古物倉庫 第11回 ■ 星獣戦隊ギンガマン DX超合金 星獣合体「ギンガイオー」
2009年6月27日 更新
このページは、現在絶版の商品またはドエラい昔に発売されたアイテムをご紹介します。
今回の古物倉庫は、「スーパー戦隊の秘密基地」でも詳しく紹介された、98年度作品「星獣戦隊ギンガマン」に登場したロボット・ギンガイオーを扱ってみたいと思います。
かなり出遅れてしまいましたが、その分細かくレビューしていきます。
尚、例によってこのページの写真の物には、筆者の主義で付属のシールを一切貼っていませんので、あらかじめご了承を。
「DX超合金」。
このブランド名を冠した商品は今まで多数ありましたが、本当の意味で「名に恥じていない」ものは、いったいどれだけあったことでしょう。
超合金とは何か。
DXとは何か。
長年玩具を集めているうちに、いつしか忘れかけてしまいがちなこの二点。
それを、これ以上ない程思い出させてくれる鈍器……もとい、超合金の中の超合金。
それが、本商品「星獣合体ギンガイオー」です。
超合金魂とも違う、これまでの戦隊ロボとも違う。
合体重量・実測約1.5キロという児童向け玩具らしからぬ超重量と、縦横高さすべてにおいて満点のボリューム。
後頭部を叩いたら間違いなく失神させられそうなほど、圧倒的な破壊力……じゃなくて存在感。
はっきり言いましょう。
黎明期の頃から、長年多数の超合金玩具を手にしてきましたが、この存在感は異常です。
「後先考えずにとにかく合金率を増やしたらどんな大変なことになるか」……ではなくて、「超合金の何たるかを追求したらどうなるか」を、プラデラモドキ主体の頃にうっかり追求してしまった商品。
これを手にせずに、超合金をエラソに語って欲しくない、そう思わせる逸品です。
ちなみに、DXギンガイオーの重量は戦隊ロボ玩具中最大というわけでは決してありません。
基地ロボ及び基地ロボ&メインロボ合体形態を例外としても、ボウケンジャーの「DXダイボイジャー(単独商品で約1.7キロ・電池込み)」が存在します。
参考に、アバレンジャーのマックスリュウオーの重さは約1.4キロ(電池込み)で、ボウケンジャーのアルティメットダイボウケンは約1.2キロでした。
また、2008年には総合計3.2キロという超ボリュームの「エンジンオーG12」が登場しました。
さすがに全部のロボを測定した訳ではないので、もっと重い物もあるかもしれませんが、目立つところはだいたいこんな感じです。
それにしても、ダイボイジャーとギンガイオーの体積を比較してみると、あらためてギンガイオーの恐ろしさがわかります。
これでたった200グラム差なんですもの……
(情報協力:いぬやぎ様)
ギンガイオー。
ギンガマンの五人と心を共にした星獣・ギンガレオン・ギンガルコン・ギンガリラ・ギンガベリック・ギンガットの五体が「銀星獣」となり、更に五体合体した姿。
銀鎧剣とガルコンボウガンが武器で、更に「銀河の光」をまとうことで「超装光ギンガイオー」にパワーアップ可能。
必殺技は、銀鎧剣(ぎんがいけん)による「銀河獣王斬り」と、ガルコンボウガンによる「流星弾」。
超装光時は、強化武器・超銀鎧剣を用いた「銀河大獣王斬り」が決め技になる。
昔から、戦隊ロボ玩具は「箱ロボ」と呼ばれてきました。
頭・胸・腹・腰・手足のすべてが、まるで四角い箱を組み合わせたようなシルエット。
中には当然例外もありますが、そういうイメージがとても強かったのは事実。
そしてこのギンガイオーも、例外ではありません。
ですが。
ここまで堂々と開き直られると、もはや威厳すら感じられてしまいます。
関節可動、アクションギミック……そんなものはいらん! とでも言いだけな大迫力。
問答無用の魅力と言えるですかね。
合金使用は、主に胸全体、背面(ギンガルコンの腹部周辺)、腰内部〜太腿に用いられ、その他各部位にも、フレームや内部パーツとして多く組み込まれています。
つまり、ボディの中心部分がほとんどダイキャストの塊なんですね。
発売当時、マニア様の間で「こんな重い物、子供は問題なく持ち運べるものだろうか?」という危惧が囁かれていましたが、確かにそんな事を心配してしまいます。
ちなみに、この超重量級戦隊ロボ超合金玩具は、結局これ一体だけで終わってしまい、この後に出たDX獣騎合身ブルタウラスは、合金使用率こそ高めなもののギンガイオーほどの大きさとボリュームはさすがになく、さらにその後のギガライノス・ギガフェニックスは小型の上、申し訳程度にしか合金を用いられませんでした。
翌年の「救急戦隊ゴーゴーV」は、メインのビクトリーロボ、ビクトリーマーズこそ超合金の名を冠してはいましたが、思ったより合金率は高くなく、しかも全体的に小型化(これはDXグランドライナーに収納する都合もあるからですが)。
さらにその翌年の「未来戦隊タイムレンジャー」では、再びプラ主体の構造に戻ってしまいました。
その後、2001年度「百獣戦隊ガオレンジャー」と2002年度「忍風戦隊ハリケンジャー」では割合こそ多くはないもののダイキャストが再び用いられ、2003年度「爆竜戦隊アバレンジャー」以降では完全に途切れることになります(一部強度を要するパーツに用いられた場合を除く)。
これらを踏まえ、尚且つギンガマン以前にここまで大きく重量のある超合金戦隊ロボがなかった事をも考えると、このギンガイオーがいかに異彩を放っているかがおわかりでしょう。
と、いうより。
なんでこんなもんを突然作る気になったのか、そっちの方が気になってしまいます。
ちなみに、定価は9,975円(税込)。
一万円近いぜ、オイ。
この価格は、「戦隊一号ロボ」のものとしては、2009年現在いまだに破られていません。
って、破られちゃ困るんだけど。
地球以外の、それぞれ別な星に住んでいる、平和を愛する巨大生物「星獣」。
先代ギンガマンとも共闘してバルバンを追い詰めたが、3000年後にバルバン復活を察知して再び地球にやって来たという、大変な律義者。
普段は巨大な生物の姿をしているが、星獣の星からのパワーを受けてメカニカルなボディに変身する事が出来る。
ちなみに、出身の星を失ったギガライノス・ギガフェニックス・ギガバイタスにはこの能力が使えないためなのか、劇中では闇商人ビズネラに改造されて鋼星獣なる「外観は完全なメカ」的存在にならざるをえなかった様子。
※このページの画像に移っているソフビの「星獣」は、別売の商品で「DX星獣合体ギンガイオー」には付属しませんので、ご注意ください。
ギンガレオン。
赤いライオン型の星獣で、ギンガレッドと心を通わせる。
星獣時は、まさに「巨大なライオン」の姿なんだけど、銀星獣になると合体の都合なのかライオンとしての意匠のほとんどを失ってしまい、まるで「毛を剃られた羊」のようになっちゃう。
ちょっと肩幅広いけど。
しかし、バカにしてはいけません。
このギンガレオン、戦隊メカの中でも出色の脅威ギミックで変型し、ギンガイオーの頭部と胸になります。
「百獣戦隊ガオレンジャー」のガオライオン・ガオレオン同様“下半身構成メカの上にそのままのっかる”タイプの合体ですが、せいぜい脚を折りたたむ程度でしかなかったパワーアニマルとは違い、下半身と後ろ足を折りたたんで体内に収納してしまいます。
銀星獣形態時は余剰になるギンガイオーの角パーツ(軟質樹脂製)は、本体下部に接続可能。
ここは角接続専用スペースではなく、下半身部に繋がるジョイント。
つまり、有り合わせのものを組み合わせているような感じ。
この工夫はかなり素晴らしいです。
ギンガレオン脅威の変型ギミックを紹介。
まずは腹部からギンガイオーのツノパーツを取り外し、次に頭部を引き上げます。
次に、後ろ足を折り畳み、更に付け根を内側に少し押し縮め、下半身内部に収納してしまいます。
下半身全体をボディ内部に押し込みます。
連動して、ギンガレオンの頭部のあった部分にギンガイオーの胸板がせり出して来ます。
上の画像三枚目は、撮影時のミスで頭部が正常位置になっていますが、本当はこの時点で上がっていないといけません。
せり出した胸板が引っかかるので。
次に、ギンガレオンの首の位置を調整し、ギンガイオー頭部にします。
この位置移動プロセスは、文章では説明し辛いので、画像を参照してください。
要するに「顔と首、それらを支えるフレームをそれぞれ独立可動させてギンガレオン時とはまったく違う配置にする」わけです。
この首変型、一見単純に見えるかもしれませんけど、初めて触れた時は戸惑うと思います。
前足は、そのまま180度回転させて固定。
これで、大きくラインを乱すことなく見事に四肢と下半身を収めてしまいました。
ライオンの口の中にロボの顔…という、某「ギブアップせい!」から連綿と続く伝統的ギミック搭載ですが、ギンガレオンは下顎とギンガイオーの顔がそれぞれ別パーツなので、口を開いてもロボの顔がコンニチハという事にはならないです。
変型時は、まず下顎を一杯に下げ、上顎部分からロボの顔を引き下ろします。
最後に、ギンガイオーの角を接続して完了。
四本足メカがロボの胴体になるというシチュエーションにおいて、これほど奇抜で複雑過ぎないギミックが盛り込まれた物を、筆者は他に知りません。
しかも、胸から上だけで。
変型ギミックの都合で、ギンガレオンの上半身と下半身、前脚と後脚のボリュームに大きな差がついてしまった点は無視できませんが、それを補って余りある魅力が詰まっていると思われます。
ギンガレオンは、間違いなくこのDXギンガイオー最大の注目ポイントでしょう。
ギンガルコン。
銀星獣の中で唯一実在動物モチーフではない「怪竜型」。
本編では実に良い感じに「怪獣」していましたが、そんな外観の奴が正義の心を持っているというギャップが、逆にたまりませんでした。
ギンガイオーの背面部と、脇腹部を構成。
…と言っても、本体のほとんどはガルコンボウガンになってしまうため、合体らしい合体はしておらず、接続するのもギンガリラのごく一部分のみ。
そんな感じで、こんな特徴的なスタイルにも関わらずギンガイオーのボディをほとんど構成していないという、ちょっと寂しい配置担当です。
頭部、両腕、両脚が可動。
特に脚は付け根・膝・足首が可動するので、左右には開かないけどかなり表情付けが可能。
尻尾を引くと連動して翼が閉じ、首が縮まるギミックがあります。
これはガルコンボウガン用のギミック。
腹部全体が合金パーツで、ギンガレオンほどじゃないけどずっしり重いです。
合体プロセス。
脚付け根と膝を伸ばし、後述するギンガリラの(元)肩部分に足の裏のジョイントを固定して準備完了。
これだけ。
黄色い足首が脇腹で、それ以外は宙ぶらりん。
個人的には、この商品中最も気に入らない部分。
せめてギンガレオン側とも接続して欲しかったものです。
というか、こういう構成なので合体させて持ち運ぶ時はギンガルコン部分だけを掴むのはご法度ですな。
マジで危ないから。
腹部と脚部をギンガイオー側に残したまま、ギンガルコンのボディを取り外せば「ガルコンボウガン」。
腹側にあるグリップを引き出して、ギンガイオーに持たせます。
ギンガリラ。
青いゴリラ型の星獣で、ギンガブルーのパートナー。
単独時で人型という、龍星王や獣将、ブロッカーな皆さんの系列。
星獣形態の時は結構スマートだったんだけど……脚担当は色々としわ寄せが行くものです。
ギンガイオーの下半身全体を単独で構成する都合上、一番大型になっています。
また、内部には合金パーツがふんだんに用いられているため、見た目のプラデラ的イメージに反して、ギンガレオン同様ドッシリ重いです。
両手がぐるぐる回転。
可動はこれだけだけど、肩のアーマーが可動するので、腕は真上まで上げられます。
ギンガレオンに並ぶ凄い変形プロセスも、ギンガリラの特徴です。
まず、胸・腹・腰・両腕のブロック全体を、一気にずり下げます。
すると、中からギンガイオーの下半身が露出します。
下げられた胴体ブロックは、左右にずらして固定する事でギンガイオーのふくらはぎを構成します。
このギンガリラの余った腕は、肩ブロックごと上方向に倒しこんで、太腿内部に収納してしまいます。
腕を回転させてるのではなく、肩ブロックが付け根から180度内側に倒れこむ構造です。
この時、ギンガリラの腕は縮めておきます。
ギンガリラの肩ブロックは、そのままギンガイオーの腰横部分を覆うプレートになります。
これで、見事に腕がたたみ込まれました。
この意表を突く豪快なボディスライド機構と脅威の腕収納ギミックは、当時も大変評価が高く、ともすれば単調になりがちな縦積み合体に良いアクセントを加えています。
ここまで変形させた状態で、先の画像のように、ギンガルコンの脚を上面に固定します。
さらに、ギンガレオンが変型した胸部ブロックを積み上げて行きます。
ここまでで、ボディ全体が完成。
あとは両腕を付けるだけです。
ギンガベリック。
黄色い狼型の銀星獣で、ギンガイエローとは一線を越えた関係。
こちらもギンガレオンと同様、上半身と下半身のボリュームに差が見られますが、体長があるせいかギンガレオンのような寸詰まり感はさほど感じません。
ギンガイオー左肩と左腕全体の構成担当ですが、その割にはかなり大きいです。
腕メカは全体的に小さくなる傾向があるのに、他のメカとさほどひけをとらない割合だというのは、ちょっとした驚きかと。
口が開閉する以外のギミックは、すべて合体時の変型に関連する可動ばかり。
尚、後述のギンガットも同様の構造です。
ギンガット。
白いボディにピンクのラインが走る、山猫型の銀星獣。
ギンガピンクの相方。
基本構造とスタイルはギンガベリックと同じですが、どことなく可愛げのある顔とおちょぼ口がチャームポイント。
ギンガイオーの右肩と右腕全体を構成。
ギミックは、ギンガベリックと同じです。
二体まとめて変形プロセス。
前脚は後方、後脚は前方に倒れてそれぞれ内部に収納。
尾は背中の方に倒しますが、その前に、体を90度折り曲げます。
これで、合体準備完了……なんだけど、拳がありません。
一応変型が終わったので、本体と腕二本を合体させます。
後は拳を接続させるだけですが……
拳は、こんなところに収納されています。
ギンガリラの足裏部分に、専用の収納箇所が設置されてました。
ギンガイオーの角をあんな形で収納させただけあって、こちらも隙がありません。
足の裏に拳を収納…というシチュを見て、「海陸空で×2 合体ダー(GO、GO、GO、GO!!)」という歌が自然に脳裏を駆け巡る方も多いのではないかと思います。
DX六神合体「ゴッドマーズ」も、玩具オリジナルでそういう収納がありましたね。
というわけで、拳を接続!
「完成、ギンガイオー!」
デカくて、太くて、重たくて、ごっつい奴!!
ようやく完成です。
一個一個のメカ(銀星獣)が大きめなせいか、合体させるとあらためてその大きさと迫力が実感できます。
背面。
ガルコンボウガンを背負った状態と、外した状態。
ガルコンボウガンが占める面積と体積は、かなりのものになります。
ガルコンボウガン。
先の通り、発射準備態勢での固定は不可能ですが、なかなかの迫力です。
サブウェポンとしてはかなりの大きさで、かなり異彩を放っています。
(もっとも、これで敵を倒したこともあるから、サブウェポンと表現していいのかどうか…)
ギンガルコンの翼のせいで横幅があり、その影響で構える角度に制約がつくのが残念。
もっとも、これを手にする人はそんな事いちいち気にしないとは思いますが。
銀鎧剣。
オーブロッカー以降標準化のPL法対策構造が、ちと残念なメインウェポン。
それでも、なかなかの迫力であります。
もし、これがオーレンジャーロボ以前の銀メッキ剣だったら、感無量だっただろうなあ。
「DX忍者合体 無敵将軍」に付属した火炎将軍剣を超える迫力になった……かも?
可動は腕の回転程度、ギミックは上記までに示した限りです。
いじって楽しいというよりも、どちらかというと鈍……置物的な楽しみ方が求められている感じでしょうか。
児童向けとは到底思えない、ぶっちゃけ、どう考えてもマニアターゲット層を狙っていたとしか考えられない商品です。
いやマジで。
まあ、対象年齢以上であれば、何歳の人が手にとっても構わないからいいんですけど。。
それにしてもこれ、どれくらい売れたのかなあ、当時?
ご存知の通り、ギンガマンでは二台目以降のロボットとのスーパー合体等はなかったわけですが、代わりに「超装光バージョン」というパワーアップ形態がありました。
これは、玩具では「増設ヘッドギア」「増設胸部装甲」「銀鎧剣追加パーツ」で再現されていました。
この増設パーツ三点と、「DX騎獣合身ブルタウラス」用の追加武器ナイトアックス、そして黒騎士とその装備(マントや小型ナイトアックス、ブルライアット等)がまとめられたものが「銀河大決戦セット」として別売されていました。
当初、この強化セットはプレゼント抽選品でして、応募の際は「DXギンガイオー」や「DXブルタウラス」のパッケージにある応募券を切り取って郵送しなくてはなりませんでした。
当然、これはパッケージの保管も重要視するマニア泣かせでして、欲しい人は泣く泣くカットしていたものです。
ところが、そんな断腸の思いで応募したものが、後にごく普通に販売されてしまいました。
そりゃもう、怒るマニアさんが大勢おりましたともさ。
もっとも、当然ながら「これはいずれ絶対一般販売される筈だ」と読んでいたマニアも多かったため、わざわざ応募した人は「せっかちさん」と叩かれまくるという、二重苦を味わわされました。
さらにダメ押しとして、「プレゼント抽選品にはナイトアックス大小二本が付属していない」という、もう踏んだり蹴ったりのオマケまで付いてきました!
そう、プレゼント期間終了後に劇中に登場したナイトアックスはセットに組み込まれておらず、一般販売決定後に組み込まれたわけです。
当然ながら、その他のセット内容物はプレゼント版も販売版もまったく同じ。
これで怒るなというのが無茶ってものかもしれません。
筆者は、前年度作品「ビーロボカブタック」の「キャプテントンボーグキャンペーン」で、これとまったく同じ展開を見ていたので、しっかり予測していましたから、問題はありませんでした。
個人的な感覚では、この銀河大決戦セットはもっとも極悪なキャンペーン関連商品だったのではないかと考えています。
超装光ギンガイオー。
本来の角パーツを取り外し、正面からヘッドギアを差込んで、胸部装甲でロックをかけます。
銀鎧剣の柄部分にも装甲をはめ込んで完成。
実に簡単プロセスです。
ちなみに、「救急戦隊ゴーゴーVVSギンガマン」では、この超装光がビクトリーマーズにも装着されたわけですが……
こちらは、限定版のギンガイオー・ブラックバージョン。
戦隊ロボの限定ブラックバージョンは、これ以前に「DX大獣神(恐竜戦隊ジュウレンジャー)」がありましたが、実質的に定番化したのはこれからです。
その後、これはハリケンジャーまで続き、間を空けてボウケンジャーで復活。
また一年途切れて、「炎神戦隊ゴーオンジャー」にてまた復活しました。
でも、なぜか「DXガンバルオー」のみで、しかもボディカラーのほとんどが白とグレーという……
黒と金、ダークグレーをメインに構成されていますが、グレーの明度が低めな上にごく僅かに褐色がかっているせいか、その後の限定ブラックシリーズよりも黒部分との相性が良く、実にフィットしています。
また、金色部分は素材色、金メッキ、金属メッキと多種に渡っていて、占有面積が広い割には下品にならず、とても上品にまとまっています。
注目すべきは、合金パーツ部分の黒がフラット仕上げになっている事です。
ブラック限定版の元祖的存在「超合金ライディーン」が人気を博した理由も、このフラットブラック仕上げでしたが、それを見事に継承してくれています。
この仕上がりは、古い玩具マニアにとってはちょっとしたヨダレモノかも。
銀鎧剣比較。
左がブラックバージョン付属のもの。
いい所づくめのブラックバージョンですが、超装光との相性もオリジナル以上という、更なる魅力があります。
そりゃまあ、元々金色素材の超装光ですから当然といえば当然なんですが、このフィット具合は異常です。
特に銀鎧剣なんか、最初からこういう作りだったんじゃないかとすら思わせるほどです。
ノーマルとの比較。
DXギンガイオーが置物然としているならば、ブラックはさらにそれを極めた感があります。
この後発売されたブラックバージョンは、いずれもそれなりに完成度は高かったのですが、合金占有率の低さ&フラットや金色等による上品さ等が著しく物足りず、今ひとつ感が強いものばかりになってしまいました。
もっとも、「配色が統一されたためにオリジナル以上の良さが感じられるようになった」という、「DXブラックアルティメットダイボウケン(轟轟戦隊ボウケンジャー)」という例外的傑作もある訳ですが。
【買ってみて一言】
ノーマル・ブラック共々、超合金好きには是非ともお奨めしたいと本気で言える逸品です。
これは時期や時代に関係なく、「合金玩具の良さ」を堪能するのに最適ではないかと考えます。
元値が高いせいか、2009年現在でもたまにオークションで定価以下の新品を見かける事が多々あり、まだ入手は容易みたいですし。
総重量1.5キロの壮絶さを、直に堪能して欲しいものですね、玩具好きとしましては。
ただ、さすがに近年の戦隊ロボやその他の合体玩具と比べると、色々見劣りする部分が出てくるとは思います。
超合金魂の定番化(※ギンガイオー発売当時からありはしましたが)により、ある程度高額な合金玩具にはそれなりの可動率とギミックを搭載するべき、といった風潮もありますし。
そういう視点で見た場合、やはりこのギンガイオーには物足りなさを覚えてしまう方が出てくるのではないでしょうか。
しかし、ギンガレオンの驚愕変型ギミック、ギンガリラの意外な変型パターンは現在の超合金魂と比べてもひけをとらない旨味を含んでいますし、またブラックバージョンの圧倒的存在感は、はっきり言って歴代魂ブラック版をも凌駕しています(ええもう、これは断言しちゃうよホント)。
今から8年も昔、こんな優れた玩具が普通に販売されていたんだ、という歴史を辿る目的としては、このDXギンガイオーは絶対外せないのではないでしょうか。
そう言いたくさせるだけの魅力を、この商品はガッツリ持っているんですよね。
全体的に「軽い」「どこかちゃちい」「ギミックがたるい」という印象を与えがちな傾向のある戦隊ロボシリーズ。
その中で強烈な個性を放つ“例外”として、この「DX超合金 星獣合体ギンガイオー」の存在を記憶しておく価値はある筈です。