第157回 ■ 暴太郎戦隊ドンブラザーズ「DX虎龍攻神(トラドラゴンジン)」

2023年11月6日 更新
2024年3月4日 オミコシフェニックスへのリンク追加
2024年3月17日 ブラックオニタイジンへのリンク追加・他ページリンク情報全体を変更

 間が開いてしまいましたが、前回に続き「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」に登場したロボ・虎龍攻神(トラドラゴンジン)のレビューとなります。
 今回のロボは、同番組における二号ロボ……という公式での扱いのようですが、前回触れた通り実際の劇中では三体目なので、本レビューでは“三号ロボ”という扱いで統一しますので、よろしくお願いします。

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■DX虎龍攻神(トラドラゴンジン)

 

 2022年8月27日発売。
 価格は、9,680円(税込)。
 ドンロボゴクウ、ドンロボボルトの二体セット。
 パッケージサイズは、縦40×横40×奥行10センチ。

 9,350円だったDXドンオニタイジンより高額というのが意外です。

 

 虎龍攻神(以降、トラドラゴンジンで統一表記)は、歴代の戦隊ロボの中でもかなり特殊な設定を持つ存在で、「一人のキャラが分裂」「分裂したそれぞれが個別にロボに変身」「ロボ変身後に合体(というより拘束)」「合体後も等身大サイズ(」という、本編を観ていないと何がなんだか良く判らない構成になっています。

 

 しかも、合体形式が「闘士ゴーディアン」や「勇者エクスカイザー」などのような、小型ロボを収納するタイプという、スーパー戦隊でもちょっと珍しいタイプのスタイルになります。
 その上、人型ではないロボを内部に閉じ込める(※正しい表現)都合、内蔵される側のロボに“合体時専用の頭部”が存在するという奇妙な特徴もあります。

 内部に小型ロボを収納というと、「五星戦隊ダイレンジャー」の大連王、「特命戦隊ゴーバスターズ」のゴーバスターオー他を挙げる人もいると思われますが、あちらは小型ロボが外装をまとう、もしくは小型ロボにパーツがくっついて肥大化していくというパターンなので、ちょっと違うように思えます。
 一番近いのは、「星獣戦隊ギンガマン」に登場したブルタウラスかと思われるのですが、あちらは収納する重騎士ブルブラックを大きく変型させる必要があったりと、これまた微妙にタイプが異なります。

 あ〜でも、「侍戦隊シンケンジャー」のサムライハオーや、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」のシュリケンジンをはじめとする各合体形態は、比較的それに近いかも?

 

 映画「エイリアン」に出て来た“パワーローダー”が、形状・色共に非常に良く似ており、こういったタイプの戦隊ロボは今回が初になるかと。
 しかして、(後述するように)このような形状であるにも関わらず他の大型ロボとの合体を果たし、しかもその際は中核ではなく手足を分割構成するという変化球なのも、最大の特徴と云えるでしょう。
 というか、9600円以上もする大型ロボ玩具がほぼ全部「腕になる」なんて、予備知識がなければこの時点で想像する事なんかできっこないっす。

 

 ここからは、商品について触れていきます。

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■ドンロボゴクウ・ドンロボボルト:

 

 23話より登場。
 桃谷ジロウと、彼から分離したもう一つの人格“危ないジロウ”が、それぞれドンドラゴクウ・ドントラボルトに変身、そこからロボタロウギア「虎龍攻神」でそれぞれがアバターチェンジすることにより、「ドンロボゴクウ」「ドンロボボルト」へと更に変身する。
 ドンブラザーズの五人と同様、この時点では等身大(一応。CGの為、人間よりは若干大きく見えるが…)。

■ドンロボゴクウ:

 

 龍型のロボタロウで、「ゴクウ」という龍とあんまり関連がない名称のせいか、慣れないとイメージが繋がりにくいような気がします。
 中国龍的な頭部にも関わらず、大きな四つ足があるというのも特徴的。
 それでいて、劇中では正に中国龍のように、うねうねぐにぐにと動き回るのも面白いところです。

 

 合体の都合上、胴体がスッカスカなのが見て取れると思います。
 後述しますが、ここにはトラドラボルトが合体時に収納される為ですが、ドンロボゴクウの特徴的な部分です。

 

 本体が長い上に、更に尻尾まであるので、全長はかなりのものとなります。
 頭部先端から尾の末端まで、全長約49.4センチにもなります。

 

 ドンロボゴクウ正面。

 

 背面。
 尾は取り外しています。

 

 側面。
 長〜い説明不要!

 

 裏面はこんな感じです。
 腰辺りに見えている、グレートゴーバスターのマスクみたいなのは、「トラドラオニタイジン」のマスクになります。
 多分、グレートゴーバスターのと交換しといても、初心者なら騙せます。

 

 頭部アップ。
 鼻先は金メッキで、赤い角は可動式。
 下顎は、合体時にアイマスクになる都合上、上下に開く事は出来ません。

 

 首は二重関節で、頭部の根元と首の付け根が前方向に可動します。
 しかし、後方への可動は制限があり、四つんばいの状態で顔を正面に向けるのが限界です。
 横方向には、全く動かすことが出来ません。

 

 ドンロボゴクウの形態では、両前脚の接地性は割と高く、可動範囲の狭さに対して特段難は感じません。
 後ろ足はこの状態で固定の為、変型時にしか動かす必要がありません。

 

 たまたま手元にあった、「装着変新・仮面ライダーガッチャード」を並べた状態。
 ガッチャードは、S.H.フィギュアーツ真骨彫とだいたい同じくらいの大きさです。
 四つんばいでも、かなりの高さがあることがわかると思います。

 続けて、ドンロボボルトの紹介に移ります。

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■ドンロボボルト:

 

 虎型のロボタロウで、何故か全身紫色なのが特徴。
 また、背中にごつい装備を乗っけているのも目を引きます。

 

 ドンロボボルトは、ロボタロウの中では小柄な方ですが、この形態で全長約22.8センチ(武器末端まで。本体のみの場合約16.8センチ)、武器込みの高さ約16センチにもなり、結構なボリュームがあります。

 

 お尻。
 尻尾に相当するものはありません。

 

 ドンロボゴクウに対し、ドンロボボルトは下顎が開閉可能です。
 ちなみに、こちらは特に合体機構に関連はしません。

 

 可動部は四肢の付け根・肘・手首(?)足首と、案外多いです。
 また、合体時に活きる、首の付け根と股関節の可動も内蔵されています。

 

 ドンロボボルト正面。

 

 背面。

 

 側面。
 嫌が上にも目を引く背中。

 

 参考に、「DXドンオニタイジン」のイヌブラザーロボタロウとの比較。
 どちらも四つんばいで、おおまかにサイズが似ているので並べてみたのですが、本体の大きさはかなり異なっていました。

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■合体:

 

 ここからは、合体の紹介となります。
 ちなみに、かなりのパーツ入れ替え合体となります。

 

 まず、ドンロボボルトの背中のパーツを取り外します。

 

 更に、取り外したパーツを分割します。

 

 ドンロボゴクウの背中の黒いパーツと、尾を取り外します。

 

 後ろ脚の変型です。
 黒い足首を一旦外側に向けて、次に銀色部分を含めて全体を内側に折り畳みます。

 

 次に、前脚(腕)を肩から取り外します。

 

 取り外した前脚から、銀色のパーツを取り外します。

 

 外した銀色のパーツは、背面部に取り付け直します。
 バックパックみたいな配置と形状になります。

 

 下腹部にあるマスクパーツを取り外します。

 

 本体を立たせ、胸部の金色の部分を頭部ごと上に持ち上げます。
 また胴体下半分を左右に分割し、更に太もも部分なる蓋状のパーツを展開します。

 

 再びドンロボボルトに戻ります。
 四肢を後ろ方向に真っ直ぐ伸ばし、立たせます。

 

 頭部を倒し、正面を向かせます。
 続けて、両手足を少し開きます。

 

 ドンロボボルトを、ドンロボゴクウの胴体部分に接続させます。
 ドンロボボルトの背中にある赤い部分を、ドンロボゴクウの内側部分に差し込みます。
 この時、結構大きな力が必要なので、破損が非常に怖いです。

 ちなみに、外す時はドンロボボルトの脚の方から持ち上げるように外すと良いようです(WEB取扱説明書にもその旨記述あり)。

 

 背中パーツがしっかり嵌ると、ドンロボボルト内部に隠されていたロボット頭部が飛び出します。

 

 ちなみにこの時飛び出す頭部は、アップで見るとこんな悪人顔。
 なんとこの頭部は、この合体時専用のもので、それ以外に一切使用することはありません。
 スーパー戦隊玩具全体を見ても、こういうパターンは珍しいと思います。

 

 ドンロボゴクウ胸部パーツを降ろし、ドンロボボルトを拘束するように閉じ込めます。
 劇中でも、この時嫌がってジタバタしてましたね。

 

 先程取り外したマスクを、背中に接続します。
 尚、この接続部は非常に安定性が低く、合体完了後はポロポロ落下します。

 

 両手首を回転させ、爪を前腕部の方に折り畳みます。

 

 ドンロボゴクウの頭部を下ろし、ドンロボボルトの頭部に被せます。

 

 ドンロボゴクウの下顎を左右に展開して、ドンロボボルトの目を隠します。
 劇中では、この動作をした途端、ジタバタがなくなるのがなんか怖かったものです。

 

 ドンロボゴクウの背中に付いていた黒いパーツを左肩に、ドンロボボルトの黒いパーツを右肩に、それぞれ展開させた状態で接続します。

 

 左肩パーツを開くと、内側から「神盾撃器」という青い文字が出て来ます。

 

 右肩パーツを開くと、「熱烈貫戟」というピンク色の文字が出て来ます。

 

 右手にドンロボゴクウの尾「剣熱烈貫戟(ねつれつかんげき)」を持たせ、左手に「神盾撃器(イージストライガー)」を装着させると、合体完了。

 虎龍攻神、完成です。

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■虎龍攻神(トラドラゴンジン):

 

 23話より登場。
 ドンロボゴクウが、逃げるドンロボボルトを捕獲・拘束するように合体する、一種のパワーローダー的なスタイルのロボ。
 この為、合体後もドンロボボルトが胸の籠状パーツの中でもがく場面が存在する。
 ドンオニタイジン同様、合体直後は等身大で、主導権は基本的にドンロボゴクウ側にある。
 非常に身軽な動きが特徴で、回転ジャンプや大股開きなどを交えた拳法風の構え、素早い回し蹴りなど、ロボットとは思えないようなアクションを展開する。
 装備は左腕の大爪武器「神盾撃器(イージストライガー)」と、右手で持つ「剣熱烈貫戟(ねつれつかんげき)」。
 必殺技は、「トラドラ奥義・炎虎龍々ジロウ'sハリケーン」。

 

 というわけで、トラドラゴンジンです。
 全高約33.2センチ(頭頂部まで)、重量約794グラムと、ドンオニタイジンに並びかなりの大きさとなります。
 ただ、ドンオニタイジンの売りであった特徴「各関節が可動」というのはこちらでは適用されておらず、ぶっちゃけかなり可動範囲が狭いです。
 とはいえ、従来の戦隊ロボ系玩具に比べれば、それでもまだ動く方ではあるので、これは決して問題点ではないでしょう。

 画像は、精一杯脚を前に踏み出した状態。
 膝が曲がるのが、地味に嬉しいですね。

 

 「DXドンオニタイジン」との比較。
 トラドラゴンジンは細身のため、かなりボリューム負けしているように思えますが、実際はそれ程でもなく、結構いい感じの並びになります。

 それにしても、こうして並べてみると、合体するようには思えないような気すらします。

 

 トラドラゴンジン正面。

 

 背面。
 なんか視線を感じる……

  

 側面。
 武器のせいで、中心線がずれるずれる。

 

 一応、可動範囲について触れておきます。
 まず腕ですが、前方向は画像が精一杯で、これ以上は上がりません。
 これは可動部の構造問題ではなく、ただ単に背中の一部パーツが肩に干渉してしまう為です。

 

 後方へは、ここまで回せます。
 皮肉にも、これも先と同じ部位が干渉してしまい、ストップがかかります。

 

 「神盾撃器(イージストライガー)」はかなり大型の武器で、手首の甲にある窪みにスライドさせて固定します。
 本来は左手に装着するのですが、このように右手にも装着可能です。

 

 両手足の可動は、内部のドンロボボルトの関節も連動し、支障なく動かす事が出来ます。
 脚も、上げた時・下げた時できちんとドンロボボルトの脚が付いて行くので、後で調整する必要がありません。
 この辺りの調整具合は、さすがバンダイといったところです。

 

 以上、トラドラゴンジンでした。
 続けて、ドンオニタイジンとの合体に触れて行きます。

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■呉越同舟超絶大合体:

 

 それでは本商品最大の目玉、
 所謂スーパー合体に相当する「呉越同舟超絶大合体」を紹介します。

 

 まずは、ドンオニタイジンをここまで分解します。

 

 サルブラザーロボタロウを元の状態に戻し、画像のようなポーズにしておきます。

 

 続けて、トラドラゴンジンをこの状態まで分解します。

 

 トラドラゴンジンの腕パーツ側面に、キジンソード(キジブラザーロボタロウの尾)を取り付けます。

 

 このパーツを、ドンオニタイジンの下駄として履かせます。

 

 続けて、トラドラゴンジンの下半身を変型させます。
 トラドラゴンジンを上半身、下半身に分けて、尾の軸受けを180度回転させて位置を変更させた後、左右分割されている下半身パーツを合体させます。
 次に、ドンロボボルトの脚を抑えていたフタを開き、更に上部にドンオニタイジンのヘルメットを接続します(画像は横向きですが……)。

 

 下半分に、ドンロボゴクウの尾(剣熱烈貫戟)とサルブラザーロボタロウを接続します。

 

 続けて、トラドラゴンジン下半身の上半分を、サルブラザーロボタロウ側に折り畳みます。
 先程開いたフタの内側に生えているツメ状部分が、上からサルブラザーロボタロウを支えるような形になります。

  

 キジブラザーロボタロウの右半身を展開し、トラドラゴンジン右肩の黒いパーツを合体させます。

 

 黒いパーツのジョイントを使って、先程変型させたトラドラゴンジンの下半身一式の上部に合体させます。

 

 次に、ドンロボボルトを直立状態にして、膝部分に「神盾撃器(イージストライガー)」を接続します。

  

 キジブラザーロボタロウの右半身と、トラドラゴンジン左肩の黒いパーツを合体させます。

 

 黒いパーツのジョイントを使って、ドンロボボルトの上部に合体させます。

 

 トラドラゴンジンの下半身一式を、ドンオニタイジンの左肩に、ドンロボボルト一式を右肩に接続します。
 尚、かなりの重量パーツをぶら下げる都合なのか、この時の肩関節部は非常にガッチリ接合される構造です。
 その為、取り外す時に細心の注意を払う必要があります(破損する可能性があります)。
 というか、この撮影の際、ドンロボボルトの背中の赤い部分のジョイント爪が、一つ吹っ飛びました……

 

 次に、トラドラゴンジンの上半身を変型させます。
 胸の空間に頭部を収納するように移動させ、両端に銀色のパーツを接続します。

 

 トラドラゴンジンの上半身を、ドンオニタイジンの胸部に接続します。

 

 上半身の両端に接続した銀色のパーツに、ドンオニタイジンの胸飾りを取り付けます。

 

 トラドラゴンジンの背中に取り付けていたマスクを分割し、金色パーツをドンロボタロウ頭部に被せます。

 

 最後に、マスク部分をそのまま前から接続します。
 これで、トラドラオニタイジン完成です。

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■トラドラオニタイジン:

 

 28話より登場。
 ドンオニタイジンとトラドラゴンジンが呉越同舟超絶大合体した姿。
 合体後に謎の巨大馬に乗って登場する。
 「キジンスピア豪傑突き」、「ドラゴンキングダムアロー」等の技を持ち、必殺技は「天下桃一・ドンブラファンタジア」、「精神一桃・ドンブラシャングリア」。
 ドンモモタロウ(既にドンオニタイジンに合体していたが)の唐突な指示により、いきなり合体を果たすというパターンで出現した。
 ここでも、やはりドンドラボルトが逃走して捕まる→強制的に合体、というモーションがある。

 

 トラドラオニタイジン・正面。
 全高約39.4センチ(両肩最長部まで)、最大幅約34.5センチ(両腕の武器の末端間)。
 トラドラゴンジンのほぼ全てが上体に固まってしまうので、かなりのトップヘビーになります。
 総重量は、約1,788グラム!

 

 背面。

  

 側面。
 尚、ドンオニタイジンの股関節は三段クリック式(クリック音は二回まで鳴る)の為、どうしても前に重量が集中するこの合体形態で立たせる場合は、前のめりになりがちです。
 その為、立たせる場合は股間を前に突き出すような、やや後方に反るような体制にする必要が生じます。

 それにしても、胸の飛び出し具合よ……

 

 言うまでもなく、ここまでごっつくなると可動などは非常に大きな制限を受けます。
 左腕……というか肩は、かろうじてここまで上げることが出来ます。
 尚、胸飾りの基部に関節があるので、腕の動きに合わせて胸飾りを跳ね上げる事が可能です。

 

 右腕は、これくらいが限界です。
 というか、よぉく見ないと動かしている事すらわからないくらいですが。

 

 この形態では、脚の可動機構が色々と影響が出てしまいます。
 先の通りかなりのトップヘビーなので、下手に脚を動かすとバランスが崩れてしまいがちです。
 一応、ぎりぎり自立できる範囲で脚を可動させた例がこの画像です。
 
 この形態にした時、それまでの戦隊ロボの脚が何故基本的に直立不動なのかという理由が、よくわかった気がします。

 

 以上、トラドラオニタイジンでした。

 ごつい、デカイ、重いという以外、実はそこまで書くことがないのが皮肉です。
 しかし改めて見ると、過去の全合体(これは全合体ではないですが……)よりは、細かなパーツの収納や配置に無理がなくなった感があります。
 (我が家にあるギガントキシリュウオーを横目に見ながら)

  

 言うまでもなく、トラドラオニタイジンはここに加えて更にもう一つ上の合体形態があります。
 こちらも触れて行きたい気もするのですが、それはいずれやるであろう「オミコシフェニックス」のレビューで詳しく。

 

 以上、DXトラドラゴンジンでした!

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【総評】

 パワーローダー型で内部収納型の合体システム、その上でメインロボの合体パーツになるという意外な構成。
 加えて、非常に個性的なスタイルという面白みに満ちた2号ロボ(違うけど)。
 これはなかなか楽しい玩具です。
 合体専用のオリジナル頭部が存在するというのも、非常に面白い試みです。

 どちらかというと、ドンオニタイジンよりは、玩具的にはむしろドンゼンカイオーに近い立ち位置のような感じがします。

 

 それで全体のレビューのまとめなのですが、確かに面白い商品ではあるものの、気になる点も結構あります。
 尚これは、所謂高年齢層向け玩具の概念抜きでの話となります。

 まず、プレイバリューが意外と少ないという点が挙がります。
 ドンロボゴクウを組み替え、そこにドンロボボルトを収納する合体な訳ですが、そこでトラドラゴンジンとしてもプレイバリューの大半が終わってしまうのが惜しいです。
 ドンオニタイジンみたいな特殊な例と単純比較は出来ませんが、正直な話し、一万円近い定価でこの程度感は拭い切れません。
 本体がかなりでかいので、そこで充分まかなえてる感も当然あるんですが、個人的な感想としては、ちょっと物足りないんじゃない? という印象が最後まで付きまといました。

 ドンオニタイジンとの合体ですが、これはこれで新たな(?)問題を実感させることになりました。

 先でも触れましたが、今回の「呉越同舟超絶大合体」は、改めて“戦隊ロボに関節可動は不要”と確信させられました。
 少なくとも、両脚の可動は不安定さを増すばかりで、正直な所、トラドラオニタイジン時には邪魔でしかありませんでした。
 この大きさと重量なら、手に取って派手なポージングを楽しむ、とは行かず(やろうとしたら大きなパーツが脱落しかねないので危険)、ましてや本来のターゲット層の子供などもっと不可能でしょう。
 事実、うちの息子も扱いに非常に難儀していました。
 
 かといって、「じゃあドンオニタイジンの関節可動ない方が良かったの?」と言われるとそれはそれで悩ましいところなのですけど……根本的な部分の否定に繋がっちゃいますね。
 ともあれ、合体形態での転倒はサイズ・重量の問題で非常に危ないのですが、それを引き起こしやすい最大の理由は“ドンオニタイジンの脚関節(特に股関節)”にあるのは間違いないので、ここは後年再検討した方が良くない? と思ったりもします。

 って、翌年の「王様戦隊キングオージャー」は、この関節可動を敬称しちゃってるんですけどね。


 さて色々指摘もしましたが、やはりドンオニタイジンを更にボリュームアップさせるためのアイテムと割り切れば、そこにプラスアルファがある分価値の高い商品と云えるかもしれません。
 どのみち、これが欠けていると物足りなさハンパないですからね。

 ロボの上半身が丸々胸になり、下半身が片腕、内蔵ロボがもう一方の片腕になるという奇抜な構成も面白く、更にこの先の「オミコシ大合体」では更に意外な編成に変化するというのが、パズル的な要素も加わって非常に興味深いものがあります。

 

 尚、以下は覚書ですが、ドンブラザーズ終了間際、イオンでは3,000円まで値下がりしており、事実上これが底値だったのではないかと思われます(DXドンオニタイジンも同様)。

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