第92回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーゾルダ」

2012年11月10日 更新

 少し前の商品(半年以上前)ですが、相方も発売されたので、まとめて一緒にレビューしちゃいましょう。
 というわけで、久々の龍騎物です。
 まとめて処理したので、ちょっとしたラッシュになっちゃいましたが。

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■ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーゾルダ」

 

 2012年4月14日発売。
 同時販売物は、「スーパーシンケンレッド(侍戦隊シンケンジャー)」。
 2012年4月の発売・配送ラインナップは、以下の通り。

 全高は約14.3センチ(ツノ含まず)。
 合計7種12個の手首付き。
 マグナバイザー付属。
 マグナバイザーホールド用右腰ジベットスレッド1点付属。
 ギガランチャー付属。
 ギガキャノン付属。
 魂STAGE固定用ジョイント1点付属。
 アドベントカード4点付属。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込3,675円。

 

 仮面ライダーゾルダ。
 「仮面ライダー龍騎」に登場した4番目の仮面ライダーで、弁護士の北岡秀一が変身する。
 龍騎・ナイトに並ぶ第三の主役格ライダーという名目だが、先の二人ほど物語に深く関わっているわけではなく、むしろ現在でいうところのサブライダー的存在に近い。
 友好的な関係では決してないが、真司や蓮と奇妙な協力関係を構築していた。
 しかしTVスペシャル版では完全な悪役側で、真司を追い詰めるライダーグループの一人として参加。

 ハンドガン型の召喚機マグナバイザーを使い、バッファロー型モンスター「マグナギガ」と契約している。
 圧倒的な火力を武器に遠距離から攻撃を仕掛けるタイプのライダーで、反面格闘戦はあまり得意ではない印象。
 超大型の重火器を召喚し、両手で支えて砲撃する「ギガランチャー」と、背中に担いで肩越しにビーム弾を撃ち込む「ギガキャノン」をメイン武器とする。
 更にガードベント「ギガアーマー」という巨大シールドを持っているが、マグナギガ自体を巨大な盾として使用することもある。

 ファイナルベントは、マグナギガの全身の砲門を一斉開放し、無数のミサイルやレーザービーム、砲弾を同時掃射する「エンドオブワールド」。
 攻撃範囲が、地面ごとごっそりえぐられたように消滅してしまうほどの破壊力があるが、実はライダーを一人も倒した事がない(ミラーモンスターはかなり倒しているため、決して無駄ではないが)。

 

 というわけで、今更ですがゾルダです。
 最初に言ってしまうと、フィギュアーツ版のゾルダは、各部造型や関節可動範囲、一部オプション等の差異を除けば、「装着変身版」と殆ど同じ構成と考えて支障ありません。
 出来の良さは物凄く向上しているので、さすがに単純比較は出来ませんけど、あちらを持っていた方なら容易に内容が予想できる商品仕様ということです。

 こう書くと装着変身を引っ張り出して比較するのがスジなんですが、諸事情で不可能となってしまったため、今回はごめんなさいです。

 

 今回は、各部造型や立体解釈など、殆ど文句らしい文句が挙がっていない、素晴らしい出来となっています。
 厳密には、劇中のスーツとはかなり違っているんですけど、イメージを大きく損なうことのない解釈の造りということでしょうか。
 とはいえ、実際には細かな問題点や疑問点も含まれます。
 そういった面も含めて、全体をさらってみようというのがこのページの趣旨ですね。

 

 恒例の前後比較。
 ごっついマグナバイザーがひときわ目立ってます。
 他のライダーと比べてジベットスレッドが多めのゾルダですが、本商品では装備の多さに反して実使用される部位はさほど多くありません。
 言い換えれば、ダミー多し。

 

 頭部アップ。
 これまでのゾルダは、商品化の度にゴーグル? 部分の大きさや目のスリットの太さについて色々言われてきましたが、今回は割と良いバランスのようです。
 ただ劇中のマスクと異なり、クラッシャー周辺部分のウェザリング(スミ入れ?)がないため、若干雰囲気が異なっている感があります。

 

 それはそれとして、今回のマスク部には、一部謎の仕様が……
 何故かわかりませんが、今回、クラッシャー部分のバーが上下に可動します。
 左の画像の位置が正しく、設定上も特に下げる必要性がないのですが、なんででしょう?
 恐らくは、バー部分をマスクに一体化させないようにパーツ分けした結果生じた副次的なものなんだろうと思われます。
 とはいえ、無駄可動であることは事実なので、撮影やディスプレイ時には注意が必要です。
(本レビュー用撮影時も、これのせいで撮り直しということが結構ありました……)
 ちなみに装着変身は、右画像に近い位置で固定でした。

 

 横から。
 さすがに、耳のギアは可動しません。
 塗り分けと細かなモールドが素敵。

 

 腕や肩の可動範囲。
 腕は一応真横にほぼ水平まで上げられるんですが、肩アーマーのせいでやや下向きになってるように錯覚しがちです。
 ライト部はクリアパーツで、ようやくまともに再現してもらえた感じです。
 R&Mではリベット、装着変身ではただの金塗装でしたからね。

 

 腕を各方向に限界まで上げた状態。
 肩アーマーは、ボディ側ではなく腕側に固定。
 つまりは、大きさの割にさほど可動の支障にならないということです。

 

 背中アップ。
 一見上半身と一体化しているように見える背中のジベットスレッドですが、実際は取り外し可能になってます。
 そうじゃないと、ギガキャノンが装着できませんからね。
 後に改めて触れますが、取り外す時は斜め下の凹んでいる部分に爪先を差し込んでチョイと引っ掛ければ簡単にいけます。
 見た目の印象に反して、取り外しは困難じゃないので、安心です。
 左右の区別も、裏面の文字で確認可能。

 

 対して、肩アーマー各部のジベットスレッドは、取り外し不可能です。
 特に外側のものは、下側から覗くといかにもスライド出来そうに見えますが、実際はビクともしません。
 アーマー上面部は、底部からネジで止められています。
 特にプレイバリューに支障があるわけではないポイントなんですが、装着変身以前から集めていた人にとって、これは非常に残念なことになるでしょう(理由はマグナギガの項にて)。

 

 足の裏は、これまでのパターン通りつま先にゾルダの紋章が。
 ツノが欠けてるー。
 つま先以外はダイキャスト製です。

 

 Vバックルは、これも従来通りカードデッキが取り外し可能。
 紋章の目が大きめで印象が異なっています。
 かなり凶暴な顔つき。

 

 ゾルダのベルトのジベットスレッドは、マグナバイザーをホールドするために他と違う構造になっています。

 

 このように、右側のジベットスレッドが取り外し可能になっています。
 ここにパーツを差し替えるわけですが。

 

 こちらが、右腰部に関連するアイテム一式です。
 左から、通常のジベットスレッド、マグナバイザー固定用ジベットスレッド、マグナバイザー本体、マグナバイザージョイント部のキャップ(?)。
 要するに、ジベットスレッドを固定用ジョイント付きのに交換して、末端部のキャップを外したマグナバイザーを吊るすという方式ですね。
 マグナバイザーのキャップは、かなり小さいパーツなのでなくさないように注意が必要です。

 

 マグナバイザー固定用ジベットスレッドは、黒い軸棒をベルトに押し込んで接続するんですが、軸だけ押し込もうとすると固くて指が痛くなるだけなので、このようにマグナバイザーを浅く差し込んでから……

 

 マグナバイザー本体ごと軸を押し込んだ方が賢明です。
 これで根元までバッチリ差し込まれます。

 

 ジョイントの保持力はかなりのもので、マグナバイザーが勝手に落下するようなことはありません。
 マグナバイザーは、この状態から前後に大きく振れます。

 

 ただこのような仕様のため、手に持たせる・腰に下げるを高頻度で繰り返す人には、非常にめんどくさい手間がかかることになります。
 まあ、誰に見せるでなく個人で楽しむ分には、マグナバイザーのキャップを外したままにしておくとか、固定用ジベットスレッドを装着しっぱなしにしてればいいんですけど。
 このレビュー用写真撮影時は、しょっちゅう差し替えが必要になって、正直イヤになるほどでありました。

 

 マグナバイザー
 R&Mや装着変身版とは、もはや比較にならない作りこみようです。
 かなりコンパクトですが、ご期待のギミックはしっかり搭載されている優れもの。

 

 サイドビュー。
 マガジン(実際はカードトレイ)部の紋章は浮き彫り、ゾルダの顔を模した前面部のバーは、ちゃんと肉抜きされています(可動はしません)。

 

 カードトレイオープン状態を再現可能。
 トレイ展開は装着変身版でもありましたが、今回はスライド機構も組み込まれているので、劇中通りのアクションが再現可能です。

 

 本体をスライドさせて、カードトレイを展開。
 これは装着変身の時から待望だったギミックですが、さすがに連動はしていませんので、個別に動かす必要があります。

 

 お約束のアドベントカード。
 今回も、カード持ち手首含めて付属します。
 ゾルダは、装備の関係でカードを左手でつまみ出すため、右のカードつまみ手は付属していません。

 

 付属するアドベントカード一式。
 左から、アドベント(マグナギガ召還)・シュートベント(ギガランチャー)・シュートベント(ギガキャノン)・ファイナルベント。
 右端は、各カードの裏面です。

 

 これまで通り、カードトレイにはアドベントカードを挿入可能。
 ただし、ドラグバイザーの時同様、一度入れると取り出しが困難です。
 静電気でくっついてしまうので、先の尖ったものでカードの側面を掬うようにするといいかと思いますが、トレイ自体に塗装が施されてるので傷つけないように注意が必要かと。

 

 それでは、いよいよ武装関連に。
 まずは、ゾルダの代表的装備「ギガランチャー」。
 龍騎系ライダーで最大規模を誇る装備です。

 

 マグナギガの両腕を模した装備ということで、「S.H.フィギュアーツ・マグナギガ」とはまた違う造型で構成されています。
 この辺は、装着変身版を弄ったことのある方なら、すぐわかると思います。

 

 ギガランチャーを装備した状態を、横から。
 ギガランチャーの長さは、約20.7センチ(末端部展開状態)。
 とんでもない大きさですが、マグナギガの物はこれより更に一回り以上大きめです。
 装着変身版と同じく、全体はプラ製のため、見た目の印象より軽いです。

 

 特に意味はないですが、シーカー部分は折りたたみ可能です。
 軽いので、肩に担がせても倒れない安心設計。

 

 銃口部と反対側、末端部のアームも展開可能。
 更に、内部のツメも展開します。
 本来特に必要ないギミックなんですが、装着変身も同様の処理でした。
 ツメ内側も、丁寧な色分けが施されてます。

 

 ギガランチャーは、このように二分割可能で、この状態でブリスターに収納されています(正確には、シーカーは開いてですが)。
 末端のアームは、閉じることも可能。

 

 ギガランチャーとゾルダの大きさ比較。
 まさに大砲、とんでもないデカさです。
 こんなものを、使い終わったらポイ捨てするんですから、困ったもんです。
 あ、ミラーワールドだから別にいいのか。

 

 背後にマグナギガを置いて構えると、劇中のシチュエーションに近くなって、いい感じに絵になります。
 やっぱり買ってよかったマグナギガ。

 

 ところで、ギガランチャーを持たせる手首についてなんですが。
 こちらは、過去ドラグセイバーなどの武器を持たせるために用いられていた武器持ち手(と同型)ですが、今回はこれでギガランチャーを持たせた方が良いようです。
 手の平の溝がいい角度になっているので、ランチャーのグリップを掴ませると銃身がちょうど正面(ゾルダ視点では真右)を向くようになります。

 

 しかし、ゾルダにはもう一種類武器持ち手があります。
 こちらも手の平に溝はあるんですが、指に対して並行でしかも溝の幅が狭いので、ギガランチャーのグリップには合いません。
 それどころか、この手首は本商品内では使いどころがありません。
 この手の形に合う装備が、皆無なんです。
 では、この手首は何のために?

 

 恐らくは、このギガホーン用ではないかと思われます。
 ギガホーンは、ご存知の通り本商品ではなく、マグナギガに同梱(というか頭部そのもの)されている装備です。
 これのグリップがちょうどいいサイズなので、こちらに活用できます。
 ですから、マグナギガを買わなかったという人には、マジで無用の長物ってことになるわけです。

 

 次の装備。
 背中のジベットスレッドを取り外しておきます。
 先でも書きましたが、ジベットスレッドは左右で形状が異なりますが、裏面にLRの表記があるので、安心です。
 取り外しもストレスなく簡単。

 

 ギガキャノン
 両肩からの大型大砲ですが、こう見えてもビーム砲です。
 砲塔の内部が埋まってるように見えますが、なんとびっくり、これは劇中準拠です。

 

 側面から。
 物凄いボリュームの装備です。
 キャノン部分の関節はかなり自由度が高いので、砲塔の角度調整は相当融通が利きます。

 

 ギガキャノンもプラ製でかなり軽いのですが、そのままだとさすがに重心が後方に傾きます。
 これを補助するために、ギガキャノン下部にちょっとしたジョイントを設けられるようになっています。

 

 ギガキャノン補助用のジョイントを接続した状態。
 魂STAGEの先端ジョイントを差し込める黒いパーツが、付属しています。
 ただし、かなり固い接続になるので、個人的には使用は薦められません(取り外すのは簡単)。
 塗装ハゲが怖い人は、充分にコーティングをしてから接続した方がいいかと思います。

 

 ギガキャノン補助ジョイントを使用して、魂STAGEに飾った状態。
 これで倒れる心配はまずありません。
 こうなると欲しくなるのは専用STAGEですが、それはマグナギガの方に付属しています。

 

 ギガキャノン。
 長さ約11.4センチ。横幅最大約6.5センチ。
 要するにマグナギガの下半身なんですが、スカスカになる脚内部にも砲身が詰まっています。
 造りは基本的に装着変身版とほぼ同じですが、さすがにこちらの方が造型も良く塗装も凝っています。
 思ったより細かいところまで手が加えられていて、軽く驚きます。
 この熱意を、他のライダーシリーズ商品にも……

 

 ギガキャノンといえばやりたくなるのが、龍騎のドラグバイザーへのベントイン。
 26話参照。

 

「よっしゃー、来いー!!」

 ……ベントインは、誰のバイザーに突っ込んだかではなく「誰のカードを使ったか」が重要だということを証明したエピソードでした。

 

 その絡みで、龍騎とマグナギガという絡ませ方も可能になります。
 本編見返してないから、正確な立ち位置とかポーズは本放送当時の記憶頼りで適当です。

 

 ゾルダといえば、「仮面ライダー王蛇」との絡みも忘れられないものがあります。

 

 せっかく揃ったのですから、戦ってるイメージで飾るのも楽しいかもしれません。

 

 「仮面ライダーナイト」も引っ張り出せば。

ナ「俺達は人間の!」
ゾ「自由と!」
王「平和を守る!」
ナゾ王「「「仮面ライダーだ!!」」」

龍「ぇ?」

 感動の迷場面も再現可能に。

 

 「仮面ライダーアギト」も揃えれば、もはや完璧!!
 これで後はバーニングフォーム発売を待つだけです。

 …目の色? そんなもん色調補正でナンボでも。

 これらのネタが判らない人は、「ハイパーバトルビデオ」等でググってみてください。

 

 以上、仮面ライダーゾルダでした。
 引き続き、「マグナギガ」のレビューに続きます。
 そちらも是非ご覧ください。

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【買ってみて一言】

 元来出来が良いと評判のフィギュアーツ龍騎シリーズですが、今回も期待以上のクオリティを発揮しています。
 細かな再現度の差異やギミックなど、個人個人で許容できる範囲が違うかとは思いますが、非常に高い平均点は出せている商品なのは間違いないと思います。
 個人的には、2012年現在でベスト1のゾルダ可動フィギュアだと実感しています。 
 まあ、それにあえて何か言うとするならば。
 あまりに装着変身版とそっくりな内容構成のため、古くから玩具に触れている人にとっては、新鮮味が感じられないということでしょうか。
 ゾルダの玩具はR&M時代からその出来の良さ・プレイバリューの高さが評価されていて、当サイトでもそれぞれレビューで高評価しましたが、言い換えればフィギュアーツとなった昨今でも、殆ど変更する必要がないほど完成された構成だったということなのでしょう。
 それはそれで充分凄いことで、その見地に立てば、新鮮味がないなんてことはマイナスポイントにならないでしょうね。
 スタイルモデルとしての出来は、確実に向上していますしね。
 マグナバイザーのギミックやホールドの解釈、また各部造型の向上など、本商品は「さすがはフィギュアーツ」と思わせる出来栄えであることもまた事実。
 それに、王蛇があの仕様で3,150円だったことを考えると、たった+500円でこれだけ装備が充実しているわけで、ここも強く評価したいポイントですね。

 

 というわけで、次は「マグナギガ」です。

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