えられます。

 ちなみに撮影用着ぐるみには、このようなモールドはなく肩に直接マークが書き込まれています。

 顔の造りは、劇中のイメージをかなり上手く捉えてはいますが、目の形状が微妙に異なったり、クラッシャー周辺の形状(というかパーツサイズの割合)が若干違うなどの差異が見受けられます。
 ただ、これらはここしばらくのライダー系フィギュアーツの中では特段目立たないレベルのもので、よほど細かく気にする人でない限りは、充分許容できると思います。
 一番目立つ目の形は、正面からだとまん丸ですが、少し斜め横から見ると、きちんとタレ目になっているので安心。

 それより気になるのは、胸板のグリーンの彩度と明度が高いこと。
 かなり明るい色過ぎますね。
 バンダイは、なぜかいつもダークグリーンやダークブルーを明るい色に変更してしまうという悪い癖がありまして、なんと88年頃「仮面ライダーBLACK RX」の頃から確認出来ます(ポピニカ・アクロバッターの人形とか)。
 今回は、魂ネイションの展示サンプルが良い色合いだったので期待していたのですが、7月発売予定の「SHF仮面ライダーBLACK RX」同様、やっぱり明るい色に変更されてしまいました。
 それとも魂ネイションのは照明の関係で暗く見えただけなのかな?

 カブト系フィギュアーツの「引き出し式股関節」が、今回復活しています。
 しかも、カブト系より引き出し幅は大きく、しかもロックがかかる構造になっていて、より進化している点は見逃せません。
 写真は、左足のみ最大に引き伸ばした状態。
 こんなにも脚の長さ(可動幅)に違いが出ます!

 よって胡座をかくのもバッチリOK。
 必要性の有無はともかくとして。

 なんかこの木野さん、そのまま浮かびそうでイヤだなあ。

 オルタポイントの出来はなかなかです。
 ただ、実物より若干縦に膨らんでいる印象が強いです。
 ちなみにベルトパーツは下半身部分と一体化していないため、腹部・ベルト・下半身はそれぞれ別々に向きを調整出来ます。
 全然意味ないけど。

 腕の付け根部分の空間が開きすぎているのと、肩関節(胴体側)の可動幅が広い影響で、異常ななで肩になったり肩の位置がありえないくらい不自然な位置に行きやすい欠点もあります。
 どうやら、腕の基部の接続位置が人体構造に反してかなり下の方に付いているのが問題のようです。
 胴体側の肩関節を上に引き上げれば一見問題ないように見えますが、胴体と肩をつなぐ軸を水平にしてみると、その奇妙さがよくわかります。
 また、肩胛骨部分が分厚すぎるため胴体内部のボール状軸受けが下の方にずれてしまっているのもまずいようです。
 これらのおかしな組み立てバランスのせいで、腕部分にしょっちゅうおかしな隙間が空いてしまうわけです。
 ただ、これのおかげで肩全体を下に引くという、他のフィギュアでは少々難しい動きも可能なので、一概に問題点とも言い切れません。  
 大変微妙な問題ですが、これらは、ポージングでうまく調整していくしかないようですね。

 付属手首は、デフォの握り拳以外は写真の通りのラインナップ
 数が多いのはいいんですが、正直平手はこんなにバリエーションが必要だったかどうか、疑問です。
 まあ、それでもバリエーションが多いに越したことはないんですよね。

 この翌週に発売された「SHF仮面ライダーアギト」を見て、心の底からそう思い知らされました。

 指を全部開いた平手は、変身直後のこのシーンくらいしか印象にないなあ。
 あと、これ以外の平手は、どうやら変身ポーズ過程で拳を握る直前とか、そういう時のものっぽいです。
 あと、終盤の変身ポーズ時や、パッケージ写真でもやっている「二本指を揃えて伸ばす」手首が入っていないってのもかなりマヌケ。
 あれは決めポーズの一つなんだから、大事だと思うんだけどなあ。
 この辺の抜け具合は、やっぱりフィギュアーツといったところでしょうか。

 さて、「SHFアナザーアギト」は、発売直後、背面部について多くの指摘が挙げられました。  
 それは、背面パーツをLR指示通りに接続すると、パッケージ写真とは違うマフラーのなびき方になってしまうという内容でした。
 パッケージ裏にある商品写真を参照すると、マフラーは端に行くにつれて内側から外側へと広がっています。
 下の写真は、パッケージと同じ状態です。

 ところが、LRの指示通りだとマフラーは下の写真のように、ちょっと変わった流れになってしまいます。

 見た目の雰囲気だと、LRを逆に接続した方がいい感じです。
 このため、発売当初は「バンダイはLRの刻印を間違えてしまったんだ」という意見が定説になりかけていました。

 上の写真は、LRを逆に接続した場合の背面。
 実は、これだと根本の翼状パーツが設定と反対になってしまいます。

 着ぐるみ写真を直接確認した限り、翼状パーツの正しい向きはこちら
 つまり、LRの指示は間違っていないことになります。
 では、どういうことだったのでしょう?

 これは単に、パッケージ写真がパーツの接続を間違えていただけでした。
 中には、「翼状パーツはこのままでもいいのだが、マフラーパーツのみ左右付け間違えているに違いない」と断定し、なんとマフラーを引き外して接着し直した猛者もいたそうですが、これはやってはいけない事だというのも判明しています。
 翼状パーツとマフラーパーツを接続するダボ穴は、実は左右で大きさが異なっています。
 右の翼状パーツに左のマフラーパーツを接着しようとすると、ダボ穴のサイズが合わず大きな隙間が生じるそうです。
 ですから、そのようなリスクを払ってまでマフラーの向きを無理矢理変更することはないと。
 ただ写真が間違っているだけだったのに、この騒動はえらく騒がれてしまいました。

 尚、このページでは画像によって、わざとパーツを左右逆に付けているものが含まれています。

 今回は、足首関節がいつもの金属製ではなくなり、普通のボールジョイントとなりました。
 つまり、アナザーアギトは合金パーツ使用率ゼロということになります。
 一見大した違いがなさそうですが、これがかなり悪影響を及ぼしています。
 これにより、アナザーアギトの接地性・自立性はかなり悪化。
 ポージングによっては、飾るのすら困難になってしまいました。
 合金パーツ関節の固さに任せたふくばりが利かないためです。
 また、マフラーパーツの重さでただでさえ後方に重心が傾きやすいため、益々問題が生じます。
 加えて、可動幅自体も大きく減少しています。

 フィギュアーツは元々接地性に大きな難のある商品ですが、恐らくこれが今のところもっとも「よろしくない」ものだと考えられます。

 アサルトキック手前の踏ん張りポーズも、いつもならスムーズに行けそうですが今回はちょっと微妙なバランス調整が必要。
 それでも、上手く自立させられればやっぱりかっこいいです。

 クラッシャー展開。
 こちらは、頭部パーツを丸ごと交換します。
 印象的な歯状パーツは、しっかり再現。
 ただし個体差で真っ黒になってしまってるものもあるそうです。

 このクラッシャー展開ヘッドは、左目複眼内部に気泡が混入しているケースがかなりあるそうです。
 筆者のものにも含まれていました。
 光の角度によっては黒目が発生しているように見えて、ちょっと気味悪い感じがします。
 これが交換に応じてもらえるエラーなのかどうかは解りませんが……

 よくよく考えれば、アナザーアギトって別にクリア目じゃないんだから、わざわざクリアパーツにしない方が良かったんじゃ?

 でっちあげで恐縮ですが、アサルトキック構え中のエネルギーフィールド発生状態。
 実際はこの後、両腕を同じくらいの高さに下げて踏ん張りを入れますね。

 アサルトキック。
 比較的後半? で見せた脇を締めるパターン。
 左腕の腋が構造上あまり良く締まらないため、若干違和感は生じるものの、なかなかいい感じにまとまります。
 引き出し式股関節のおかげで、右足の伸ばしもベストの角度になります。

 それにしても、ライダーキック系ポーズは写真で上手く撮るのが難しいなあ。
 実物を見ると良い迫力なのに、写真でそれが伝えられなくていつもギギギギしちゃいます。

 マフラーを手で掴んで撮影しているのはナイショだ。

 アサルトキック着地後。
 一見普通のポーズですが、実際はこの姿勢で立たせるのは至難の業です。

 アナザーアギトのデザインは、1号ライダーとV3のオマージュだそうです。
 けど個人的には、なんとなく2号ライダーってイメージが強いんですよね。
 NEXT2号のカラーリングに若干似ているせいかな?

 色々問題点もありますが、それでもかなり出来の良い商品に仕上がっています。
 ただ立たせておくだけでも、存在感は凄い物があります。

【買ってみて一言】

 正直な話、筆者はあまり期待していなかったんですが、実際に買ってみて評価が高まったアイテムでした。
 とにかく「造形美」と、絶妙で違和感の少ないアレンジが冴えていて、飾って・弄って楽しい物です。
 しかも、今までこういった規格サイズの玩具で商品化することがなかったアナザーアギトですから、思い入れの強い人にはたまらないものがあるでしょう。
 先までで述べてきた通り、無視しがたい難点や、こうして欲しかったという要望もないわけではありませんが、それを差し引いても充分評価に値する商品だと考えます。

 筆者も、「仮面ライダーアギト」本放送当時、やはりアナザーアギトのインパクトに圧倒されて大ファンになったものですが、その後色々なライダーが出たり、また約8年もの月日が流れたこともあり、当時の思い入れは薄まってしまっていました。
 けれど、今回これを手にして、当時の思い入れが次々に蘇り、またその感覚がとても楽しかったです。

 今回のアナザーアギトは、話によるといつもの造形担当者とは別な人らしいですが、これにより「フィギュアーツは細身ばかりではない」「マッシブな造形も充分イケる」という事が解り、新たな可能性が見えてきました。
 大変に喜ばしいことではあるのですが、同時に、無視しがたい疑問点も同時に生じました。

 それは、露骨なコストダウン

 前回の「強化外骨格・零」では随分思い切ったことをしたので、さすがにあれほどのグレードのものは当分は無理だろうと考えられましたが、今度は合金使用率ゼロという、かなり寂しい構成になりました。
 まあ、フィギュアーツに合金率を求めても仕方ないのはわかりますが、それが体重や重心を制御する足首部分から消えたというのは、やはり大きな問題でしょう。
 初期のカブト系は脚部側面部にもダイキャストを使用していましたが、あれから何年も経たないうちに随分軽くなったなという気がします。
 その上、他より500円の値上げです。
 確かに頭部パーツが一つ余分? に付いていますけど、それがこれほどの値上げに繋がるものがどうかは疑問です。
 まあ、まずありえないと思われていたアナザーアギトの、しかもこれだけ出来の良いフィギュアですから、値段そのものは問題ないとしても、コストダウンの痕跡を露骨に見せつつもじわりじわりと値上がりしつつある傾向は、別な意味で不安感を煽ります。

 そして、このコスト面の問題点は、アナザーアギトの翌週6/27に発売された「SHF仮面ライダーアギト」で、より明確に表面化してしまいました。

 以下、「SHFアナザーアギト」の話題から脱線しますが、ご容赦ください。

 当初、このアナザーアギトのレビューはアギトとまとめて行う予定でしたが、アギト発売日の前々日に「アギトには手首が二種類しか付属しない」という情報が入ったため、購入を中止しレビューを独立化させたわけです。
 しかもその後、アギトの手首は「SHF仮面ライダーBLACK」のものとまったく同じ物の使い回しだという事も判明しました。
 これでは、アギトの印象的なポーズが一切取れないばかりでなく、他のフィギュアーツをわざわざ買わないと充分に楽しめないということになります。

 何なんだと、この抜け加減は?

 元々フィギュアーツは、装着変身から「価格帯を維持したまま合金パーツや付属物を減らしていく」というコストダウンを図ったシリーズでもあると言われてまして、その是非はともかくとして、いかに安く済ませるかというのは命題になっていたのではないかと考えることは出来ます。
 しかし、痩せた身体から更に肉を削っても仕方ないわけで。
 これだけ期待されてるシリーズですから、コスト削減を狙ってハンパな構成の商品を出すくらいなら、価格を高めてもいい物を出して欲しいと思わざるを得ません。
 それと?慰??$?も、これは単なる「製作担当者の思い入れの差」という言葉で片付く程度のものなのでしょうか……?

 この後、7月には「SHF仮面ライダーBLACK RX」が予定されており、更に翌月には「仮面ライダーディケイド」「同・ディエンド」の発売が決定していますが、これらもどういうパーツ構成になるのか、だんだん不安になって来る気がします。
 まして現時点で、ディケイドには膝部分の塗装オミットなど、既におかしな部分が見えていますし……

 個人的にフィギュアーツは好きではありませんが、だからといってこのままセコい内容構成に特化していって欲しくはないと本気で考えます。
 アナザーアギトに続く、驚きの商品化に期待させて欲しいものです。

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