第85回 ■ バンダイ 特命戦隊ゴーバスターズ「特命合体DXゴーバスターオー」
2012年7月15日 更新
「特命合体!!」
お待ちかね、次に三体合体について見ていきましょう。
尚、以下の変型合体プロセスは、説明書や劇中描写には準拠していませんので、ご注意ください。
■ 特命合体DXゴーバスターオー
CB-01チーター、GT-02ゴリラ、RH-03ラビットが合体した形態。
2012年7月現在、スーパー戦隊シリーズ唯一の「一般セット商品が存在しない(バラ売り商品のみで構成される)1号合体ロボ」。
ただしトイザらス限定のセット商品として「特命合体DXゴーバスターオーセット」というものがあり。
こちらは2012年4月28日発売で、税込価格11,655円。
それでは、のっけから変型合体プロセスを。
まずは、ゴーバスターエースから。
胸のチダ・ニックを取りはずし、本体を写真の状態にします。
頭部のツノを畳み、バイザーを戻し、つま先を閉じます。
両腕がなんか変な形ですが、ネタではなくマジでこうしなければなりません。
今の時点ではなく、後から形を調整してもいいんですが。
エースの肩を、そのまま左右それぞれ90度後方に回します。
これまで謎だった、肩上面のマークが正面に向き、意味が出て来ます。
エースはここで一旦終了、待機。
GT-02ゴリラを分解し、写真の通りにします。
具体的には、頭部・トラックヘッド部・両腕・両脚の計6体に分けます。
バスターアニマル時の拳は、折り畳んでおきます。
ゴリサキ背中の目は閉じます。
ゴリラの腕と足を、それぞれ合体させます。
組み合わせは、アニマル時の腕と足同じ向き同士です。
内側にある矢印を、同じ色同士で組み合わせます。
トラックの後輪を、それぞれ折り畳みます。
これでゴーバスターオーの足首になります。
ゴリラのパーツを、側面からエースのつま先に差し込みます。
ガチッと音がするまで押し込みます。
最初はちょっと怖いです。
ここまでの完成状態。
エースのつま先が半分くらいはみ出してますが、それで正解。
みっともない? 気にしたら負けです。
ゴリラのトラックヘッド部分、タイヤの向きを変更。
バスターアニマル時より、90度上に回します。
フロントウィンドウのパネルを、タイヤと同じ向きに上げます。
写真の通りの状態に整えます。
タイヤを、この状態のまま下方向に倒します。
この時、前輪部のジョイントが外れてしまいがちですが、すぐ直せるので安心です。
変型したトラックヘッド部を、エースの胸(チータヘッドのはまっていた穴)に差し込みます。
ただし、ここでとても重要なことがあります。
必ず、黄色い枠で囲まれたジョイント部分がかみ合うように、接続します。
実際には、かみ合わせなくてもはめ込めるんですが、それだと固定力が甘くなって大変危険です。
詳しくは後述しますが、この部分は本商品最大の問題箇所で、最も注意を払う必要があります。
はめ込み完了状態。
ここに、上下反転させたゴリラヘッド(ゴリサキ)を接続します。
ゴリサキの足の角度は、アバウトでも構いません。
むしろバスターマシン時より適当でOK。
GT-02ゴリラの変型・合体は、これで終わりです。
次は、RH-03ラビット。
まずは、全体を8つに分解します。
具体的には、ウサダ・ボディ前部・ボディ後部左・ボディ後部右・左右ブースター・大小ローターに分けます。
画像ではウサダが外れてませんが、これはうっかりです。
分離させるのが正解です。
RH-03ラビットのボディ前部(アニマルの前足辺り)を、エースの背中のジョイントに接続します。
2つに分けたボディ後部を、それぞれエースの肩の穴に接続。
ボディは、内側が前を向くようにします。
ローターを接続する側が左に来る様に。
左右の拳を引き出します。
つまりは、RH-03ラビットの本来のキャノピーのことですね。
左腕に、ローターのブレード大を再接続します。
バスターマシン状態から合体させる場合は、わざわざローターを外す必要はありません。
エースの両肩外側のジョイントに、ウサダとニックを接続します。
左にニック、右にウサダです。
エースの頭部に、ローター小(ヘッドギア)を前面から接続します。
必ずツノとバイザーを畳んでおく必要ありです。
エースの剣の側面に、RH-03ラビットのボディサイドに付いているブースターパーツを合体させます。
ブースターで、剣の柄をサンドする感じで。
ブーストバスターソードという名称があるようです。
剣を、ゴーバスターオーの手首に持たせます。
エースに剣を持たせるよりも、かなり楽に接続出来ます。
完成、特命合体ゴーバスターオー!
物凄い迫力です。
第一段階の合体で、ここまでボリュームがある戦隊ロボがかつてあったのかというくらい(答え:ありません)。
なんかこの時点で、既にエンジンオーG12やサムライハオー的なパーツ配分解釈が多数行われていて、なかなかビビらされます。
ええ、もちろんグレートゴーバスターではさらにとんでもない事になるんですがね。
ゴーバスターオー。
全高53.5メートル、重量3700トン、全幅46.3メートル。
ゴーバスターエースを中心に、GT-02ゴリラとRH-02ラビットが合体した強化形態。
ブーストバスターソードと、左腕のローター(ブレード)間に発生させたバリアをメイン装備とする。
合体時には周囲にシールドを展開し、外部からの攻撃を防ぎつつドッキングを敢行する。
必殺技は、ブーストバスターソードにエネトロンを充填して放つ「ディメンションクラッシュ」。
ただし、この技を繰り出す前に脚部のホイール部分からメガゾードの動きを止めるエネルギーフィールドを放射する。
他にもエクスプロージョンキックという、跳び蹴りを披露したこともある。
劇場作品「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」では、仮面ライダーフォーゼの協力を得て両手にロケットモジュール、両脚にドリルモジュールを装備し、「ロケットドリルゴーバスターオー」となり、「戦隊ライダー宇宙キック」なる大技を繰り出した。
この形態では、エネトロンの消費率が高すぎるため、長時間の稼働は出来ない。
更に、ここに「BC-04ビートル」「SJ-05スタッグビートル」と合体することで、亜空間専用合体形態「グレートゴーバスター」となる。
ゴーバスターオーです。
全高最大約30センチ(ツノ含まず)、全幅最大約26センチ(両肩幅)、奥行最大約15.5センチ。
まずはフロントビュー、ゴーバスターエースのシルエットが殆ど消えてしまっています。
良くも悪くも戦隊ロボっぽさが消えている、かと思うと戦隊ロボ的要素もやっぱり残ってるという、不思議な感覚に満ちていますね。
サイドビュー。
胸部分と背面部に飛び出したエースの腕が、特徴的です。
リアビュー。
いまだ未使用のジョイントが目立ちます。
このうちいくつかは、グレート時に使われています。
可動範囲ですが、合体ギミックの副産的な関節可動しかしない戦隊ロボですから、おのずと限界は見えてきます。
肩が前後に可動(後方には干渉大いに有り)、腕全体が若干ですがロール出来ます。
それっぽく剣を前方にかざすくらいならOK。
初使用時はちょっとした驚きだった、バリアシールド(仮名)。
一見余剰、実際は別な用途があるという装備は大好きです。
劇中同様、Vの字型に展開することも可能。
基軸自体は360度のロールが可能なんですが、腕の形状の関係で、回転範囲に限界が生じます。
さて、筆者はゴーバスターエースのレビュー時に「戦隊ロボの場合、単独商品として見た場合と、全商品出揃った後の総合プレイバリューを比べた際、評価が逆転するケースが多々あります」と書きましたが、正直な話、この懸念が的中してしまいました。
一番の問題点(として挙げられがち)なのが、エースの腕の処理。
せっかくきっちりラインを揃えて収納できるギミックがあるにも関わらず、こんなみっともない放り出し方をされています。
確かに、これは劇中でも同じなんですが、余りにも変です。
なんでこんな処理になってしまったんでしょう?
――その理由は、バディロイドの合体にあります。
このように、エースの腕を収納しようとすると、チータヘッドに干渉してしまいます。
これは、チータヘッドの接続位置が下過ぎる為に発生した問題です。
劇中準拠ならもっと上に位置する筈なんですが、ジョイントがチダ・ニックのすね裏側についているせいで、チータヘッドの位置が下がってしまったんですね。
もし、ジョイントがニックの太股裏に付いていれば、このような無駄な干渉は避けられた筈です。
当然、今のままではそれをやるとバディロイド時に干渉が発生してしまうんですが、この辺は微調整可能だったんじゃないかと思えてなりません。
尚、ラビットヘッドではこのような干渉が起きません。
チータヘッドだけが、問題を起こしているわけです。
ゴーバスターオー発売当時、そのあまりに無理のあるスタイルに不満が多く述べられていましたが、やはりエースの腕問題は顕著でした。
そのため、オリジナルのゴーバスターオー形態模索なんて流れも生まれまして。
例えば、両肩のヘッドパーツを除去しようとして、ラビットヘッドを背面に収めてしまうとか。
これは、何の問題もなく行えました。
脚部のラインについても触れます。
ご覧の通り、エースのつま先は内側に半分はみ出してしまいます。
劇中ではこんな状態にはなっていないので、玩具独自の問題点です。
足が途中からガニ股になるという、過去の合体ロボ玩具でも殆どなかった難点で、異様に目立ってしまいます。
これが今後の追加合体のために必要な処置だというならまだ我慢も出来ますが、 残念ながらグレートゴーバスターになってもフォローされません。
つまり、エースをコアにする限り、これはずっとこのままなんです。
まぁ、確かに。
エースのつま先を段差なく完全に繋げるようにすると、GT-02の車幅が広がってビークル・アニマル形態両方のプロポーションやギミックに大きな影響が出るという理屈はわかります。
ですが、ならば最初期の設計段階からもっと気を遣って欲しかったものです。
これの対策、というわけではありませんが。
GT-02ゴリラの前輪部は取り外し可能なので、これを脚部のネジ穴に無理矢理差し(実際はベストサイズ)、はみ出したエースの足を隠すというアイデアが、ネット上各所に挙げられていましたので、ご紹介します。
下部にタイヤが8つも連続するのでいささか奇怪ですが、みっともないはみ出しは気にならなくなるので、これもありっちゃありかもです。
許容できるかどうかは、人それぞれでしょうけど。
この対策と、先のエースの腕問題対策を施し、オリジナルのゴーバスターオーを作り上げるというのも面白いかもしれません。
ただしこの場合、チータヘッドの収まる場所がなくなってしまうという弊害も発生してしまいますが(背面の余剰ジョイントにぶら下げるしかない?)。
さて、GT-02ゴリラの締め部分で軽く触れた問題点に触れます。
実は、胸部(GT-02のトラックヘッド部)の接続が異常に甘く、ひょんなことですぐに外れてしまうという問題があります。
これは、胸部を掴んで持ち上げたらとかそういうことではなく、普通に弄ってても頻繁に発生するものです。
具体的には、下方向から胸部パーツに触れると、それだけで脱落するくらい。
これは、かなり危ないと思われます。
ここで、もう一度胸部合体まで戻ります。
先の通り、合体時はGT-02側とエース側のジョイントをきっちり合わせて接続する必要があるんですが、エース側のジョイントが小さすぎ、しかもバネの力でGT-02のパーツ(の小さな凹ジョイント部)を挟み込むだけ、という頼りない構造のため、保持力が充分に稼げないのです。
このため、ちゃんとはめていても外れるという、フラストレーションが溜まりがちです。
まして、グレート合体時はここに更に負荷がかかるわけですから、洒落になりません。
また、接続時に注意してないとジョイントがずれたまま接続出来てしまうという特性もあり、これだと益々外れやすくなってしまいます。
チータヘッドを支える程度なら充分ですが、明らかに合体には向かない、いわば設計ミスクラスの問題点です。
基本的に低年齢のユーザーが弄るものなのですから、スイッチを押すことでロックが外れるくらい、しっかりはめられる構造にして欲しかったものです。
何度も恐縮ですが、撮影ブースのスペースの関係上、他の戦隊ロボと比較撮影が出来ないので、やむなく手近にあった「S.H.フィギュアーツ仮面ライダフォーゼ」&「マシンマッシグラー」と比較してみました。
かなりのサイズであるということが伝わればいいかなと。
以上、ゴーバスターオーでした。
残りの2体も既に購入済みなので、引き続きグレートゴーバスターに行きたいところなんですが、触れるべきポイントが多すぎるため、また別な機会にしたいと思います。
【買ってみて一言】
単独商品ではないものの、合体1号ロボとしては「星獣合体ギンガイオー」を超える11,655円。
これなら、こんなとんでもないボリュームも納得という感じですが、やはり単独ではそれぞれ割高感が拭えない印象です。
でもまぁ、分割購入可能と考えれば、人によっては負担をある程度軽減出来るかもしれません。
そう言う意味では、かなり買いやすい部類なのかも。
とりあえず、ゴーバスターオーの時点までの、バスターマシン総括を。
合体ギミックは豪快そのもので、本編に思い入れがある人には勧められるものではありますが、そうでない人(コレクターや戦隊ロボとして集めてる人など)には、出来れば予備知識を持った上で手に取った方がいいのではと思える、微妙な出来です。
というか、いっそはっきり言ってしまうと、出来はかなり悪い部類です。
元デザインや合体コンセプトなどはともかくとして、全体の過剰な寄せ集め感やパーツの配置など、劇中設定を考慮に入れても「もう少しなんとか出来なかったのか」と思わされる部分が非常に多く、あまり素直に喜べない感が強いです。
これは、昨今のハイエイジトイと比較しての話ではなく、過去の戦隊玩具や低年齢層向け商品を考慮に入れた上での判断です。
先に触れた「エースの腕」や「胸部の安定性」もそうですが、他にも細かな「もっとなんとかして欲しい」と思わされる箇所が多く、個人的には、エースで稼いだ魅力をかなり削られた印象です。
ただ、それはそれとして。
ゴテゴテとパーツが合体するという、近年流行の「ブロックパズル的合体」の典型ですが、これはこれで高い需要があるのも事実ですから、こういうのがたまらないという人には充分魅力的でしょう。
それに、余剰が出ないというのも嬉しいものです。
まぁ、かなり無理矢理余剰を出さないようにしてるからなんですが、そんなこと今更ですからね。
劇中のCGによる重みを感じない合体が、一部ファンから不満の対象にされているようですが、逆に云えば、劇中表現と大差ない感覚で遊べるとも捉えられます。
そう言う意味では、ゴーバスターオーは(エースの腕問題も含めて)劇中準拠、或いは整合性をキッチリ取っている商品だと評価出来ます。
結局のところ、「玩具を組み合わせて遊ぶのが好きか」「あくまでスタイルに拘るか」で、本商品群の評価は大きく変わります。
また、両方の中間くらいの評価基準の人は、かなり悩ましいのではないかと。
どのみち、合体玩具としての迫力はかなりのものですし、ここから更に膨れ……大型化していくわけですから、純粋に合体を楽しむというノリに基づくのはアリでしょう。
いささか残念な所もありはしますが、ゴーバスターズのバスターマシンシリーズ・スターターキットとしては大変有意義なものなので、今後の拡張性なども見越して、気に入ったのなら手を出し始めてみるのもいいでしょう。
そんな感じの商品です。