第146回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「ダークレイダー」
2016年9月11日 更新
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4月配送の「ドラグランザー」に続き、ダークレイダーもついにフィギュアーツ化!
これで、サバイブモンスターが揃ったことになります。
R&M時代は、比較的単純な変型ギミックでしたが、果たしてどのような進化を辿ったのか、興味は尽きません。
というわけで、今回はダークレイダーのレビューをしてみたいと思います。
なお、今回取り扱うのは単品版となります。
同時発売のナイトサバイブ同梱セットではないので、予めご了承ください。
■ S.H.フィギュアーツ ダークレイダー(単品版)
2016年3月25日〜5月23日まで、プレミアムバンダイ魂WEB商店にて予約受付。
2016年8月26日配送開始(27日頃到着)。
2016年8月のラインナップは、以下の通り。
- 8/11 「初代バルタン星人(ウルトラマン)」「仮面ライダーゴースト・闘魂ブースト魂」
- 8/19(配送開始日)「ウォルター(特警ウインスペクター)」「つば九郎(東京ヤクルトスワローズ球団マスコット)」「仮面ライダーゴースト ムサシ魂」「ファースト・オーダー ストームトルーパー ヘビーガンナー(スターウォーズ)」「黄金騎士ガロ〜流牙金色Ver.(牙狼-GARO- 〜闇を照らす者〜)」(すべて魂ウェブ限定)
- 8/26 「鈴乃木凜(ライダースーツ)&GSX400S KATANA(ばくおん!)」「早乙女乱馬(らんま1/2)」
- 8/26(配送開始日)「真骨彫製法・仮面ライダークウガ アルティメットフォーム【2016年8月発送分】」「仮面ライダーナイトサバイブ&ダークレイダーセット(仮面ライダー龍騎)」「キュアフローラ(Go!プリンセスプリキュア)」「ULTRA-ACT×S.H.Figuarts ULTRAMAN SUIT ver 7.2」「ドナテロ(Teenage Mutant Ninja Turtles)」「レオナルド(Teenage Mutant Ninja Turtles)」「ウイス(ドラゴンボール超)」(すべて魂ウェブ限定)
内容物は、
ダークレイダー本体。
ナイトサバイブ用マントアダプタパーツ左右各1点付属。
ダークバイザーツバイ(搭乗用簡略版)1点付属。
台座などはなし。
価格は11.880円(税込)
ダークレイダー。
仮面ライダーナイトが「疾風のカード」を用いナイトサバイブに二段変身したと共に、ダークウィングが変化した姿。
コウモリの意匠を多く残していたダークウィングと異なり、分厚い鎧を纏った大型の翼獣? といったスタイルに変貌。
また全身の色がメタリックブルーとゴールドになり、ある意味ではドラグレッダー→ドラグランザー以上に外観変化が大きい。
大型化に伴い、仮面ライダーナイトの背中に合体するなどの連携は行えなくなったが、ナイトサバイブを背面に搭乗させて飛行することが可能となった。
またブラストベント「ダークトルネード」という突風攻撃を翼から放つことが出来るようになった。
ファイナルベント時にはバイク形態に変型することも出来、ナイトサバイブを搭乗させて錐状に変化したマントで全体を包んで突進する「疾風断」が決め技となる。
さてダークレイダーです。
情報がネット上に出たのは、2016年3月22日で、予約開始の三日前でした。
これはドラグランザー配送開始の約一ヶ月前にあたり、本来なら「ダークレイダーも出ると判ってればドラグランザーも注文したのに!」とかいう意見も出そうなもんですが、ドラグランザーに注目した人の殆どがダークレイダー商品化の可能性を確信していたのか、特にそういった文句は出なかった印象があります。
R&M版は、簡単な変型ギミックと扱いやすさが魅力で、当時は結構な完成度に感じられたものですが、それでも「薄っぺらい」「(変型の都合上)ハンドルがおかしな位置にある」「搭乗スタイルがおかしくなる」など、難点はかなり目立ちました。
フィギュアーツ版になったことで、この辺がどのようにクリアされているかは注目ポイントとなりましたが、魂ウェブの特集で一部パーツが差換えであることが公開されたため、完全変型を期待した方々は若干の不安要素を覚えたとかなんとか?
まずは、ミラーモンスターモードから見て行きます。
フロントビューと、リアビュー。
翼長は、最大約41センチに及びます。
ドラグランザー同様、今回もダイキャストの使用はありませんが、それでも結構な重量があります。
両脚は、付け根・膝・爪(二本個別)が可動。
脚の付け根はボールジョイントなので、開くことや若干内股気味にすることも出来ます。
これとは別に、尾も上下に可動します。
頭部アップ。
口を開くことが出来ますが、顎パーツが小さくかつ関節が固いので、最初はちょっと難儀するかもしれません。
あと残念なことに、後頭部が奥にあるタンクパーツに干渉するため、頭の可動範囲が非常に狭くなっています。
顎を上げる動作が不可能なのはまだ良い方で、横を向かせるのにも難儀するほどです。
変型の都合とはいえ、これはかなり厳しいものがあります。
翼は、上方向と前後にスイング可能。
上方向可動にはクリックが入っているため、へたれることはありません。
また、翼の付け根の青いアーマー部分も可動し、左右に開けます。
画像は、翼を最大まで上げた状態ですが、付け根部分の構造が左右で違うせいか、このようにアンバランスになってしまいます(通常のプレイバリューに支障はないかと思いますが)。
その他、翼の裏表にある爪が可動します。
左右の翼の付け根には、胴体に固定出来る構造になっています。
ただしロックが固いので、差し込む時も引き抜く時も、些か怖い思いをするかもしれません。
これは、ミラーモンスター形態時は殆ど使わない(外したままでOK)ですが、変型時に意味を成してきます。
当然ながら、翼のタイヤは回転可能ですので、ブラストベント「ダークトルネード」が再現可能です。
尾の付け根部分の上下それぞれに、魂STAGE用のジョイントがあるので、支柱を差し込むことが可能です。
下側からは、ダークレイダーを支えるための支柱。
上側には、ナイトサバイブを支えるための支柱を、同時に接続できます。
しかし、正直支柱一本で支えるには、ダークレイダーは重すぎてぶっちゃけ危険です。
出来ることなら、三本使用して左右の翼の根元を下からクリップで支えるようにすると良いと思われます。
つうか、支柱一本だけだと、関節を締めていても、ちょっとした振動でぶっ倒れます。
パッケージ裏にも画像がある、ナイトサバイブ搭乗姿勢。
正直これは角度限定というか、ほぼこのポーズ限定での搭乗になってしまい、表情付けが困難になります。。
その理由は
- ダークレイダーのツノ周囲に干渉する部分が沢山あり、配置がタイトになってしまうため。
- ナイトサバイブの足場や腕の配置に、余裕が殆どないため。
これらの理由のため、このポーズの時はダークレイダーの翼は、上方向スイングすら殆ど行えなくなってしまいます。
ナイトサバイブ搭乗状態を、背後から。
R&M版と違って、足場に相当する部分は殆どないので、若干工夫が必要かもしれません(諦めてナイトサバイブを浮かせたままにするのもあり?)。
実はこの撮影後、画像のように搭乗させる場合に限り、支柱は特になくても構わないことに気付きました。
ドラグランザー・モンスター形態と共に。
撮影スペースの都合上、さすがに比較画像には出来ませんでした。
しかしまぁ、長年待ち望んでいたとはいえ、迫力ある光景に思わずウットリ。
それでは、いよいよバイクモードへの変型です。
変型は若干差換えの必要があり、まず頭部と右翼裏表の爪(?)を取り外す必要があります。
まずは、左翼の変型。
- 変型前の状態。
- 翼上部の小さい爪を収納し、フェンダーの角度を調整。
- 翼の端を引き上げる。
- さらに翼全体を引き上げる。
- 引き上げた翼を、内側にスライドさせる。
- 翼全体を外側にスライドさせ、シートを露出させる。
「5」の時の翼のスライドが、やややり辛くなっています。
これは、ガイドが直線的ではないためのようで、実際はややカーブを描いているか、途中でガイドが曲がっている構造のようです。
ですから、途中でスライド角度を変更することを意識すると、若干やりやすくなると思われます。
……と書いてはいますが、本商品はバイクモードで梱包されていますので、開封直後はまずこれと逆の手順で動かさないとならない点を、留意する必要があります。
続いて、右翼の変型。
- 変型前
- 翼内側からハンドルの基部を引き起こす
- タイヤを180度反転させる(ハンドルも連動)
- 反転後&フェンダー位置調整
- 翼の末端部を引き上げる
- 翼末端部を内側にスライドさせる
- 最初に取り外した爪パーツを左右逆に付け直す
こちらも「6」の変型がやや癖があるので、破損しないように注意が必要です。
左翼もそうですが、決して力任せにやろうとしてはいけません。
モンスター形態時、ハンドル基部はこんな感じで収納されています。
ダークレイダー頭部の後ろにあるタンクパーツを、前にスライドさせておきます。
タンクパーツの向きを、90度変更します。
厚みのある方が右側(バイク時の前方)になります。
ダークレイダーの下半身(脚と尾)の向きも、90度回転させます。
その後、脚と尾をそれぞれの方向に折り曲げます。
ダークレイダーのすね部分を外側にスライドさせて、フットステップを形成します。
ダークレイダーの脚部を、後方(モンスター形態時の左側)にスライドさせます。
ハンドル基部に、ダークレイダーの頭部を接続し直します。
接続方式はボールジョイントですが、些かはめ込み辛い気がします。
ダークレイダー・バイクモード変型完了。
様々な角度から。
ちなみにバイクモードになると、全長がモンスター形態時の翼長より若干小さくなるようで、約39.7センチとなります。
フロントビュー&リアビュー。
なんか面構えが全然違って見えます。
目のように見える部分は、フロントカウルの突起の段差で、ヘッドライト部分はその斜め上にあるのですが、一目では良くわからないですよね。
またリアビューだとテールランプがないように見えますが、実際はヘッドライトと対象の位置に、赤色のランプ部があったりします。
この角度では見えないだけで。
サイドビュー。
なお、リアカウル(モンスター形態時の左翼)は、軽く引き上げるとロックがかかる構造になっています。
しかし、正直あまり強固ではないので、気を抜くとすぐへたれます。
フロントカウル周辺。
ヘッドライト部分はクリアパーツです。
今回も、前輪はハンドルと連動して動かせます。
ただし、曲げすぎると爪パーツ(変型時に取り外す奴)に干渉するので、注意が必要です。
また、ダークレイダーの頭部接続がボールジョイントのため、ハンドルを持って動かしても上手く連動しない(空回りする)ことがあります。
ハンドル周辺
先の通り、ハンドルは前輪と連動しますが、ダークレイダーの頭がボールジョイント接続なため、無理に動かそうとすると外れます。
シート周辺の様子。
R&M版は、バイクと呼ぶにはあまりに無理のある形状でしたが、今回はかなりバイクっぽくなっています。
シートも幅が充分あって、安定感を覚えます。
シートはいつも通りの成形色ママですので、色移りの心配はないようです。
今回も、マフラー裏側にスタンドが内蔵されています。
ドラグランザーと異なり、途中で一箇所折り曲げる必要があります。
画像は、左のステップをあえて半端に折り曲げている状態です。
勿論、片側だけ出すことも可能ですので、ナイトサバイブの片足で支えるようなポーズを取る際に補助として役立ちます。
続いて、ナイトサバイブ搭乗のための準備について。
ナイトサバイブは、マントやバイザーの形状の都合、そのままでは乗せることが困難です。
まずマントを根元から取り外し、本商品付属のアダプタパーツを介して再接続します。
これによって、マントが横方向に更に大きく開きます。
画像の左肩に付いているのが、アダプタパーツ。
右肩は、アダプタパーツを介してマントを付けた状態です。
外側に向けて極端に広がっているのが判るかと思います。
ダークバイザーツバイを、本商品付属の簡易版に付け替えます。
これはギミックを廃し、全体的に薄くなりかつグリップが省略されたものです。
ナイトサバイブ付属のバイザーが大きすぎると感じる人は、もういっそこっちを付け続けてもいいんじゃね? とすら思えるくらいお手軽で、良い物です。
奥:ナイトサバイブ付属のダークバイザーツバイ。
手前:ダークレイダー付属のダークバイザーツバイ。
比較してみると、結構な違いがあります。
また、簡略版とはいえ結構細かいところまで丁寧に塗装されていることがわかります。
マントとバイザーを交換したら、後はナイトサバイブ付属の手首でハンドルを握らせて、搭乗させます。
様々な角度から。
さすがにドラグバイザーほどのボリュームはありませんが、これはこれでかなりの大きさです。
マントのせいで横幅も広がるので、ナイトサバイブを搭乗させて飾る場合は、結構な面積を占有すると思われます。
搭乗状態のハンドル周辺。
ダークレイダーの頭部の大きさのせいか、ハンドル幅が狭くなり、どうしてもちまっとした握り方になってしまいます。
ここはまあ、元デザインの都合ということでしょうがないですが。
ちなみに、ナイトサバイブの手首装甲が青白くなっていますが、これは退色のせいです。
詳しくは、「買ってみて一言」の補足で。
一般的なバイク形状に最も近いと思われるライダーマンマシンと比較すると、その特異さか良くわかります。
我が家のデカブツ代表「ライドロン」とも比較。
ライドロンの全長が約38センチなので、ダークレイダーの方が微妙に長くなります。
このアングルだと、そうは見えないけど。
先に配送済みの「ドラグランザー(バイクモード)」との比較。
これだけでも、うちの撮影ブースは満杯ギリギリとなりました。
さて、ナイトサバイブに発生する退色問題は、かなり深刻です。
幸い筆者手持ちのものは、(このページの画像によっては薄くなってるように見えるものもありますが)本体の色は無事でした。
しかし、退色が進行するのが怖くてとても飾れない! とお嘆きの貴兄に、某なんでもアリマンの代用をお奨めしてみたいと思います。
――セット版を買えば良かっただけじゃないかって?
それを言っちゃあお終いよ。
モンスターモードに搭乗。
ちなみに、真骨彫ディケイドは素のままではグリップを握れません。
握り手の親指が四指にくっついてるので、切り離すか旧ディケイドの手首を流用する必要があります。
手首さえなんとかなれば、バイクモードにも問題なく搭乗可能。
イヤなくらい自然に乗せられます。
最後に、外箱の表と裏など。
パッケージサイズは、横39.5×縦18×奥行7センチ。
幅は凄く長いですが、箱の奥行はナイトサバイブとほぼ同じなので、薄っぺらい印象です。
以上、ダークレイダーでした。
【買ってみて一言】
非常に出来が良く、ギミックも充実していて、ドラグランザーよりも扱いやすいのが魅力の良い商品です。
一部差換変型と聞いて、個人的にやや残念に思えたのですが、実際に弄ってみたら最低限の箇所に留まっていて、全然許容範囲でした。
またブルーメタリックとゴールドの塗装も非常に綺麗で、ドラグバイザーとはまた違った魅力があります。
大きさや占有面積の問題もありはしますが、これを欲しがる人の大半は、恐らく折り込み済みでしょう。
気になる点としては、翼の変型などスムーズに行かない部分が所々にあり、そのため若干手間取ったりストレスを感じることがあるという事でしょうか。
もっとも、変型の難はある程度の慣れで充分フォロー出来ると思うので、致命的な問題とは言いがたいと思われます。
それを言うなら、変形中にうっかり手を刺してしまいそうなトゲトゲの方が……
その他、説明書の表記がかなり適当で、フットステップやバイク時リアカウルのロックなど、説明が全くない部分がかなりあります。
元々バイクモードで梱包されているため、バイク時のギミックには触れる必要なしと判断されたのかもしれませんが、とにかく不親切極まりないです。
そのため、説明書を読みながら弄る場合は、若干の注意が必要となります。
それらを踏まえても、本商品はダークレイダー玩具としては、現状の決定版と豪語しても支障はないと個人的に感じるほどです。
ダークレイダー好きな方には、(未所有なら)是非とも探して頂きたいと思います。
最後に、「ナイトサバイブの退色問題」について。
先のレビューでは触れていませんでしたが、フィギュアーツ・ナイトサバイブはブルーメタリック部分の退色が発生しやすいとのことで、注意が必要です。
実際に、店頭で長期間飾られていたものが「全身銀色」に変貌しているのを、直接見たことがあります。
蛍光灯の光や太陽光が影響するのかもしれませんが、箱に入れっ放しでも手首の色が抜けたりするので(先の手首画像参照)、油断出来ないのが実情です。
ナイトサバイブ以外にも、龍騎やドラグレッダーの関節部の白化、ガイの肩のツノの退色&ベタベタ化など、経年劣化報告が各所で散見されます。
一応、スーパークリアなどで多少の予防は可能なようですが、とにかく困ったものです。
このダークレイダーも、せっかくの綺麗なブルーメタリック塗装が退色してしまわないことを、祈るばかりです。
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