第78回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ 魂ネイション2011会場限定販売「仮面ライダー龍騎ブランクフォーム」

2011年12月18日 更新

 

 2011年11月25日〜27日までの三日間、東京・秋葉原「UDX」2階にて、「魂ネイション2011」が開催されました。
 毎年秋恒例の、バンダイコレクター事業部主催の新作発表イベントですが、今回も会場限定販売品が数多く登場しました。
 今回は、その商品の中から“黒い兎サンの影響で? 全然話題に上らなかった”アレとコレを、ご紹介させて頂きます。

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■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー龍騎ブランクフォーム

 

 2011年11月25〜27日まで、秋葉原UDXで開催された「魂ネイション2011」にて限定販売。
 ただし、12月14日より「魂ウェブ」にて受注販売受付開始。

 同時販売物は、「S.H.フィギュアーツ バーナビー・ブルックスJr. ダークネスバニーEDITION」「METAL BUILD ダブルオーガンダム(トランザムライザー)」「D-arts ロックマンエックス(コミックVer.)」「フィギュアーツZERO ボア・ハンコック〜わらわは白も似合うのじゃVer.」「聖闘士聖衣神話 ドラゴン紫龍(最終青銅聖衣)Original Color Edition」「COMPOSITE Ver.Ka 全領域汎用人型決戦外骨格SOS-01ハルヒロボ ORIGINAL COLOR EDITION」「魂STAGE act.Mirror World」「聖闘士聖衣神話EX 専用ディスプレイステージ(クリアオレンジ)」。

 龍騎・全高は約14センチ
 合計7種12個の手首付き。
 ライドバイザー、ライドセイバー各一点付属。
 アドベントカード三点付属。
 価格は税込3,000円。

 

 仮面ライダー龍騎ブランクフォーム。
 ミラーモンスターと未契約状態のカードデッキを使用して、城戸真司が変身した姿で、他の平成ライダーでいうところのフォームチェンジの結果登場する存在ではなく、むしろ「仮面ライダー電王」のプラットフォームに近い。
 「仮面ライダー龍騎」作品内における)仮面ライダーの基本形態で、ミラーワールドに長時間滞在出来る事と、身体能力が(普通の人間よりは)向上している以外、これといった特殊能力を持っていない。
 所謂最弱の状態であり、ライダーバトルに耐えうる状態とは言い難く、装備も貧弱なためミラーモンスターと渡り合う事も不可能。
 真司は、当初この状態でミラーワールドに突入、仮面ライダーナイトと出会い闘いを仕掛けられるが、真司を付け狙うドラグレッダーの急襲を受けて共に逃走。
 後に、コントラクトカードを使ってドラグレッダーとの契約に成功し、全身が赤い龍騎へと変貌・能力強化を図る。

 その後、仮面ライダーガイとの闘いで契約のカード(アドベントカード)を奪われた龍騎は再びこの姿に戻ってしまい、真司はまたもドラグレッダーに付け狙われる結果となった。
 尚、本編内では「ブランク体」と呼称され、龍騎以外にも仮面ライダー王蛇が、劇場版にてブランク化している。

 

 さて、龍騎ブランクです。
 このサイズの可動フィギュアとしては、R&M装着変身に次ぐ三回目の商品化となります。
 R&Mは一般販売でしたが販売期間が短くプレミア化、装着変身は全部で3〜4商品購入しないと作れないパーツ分割販売(のようなもの)と、いずれも入手が困難気味でした。
 今回もイベント限定品+Web受注と、後々入手が難しくなりそうな販売形式ですが、少なくとも今の時点ではさほど難儀ではありません。
 ドラグレッダー抜きで3000円と「フィギュアーツ龍騎セット」基準で見るといささか割高感が伴いますが、あちらは事実上特別価格みたいなものですから、この辺は頭から外して考えるべきでしょう。

 

 今回の販売について、龍騎ブランクは比較的購入が容易でした。
 販売方法は、今回も「魂FESTIBAL」同様の方式で複数回購入抑制を図った模様ですが(スーパーロボット超合金ブラックライディーン参照)、筆者は二日目の夕方辺りに殆ど並ばず購入したので、よく解っていません。
 秋葉原方面に向かう電車に乗った時点でWEB上で“残り僅か”という情報があったにも関わらず、約30分後に会場入りし、問題なく購入できるくらいには余裕でした。

 

 まずは、定番の前後比較。
ご存じの通り、龍騎ブランクは通常の龍騎と殆ど同じですが、頭部造形や装備が異なっているため、リデコ品になります。
 当然、可動範囲や各部仕様については龍騎と同じため、ここでは説明はオミットします。
 ボディカラーは、程よいダークブルー系で、劇中スーツのイメージを良く再現しています。

 

 頭部アップ。
 見た感じ殆ど同じですが、頭頂部のラインが大きく異なり、ここが一番目立つポイントになります。
 ですが実は、ここ以外にももう一ヶ所、ノーマル龍騎と違っている部分があります。
 物凄い微妙な違いなので、傍目にはまず分かりませんけど。

 

 角度を変えて。
 写真では分かりづらいですが、龍騎ブランクには複眼のモールドがありません。
 外側からだと、なんとなくモールドがあるようにみえますが、ゴーグルを取り外してみると複眼の下地にあたる部分がツルツルになっているのがわかります。
 ノーマルとの区別なのかわかりませんが、意図がよくわからない変更です。
 ちなみに、下地の銀色塗装は、なぜかノーマルより広く塗られています。

 

 今回すごく残念なのが、足の裏。
 ノーマル龍騎の金型をそのまま流用した弊害か、契約前なのに龍マークが掘られてしまっています。
 全体的にすごく出来が良い事もあり、こういう些細な点がすごく残念に思えてしまいます。

 

 ライドバイザー。
 ドラグバイザーの原型ともいえる基本装備。
 今回も、グリップをしっかり握らせる事が出来ます。

 

 前腕のロール機構も相変わらずあるので、バイザーを前方にかざす事も可能。
 ただし、今回は前腕への固定が物凄く甘く、すぐに外れがちです。
 個体差かもしれないのですが、うちのはかなりストレスが溜まります。

  

 ライドバイザーは、スライド展開可能。
 ドラグバイザーとは異なり、トレイの上にカードを置く形式です。

 

 カードを入れた状態。
 一見固定されていないのでカードが落っこちそうですが、静電気? で吸着するようでむしろ回収するのが困難なくらい安定します。

 

 付属するカードは、今回は三枚。
 左から、コントラクト(契約)・シール(封印)・ソードベント。
 裏側はノーマル龍騎他と同じです。

 

 龍騎ブランクは、左前腕のジベットスレッドが元々ありません。
 ノーマル龍騎には付属しているため、欠品と考える人も多いかもしれませんが、デフォルトなので問題ありません。

 

 Vバックルは、カードデッキが未契約状態の物になっています。
 今回も取り外しが出来るので、他のフィギュアと絡めて色々遊べそうです。
 固定力もなかなかです。
 実際には、写真のような構図で手に掴ませる事は出来ません。

 

 カードデッキの差し替えも可能。
 あまり意味はないかもですが、12月発売の仮面ライダー王蛇と交換することで、擬似的に「王蛇ブランク体」も再現可能に?!

 

 ソードベント「ライドセイバー」。
 龍騎ブランク唯一の武装にして、最大のアピールアイテム。
 手の中に落ちて来ず、適当なところに落下するのが哀愁をそそります。

 

 ドラグセイバーとは異なる、直型の細身な剣。
 せっかくなので、ちょっとかっこつけたポーズなど。

 

 ライドセイバーといえば、絶対にはずせないのが「折れたー!!」の再現。
 今回も、しっかり付いてきますよ「折れたライドセイバー」。

 

 しかも今回は、ご丁寧に折れた先端まで付属しています。

 

 本来なら特に必要ない部品ではありますが、ネタアイテムとしてかなり応用が利きそうです。
 二つ合わせた長さは折れてない方とだいたい同じ。
 綺麗にポッキリ折れたもんです。

 

 ライドバイザーとライドセイバーは、どちらもABS製。
 そのためしなったりはしませんが、グリップや刃部分を折らないよう、注意したいところです。
 特にライドバイザーのグリップは、拳パーツの指の隙間を通す必要があるため、かなり神経を使いがちです。

 

 S.H.フィギュアーツ・仮面ライダーナイトとの比較。
 どちらもボディカラーが非常に似通っています。

 

 「龍騎か……今のうちに潰しておいた方が良さそうだな」

 酷すぎる人間関係。
 とても人間の自由と平和を守る仮面ライダーの台詞とは思えません。

 

 本人同士比較。
 こうして見ると、予想以上に印象が異なっているのがよく分かります。
 頭の模様違うだけでも、全然別物になるんだなぁと、しみじみ。

 

 ドラグレッダーとの比較。
 後の契約モンスターに命を狙われていたというのも、龍騎のスパルタン過ぎる世界観の重要要素。
 馴れ合いは無用なのです。

 

 仲良きことは美しき哉。

 

 今回のパッケージは、こんな感じです。
 かなりシンプルで、ぶっちゃけると面白みに欠けるデザイン。
 他の会場限定商品も、だいたいこんなデザインで統一されています。

 

 以上、仮面ライダー龍騎ブランクフォームでした。
 劇中では弱いの代名詞みたいな扱いでしたけど、本商品は非常に出来が良く、無駄なくシンプルにまとまった魅力に溢れています。
 引き締め効果の高いダークカラーという事もあってか、ノーマル龍騎より細いイメージなのもいい感じです。
 ノーマルがあれば無理に必要とされない物かもしれませんが、あればあったで旨味が感じられるアイテムではありますから、手に入れる機会があるのなら是非にとオススメしたいところです。
 ただ、その際は決してノーマル龍騎との価格比較はしない方が賢明かと。

 蛇足ですが、本商品は腰の裏側部分に癒着防止のビニールフィルムが付着しています。
 上半身アーマーとの境に滑り込ませるように貼られているのですが、まさかこの部分って癒着する可能性があるの?!

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■ 魂STAGE act.Mirror World

 

 せっかくなので、こちらについてもご紹介しておきます。
 龍騎ブランクと同じく、「魂ネイション2011」会場限定販売商品の魂ステージです。
 3つ分のセットで、価格は1,500円(税込)。
 2011年12月26日から2012年1月24日まで、魂ウェブで抽選販売受付中。

 台座部分が鏡面仕上げになっていて、飾ったフィギュアが反射します。
 プラ製台座+アクリルミラーなので、以前紹介した「魂STAGE ACT.超合金」のような重量感はありません。
 アームはACT-4仕様。
 連結も可能です。

 

 龍騎ブランクを飾った状態。
 こういう角度だと、足下がちょっと反射する程度なので、あまり鏡面の有り難みが感じられません。

 

 ちょっと俯瞰気味な角度で見ると、なんとなくいい感じです。
 ただし、鏡面はアクリルなので耐久性はそんなに高くなく、目の粗いもので強く拭くと傷が付きます。
 皮脂などの汚れを拭き取る時も注意です。

 

 ノーマル龍騎を飾ってみます。
 少し股を開くとステージから足がはみ出しそうになるのは、いつもの仕様。

 

 そして、真価を発揮する瞬間……?

 アームは定番通り三種類同梱されているので、プリキュア系のような腰が細いものでも問題なく対応可能です。

 

 仮面ライダーナイトを飾る事も可能。
 ナイトは、背中に色々付くので難しく思えますが、とりあえずダークウイングを背負ってる状態くらいならなんとかなります。

 

 かなり際どいですが、ダークウイングの股にギリギリ支柱が入り込みます。
 これで、ナイトの胴体を挟む事が可能に。
 これより支柱が長いと、厳しかったでしょうね。

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【買ってみて一言】

 

 龍騎ブランクは、先の通り非常にシンプルな魅力に溢れていて、龍騎系アーツ従来通りの安定感もあって、非常に弄り甲斐に溢れています。
 とはいえ。
 右前腕ジベットスレッドが外れやすいという、相変わらずの難点が目立ち、またノーマル龍騎の時にもあった欠点もほぼそのまま継承しているため(例えば顔が似てないなど)、それが気になってしまう人にはお勧めしかねる面もあります。
 非常にコレクター向けな性質を持つ商品なせいか、イベント当時はさほど大きな需要はなかったようで、ともすれば好事家向け商品かもしれませんが、決して悪いものではないと思います。
 これを書いている現在、まだ受注受付されていますので、興味がある人は忘れずに注文しておくべきでしょう。

 魂ステージ Ver.Mirror Worldは、基本的に今までのセットと変化ない構成で、ただ鏡面仕上げなだけで性能面では特筆すべき点はないのですが、物が物だけに龍騎勢との組み合わせは良好です。
 こちらは魂ウェブにて抽選販売受付(一人1セットまで)が行われているので、この機会を逃したくないものですが、今後も別なイベントで是非販売して欲しいと思えてなりません。
 というか、せめて完全受注にしてもらいたかったところです。
 やっぱり、13ライダー全員をこれで飾りたいって人も多いでしょうからね(本当に全龍騎系ライダーが出るのか、保証の限りじゃないですが……)

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