第8回 ■ 仮面ライダー龍騎「R&Mシリーズ」3
2003年3月2日 更新
- | R&M仮面ライダーナイトサバイブ |
- R&M仮面ライダー龍騎サバイブ |
- 総 括 |
仮面ライダー龍騎 R&MシリーズPART-3
R&M5 仮面ライダーナイトサバイブ ¥4500円
セット内容:
- 仮面ライダーナイトサバイブ・フィギュア
- ダークレイダー
- ダークバイザーツヴァイ(シールド形態)
- ダークバイザーツヴァイ(ソード形態)
- マント×2
- アドベントカード×3
- 取扱説明書
本来、神崎士郎から仮面ライダーライアに与えられた「“疾風”のサバイブカード」は、ライアas手塚の意思により秋山蓮へと譲渡される。
ナイトサバイブは、そのカードを使用してナイトが進化(というか2段変身)した姿。
本人だけでなく、契約モンスターまでどさくさにまぎれてパワーアップ&巨大化する上、自家用車まで付いてくるお得な一枚だったりする。
ナイトサバイブは、結構語るべきところが多い商品だ。
まずフィギュアだが、PART-1で挙げた「R&M2 仮面ライダーナイト」の欠点がほぼ完全に解消されていて、大変嬉しい造りになっている。
デザイン的な変更要素はもちろんあるが、まず本体ベースカラーが「黒」になったことですごく引き締まって見えるようになり、さらに腰からホルダーを下げるという装備形式を廃したため、パーツの脱落を気にする必要がなくなった。
また、メインカラーである「青」もメタリックブルーになり、サバイブの象徴ともいえる金色と相俟って、大変美しいカラーリングでまとまっている。
これまでのナイトのデザインにただ新色をぶちこんだだけではない所がさすがで、よく似てはいるものの、元とはかなり違ったラインになっている。
まず、一番特徴的な「胸」。
コウモリの翼をイメージしたのであろうデザインラインは好き嫌い分かれそうな感じはするが、これまでの“のっぺり”したナイトの胸よりもより“鎧”らしさが強調され、いい感じにまとまっている。
結構色に助けられている感もないわけではないが、実際、こういうデザインの西洋甲冑があったりするので、個人的には充分許容範囲だ。
ただ、あまりライダー※っぽくないなあ…という印象は拭えなかったりもするわけで、この辺は購買者の好み次第と言ってもいいだろう。
ナイトは、直線的なラインで構成されている印象が強いデザインなのだが、ナイトサバイブは“直線的な”ナイトのフェイスを流用しているにも関わらず、胸と肩だけは“曲線的な”ラインなのだ。
恐らくだが、デザインがあまり好きじゃないと感じる人は、無意識にこの辺りに違和感を感じているためではないだろうか?
※この場合のライダーとは、あくまで「仮面ライダー龍騎」に登場したライダーのみを指す。
で、これだけ良くまとまっているナイトサバイブの胸と肩なのだが、それが災いして、肩と腕を接続している関節ピンの頭が浮いてしまっている。
肩アーマーの前面にぽっこり顔をのぞかせているこれだけは、もう少しなんとかならなかっただろうか…などと思う。
ましてや、後述する「龍騎サバイブの肩アーマー処理」のような素晴らしい対処ができるのだから、こちらにもアレを導入して欲しかったと、心底思う。
…まあ、ゼータクな望みなのは百も承知なんだけどね。
次に特徴的な「マント」。
これは、2枚の可変軸付きマントパーツを、背中のジベットスレッドに接続するものだが、デザインに対する嗜好の云々はともかく、大変面白いパーツ構成になっていて、注目させられる。
ナイトの時のマントは「垂れ下がっている状態」のみの固定モデルで、自作でもしない限りは決して“風になびいている”とか“身体の動きによって流れている”ような形にはできなかった。
完全にディスプレイ用にしか使えないものだったと言い切っていいだろう。
しかし、本商品のマントパーツは根元に可動軸がある上に薄い軟質パーツのため、かなり自由にポーズをつける事ができる。
もちろん、ある程度の硬さがあるため本物のマントのようにはいかないが、なんとなく「黒い巨大なウイングを背負った」かのようで、これはこれでなかなかかっこいいのだ。
なぜ2枚なのかというと、これは単純に「バイクに乗せる都合」からだと思われる。
ナイトサバイブがダークレイダー・バイク形態に乗ると、どうしてもマントが車体後部に干渉してしまう。
だから、はじめから2分割してあるという所だろう。
だが、個人的には「もしこれが一枚マントだったら、きっとこんなにかっこよくはなかっただろう」などと考えていたりする。
ちょっと面白いと思ったのが、頭。
実は、この商品を買うまでは「多少の凹凸の有無や大きさの違いはあるだろうが、ナイトとあんまり変わらないだろう」などと思いこんでいたのだが、実はかなり相違点があって驚かされた。
フェイスガード(ゴーグル?)部分に入った金色のラインなどももちろんその一つだが、一番面白いのはフェイスガード自体が、かなり前面に出っ張った形状になっているという事だ。
元のナイトは、顔を側面から見るとFガードとクラッシャー(?)の部分に少し段差があるのだが、ナイトサバイブの場合これがかなり大きく変更されている。
とにかく、この2体を真横あるいは真下から見て比較してみれば、その形状差は明白だ。
そして、実際に撮影用の着ぐるみもかなり出っ張った形状になっているようで、地味なところでオリジナリティを主張しているかのようで大変ほほえましい。
…しかし、龍騎サバイブのフェイスデザインの変貌ぶりと比較すると、ナイトの顔はほとんど“いじりようがない”くらいに完成されていたんだな、と改めて実感させられもする。
なんとなく…あくまで筆者だけが感じる「なんとなく」だが、変えようのない部分に無理に差を作ろうとした苦肉の策っぽくも思える。
…まあ、だからって別に文句があるわけじゃないからいいんだけどね。
腕や足を見てみると、やはりというかかなり豪華な装飾が施されており、あっさりとまとめられた元のデザインよりも、かなり特徴的になった。
それぞれに、ライダーの紋章を象った浮き彫りが成されているというのは嬉しいかも。
で、ちょっと賛否分かれそうなのが、マントと並ぶ装着物・ダークバイザーツヴァイ(以下DVT)だ。
これは、通常はシールド(…と言い切っていいのか悪いのか)形態で左腕にマウントされており、中央部のグリップを引き抜く事でソード部分が分離するというものだ。
よくわからんと言う人がもしいたら、「電撃戦隊チェンジマン」に登場する“チェンジロボ”が装備している「チェンジシールド」と「電撃剣」のセットを、左腕にまとめてくっつけていると考えればいいかと。
一応アロー形態というのもあるにはあるが(35話にて初使用)、ギミックの売りとしては「剣と盾になる」というものが確固としてあるのだ。
だがこの商品では、DVTは「剣」と「ノーマル」しか付いていない。
そう、引き抜きギミックについてはすでに諦めていた人も多いだろうが、「剣が引き抜かれた後の盾形態」が存在していないのだ。
そのため、“剣と盾を構える”ようなポージングをさせる場合、剣を二つ装備しているというちょっとマヌケな状態にせざるをえない。
個人的には、アロー形態はなくてもいいから、せめて「合体」「剣」「盾?」の3パーツは欲しかったものだ。
…パーツのなくなる可能性が倍増しそうだが。
ナイトサバイブは、ナイトの時にもっとも邪魔だった(同時に、デザインの都合で不可欠だった)剣の鞘がなくなったおかげで、非常にスマートな印象となった上、遊び勝手も大変良くなった。
とにかく、ポロポロ落ちるパーツがないというのが、こんなに嬉しいと思う事はない(極端?)。
最初はデザインによるとっつきの良し悪しはあるかもしれないが、玩具としては間違いなく進化したものであると言い切っていいだろう。
モンスター・ダークレイダーの説明に入る前に、ちょっとだけ脱線話をしてみよう。
「モンスターは、やがてパワーアップしてバイクに変形するようになる」という情報は、実はかなり早い時期からネット上で流れていた。
筆者は、うろ覚えだが2002春になる前にはとっくにこの噂を知っていたと記憶している。
だが、それはあくまで「バイク化」という情報を知っていただけで、どのモンスターが、どういう理屈と過程でそうなっていくのかまではわからなかった。
当時この情報を受け取った人の大半は、これをほとんど信用していなかったのではないかとも思う。
当時は、モンスターのパワーアップどころかサバイブ化の片鱗すら本編には出ておらず、「まあ、いずれはパワーアップするんじゃない?」程度の認識が広まっているだけに過ぎなかった。
でも、それは龍騎に限らずこのテの番組なら誰でも想像出来てしかりのものなので、明確なビジョンを予測していた人は非常に少なかっただろうと推測されるのだ。
とにかく、この時点では「どんなライダーが、どんなモンスターを連れて、どんな武器(または技)を見せてくれるか」という所に興味が集中していた。
そういうやりとりの中、「龍騎に出てくるバイクって、どーせライドシューターだけでしょお?」という諦めムードも蔓延していたように思う。
そんな認識がはびこっていた当時からしてみれば、モンスターのバイク化の情報はにわかに信じられないものであった。
当初、龍騎のモンスターは「野良モンスター打倒後の光球を吸収し続けたモンスターはどんどんパワーアップするが、ある程度以上になると契約を振り切ろうとして、ライダー自身を狙う事もある」といったテイストの設定が紹介されており、そのハードな内容に戦慄を覚えたものだ。
つまり、モンスターは「協力者」ではなく「規律によって束縛されているだけの“敵”」にすぎないというものだが、これの説得力はなかなかのものだった。
そのため、いわばライダーに協力的な存在であるバイクになるなんて事がありうるのだろうか? という意見も当然あったわけで、筆者もこれに大きく賛同していた。
…が、物語が進むにつれこの設定は“フェイクだったのではないか”というくらい綺麗に忘れ去られ、バイク化したとしても不思議じゃないかなー…というくらい、ライダーとモンスターの微妙な関係表現が希薄になっていった。
これは筆者の勝手な憶測なのだが、ひょっとしたら龍騎に出てくるバイクがライドシューターとサバイブモンスターのみというのは、どうしようもない理由があったからなのではないか、と感じている。
どういう事か…まず、「仮面ライダー龍騎」という番組は13人ものライダーが登場するという作品だが、一応これまでの“仮面ライダーシリーズ”に関連付けている都合上、または単純な商品展開上の事情により、「バイクの存在を無視する」というわけにはいかなかったのではないかと思われる。
だが、13人ものライダー全員に個別のバイクを用意するわけにはいかない。
撮影用のマシンをいちいちこさえるわけにもいかないし、それを使用する場面に時間を割く事も困難かもしれない。
また、そういったものが出てくれば商品化を望む声も当然高まるだろう…「仮面ライダーシザースR&M化」の要望なんか目じゃないくらいに。
しかも、番組企画時は50人という案も出ていたらしいので、当初からこの問題は結構深刻に検討されていたのではないだろうか。
それを解決する方法の一つが、「ライドシューター」だった。
ライダー全員に共通デザインのバイクを用意し、しかも用途を限定することで上記の問題をすべてクリアできる。
しかも商品も普通に出せるわけだし、デザインにしてもはっきりしたバイク型に拘る必要がなくなるから、いっそ「シューターカプセル」的な存在と割り切ってしまえば、前作「仮面ライダーアギト」の玩具みたいに“人形の関節可動率の都合で、バイクにうまく乗せられない”といった不満点も解消できる形状になる。
以上のような行程で、必然的に生まれたのがあの“銀色のタマゴ”だったのではないだろうか。
もう一つ、こんな考え方もある。
平成ライダー(クウガ以降)になってから、物語の方向性や主人公達の描かれ方が昔と大きく変わった訳だが、ライダー&バイクという図式を崩す事は番組イメージ的にも反する事になるし、何より商品展開的に不利になる危険が伴う訳で、あまり利口な判断とは思えない(多分…というのが付くけどね。あくまで推測だし)。
だが、先の「ライダーが大量にいる」という事情があるため、出せるバイクの数は限られる。
一番良いのは、“主人公格のライダーにだけ専用バイクを与える”という方法だが、これを遂行するには、かなり演出を考えていかないと難しい。
そこで、ライドシューターという共同(?)バイクを出す。
それをデフォルトという事に定め、何かしらのパワーアップが叶ったライダーだけ、専用バイクを手に入れるという図式にすれば、この条件は見事に満たされることになる。
番組途中からしか出せなくなってしまうというデメリットはあるものの、おそらくはこれが一番ましな判断ではないだろうか。
そうやって考えていくと、ライドシューターは(実際の用途や商品人気はともかくとして)重要な意味と役目があったんだなぁ…なんて思えてくる。
妄想といわれればそこまでだが、筆者はなんとなくこんな風に考えてみたりする。
…閑話休題。
で、(本当の行程はともかく)実際に商品になった“モンスターバイク”ダークレイダーを見てみよう。
・ダークレイダー・モンスター形態:
…から書き始めたのはいいが、これって、商品的にはどっちの形態がメインなのだろう? なんてふと思ってしまった。
本編内容に準じるなら当然モンスターがメインなんだろうが、実際に商品を手にとってみると、とてもそうには思えなかったり思えたり…ちょっと複雑だったりする。
というのも、これ…“コウモリ型モンスター(または、ダークウイング昇華型モンスター)”とするには、かなり無理があるデザインになってしまっているからだ。
両翼には大きなバイクのタイヤ。当然めちゃくちゃブ厚い。
基部にしか関節がないため、まるで大雑把なプテラノドンのおもちゃみたいなはばたきしか出来ず、どう贔屓目に見ても「翼」として機能する部分とは考え難い。
また胴体は…妙に逞しくなったものの、エンジン風のモールドが刻まれているため奇妙な違和感があり、さらに足の大きさに対して尻尾が異常にバカでかい。
ダークウイングも結構デカかったものだが、ダークレイダーはそこにナイトサバイブを乗せることが可能なくらいデカい。
これが変形後はマフラーになるのだ。
次に、頭。
耳なのか角なのか理解に苦しむ二本の突起は、変形後ハンドルになるためグリップが剥き出しになっている。
首は一応左右に回るが、首というより“首よりもうちょっと下”の辺りが丸ごと回転するというもので、首そのものが動いているようにはとても感じられない。
また、顔は口が開きっ放しのままで固定されている上に、上方を向かせることが出来ないため、表情付けがほとんど出来ない。
やはりすべてが“まずバイクありき”で考えられたデザインなのだなー、という事を感じてしまう。
実は筆者は上の問題点を踏まえた上でダークレイダーが大変気に入っており、当初は当惑したものの、今ではすっかり馴染んでしまっていたりする。
ダークレイダーの唯一と言っていい良点は、「強そうに見える」という事だ。
以前R&M第一回の時に「ダークウイングは弱そう」という事をさんざん書いたけど、このダークレイダーを見てそういう感想はまず出てこないだろう。
単純にデカくなっただけではなく、それぞれの部位が過剰なまでにディテールアップしている上、良い意味で“狂暴さ”を感じるようになった。
これは、“コウモリモチーフ”にしてはかなりイケてるインパクトだと思う。
先の通り、ダークレイダーの尾部分にナイトサバイブを立たせる事が可能なので(ややコツがいるけど)、劇場版のラストバトルの時みたいな演出を再現する事も可能だ。
もちろん、対比の差異にはある程度目をつぶらないとならないけど。
モンスター形態からの変形を見てみよう。
まず、ダークレイダーの両翼を本体と横一直線になるように調整し、左の翼の爪状のパーツをたたみ、さらに翼全体をつかみ、ななめ上の方向にスライドさせる。
すると、翼の表面部分がズルッと動き、バイク後部のウイング状パーツに変形する。
次に、首全体を向かって左方向に90度捻り、耳(?)を外側に倒す。
これで、頭がバイクのタンク部分とハンドルになる。
次に、ダークレイダーの下半身を同方向に90度捻り、尾の部分を左翼(後輪部分)にかかるように上へ持ち上げる。
これで、尾がバイクのマフラー部になる。
さらに、両足の付け根を向かって左側に一直線に曲げ、フットレストにする。
変形プロセスは以上。
なお、うまくやれば劇中と同様の変形プロセス(先にナイトサバイブがダークレイダーの耳を掴んでいる状態からスタート)も可能だ。
・ダークレイダー・バイク形態:
バイク形態。
こちらは、秋山蓮が普段乗っているHONDA SHADOW SLASHER 398Lのようなオンロードバイクで、単体のライダーマシンとしては初のタイプだ(トライゴウラムは合体形態なので除外する、とだけど)。
人形の姿勢への負担も思ったより少なく、自然なライディングポーズが取れて結構良い感じではあるのだが、いくつか気になる点があったりする。
まずは「薄い」という事。
タイヤの太さやライディングポジションの足の配置などから、そこそこのボリュームがある筈なのにも関わらず、ダークレイダー・バイク形態はとにかく横幅が薄過ぎる。
もちろんこれは、モンスター形態時の影響が出ているからなのだが、元翼だった前輪・後輪およびそのフェンダー部はともかく、ナイトサバイブが座る本体部分まで薄い。
なので、角度によってはあんまりバイクらしく見えない事もある。
さらに、ハンドリングの位置もかなり変で、構造上タンクのすぐ横からグリップが生えている形になっているため、(人形にとっては座りやすいものの)なんとなく変なライディングスタイルになってしまう。
まず、これに目を瞑れるか否かが重要だろう。
もう一つは、飾るときに重要になってくるスタンディング方法。
実は、これと後に紹介する「ドラグランザー・バイク形態」には、通常のバイクにあるスタンドの類が一切ない。
そのため、倒れないように飾る場合は別のパーツをスタンドに見立ててうまくバランスを取るしかない。
ダークレイダーの場合は、ナイトサバイブの足の乗るフットレストを下方向に倒し、爪部分をうまく動かしてつっかい棒にすると良い。
両方動かすか片側だけにするかはその人次第だが、これをやるとバイクとしてのスタイルが崩れるような気がして、個人的にはあまり好きではない。
しかし、それ以外にどうしようもない事もわかるから…う〜ん、いいや。愛で補っちゃえ。
ちなみに、トライゴウラム/ビートゴウラムの時はゴウラムの前足をうまく使う事で立たせる事が可能だったが、はたしてどっちが良いのだろう?
筆者としては、バイクの端から虫の足がはみ出ているみたいでアレも嫌いだったんだが。
って、ここまで書いてて思い出したんだけど、ダークレイダーの足…フットレストの横には、なぜかジベットスレッドが付いていたりする。
これ、一体どうしろって言うんだろうか…。
ライダー達の膝にある奴よりも謎ではないだろうか。
元のダークウイングも同じ個所に付いていたから、その名残という意味で残されているのだとしたら、ちょっとわびさびかも(謎)。
だけど、こういうのがあると…思わずなんとかダークレイダーをナイトサバイブの背中に背負わせてみたくなるのは、筆者だけだろうか?!
散々悪い部分に触れてきたが、もちろん良い部分も多い。
というか、慣れて来るとこれがすごくかっこよく見えてくるのだ。
ロングノーズ形状のフェイスは、実はリアテール部分とまったく同一の形状なのだが、リアウイングの変形の都合でまったく違うパーツに見えるように工夫されていて、なかなか趣き深い。
ま、元が翼なんだから両方のデザインが違ったらまずいわけだけど、本来はランプ部分の色が違うだけというのは、実に渋い。
また、よくよく見ると各フェンダー部分のモールドも大変凝っていて、一歩間違えたら平面的に見えてしまうパーツを適度に強調している。
また、翼が変形しているという都合から、うまく調整すれば“ハンドルを切っている”ようなポージングで飾る事も可能であり、これはとってもおいしいと思われる。
…もちろん、角度限定なんだけどね。
別な位置から見ると不自然極まりないし。
ちなみに、ダークレイダーの下半身…バイクでいうところのエンジン下の部分にはダイキャストがこっそり使用されているため、大きさの割にそこそこの重量感があったりするのも嬉しい。
●アドベントカード
本商品には、3枚のアドベントカードが入っている。
この辺りから、「DXドラグバイザーツヴァイ」に本格対応のカードになった…らしい。
ドラグバイザー持ってないから確認できないんだけど。
で、以下はその内容。
- ●奇跡の再誕! 己を乗り越えた剣士は今、新たな地平へと踏み出した!(ATTACK 4000)/「剣」
- 上辺右から1番目と7番目の端子部分に穴。
・RK-067ヒーローカード LEVEL2「仮面ライダーナイトサバイブ」:
- ●疾風の力得し、青き剣! 接近戦で敵うものなき剣士の魂だ!(ATTACK 4000)/「剣」
- 上辺右から5番目と7番目の端子部分に穴。
・RK-074ベントカード LEVEL3「ソードベント ダークブレード」:
- ●特殊効果:相手の場の表向きのフォースカード1枚を、相手の手札に戻す事ができる(ATTACK 2000)/「羽」
- 上辺右から1・4・5・6・7番目の端子部分に穴。
・RK-075ベントカード LEVEL3「ブラストベント ダークトルネード」:
(以上、原文ママ)
●雑感
考えてみれば、いくらバイクになったってモンスターである以上は現実世界では運転できないし、また滞在にタイムリミットがあるミラーワールドのみ限定使用だとしたら、必然的に使用時間も機会も減ってしまうわけだ。
そう考えていけばなるほど納得なのだが、だとすると、どうしてわざわざバイクに…という気にすらなってしまう。
ミラーワールドという設定は、つくづくバイクを出すには向かないものなのだな、と実感した。
またちょっと推測めいた書き方になって恐縮だが、初期の龍騎・ナイト・ゾルダなどの「一体のモンスターから複数種類の武器が取れる」というコンセプトは、後期のものにはあまり見て取れないような気がする。
たとえば、龍騎は3種類4個の装備があり、ナイトですら2種類3個(Dウイングのマント含む)、ゾルダは最多の5種類6個(組替えによりさらに1種)になるが、王蛇は各モンスターから1種1個ずつ、合計でもたった3種3個のみ、タイガも、1種2個(デストワイルダーの両手)だけだ。
現状未紹介のオーディンだけは、2種3個(背面にゴルトフェニックスが合体するギミックを含めると3種)と比較的多く、龍騎の色変え的造形のリュウガは、同一の3種4個となってはいる。
だが、後期のものが妙にプレイバリューに乏しいというのは、紛れもない事実なのだ。
この上で、「ナイトサバイブ」と「龍騎サバイブ」を加えて考えると、それはさらに強調される。
複数の武器を次々に呼び出して戦うというR&Mの当初の方向性…というか“売り”を、変更してしまったのだろうか?
やっぱり、最低でも2種類くらいは装備が欲しいところだし、サバイブも、せめて1種類くらいは(バイザー以外の)武器が欲しいと考えてしまう筆者は、単なるゼイタクなのだろうか。
R&M6 仮面ライダー龍騎サバイブ ¥4800円
セット内容:
- 仮面ライダー龍騎サバイブ・フィギュア
- ドラグランザー
- ドラグバイザーツヴァイ(通常形態)
- アドベントカード×3
- 取扱説明書
いきなり神崎士郎から「炎のサバイブ」カードを手渡された真司が、ナイト(サバイブ)との戦いを期にこれを使用し、誕生した姿。
間違いなくシリーズ最大の大きさとなる龍騎サバイブ。
ついにR&M王蛇を超えてしまった訳だが、果たしてその内容は、出来はどんなものか…
色々書くべき事があるんだけど、まずは龍騎サバイブのフィギュアから。
初めてそのデザインが世に出た時、「角がダサイ」「肩の突起はいったいナニよ」「なんで銃を持っているの」「動きにくそう」「龍騎に見えない」などと散々な言われ方をしていたものだが、そんな不安の中発売された商品は……実に良く出来たものだった。
いや本当、これ、贔屓目なしで良い出来だわ!
龍騎サバイブについては、元の龍騎と「どこが違うか」を比較してみたいと思う。
頭:あらたに角が生えた…というか“起き上がった”。
実は、龍騎にも元々触覚とおぼしきパーツは存在しており、格子状ゴーグルの上に浮き彫りになっている管状の部分が、この角パーツと酷似している。
実際の設定はともかくとして、こう考えるとなかなか面白い?
目:格子状ゴーグルが大型化した上に、スリットが端で止まらずに突き抜ける形になった。
さらに、スリットの縦幅が龍騎より広がっているため、より複眼パーツや顔の形状が確認しやすくなった。
暴言がもしれないが、顔だけなら、より“仮面ライダーらしく”なったようにすら感じられる(少なくとも筆者は)。
上半身:他のR&Mシリーズ全体と比較しても、かなりマッチョな体型になっている。
具体的には一回り太くなっていて、特に胸脇や肩幅の大型化が目立つ。
また、これまでの配色(アーマーが黒・スーツが赤)が逆転している。
肩:謎の突起が出来たが、これは腕の付け根に挟み込まれたワッシャー状パーツと一体化しているため、腕自体の動きと連動する事なく、縦に自由回転できる構造になっている。
鉄人28号の「ガオー」ポーズを取っても、肩の突起の位置が変わらないというのはすごい。
完全ではないものの、そんなに動きを制約しないというこのパーツ構成、大変ポイントが高い。
ガシャポンの「仮面ライダー龍騎 アクションポーズ」の龍騎サバイブをお持ちの方は思い出して比べていただきたいが、あんな感じのパーツ構成になっているのだ。
腕:肩の突起の出現により、かなり形状が変化。
上腕部の黒い突起状の部分がなくなった。
また、前腕部の小手状のパーツに、ドラグレッダーの紋章を象ったようなモールドが入って、大変見栄えがするようになった。
手甲も、当然赤になった。
全身:先の通り、基本体部分は赤から黒になった。
これによってかなり引き締まったように見え、上半身のふくらみすらもまったく気にならなくなっている。
また、全身の赤はナイトサバイブ同様メタリック基調になっている。
ベルト:カードデッキ部分が、赤基調の塗装に変わった。
そういえば、10月頃の番組間ブリッジ(ハリケンジャー終了後に出てくる奴)では真司がいきなりこの色のデッキ使ってサバイブに変身してたけど、ありえない場面なんだよね、よく考えりゃ。
足:グリーブ(すねアーマー)部分に、前腕同様のモールドが入っている。
つま先は、龍騎の時と変わりない様子。
R&M龍騎を初めて手にした時も思った事だが、本当に、玩具にすると映えるデザインなんだなぁという事を、あらためて思い知らされた。
筆者も、これを購入するまで…否、購入した後も番組内の龍騎サバイブがかっこよく思えたことはない。
しかし、不思議とフィギュアの方には感激できるのである。
文章として書くとすごく違和感がある表現だが、ホントなんだからしょうがない。
玩具として割り切ってしまえば、という事なのかもしれない。
中には、買ってからも良いとは思えず仕舞という人も多いかもしれないし。
で、当然というか問題点もちらちらと。
最大のネックは付属の「ドラグバイザーツヴァイ(以下DV2)」だろう。
本編では、DV2の先端部から剣先がクルリと回転して出てくる。
これは別商品「DXドラグバイザーツヴァイ」でも当然再現されているものであり、一応唯一の“DV2自体に発生する攻撃手段”だ。
銃の形をしていながらも銃らしい使い方をほとんどされない(一応使った事はある)DV2は、ホントにただのバイザーしてしか機能していないシロモノで、その上にさらにデカイもんだから…うまく腰にジョイントできない(泣)。
確かにDV2はシュートベントの時に銃としてちゃんと使っているし、メテオバレットの時はビームも発射してはいるが…それ、モンスターはおろかどこに当たっているかすら不明なんだもん。
実質的な攻撃はドラグランザーの火球だし。
とにかく、DV2は手に持たせる分にはすごくいいしサマになっているけど、「腰にうまくマウントできない」「ソードベントが再現されない(剣モード版が付属していない)」という問題が付きまとっているのだ。
これは、玩具の問題というよりはデザイン・ギミック上の問題も多いと思うけど…
ドラグランザー・バイク形態に乗せる時にポロポロ外れてしまうのだけは、なんとかして欲しかったもの…
とはいえ、これってナイトやゾルダの時でわかりきっていた事なんだよね。
嗚呼…
という訳で、筆者は自室に飾っていた時は、外観の違和感よりもパーツ紛失の危険を考慮し、左肩のジベットスレッドにマウントしていた(ここだと結構しっかり固定できるようなので)。
そうそう、龍騎サバイブとは全然関係ないけど、最近ベルデの肩装甲には計4つものジベットスレッドが付いている事に気づいてしまった。
片方に2つずつ付いてて、しかもいずれも斜め向いてるなんて、なんでここだけ他と違うのだろう?
まあそれを言い始めたら、肩にまったくジベットスレッドのないシザースはどうなるんだって気もするけど。
これ以外の問題は、我慢に足る些細なものばかりではないかと考える。
上半身のブ厚さのせいでポーズがちょっと制限されるとか(実はあんまりネックになってない)、肩アーマーがくるくる回転してしまって落ちつきがないとか(動かないよりマシ)…そんなものではないかと感じる。
むしろ、こっちの出来が良かった分のツケは、ドラグランザーがまとめて払っているようにすら感じられるのだが…
・ドラグランザー・モンスター形態
造形自体は大変良く出来ていて、なかなかの迫力もあり、素晴らしいものだとは思う。
だけど、「これってもう少しなんとかならなかったのか?」というポイントがあまりに多すぎ、実質的なメインであるにも関わらずその評価は辛くならざるを得ない。
まず、無視できない問題点から見ていこう。
ドラグランザーは、ドラグレッダーがサバイブの影響力によって変化した姿であるため、当然、本編ではドラグレッダーと良く似た動きをしている。
中国風の細長い胴体の「龍」…それを肉付けしてブーストアップしたような外観は大変迫力があるが…なぜか、直立させる事しかできないのだ。
どういうことか説明すると、構造上身体をクネクネと曲げられなくなったドラグランザーは、一本棒のような形状になり、バイク変形時には「Z」型に身体を折り畳めるようになっている。
しかし、上半身部分から下半身に相当する部分への繋ぎ関節の内部に、凸状のストッパーが形成されているため、ここでそれ以降のパーツがひっかかり、身体が伸ばせなくなっているのだ。
このため、必然的に姿勢は「逆L型」にしかならず、直立させざるをえない。
大変嬉しくない構造と言って良い。
では、この内側の凸ストッパーを削り取ればどうか…といえば、たしかに解決はするかもしれないが、個人的にはあまりオススメしない。
技術に自信がある人ならば大丈夫かもしれないが、この凸部、意外に分厚い上に幅もあり、さらにはかなりの肉厚のように感じられる。
これをそのままむやみに削ってしまうと、胴体部分に悪影響が出る危険も高くなる。
時間をかけてゆっくり削り落とせばいいのだろうが、焦って一気にガリガリ削ぎ落とそうなどとはしない事だ。
まして、これをなくしてしまうと、この後に述べる「転倒」の脅威にさらされる危険が高くなるというデメリットも生ずる。
邪魔なのは重々承知なのだが、パーツへの影響を考えるとどうしようもないコブ…大変こまったものである。
※その後掲示板上で、「削っても、結局別なパーツに干渉して直線状にはできない」というご報告をいただけました。
ご報告本当にありがとうございました。
では、なんでこんなものが必要だったのだろう?
正確なことはよくわからないが、恐らく、ドラグレッダーのようにフレキシブルな表情付けがどうしても叶わないという部分から様々な思案が施され、結果「安全かもしれないがつまらないもの」に成り下がってしまったんじゃないか? と筆者は考えている。
ドラグランザーは、普通に考えればモンスター形態で飾る場合、伸ばして腹ばいにするか、あるいは垂直に立たせるかのどちらかになってしまう。
ドラグレッダーの場合は胴体を半分くらい巻くことで、大したスペースを取らずに縦にも横にも飾る事が出来たが、これはそうはいかないため。メーカーの方で“飾り方”…もっと正しくいえば「正規の姿勢」を整えてやる必要がある。
その結果、メーカーが選んだのは「縦に突っ立った姿勢」だったのではないか。
ちなみに、もしも筆者がこの玩具の開発者だったとしたら、やはり縦にする方を選んでいたとは思う。
なにせバカデカイドラグランザーだ。
これを横に置くと、どのくらいの面積を無駄に取ってしまうか簡単に予想がつくし、あまり喜ばれないどころか、かなり困られてしまうだろう事は明白だ。
だったら、縦にした方が横方向の面積を大して占有しなくて済む。
しかし、縦にしてしまうと微妙な振動で上半身が前方に倒れ、場合によっては怪我発生の恐れもある。
だったら、強力なストッパーを内部に施して、勝手に関節が曲がらないようにすればいい。
だいたいこんな発想パターンだったのではないか?
ドラグランザーの身体を縮めたり、表情付けをしようとすれば、どうしてもバイク変形時の関節可動範囲内で解決させるしかなくなる。
だったら、突っ立ちの方が…って、もしホントにそんな考えだったとしたなら、ちょいと困ったものだ。
以上はあくまで筆者の勝手な想像だが、少なくとも、ストッパーに関しては何パーセントか似たような意向があった…んじゃないかな。
ど、どうだろう…??
しかし、ドラグランザーの問題点はそれだけでは終わらない。
今度は縦にしたらしたでめちゃくちゃ背が高くなり、(環境にもよるが)天井に頭がつッかえまくりになるのだ。
なんせ、龍騎サバイブの3倍近くにもなる身長なのだ。
全体の1/3くらいを折り曲げて設置に利用しているとはいえ、まだ2/3は真上にそびえている。
この商品のCMを見た人はその対比に驚いたかもしれないが、ホントにあれくらいの対比があるのだ。
はっきり言って、これはもう、デザインコンセプトの大間違いだったと言い切って良い気すらしてくる。
たしかに造形そのものは悪くないし、表情も身体のモールドもしっかりしているのであまり悪くは言いたくはないが…“むやみにデカくしすぎてその反動に踊らされている”としか感じられない。
そのままスケールを縮めれば解決…という単純なものではないが、せめて“中国風の龍”形状から西洋風ドラゴン形状に変化させるとか、そういった方向のアレンジがあってもよかったのではないか。
ちなみにこのドラグランザー、途中までバイク形態への変形を行い、前輪を出さず、首を伸ばしたままの姿勢にすると、なんとなく“胴体が大きく丸い”西洋ドラゴン風の雰囲気になったりして、面白い。
もちろん、この姿勢のままでは全然支えが効かないのだが…
ドラグランザーのもう一つの問題点、それが「尻尾」だと思う。
そう、ドラグレッダー時の「ドラグセイバー」に相当する部分だ。
なぜこれが問題かというと…それはバイク形態の部分で触れよう。
・ドラグランザー・バイク形態
見掛けの第一印象に反して、さりげにダークレイダー以上の簡単あっさり変形。
体を「Z」時状に折り曲げつつ、胸のハッチを開閉して前輪を取り出し、それを両手で包むように固定する。
そして首を縮め、目の部分にシールドを落とすと完成。
身体全体の向きが変わったり、一部のパーツの形状が大きく変化するダークレイダーに比べると「ただ身体を縮めただけ」というお粗末さを感じてしまうのは否めない。
とはいえ、このむやみな大きさが魅力なのも事実だ。
いったい何ccの排気量クラスなのか問い正したいほどに巨大なタンク部分、前方の視界の妨げにしかなっていないように見えるフロントカウル、シートさえあればあと3人は余裕で乗れそうなくらいにデカイリアテール…凄まじい迫力だ。
もはや、龍騎サバイブはバイクに乗っているのではない。
巨大な機動兵器に“搭載”されただけだ。
この大きさの魅力は確かに捨て難く、細かな問題も吹っ飛んでしまうほどの説得力さえあるだろう。
もっとも、本編撮影用のバイクとまったく同じ比率でないと納得できない…という人にとってはそうでもないのかもしれない。
以前「R&M ゾルダ」を扱った際、あのムチャな対比が良いと感じたギガランチャーも、人によっては「デカすぎて嫌」という評価を下されていた。
この辺はまさに個人の好みの違いなのだろう。
ちなみに、横幅やパーツそのもののデカさに惑わされて気が付かないかもしれないが、実はドラグランザー・バイクとダークレイダー・バイクの“本体”の大きさは、ほとんど同じだったりする。
もちろん、実際にはドラグランザーの尻尾の分だけ、こちらの方が大きいわけだが…
さて、この尻尾がかなりやっかいなシロモノになっていたりする。
バイク本体の全長の約2/3もの長さになるこの部分は単一構成の部品で、ドラグセイバー(?)部分が軟質樹脂で出来ている。
で、モンスター形態の時は“龍らしさ”を演出するための材料としてそこそこ重要ではあるものの、それ以外ではまったく無駄…否、それどころか邪魔以外の何者でもない存在になっている。
モンスター形態の時も、概観の都合を別にすれば「姿勢の補助」をしているわけでもなく、ただそこにあるだけだ。
バイク形態の時も、ボディ部分からだらしなく後方に伸びているだけで、収納も伸縮もできない。
第一バイク全体のボディラインからはみ出ているという都合もあって大変不恰好で、かなり見苦しい。
バイクで飾る場合も非常にやっかいで、「いっその事、バイク形態の時は外れるようにしてくれ」とすら思えてしまう。
もちろん、実際には外すことは可能なのでそうすればいいだけの話だが、そうすると本編との差異が生じてしまうことになり、万人が納得できる対策であるとは言い難い。
これが、まだ武器として龍騎サバイブに持たせられるような設定のものなら我慢もできようが、そういったものではまったくない。
実際、撮影用のバイクもこの尾部分の処理には苦労していたらしく、全体のスケールを縮めて無理矢理付着させている…かのような印象すら受ける。
ここまで来ると、いかにデザイン優先プレイバリュー無視で考案された存在であるかが、はっきりしてくる。
たしかに「龍の姿を持ったバイク」とするなら尻尾にも拘りたいだろうが…
だからって、ねぇ。
●アドベントカード
本商品にも、3枚のアドベントカードが入っている。
以下はその内容。
- ●怒れる魂が今、炎の弾丸となりて全ての悪を焼き尽くす!!(ATTACK 4000)/「羽」
- 上辺右から1・3・6番目の端子部分に穴。
・RK-092フォースカード LEVEL3「メテオバレット」:
- ●龍のうねりが轟炎を呼び、火柱の壁をうち立てる!!(GUARD 4000)/「岩」
- 上辺右から1・3・5・6番目の端子部分に穴。
・RK-093フォースカード LEVEL3「ファイヤーウォール」:
- ●このカードは場か手札から「烈火龍ドラグランザー」を捨てると、レベル3または4カードとして紋章をつなげて場に出せる。(ATTACK 7000)/「岩」
- 上辺右から1番目の端子部分に穴。
・RK-094モンスターカード 特殊召喚「ドラグランザー バイクモード」:
(以上、原文ママ)
●雑感
一応番組後期の主力商品の一つである「龍騎サバイブ」は、そのボリュームに反したギミックの乏しさから、購入者よりの不満が結構集中しているようにも感じられる(統計をとったわけではないのであくまで感覚上の話だが)。
とはいえ、そうでない人達からしてみればやっばり魅力的な部分は多いだろう。
一度手にしてみればすぐに全貌が知れてしまうという悲しさはあるものの、主役はやっぱりそれだけで魅力的なのは間違いない。
もしも、これと完全同一のギミックを持った“主人公以外の存在”の商品だったなら、世間的評判はどうなっていただろう?
ふと、そんな事を考えてしまった。
ところで、ドラグランザーのバイク形態って、本当に意味があったのだろうか?
本編の話になるが、テレビでは龍騎サバイブをのせたドラグランザーがバイクに変形し、敵に突進するが、ドラグランザーはバイク形態のまんまで生物的に蠢き、勝手にウイリーしつつ火球を吐き散らし、そのまま前輪で押し潰してしまうのだ。
…龍騎が何もしていないというのは不問に付すとしても、ドラグランザー…全然バイクじゃないじゃん!
一度変形したなら徹底的にバイクになりきればいいものの、CGでぐにゃぐにゃ動き回るものだから、意味がないだけでなく大変気色悪い。
あげくの果てに、構造上絶対ウイリーできないのに平気でやってるし。尻尾全体がミーバやフィンガーポップスみたいな材質で出来ていたって、リアフェンダーの形状からして無理だし…どこで立ち上がっているのやら。
百歩譲ってバイクになる事に何か意味があったとしても、目を閉ざされつつも敵を確実にサーチしているわけだから龍騎は完全にいらないわけだ。
なんなんだ、このファイナルベントは…
そもそもの描き方に多くの疑問符が付きまとうドラグランザー・バイク形態…
こういう言いまとめはあまりしたくなかったが…もう少し考えるべき部分があったんじゃないだろうか?!
●総括
すでに「R&M 仮面ライダーオーディン」「R&M 仮面ライダータイガ」が発売されて久しい現在。
上記の2大R&Mは、次回「R&Mシリーズ最終回」で触れるが、今回扱った2大商品…色々文句は書いたものの、それでも個人的に大変気に入っており、また「今までにないコンセプトの玩具」として大変評価している事を付け加えておきたい。
ある程度以上お気に入りになれば、逆に「不満に思っている部分」が肥大化してしまうものだ。
実際、筆者もそういう自覚はあるし、何よりこれらをプレセントとして渡された子供達なんかは、素直に喜ぶものだろう。
実は、今回「商品の売上状況」についてはあえて触れず、またそれにちなんだ取材も行っていない。
ここを読まれている方の一部はご存知の事と思うが、前回の内容の一部が別のサイトの掲示板での不毛な議論の火付け役になってしまうという事態になった。
「あー、こりゃまずいな」と思って、今回はそういう議論の種になるだろう話題を避けた次第。
実際、売上の良し悪しというのは見る人によって色々解釈できる上に、販売環境によっても大きく変わってくるだろうから、どんなにがんばっても「局所的な意見」の域を出なくなってしまうんだよね。
なので、今後もその手のネタは自粛の方向で行こうと考える次第。
前回の内容で義憤を感じた方々については、大変申し訳ないと感じております。
- | R&M仮面ライダーナイトサバイブ |
- R&M仮面ライダー龍騎サバイブ |
- 総 括 |