第156回 ■ 暴太郎戦隊ドンブラザーズ「DXドンオニタイジン」

2023年3月20日 更新
2024年3月4日 オミコシフェニックスへのリンク追加
2024年3月17日 ブラックオニタイジンへのリンク追加・他ページリンク情報全体を変更

 

 久々の更新にして、2015年4月の「シュリケン合体DXバイソンキング」以来の非高年齢層向け玩具のレビューとなります。
 ニンニンジャー以降のスーパー戦隊のロボ玩具も購入してはいるんですが、今回のこの商品が物凄く響いたので、この度コレを取り扱うことにしました。
 ……という経緯です。

 そういうわけで今回は、2022年度スーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」に登場した二体目ロボにして、同シリーズの単独商品ロボとしては最大級※の商品「DXオニタイジン」を取り扱います。

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■DXドンオニタイジン

 

 2022年5月28日発売。
 価格は、9,350円(税込)。
 ドンロボタロウ、サルブラザーロボタロウ、イヌブラザーロボタロウ、オニシスターロボタロウ、キジブラザーロボタロウの五体セット。
 パッケージサイズは、縦45×横40×奥行10.3センチ。

 

 DXドンオニタイジンは、何故か公式で「ドンブラザーズの一号ロボ」扱いになっています。
 しかし番組を観ていた人ならご存知の通り、実際には二体目となります。

 本作の一体目ロボ「ドンゼンカイオー」は、ドンモモタロウの専用バイク・エンヤライドンと、何故か前作「機界戦隊ゼンカイジャー」に登場した「ジュランティラノ」が(特に意味もなく)再登場して合体した結果登場するという、なんとも不可思議な立ち位置にある存在でした。
 その為、いくら公式が唱えているとはいえ、果たして一号ロボと呼んで良いものかと、微妙な気持ちになります。

 

 まあ解釈はともかく、全メインメンバーが関わった結果登場するという、それまでの戦隊ロボと同じようなテイストのロボはこのドンオニタイジンからと考えてさほど問題はないかと思われます。

 しかし、本商品の売り文句として「(商品サイズが)最大級の一号ロボ」というのがあるのは、正直どうかなと。

 実は二号ロボとして考えると、DXドンオニタイジンは決して最大級ではありません。
 細かく全てを検証は出来ませんでしたが、例えば「鳥人戦隊ジェットマン」の「DXジェットガルーダ」も約36センチと、頭頂部までならだいたい同じくらいのサイズです。
 まあ、今更こんな事を述べてもという気もするんですが、一応、発売当時に感じた疑問や違和感のメモ的なものとお考え下されば。

 

 ここからは、商品について触れていきます。

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■ドンロボタロウ:

 

 ドンモモタロウが、ロボタロウギアを使用して変身した姿で、9話からの登場。
 数年に一度無力化するという性質の為、普段と違い極端に弱体化してしまった桃井タロウが、とある特定のレシピに忠実に作ったきびだんごを丁度300個食べない限り元に戻らないという状況に陥る。
 はるかや真一、介人達の協力により、一個不足だったにも関わらず(よくわからない理屈で)復活したタロウは、ロボタロウギアで突如アバターチェンジ。
 「心桃滅却・アバター光刃」で、特命鬼を倒した。

 

 全高約25.3センチ、全幅最大約21.2センチ、重量約373グラム。
 劇中では、基本的に等身大でスタイルも人間に近い(少々ごつくなった程度のスーツ)デザインですが、玩具では変形合体の都合、かなり人間離れした形状になっています。
 特に、足首のちんまい具合は、かなりの違い。

 

 ドンロボタロウ単体でもかなりの大きさがあり、他の戦隊一号ロボと比較しても、ひけを取らないくらいのサイズです。
 画像は、「騎士竜戦隊リュウソウジャー」のDXキシリュウオー、「魔進戦隊キラメイジャー」のDXキラメイジンと比較した状態。
 キラメイジンは、近年稀に見る小型合体ロボではありますが、とはいえここまで差が出ようとは!

   

 前面・背面・側面。
 背中に付いているドンオニタイジンのマスク(兜)は、この形態ではスラスターのカバー(?)として機能します。

 

 この形態での可動範囲はさほど広くはありません。
 首は自由に回り、360度回転可能(ドンオニタイジン時も同様)。
 腕は、変形の都合で画像のような動きをさせる事が可能ですが、肩の回転や上腕の捻りなどは不可能です。

 

 その他、腰の回転・股関節の前後可動・膝可動が可能。
 更に、つま先が下方向にのみ可動します。

 

 ドンオニタイジンまでの合体に関しては特に外す必要はありませんが、胸のパーツは除去可能です。
 尚、胸の中央のシャッター部分には透明のフードが付けられています。
 シャッター部分の開閉については、後述します。

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■オニシスターロボタロウ:

 

O オニシスターが、ロボタロウギアを使用して変身した姿で、10話からの登場。
 尚、同話ではサルブラザー、イヌブラザー、キジブラザーも同時にロボタロウギアによるアバターチェンジを(唐突に)行っています。

 

 全高約21.3センチ(頭頂部まで)、最大奥行約10センチ、重量約163グラム。
 ドンオニタイジンの右脚(膝下)を構成。
 基本的に変形に関連する部分しか可動箇所はありませんが、一応、首が回転します。

 

 これ単独でも結構な大きさがあり、ちょっとしたソフビフィギュア並のサイズがあります。
 2022年12月12日に発売された、「SMPダイデンジン」と比較すると、だいたいこんな感じです。
 ダイデンジンは、所謂1/12サイズフィギュアとだいたい同じくらいなので、どのくらいの大きさと対比になるのか伝わりやすいかなと思います。

 

 合体時、オニシスターロボタロウの背面部が前を向く形となるため、この形態ではネジ穴が前面部に目立ちます。
 首は左右回転の他に伸縮のギミックもありますが、これは変形の過程で使用します。
 この形態では伸び切っている状態なので、これ以上伸びる事はありません。

 

 オニシスターロボタロウ前面。

 

 側面。

 

 背面。
 先の通り、合体後はこちらが正面になります。

 

 オニシスターロボタロウには、可動も含めてこれといったポイントがないのが難点ですが、下手にギミックや可動を加えると色々悪影響が出そうなので、これはこれで正解だと思います。

 この悪影響については、後述します。

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■イヌブラザーロボタロウ:

 

 イヌブラザーが、ロボタロウギアを使用して変身した姿。
 人型ではなく、正に犬型になるのが特徴。

 

 全長約27.5センチ、全高最大約11センチ(頭頂部まで)、重量約169グラム。
 ドンオニタイジンの左脚(膝下)を構成。

 

 四肢の付け根と尾が可動します。
 ただ、残念ながら頭や顎は非可動です。
 まあ、特に支障はないんですが、こういうタイプの玩具の場合、顎が動くのがセオリーだったりするので、ちょっとだけ意外だったり。

 尾はオニタイジンの足首でもあるため、(詳細は後述しますが)特に根元が結構大きく動きます。
 また、尾の途中にも可動部が存在します。

 

 実はイヌブラザーロボタロウには、あともう一箇所可動部位があるのですが、それは合体の項にて詳しく。

 

 イヌブラザーロボタロウ、前面。

 

 側面。

 

 背面。

 

 同じ四つ足の戦隊メカ(一応)として、超合金魂版「大獣神」の守護獣サーベルタイガーと比較。
 本来、サーベルタイガーもそこそこの大きさである筈なのですが、相対的にややボリューム負けしているように感じちゃいます。

 

 縦と横の違いだけなんですが、同じような部位を構成するオニシスターロボタロウとは明確にイメージが違っていて、さりげに工夫されているのを感じます。
 こういう個体差の表現、個人的に大好きです。

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■サルブラザーロボタロウ:

 

 サルブラザーが、ロボタロウギアを使用して変身した姿。
 全高約12.3センチ(頭頂部から足裏まで)、全幅最大約11.5センチ、通常姿勢時の前後幅約14.4センチ、重量約156グラム。
 オニタイジンの両腕を構成。

 

 腕全般を担う都合、サルブラザーロボタロウは可動部位がかなり多くなっています。
 ……といいながら、その可動には一部非常に癖があります。
 指・手首・肘・上腕・肩・両脚の付け根が可動。
 反面、膝や足首は一体成型で非可動です。

  

 可動に癖がある、という理由は、首の接続に起因します。
 サルブラザーロボタロウは、合体の都合上首の付け根が左肩前面部分に接続されているので、左腕を動かすと首全体の位置がずれてしまいます。
 右腕は全然制約がないため、何とも言えないポージング調整を要します。

 ちなみに、首を繋ぐ関節部の膨らみを収めるためのくぼみが、左半身上面に設けられています。

 

 サルブラザーロボタロウ前面。

 

 側面。
 頭部根元はボールジョイント構造です。

 

 背面。

 尻の赤はありません。
 モールドはあるんですけどね。

 

 サルブラザーロボタロウは、体表のでこぼこは割と細かくモールドで再現されており、なかなか味わいがあります。
 結構、いい感じで劇中スタイルを再現出来ている個体じゃないかと思っています。

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■キジブラザーロボタロウ:

 

 キジブラザーが、ロボタロウギアを使用して変身した姿。
 イヌブラザーロボタロウ同様、人型ではなく鳥型になるのが特徴。
 メンバー中、最も人型からかけ離れた姿で、本人も最初は戸惑ったほど。
 独特の構造と色合いの翼は、劇中では滑らかにたわみ羽ばたきます。

 

 全長約30.6センチ、全幅最大約24.5センチ、重量約131グラム。
 ドンオニタイジンの両肩上部と翼、キジンソードを構成。

 

 非常に凝った構造、凝ったパーツ構成で仕上げられているロボタロウで、クリアピンクがとても美麗です。

 

 メカニックぽさがやたら突出していて、とても33歳既婚男性会社員とは思えません。

 

 翼は、基部が下方向に倒すことが可能です。
 ですが、上に向けることは出来ません。

 

 同じくピンク担当の飛行メカ(しつこいいですが一応)である、守護獣プテラノドンとの比較。
 剣と翼の長さのせいで、かなりの空間占有率を占めているのがおわかりになるかと思われます。

 

 キジブラザーロボタロウ前面。

 

 背面。

 

 側面。

 

 合体時、頭の位置が最も離れた配置になるのが、人間関係を考えると意味深に思えますこの二体(考えすぎ)。

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■合体:

 

 ここからは、合体システムについて紹介していきます。
 尚、劇中の合体プロセスとは異なる順番の紹介となりますので、一応そこはご了承を。

 というのも、この順番で合体させていかないと、ぶっ倒れてしまうので。

 

 まずは、イヌブラザーロボタロウから。

 

 尾を折りたたみます。
 後ろ足浮きます。

  

 本体を尾で立たせ、上半身を90度前方に倒します。
 これが、先に触れた「もう一つの隠された可動部位」です。

 

 後ろ足を前方向に曲げて、イヌブラザーロボタロウの変型は終了です。

 

 次に、オニシスターロボタロウ。
 無論、イヌブラザーロボタロウより先に変型させても、全然問題はありません。

  

 矢印方向に、脚を折り曲げます。

  

 首を、後方にスライドさせます。

 

 首を180度回転させます。

  

O背中側に移動した頭部を押し込み、伸ばした首を縮めます。

  

 両手を、腰の辺りに押し込みます。

 

 続けて肩を内側に押し込みます。
 これで、肩装甲部分がまっすぐ垂直に並びます。

 オニシスターロボタロウの変型は、ここまでです。

 

 続けて、ドンロボタロウです。

  

 まず、背中のスラスターカバー(カブト)を外します。

 

 両腕を、上腕と肘を基点に上へスライドさせます。

 

 続けて、腕と肩を背中側に回します。

 

 ちみっちゃいつま先を、下方向に伸ばします。

 

 つま先を伸ばした状態で、膝下をイヌブラザー&オニシスターロボタロウの上部に差し込みます。
 これで安定させてから、以降の合体を行った方が無難です。

 

 次に、サルブラザーロボタロウの腹部パーツ(腹筋型のプレート)を取り外します。

  

 ドンロボタロウの胴体を引き伸ばします。
 具体的には、胸部を上にスライドアップさせる感じです。

 

 腹部に露出したジョイントに、先程取り外した腹部パーツを取り付けます。

 

 その後、胸部を押し戻します。
 すると、腹部パーツにより胸内部のスイッチが押されて、胸中央のシャッターが開きます。
 これにより、胸中央にドンブラザーズのエンブレムが出現します。
 これは、なかなか凝ったギミックです。

 

 次に、サルブラザーロボタロウを左右に分割します。

  

 左右のボディを、このような形状に調整します。
 要は、ボディだけを腹ばい状態にして、脚を上に折り曲げます。

 

 左半身の頭部を、胴体側から肩側に移動させます。
 首を支える二重関節アームを調整します。

 

 サルブラザーロボタロウを、ドンロボタロウに合体させます。

 

 次に、キジブラザーロボタロウの尾を引き抜きます。
 劇中では、ここでキジブラザーが「あ、僕の尻尾……」とか呟いていましたね。

 

 続けて、ボディを左右に分割します。

 

 左右のボディを、それぞれ折りたたみます。

 

 先に合体させたサルブラザーロボタロウの踵付近のジョイントに、キジブラザーロボタロウのボディを接続します。

 

 翼を下方向に折り曲げ、キジブラザーロボタロウの頭部の位置を調整します。

  

 ドンロボタロウの頭部に、先程取り外したスラスターカバー(カブト)を被せます。
 チョンマゲがカブトによって押され、内部で繋がっているマスク(グラサン)が自動的に上へスライドします。

 

 先程取り外したキジブラザーロボタロウの尾を、左右に分割します。

 

 尾の末端部を、サルブラザーロボタロウの足の裏にある穴に差し込みます。
 その際注意が必要なのは、この穴がやや斜めに開けられているという点です。
 この穴は、サルブラザーロボタロウの足の裏に対して垂直に開いていません。
 踵から脛の方向にかけて、少し斜めになっているのです。
 これにより、尾(キジンソード)が垂直に立つわけですが、これを知らないと接続時にやや戸惑います。

 

 ドンオニタイジン完成!

 全高約35.5センチ(頭頂部まで)、キジンソード先端までの高さ約49.7センチ、最大幅約22センチ、全重約993グラムとなります。

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■ドンオニタイジン:

 

 第12話より登場。
 第9話から10話にかけて登場した五人のロボタロウが合体する事で誕生する合体ロボ。
 同時に、シリーズ初の「基本形態が等身大のロボット」であり、恐らく劇中での扱いはアバター変身の延長である可能性が高い。
 当然その状態でも戦闘を行う事が可能で、そこから更にドンオニタイジンのロボタロウギアを使用することで巨大化する。
 正にお供がドンモモタロウの手足となった状態だが、この形態のままでも各人は己の意志で動く事が可能なようで、キジブラザーの咄嗟の判断で落下中に飛行を可能ならしめたり、敵に激怒したオニシスターが連続キック(※自身のボディである右脚で)を行うなど、色々な意味で自由度が高い。
 黒い軍配「ドンばい」と、両肩後部に装着されている一対の「キジンソード」。
 必殺技は、「一騎桃千・ドンブラパラダイス」。
 合体解除後、数秒間ドンモモタロウが無力化してしまうという弱点がある。

 

 さて、いよいよオニタイジン自体のレビューです。
 これまでも、大きさを売りにした戦隊ロボ玩具は多々ありましたが、本商品はそこに加えて「各部関節の可動部が多く、かつ可動範囲が大きい」という特徴があります。
 これは、公式でも売りにしているポイントで、なんとシリーズ初の「可動を前提にした関節構造」となります。

 こう書くと、「は? 今までも可動範囲が広い戦隊ロボあったじゃん?」とお考えの人もいるかと思うので補足しますと、これまでのものは“変型合体ギミックの副産物”として派生した可動に過ぎず、あくまで「可動を楽しむ前提」で構成されたものではありません。
 よく云われる「DXダイボウケン(※轟轟戦隊ボウケンジャー)の脚」などは、ゴーゴーダンプからダイボウケン(のボディと脚)に変型するのに必要な可動しかなく、それを活かしたサブギミックであるビッグアームモードも同様です。
 まあ、筆者もさすがに全戦隊ロボを弄ったわけではないので、一部かつ一部分に例外はあるかもしれませんが、基本的にはそういう事で、これは公式でも本商品のうたい文句に併せて説明されています。

 つまり、従来にはない「ポージングを楽しむ」DX戦隊ロボという、新たな境地に至ったといえます。
 尚、このコンセプトは次作「王様戦隊キングオージャー」の巨大ロボ・キングオージャーでも採用されており、もしかしたら当面続くのかな? と思わされるものがあります。

 

 というわけで、可動範囲について説明していきましょう。
 まず両肩ですが、これくらい横方向に上げられます。
 尚、この画像だとキジブラザーロボタロウのボディに肩が接触している為に可動範囲が妨げられているように見えますが、これは単純に肩の付け根の関節構造による影響です。

 

 驚く事に、両腕は真上に上げられます。
 先で干渉しているように見えたキジブラザーロボタロウのボディは、後方に跳ね上げることが可能なのです。
 これは、主にハイエイジトイの可動フィギュア系玩具(「聖闘士聖衣神話」や「S.H.フィギュアーツ」等)で採用されていた構造の応用です。

 

 更に、上腕の回転や肘の可動、また手首の回転が可能です。
 肘可動は、おおよそ90度くらい。
 「DX超獣合体ライブロボ」の腕可動と同じような具合です。

 

 構造上、キジブラザーロボタロウの頭部は上部に逃がすことが出来るので、腕を前に出す事が出来ます。
 また劇中同様、翼を開いて飛行形態を再現出来ます。

 

 キジンソード(キジブラザーロボタロウの尾)を持たせることが出来ますが、よくある「手首にある穴に差し込む」タイプではなく、指を開いて握らせる形になっています。
 掌側に凸形状の部位があり、ここにキジンソードのグリップにある穴を差し込んで固定可能です。

 

 頭部はボールジョイントで、横方向、上下の可動が可能で、かなり自由度が高いです。
 ただし、360度の横回転は出来ず、おおよそ270度くらいの可動が限界です。

 

 次に脚部です。
 股関節はクリック可動式で、両脚はこれくらい前後に可動します。
 しかし、クリックは前・中央・後ろの三段階しかない為、微調整は一切不可能です。

 

 両脚は、太腿部分の回転ロールで、このくらいまで開くことが可能です。
 しかし、途中で止まるためこれ以上回すことは出来ません。
 尚、この状態ではまともに立たせることが出来ず、上半身をのけぞらせる(股間を前に突き出すような)姿勢にしないと自立は不可能です。

 股関節の自由度はさほど大きくはなく、横方向には一切動かせません。
 つまり、脚を閉じることもこれ以上開く事も不可能です。

 

 膝はクリック関節で、だいたい90度くらい曲げられます。
 また、ドンモモタロウで触れた通り、腰も360度回転可能です。

 

 足首ですが、ここがちょっと難点の多い部位です。
 横方向にはこのくらい開き、一見接地性が良さそうに見えますが、(確かに足の裏は接地するものの)足首の関節保持力が非常に弱く、また横方向のみの可動で、前後には一切動きません。
 これは、転倒防止の為の策だということは想像に難くないのですが、横方向の可動が随分と緩いので、今後続いていく各種合体もさることながら、この形態の時点でも、結構倒れやすくなってしまいます。

 

 ドンオニタイジン・前面。

 

 背面。

  

 側面。

 

 オニタイジンと、先にも挙げた・DXキラメイジンとDXキシリュウオーを比較してみます。
 一応、どれも1号ロボですが、オニタイジンがどれだけ突出したサイズか、改めてお分かりいただけるかと思います。

 

 単独でもかなりの大きさのドンオニタイジン、それでは全合体後の「最強形態ロボ」と比較したらどうなるか?
 そう思い立ったのは良かったのですが、生憎筆者の撮影ブースの大きさの都合、これは物理的に難しいものがありました。
 ですが、なんとか撮影が可能だった「超超トッキュウダイオー(烈車戦隊トッキュウジャー)」と並べてみました。
 DX超超トッキュウダイオーの大きさは、一番尖っている頭頂部までで約37cmの大きさなので、背丈だけならほぼ同じくらいです。
 ボリュームも、そんなに見劣りしていない気がします。

 ご存知の通り、超超トッキュウダイオーは「トッキュウオー」「ディーゼルオー」「ビルドダイオー」の三体合体形態なんですよね……

 

 以上、DXドンオニタイジンでした。

 尚、既にご存知の通り、ドンオニタイジンはここから更なる合体が可能で、

 ・トラドラオニタイジン
 ・ゴールドンオニタイジン
 ・トラドラオニタイジン極

 と、三形態へ進化します。
 これらについては、また別な機会に扱ってみたいと思います。

 

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【総評】

 シリーズ46作目にして、思い切った商品を出して来たなあと、個人的に驚いた商品でした。
 DXオニタイジンは、各部関節可動、大きさという非常に判りやすい売り文句でアピールされ、各方面で大きく取り沙汰されました。
 その上、実際に結構な人気があったようで、そのとんでもないサイズのパッケージにも関わらず、かなり売れたようです。
 その影響は本作のみに留まらず、先の通り、次作「王様戦隊キングオージャー」にも引き継がれています。
 これは本当に凄い事で、近年ややマンネリ化した感も拭えなかった同シリーズの商品展開に、大きな一石を投じたと言っても過言ではないでしょう。

 それだけに留まらず、非常にプロポーションが良く、更に合体が可能というのがにわかには信じ難いという注目点もあります。
 このように、ドンオニタイジンはここしばらくのスーパー戦隊シリーズの中でも突出した魅力を内包しています。
 当然、価格もそれなりでしたが、番組終了時には3,000円(税抜)で購入できるチャンスもあった等、リアルタイムに拘らなければお財布的にありがたい状況がありました。
 もっとも、パッケージが大き過ぎた為、次番組の商品を早く並べたい店舗側としては、早めに処分したいという意向も一部であったとかなかったとか……

 尚、本商品は日本玩具協会主催の「日本おもちゃ大賞2022」のキャラクタートイ部門にて、大賞を受賞したそうです。
 これはスゴイ! と驚くと同時に、深く納得の行く結果だったとも感じます。

 

 さて、散々褒め千切りましたが、問題点についても触れて行きます。

 せっかくの売りだった「関節可動」ですが、後にこれは、スーパー戦隊ロボ玩具がどうして今まで踏み込まなかったのかを、改めて認識させる結果となりました。
 DXオニタイジンは各部可動があるため、格段にプレイバリューが増えたのは事実ですが、反面、自立性を著しく損なうという、一部マニアが懸念していた問題点が如実に表れていました。
 特に足首の安定性が非常に悪く、また股関節部分のクリック可動が災いし、丁度良いバランスに整え難いという難点が生じ、かなり倒れやすくなってしまいました。
 尚、これはこの後に展開する、所謂スーパー合体にて更に際立ち、最終形態ではもはや無視出来ないレベルに至ります。

 クリック可動や、惜しいところで可動範囲が狭いという点については、やはり公式の方からエクスキューズ的な発言があり(後述する「DXドンロボタロウ可動増強版&出陣オプションというセット」についての開発スタッフコメント)、やはり転倒防止を意識した為の苦肉の策であったようです。
 いわば本商品は、巨大故の転倒防止策と可動範囲の確保という二つの課題に挟まれ苦悩した結果、生じてしまった難点を抱いているのかなと、個人的に解釈しています。

 とはいえ、そこは天下のバンダイ。
 プレミアムバンダイにて、これらの問題の一部を改善するオプションパーツ「DXドンロボタロウ可動増強版&出陣オプションというセット」というものが発売されました(※「という」も商品名です!)。
 これは2022年9月16日から2023年1月24日まで予約受付していたもので、下半身の可動範囲を拡張したバージョンのドンロボタロウと、本商品には付属しなかった「ドンぱい」、合体直後に座っている「床几(椅子)」、開き手パーツがセットになったもので、これを用いることでより脚を前に出せたり、椅子に座らせることが可能になります(価格:6,600円税込)。

 ただし、これを書いている現状もう注文は不可能なので、中古業者やネットオークションで割高で購入するしかないのが残念なところです。
 商品展開の都合上、再販も厳しそうですからねえ。


 尚、本商品のバリエーションとして、「DXブラックオニタイジンムラサメ」という商品があります。
 こちらは、プレミアムバンダイで2022年10月20日まで受付、2023年2月17日に発送された、価格13,200円(税込)の商品で、ブラックバージョンのドンオニタイジン&ムラサメVer.(&可動拡張版ドンロボタロウ仕様)という構成です。
 非常にカッコイイ素敵な商品なんですが、筆者は発送日を過ぎてからその存在を初めて知りました。
 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

             

 

            

 ――が、幸いにも11月初頭に入ってから、なんとか入手することが出来ました!
 幸いにも、定価とほぼ変わらない価格で、その上早期予約特典も付属していたので、非常に良い買い物になりましたぁ!

                        

  

 「DX虎龍攻神(トラドラゴンジン)」「DXオミコシフェニックス」も、いずれレビューしたいものですね。
 ……撮影ブースに収まるような気がしないけど……

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