第84回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「マシンマッシグラー」
2012年6月9日 更新
- | マシンマッシグラー |
- マグネットステイツ |
随分久しぶりに、フィギュアーツのオリジナルバイクが発売されました。
一般販売ではサイクロン号(THE FIRST版)以来、WEB限定ではガードチェイサー以来のバイク商品ですが、なんと一年半ぶりのリリースとなります。
……途中、謎の自動販売機なんてのもありましたが。
というわけで、今回は歌星親父の作った、ハイセンスデザインのヘンテコバイクをレビューします。
■S.H.フィギュアーツ マシンマッシグラー
2012年5月19日発売。
同時販売物は、同シリーズ中にはなし。
2012年5月の配送ラインナップは、以下の通り。
- 5/12「仮面ライダーV3」
- 5/26「仮面ライダーフォーゼ・マグネットステイツ」
- 5/25(配送開始日) 「ワイルドタイガー 1minute(タイガー&バニー)」「仮面ライダー龍騎ブランクフォーム」「アンク・グリード態(仮面ライダーオーズ)」「仮面ライダーオーズ・スーパータトバコンボ」(すべて魂ウェブ限定)
全長は約18.5センチ。
2個の手首付き。
フラッシュモジュール付属。
フラッシュスイッチ(ON状態)付属。
シール1点付属。
後輪安定用の台座付属。
価格は税込4,200円。
マシンマッシグラー。
全長2.1m、全幅0.825m、全高1.12m。
重量132kg。
水素燃料エンジン搭載で、最高時速506.9km/h、地球周回速度7.68km/s。
OSTO開発コード「ORB-40F」で、マシンマッシグラーは如月弦太朗による命名(劇中でも呼称あり)。
仮面ライダーフォーゼ専用マシンだが、普通の人間が運転することも可能で、変身前の弦太朗や歌星賢吾、朔田流星も運転したことがある。
タワーモードに変型したパワーダイザーに合体、打ち上げられることで、フォーゼを乗せたまま大気圏を突破するほどの推進力を発揮するが、さすがに月まで到達することは出来ない。
宇宙空間で乗り捨てられても、地上に無事帰還する謎性能もある。
劇中では、主に弦太朗が搭乗しているイメージが強いが、運転しながらの変身シーンなども多く、そこそこ印象深い。
というわけで、マシンマッシグラーです。
番組情報で見た時は、なんつー名前じゃと思ったものですが、慣れてしまえばなんてことないですね。
まして、弦太朗が命名したとなれば納得するしかないというものです。
本商品は、久々のアーツオリジナルバイクということで話題となり、予約開始時点ではなかなかの争奪戦となりましたが、その後amazonなどですぐに在庫復活、それ以外でも予想外に予約再開が早く、バイク商品としては割と楽に注文出来たようです。
また、発売後も各店舗でよく見かけられました。
フォーゼ系アーツは、いずれも気軽に買える感じで、今回も例外ではなかったようです。
一時は「DXパワーダイザー&マシンマッシグラーが出たから(昨年の事もあり)フィギュアーツ化は絶望的だろう」なんて意見も見られたほどでしたが、とにかくよかったものです。
――が、しかし。
不思議なのは、昨年アーツのライドベンダー・バイクモード(仮面ライダーオーズ)が出なかった事です。
DXトライドベンダーが出たため、商品的に重複するから控えた(代わりに自販機モードだけが出た)のではないかといった憶測も囁かれましたが、今回のマッシグラーはDX版が出ているのにフィギュアーツ化したわけで、なんだか訳がわからなくなってきました。
まぁそれはともかく。
今回は、オールプラ製&ギミック殆どなしという仕様で税込4,200円という、正直「高すぎる」感が強すぎます。
合体パーツが別売りとはいえ、ダイキャスト使用でドッシリ感があったマシンハードボイルダーよりも割高感が強いです。
確かに、DX版よりは出来は良いですしハンドルも切れる(DX版は切れない)のでこっちの方が良いのは前提ですが、やっぱりこの仕様と価格帯は納得の行くものとは言い難い気がします。
まあ、そろそろ商品仕様に行きましょう。
まずは、サイドビュー。
ボディの白部分は塗装ですが、白成形色の上に塗装なので、将来の黄ばみが心配です。
フロントビュー、リアビュー。
見づらいですが、リアテールとノズル内部は、赤のクリアパーツが使われています。
ボディ各所に、小さな三角のモールド塗装があり、これが妙に細かくて感心させられます。
フロントカウル。
今回は、カウル部分がクリアパーツ(白い部分は塗装)ですが、透明度が低く、クリア感は乏しいです(別に難点ということではないのですが)。
ウィンカー部分もクリアで、なかなかいい雰囲気出してます。
先の通り、今回はハンドルを切る事が可能ですので、表情付けが楽しめます。
ハンドル周辺。
簡素ではありますが、計器類はきっちりペイントされています。
劇中で写っていたかは、定かではありませんが。
ミラー部はただの銀塗装で、鏡面ではありません。
前輪周辺。
オフロードバイクの特徴を上手く掴んでいます。
スポーク部分は撮影用のものと比べると、かなり太めですが、これは耐久性確保などの問題もあるのでしょうか。
リアカウル部分。
画像だとフラットに見えますが、実際はテカテカしてます。
一部ではこの部分の塗装皮膜が割れてる個体があるそうなので、要確認です。
「サイクロン号」でもあった、透明の後輪止めが付属します。
安定性はかなり良好。
後輪周辺。
ホイール周辺は、かなり細かく塗装されています。
パーツ造型も丁寧で、結構作り込まれています。
エンジン周辺も、少ないパーツ数と色数の割には、雰囲気が良く出ています。
こういう感じなら、パーツ構成が単純でも全然アリですよね。
版権表記は、こんなところにあり。
後輪にはサスペンションが仕込まれているので、かなり深く沈み込みます。
ナンバープレート。
真っ白で一見芸がないように見えますが……
付属のシールを貼ることで、こんな感じに。
仮面ライダー部のマーク!
マシンハードボイルダーで散々叩かれた部位だけに、こういう配慮はありがたいですな。
フィギュアーツ仮面ライダーフォーゼ・ベースステイツと(改めて)比較。
この写真では解りづらいですが、パッと見はバイクがやや大きすぎといった印象。
ですが、玩具的にはむしろこれくらいの対比が丁度良い感じです。
あくまで印象なので、実際の対比を見たらまた感想は変わりそうですけど。
対比別角度。
パッケージの写真風味で。
ベースステイツには持ち手が付属してなかったので、そのままではバイクに乗せられません。
そのため、今回は専用の手首が一対付属しています。
完全新規造型の手首がバイクに付くのは、フィギュアーツではこれが初めてですね。
別角度。
二本指を伸ばした、所謂バイク乗りの手を再現したような形になっています。
ただ、これではとても充分な保持力が発揮出来そうに見えません。
そして、それは実際その通りだったりします。
実際に搭乗させると、こんなポジションになります。
仕方ないかもしれませんが、伸ばした指がレバーに全然かかりません。
実際に運転する際は、二本指はこんなにまっすぐ伸びることはなく、指先は緩やかに下向きに曲がります。
一部では、ライダー玩具の手首はグリップわし掴みで全然運転しているように見えないという考えの人もいるようですが、下手に再現しようとすると益々そうは見えないということですかね。
これなら、普通にグリップを握る方が良かったですね。
薬指と小指は開き過ぎていて、ハンドルグリップに軽くかかっている程度です。
こんな調子なので、とても安定性が悪く、正直あまり役に立っていません。
まあ、平手で無理矢理乗せるよりはましですが、それと殆ど変わらない保持力というのは悲しいです。
とにかく、ちょっとでも動かすとすぐ手が離れるので、相当イラつきます。
パワーダイザー打ち上げモード再現……ではなく、手首の保持力テスト。
とりあえずここまでは支えられますが、かなり際どいバランスなので、ちょっとでも振動があると即落下します。
そういえば、DXパワーダイザーへの固定は、残念ながら不可能だそうです。
残念ながら筆者は持ってないので、他所からの情報となりますが。
そこで、ある対応方法を。
物凄く単純な手段ですが、ファイヤーステイツに付属する武器持ち手を流用することが出来ます。
残念ながら、白い右手がないため左手のみになりますが、それでもかなり安定感が増します。
様々なライディングポーズを取らせたいなら、ファイヤーステイツの左手はなんとしても取り入れたいものです。
というか、バイクアクションが様になる形状のバイクなのに、通常運転時の形の手首を付けてどうするんだとしか思えませんが。
実際、劇中でも(フォーゼに限らず)グリップ鷲掴みで運転してる事が多いのですから、余計なこだわりなんか不要なんです。
大事なのは、安定性の確保なんですから。
「よっ!」キラーン
おう、手首の有効利用!?
頑張れば、魂STAGE&アーム二本で全体を浮かせて飾れます。
文句ばかり言ってもしょうがないので、適当にライディングポーズでも。
なんだかんだで、フォーゼとのバランスが絶妙なので、色んな角度でポージングが決まります。
片足支えで転倒することも少ないので、ターン中の姿勢なども様になります。
ファイヤーステイツ搭乗。
ヒーハックガンを手放すから、設定上ありえないシチュエーションなんですが。
デフォでもっとも姿勢安定するステイツですね。
エレキステイツ搭乗。
画像では、左手をファイヤーステイツから流用しています。
一週間後に発売されたマグネットステイツを搭乗させてみました。
理屈の上では、(中の人の安全性を考慮しなければ)問題なく運転できるステイツなんですが、付属する手首の都合でグリップをしっかり握れません。
実際は握り手があるにはあるんですが、マグフォン(マグネットスイッチ)を掴ませる都合、手の開きが大きくて、殆ど平手と変わりないんですよね。
色も銀なので、他ステイツからの流用が利かないのも痛いですね。
って、そこまでして乗せる意味があるかという疑問もあるんですが。
「サイクロン号」や「マシンディケイダー」同様、今回も交換用ハンドルグリップが付属します。
デフォは軟質なんですが、付属パーツの方は硬質プラです。
これが有効に働くものなのかは、正直微妙。
今回、妙にグリップがすっぽ抜けやすいようなので、要注意です。
嬉しいことに、今回はモジュールも付属します。
まずは、スイッチから。
フラッシュスイッチで、手前がOFF、奥がON状態。
いつものように、余分な部分を切り取って使用します。
ベースステイツに装着。
発動直前の再現が可能です。
言うまでもありませんが、他ステイツにも装着可能です。
\ フラッシュ オン /
というわけで、フラッシュモジュールです。
定番の前腕交換式。
ギミックは全くないですが、白熱電球っぽさが妙に出ていて、なかなか笑えます。
電球部分はこんな感じです。
半透明で、いかにも光りそうな質感? がGOOD。
側面部。
意外と大振りな造りです。
スミ入れも、単純な黒線ではなく嫌みになってません。
「うぉ、まぶしっ!」
ギミックはないんですが、何となく光らせてみました。
(言うまでもないですが、実際には光りません!)
一時期のOPで、自分で光らせて眩しがってるのが可愛かったものです。
――フォーゼって宇宙空間出られるのに、対閃光防御機能ないんかと突っ込んだのも今は昔。
劇中のように、野座間さんを照らしてみました。
というか、フラッシュモジュールって有効な使われ方殆どされてなかったよなぁ……
以上、マシンマッシグラーでした。
【買ってみて一言】
価格は相変わらず高めですが、過去の商品の反省点を活かしたとも解釈出来るポイントが見られ、これはこれで悪くない商品です。
問題はあるものの、専用手首もあって、かつモジュールも付属とサービス精神はなかなかです。
残念ながら、肝心のマッシグラーにギミックがないため、どうしても目立った魅力が感じられない上、劇中の利用頻度もさほど高くない(あっても変身前に乗ってたり)ので、購買意欲を強く煽る要素に欠けている点は無視出来ません。
ライダーにはバイクがなきゃ、と思う人や、なんとしてもモジュールを揃えたいという人以外には、余り向かないものかもしれませんが、過去のパターンから再販も多分あり得ないでしょうから、気がある人は入手が容易な内に購入された方がいいんじゃないでしょうか。
それにしても、マシンハードボイルダーもせめてこれくらいやっててくれればねぇ……というぼやきが、どうしても出てしまいます。
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