第84回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーフォーゼ・マグネットステイツ」
2012年6月9日 更新
- | マシンマッシグラー |
- マグネットステイツ |
続けて、フォーゼ最大の異形態・マグネットステイツです。
■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーフォーゼ・マグネットステイツ
2012年5月26日発売。
同時販売物は、「折紙サイクロン(タイガー&バニー)」。
2012年5月の配送ラインナップは、以下の通り。
- 5/12「仮面ライダーV3」
- 5/19「マシンマッシグラー」
- 5/25(配送開始日) 「ワイルドタイガー 1minute(タイガー&バニー)」「仮面ライダー龍騎ブランクフォーム」「アンク・グリード態(仮面ライダーオーズ)」「仮面ライダーオーズ・スーパータトバコンボ」(すべて魂ウェブ限定)
全高は約15センチ。
合計5種10個の手首付き。
NSマグネットキャノン付属。
Nマグネットキャノン、Sマグネットキャノン付属。
NSマグフォン2種付属。
Nマグネットスイッチ、Sマグネットスイッチ各2種付属。
スイッチ未装填ソケット2点付属。
フードロイド・ホルワンコフ(変型前後)各1点付属。
台座及び専用固定ベース付属。
価格は税込3,675円。
仮面ライダーフォーゼ・マグネットステイツ。
仮面ライダーフォーゼが、NSマグフォン(N/Sマグネットスイッチ)の力で変身した姿で、全形態の中で最もデザインラインが異なる。
歌星賢吾に無断で朔田流星がロールアウトした30と31番のスイッチは、それぞれ○ソケットと□ソケットに差し込み、ペアで使用する特殊なものだった。
だが、対ドラゴンゾディアーツ戦でこれを使用したフォーゼは、エレキスイッチ初使用時同様、両前腕のみが変化するにとどまり、加えて制御不能な凄まじい磁力を発揮、周囲の物体を吸い付けてしまい、身動きが取れなくなってしまった。
この問題解決のため、流星は制御端末を各マグネットスイッチに着ける事を提案。
これに同意した賢吾は、ラビットハッチに残されていた星間連絡用試作情報端末を利用し「NSマグフォン」という携帯電話型に改造する事で対応可能と説明する。
だが、反対を押し切って弦太朗が流星に実作業を行わせようとしたため、賢吾が猛反発、ライダー部離脱を宣言。
さらに、再戦に用いられたNSマグフォンが何故か分離させられず、装着出来ないというアクシデントが発生。
賢吾の忠告にことごとく反発したため、窮地に陥った如月弦太朗の精神状態に感応したスイッチが、過剰な磁力を発揮したことが問題の原因だった。
だが流星に説得され、弦太朗の真意を理解した賢吾は彼と和解、NSマグフォンの感度の最終調整修正を行う。
ようやく本来の性能を発揮したNSマグフォンはフォーゼドライバーに装着され、フォーゼの姿(ステイツ)を変えることに成功。
必殺技「ライダー超電磁ボンバー」で、ドラゴンゾディアーツは撃退された。
両肩のマグネットキャノンは、一発一発がメテオのリミットブレイク(エレキスイッチ使用)でもびくともしないドラゴンゾディアーツを退ける程の威力を持つ連射砲で、フォーゼから分離して合体することでNSマグネットキャノンとして使用可能。
磁力に反応する敵の攻撃を吸着・跳ね返す能力と、さらに強力な超電磁砲を撃ち出す能力を発揮する。
リミットブレイクを受けたゾディアーツは、全身を(まるで超重力を受けたかの様に)圧壊してしまう。
さて、マグネットステイツです。
全仮面ライダー中でも、屈指の異形体。
知らない人が見たら、とても中身が生身の人間とは思わないでしょうね。
また、格闘ナシの砲撃専門ライダーという初の試みも面白い存在です。
それまでも、ペガサスフォームやゾルダのような者もいはしましたが、「ほぼ固定砲撃」に徹してるということはなかったですからね(ペガサスは狙撃だし)。
前後比較。
上半身のボリュームに、どうしても目がいきます。
背中が、もはやどげんな重機動メカやねんという印象です。
あまりにごっつすぎて、良い意味でとてもフィギュアーツとは思えません。
ROBOT魂じゃねぇのかと。
今回は側面も。
縦幅もハンパないです。
倒れたらとても自力で立てそうにない、このスタイルが異形好きにはたまりません。
斜め後ろ。
背中はフォーゼの顔を模しているようです。
これは最初見た時は気付きませんでした。
グラサンかけたフォーゼって感じですね。
顔アップ。
今回は、割と劇中イメージに近い雰囲気です。
まだ目が離れてるように見えますが、実物はそんなに気にならないかと。
個体によっては、ツノが左右非対称(片方の角度がおかしくなってる)の物もあるようです。
ですが、ある程度なら指で調整可能らしいので、自己責任で試してみるのもアリかもしれません。
斜め横から。
この角度だと、妙にかっこいい気がする。
ツノは、これまでのシリーズと比較してもかなり大型で、なかなかの迫力です。
黒い部分は塗装+つや有りで、かなりテカテカしてます。
各部の塗装も、細かくていい感じ。
「こっち見んな」
……あれ?
マグネットステイツの頭部は、本来は肩・胸部と一体化していて、首が全く動かせない筈なんですが、フィギュアーツは豪快に動かせてしまいます。
しかも、頭部を動かす際に干渉するキャノン部分も、しっかり可動してくれます。
恐らく、誰も期待してなかっただろう、脅威のギミックです。
キャノンは最大ここまで可動します。
こりゃまた随分と可動範囲がありますな。
当然、右側もこれくらい動きます。
首をちょっと浮かせてみましたが、ちゃんと首の軸があります。
訂正、あるどころじゃないです。
首の構造はこんな造りになっていて、思い切り伸ばすとここまで行けます。
これまでのアーツフォーゼと同じ構造の首元部分と首軸パーツを使い回しているため、首軸のてっぺんから二重関節式のジョイントを経由して、頭部をつないでいるわけです。
二重関節のパーツは、後頭部の裏側に接続されていて、通常は顔の裏側辺りで折り畳まれている状態です。
こんな構造のため、人間には無理な可動すらこなせてしまいます。
まさに、コズミックろくろ首。
あるいは亀さんゾディアーツのごつある。
オリジナルでは無可動なものを無理やり可動させる姿勢に、反発する向きもあるかもしれませんが、個人的には面白ギミックとして重宝してます。
ただし、頭部が大型&特異な形状なので、たとえ動かせたからといって、それが良いポージングに繋がるかは疑問を差し挟む余地があります。
独自解釈てんこ盛りの頭部に対し、肩周辺の可動範囲はほぼオリジナル準拠。
つまり、可動範囲がかなり制限されてしまいます。
一応、外側の肩アーマーは上下に若干可動しますが、それを活かしても上の画像くらいしか可動させられません。
正面または後方の可動範囲は、見たまんまです。
フォーゼドライバー。
今回は、○ソケット(最右側)と□ソケット(最左側)から、長いレバーが生えてます。
これが、マグネットステイツの要にして、最も異形なアストロスイッチ「N/Sマグネットスイッチ」です。
こちらに使用しているものは、今までのシリーズに付属したもの同様、ソケット部分と一体化したものです。
なぜわざわざそんなことを書くのかというと、そうでないマグネットスイッチもあるからなんです。
別角度から。
マグフォン部分は、それぞれ赤と青のクリア成型のPVC+塗装。
NとS文字部分は塗装されていないので、当然それぞれの色つきです。
――なぜか、この部品のみですが(後述)。
今回はマグネット以外のモジュールが付属しないため、別添えスイッチパーツは「何もスイッチが入っていないソケット部」のみとなります。
画像は、左が□ソケット、右が○ソケット。
マグネットスイッチが装着されていない状態を再現するためには、なくてはならない部品です。
当然、このパーツはマグネットステイツ用ではなく、ベースステイツ用です。
それ以外のステイツにも装着はもちろん可能ですが、設定上意味ないですからね。
ロケットスイッチとレーダースイッチを取り外した、ステイツチェンジ直前の状態を再現。
NSマグフォン・展開状態。
これは、先のマグネットスイッチとは別物です。
とりあえず、ベースステイツ付属の手首で持たせられます。
装着直前の構え? も、当然再現可能。
本当は、もうちょっと中心辺りを持ってましたね。
「なんで割れねぇんだ〜?!」状態も再現できますな。
「割って――」
「挿す!!」
折り畳んだ状態のマグフォンも付属。
こちらも、ありあわせの手首で普通に持たせられます。
えらい充実ぶりだなぁ。
マグネットスイッチ一式。
こんなに沢山ついてきます。
左下から右上に向かって、「マグフォン折り畳み状態」「N/Sマグネットスイッチ・単独」「ソケット付きN/Sマグネットスイッチ」。
一番右が、「NSマグフォン・展開状態」。
どういう意味があるのかわかりませんが、「ソケット付きN/Sマグネットスイッチ」以外の全部のパーツが、何故かNとSの文字が黒で塗装されています。
言うまでもなく、これはわざわざ手間をかけて間違った処置をしているわけです。
その裏側。
モニタ部分と、タッチパネル部分、またその周囲もしっかり塗装されています。
N/Sマグネットスイッチ。
ソケットと一体式ではありません。
ファイヤーステイツ付属のファイヤースイッチに次いで登場した、アストロスイッチ単独の部品です。
ただこのファイヤースイッチは、ヒーハックガン接続用のためジョイント部分の形状が実際のと異なってましたから、完全なスイッチ単独再現という意味では、これがシリーズ初となります。
特に何があるというわけじゃないんですが、なんか嬉しいものがあります。
さらに、今回もフードロイドがついて来ます。
今回は、マグネットスイッチ登場編と同時に登場した「ホルワンコフ」。
奥が変形前、手前が変形後。
ショベルスイッチで、信じられないほどの掘削力を発揮するワンコ。
ベースステイツが器用にぶっ飛ばしたNSマグフォンを発見した、功績者の一人(もう一人?は白蛇の抜け殻)。
裏側。
お尻に刺さっているのが、ショベルスイッチ。
さらに底側。
ちなみに、どちらも特にギミックはありません。
ベースステイツとの比較。
かなり大振りですが、劇中に出てくるプロップより少し大きめです。
マグネットスイッチ初使用時は、エレキステイツ同様、両前腕だけが変化しましたが、構造上これを再現可能です。
ただし、今回は何故か前腕部が妙に固く、なかなか引き抜けません。
どれくらい固いかというと、筆者は右肘の関節を破損させてしまったほど。
その後交換してもらいましたが、そちらもかなり固かった(抜けはしたけど)ので、恐らく個体差ではないか、あるいは高確率でそういう個体が混入しているのではないかと推察されます。
「でも、それなら前腕引き抜かなければいいだけじゃないか。そんなことで交換なんかするな」
こんな風に言われそうですが、実は本商品は肩と上腕部の癒着を防ぐためのビニールシートが挟まっているので、一回は前腕を外す前提になっているんです。
最初から前腕が固いとわかっていれば、ビニールをむしることも可能でしたが……
とりあえず、電話で状況を説明したら、スムーズに交換対象になりましたので、問題ないと判断して良さそうです。
ただ、両前腕を交換出来ても、通信端末が付いてない状態のマグネットスイッチはさすがに付属しませんので、不完全態の完全再現(なんか変な表現だな)は不可能です。
(パーツを注文して切り飛ばせば再現出来るとは思いますが)
手近にあったものを適当にくっつけて、制御不能状態フォーゼを楽しみましょう。
そういうわけで、マグネットステイツも四肢の構造は今までと同じなので、設定無視のモジュール装備が可能です。
ドライバーに装填したマグネットスイッチは、両手で掴む事が出来ます。
ただし、ファイヤーステイツの武器持ち手とは違うもので、どちらかというと限りなく平手に近いものです。
掴む対象の形状の都合、仕方ないんですが。
念のため、これは平手そのものではなく、平手は別途付属しています。
ちなみに、マグネットスイッチを掴めるのはいいんですが、劇中のようにレバーを前に倒したりは出来ません。
やろうとすると、根本から外れてしまいます。
両肩のマグネットキャノンは、取り外し可能。
魂STAGEを使用すれば、滞空させた状態も再現可能です。
詳しくは後述しますが、肩に装着するキャノンも、リミットブレイク用のキャノンも、両方無改造で魂STAGEに飾れます。
画像は、肩のものを(多少無理やり感がありますが)飾った状態。
この後に説明する、リミットブレイク用マグネットキャノンを分離して、それぞれ個別に滞空させた状態を再現中。
一つ上の画像で使用しているキャノンとは、別物です。
リミットブレイク「ライダー超電磁ボンバー」。
肩のキャノンとは違う、Uの字型の独立したパーツが付属。
後ろに穴があるので、魂STAGEに差して浮かせられます。
アームの長さや高さを調整すれば、対ドラゴンゾディアーツ戦で見せた防御態勢も雰囲気再現出来ると思います。
マグネットキャノンの後ろにある穴(凹ジョイント)は、実は1つではなく、横並びで3つあります。
そのため、先の画像のように、アームさえあれば分離した状態でも飾れます。
合体状態を正面から。
真正面から。
造形や塗装は、肩装着版より細かくなっています。
残念ながら、こちらを無理やり肩に装備することは出来ません。
今回は、専用の魂STAGEが付属します。
しかも、今までの物と比べると随分凝った造りになっています。
アームは一組のみなので、先のようにマグネットキャノンを飾る場合は、他から持ってくるしかありません。
仕様はACTー4。
魂STAGEの台座。
ご丁寧に左右塗り分けが施されている上に、白いラインでマークとスイッチの絵が描かれています。
個人的にすごいお気に入りなんですが、塗装剥げがマジ怖いです。
仮面ライダーフォーゼ・ベースステイツと比較。
マグネットのが若干背が高くなっているので、今回は目の錯覚や気のせいではありません。
こうしてみると、とても同一人物……というか、同一装備のバージョン違いとは思えません。
なんか、某ネロス帝国の誰かさんを彷彿とさせられますな。
以上、マグネットステイツでした。
【買ってみて一言】
劇中の活躍が微妙、アクションらしいアクションもないので、可動フィギュアとして面白おかしく動かす楽しみは少ないと思われがちですが、首やキャノンの可動、また豊富なオプションで予想外のプレイバリューが得られる……そんな、不思議なアイテムです。
ライダーというよりは、むしろ不思議コメディの主役ロボットに通じる微笑ましさが感じられる気もしますが、こんなスタイルに魅力を感じる好事家マニアックなファンには、充分オススメ出来ます。
しかし、やっぱり個性的すぎることもあり、その上決まりきった動きしか出来ないという拭いがたいイメージも強く、ましてコズミックステイツ登場後はかませ役といった印象まで高まってしまいましたから、本編の活躍具合を玩具にフィードバックして楽しむというタイプの人には、いささか勧めづらいですね。
個人的な話ですが、注文時はマシンマッシグラーのついでにと考えていたんですが、実際に手元に届いたらこちらの方がメインアイテムになってしまいました。
ただ、元デザインのこともあって正直かっこよさとは無縁ですが、「たまにはこんな変わり種があってもいいよね?」という心が広い人向けかも? なんて思わされたり。
後方確認!
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