第85回 ■ バンダイ 特命戦隊ゴーバスターズ バスターマシン「GT-02ゴリラ」

2012年7月15日 更新

 

 グレートゴーバスターも登場したというのに、今更ながらゴーバスターオーについてレビューしたいと思います。
 というわけで、今回は「GT-02ゴリラ」「RH-03ラビット」を中心に、ゴーバスターオーまで扱います。

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■ バスターマシン GT-02ゴリラ

 

 2012年3月24日、「RH-03ラビット」「GT-02ゴリラ&RH-03ラビットセット」と同時発売。
 大きさは、全長約21センチ、全高最大約10.7センチ、全幅最大約9.5センチ。
 価格は、税込で3,990円。

 

 GT-02ゴリラ。
 全長36.3メートル、全高18.7メートル、全幅16メートル。
 ブルーバスターとその相棒・バディロイド「ゴリサキ・バナナ」が搭乗することで変型し、ノーズ部分にゴリラの頭が出現する「バスタービークルGT-02ゴリラ(第二形態・専用名称なし)」、動物型の「バスターアニマルGT-02ゴリラ」となる。
 主に、港に置かれたコンテナの山(に偽装された発進口)から出動する。
 CB-01よりも形態数が少ないが、ビークル形態で移動または運搬・救助活動を行い、有事にはバスターアニマル形態(以下アニマル形態と表記)で応戦するなど、明確に使い分けられている。
 RH-03ラビットと協力しあい、メガゾードの残骸回収を行うこともあった。
 大容量エネルギーキャパシティとコネクタを持っており、エネトロンを充電・輸送することも可能で、また他バスターマシンからエネトロンを強制的に奪う事も出来る。
 基本的に戦闘に特化したマシンではなく、ゴーバスターエースのような対メガゾード用の「決め手」は持っていないが、ビークル形態の荷台から発射されるビームや、アニマル形態では二層式バナナ型ミサイルや車輪からのビームなど、各種装備を持っている。
 また、アニマル形態時は怪力を利用した格闘戦が可能で、単独でメガゾードや、複数のバグゾードを撃退した事もある。
 戦闘よりは特殊な作戦に用いられるケースが多い機体で、その過程で戦闘を行うといったパターンが殆どで、時にはゴーバスターエースが別途活動中の時に出現したメガゾードやバグゾードに応戦する事もある。

 

 それでもって、ゴリラです。
 トレーラー型ではなく、トラックというところがなんか良いです。
 劇中のプロップはもっとタイヤが幅広なんですが、この辺りは玩具化に伴うやむを得ない変更処理かと。
 本商品は、あらゆる部分に癖の強さが感じられ、良くも悪くも個性的です。
 今回は、変型行程や問題点などもきっちり触れて参ります。
 フロントウィンドウ部分が厚ぼったくなってますが、これはとある理由で二重構造になっている為です。
 ただし劇中でもこういう形状なので、決して玩具の独自解釈ではありません。
 なぜこんな構造なのか、という理由については後述。

 

 サイドビュー。
 3匹の動物の意匠がかっこいいです。
 良く見るとかなりスカスカなボディで、あまりトラックっぽくないんですが、色んな工夫でそれっぽく見せているのはさすがです。

 

 意外に複雑な立体構成になっているのが解るアングルです。
 詳しいパーツ構成については、後述します。

 

 不敵な面構えで、個人的にお気に入りの造型です。
 所謂コンボイ的なタイプではなく、そこらを走ってるような、ありきたりなトラック然としている所がまたツボを押さえてるというか。

 

 上面部には、ヘリポートがあります。
 塗装による再現で、皮膜はそんなに厚くない上、ゴーバスターオー時は足の裏にあたるので、可能であればトップコートなどで保護したいところです。

 

 RH-03ラビットを乗せた状態。
 対比の問題で、かなり無理が出ていますが。
 ちなみにジョイントによる固定などはないため、揺れれば当然落ちます。

 

 リアビュー。
 後部は、穴が開きっぱなしです。
 蓋になるパーツがないため、ここがちょっと残念です。
 もっとも、パーツ構成を見ると何処にも収まる場所がないので、この処理は仕方ないのかなって気もしますが。

 

 奥行きはこんな感じ。
 ゴーバスターエースのつま先が収まる部分なので、そんなに深くありません。
 収まっているのは、今野産業「大集合!! 消しゴム戦車」シリーズ。
 なんか古そうなものですが、なんと現行商品です。

 

 シャーシ側。
 かなりすっからかん。
 アニマルモード時の肩がどの位置に来るかがわかります。

 

 ゴリサキ・バナナ。
 まずは前面。
 高さは約5.5センチ、横幅約4.7センチ。
 大型の体型をそれなりに再現しています。
 今回は、足が大きいため自立が可能です。

 

 斜めから。
 チダ・ニック同様、背中に顔を背負ってる構造です。
 実際の着ぐるみにもモールドがありますね。

 

 側面。
 超巨大人面疽。
 後々これを活かします。
 奥行きは、最大約3.3センチ。

 

 背面および斜め後方。
 ゴリサキのボディが全く見えなくなるほど幅広です。

 

 顔アップ。
 相当小さなサイズなので、さすがに顔の細かな塗り分けはオミットされています。
 でもハンドルっぷりはしっかり再現。

 

 第二形態への変型プロセスに移ります。
 まず、前面部を開いて下側に倒します。

 

 倒した前面部を、シャーシ側まで折り込みます。
 ちなみに劇中でも同様のギミックで変型しますが、フロントウィンドウ部は画面からフレームアウトしてそのまま消えてしまいます。

 

 ゴリサキの唯一の可動箇所・下半身を折り曲げます。
 ニックと違い、きっちり折り畳む必要はなく、アバウトな曲げ方で問題ありません。

 

 ゴリサキの足を、ビークル前面部の穴に差し込み、側面部のジョイントをしっかりはめ込みます。
 ゴリサキの足をきっちり折り畳むと上辺に引っかかってしまうので、つま先を斜め上に向けるくらいで充分ですが、差し込んだ後に曲げるのもOKです。

 

 「GT-02ゴリラ」。
 全長40メートル、全高18.7メートル、全幅16メートル。
 ゴリサキ・バナナ搭乗・融合後のスタイルで、本来はゴリラヘッドが内部からせり出す。
 通常形態とは異なるモードだが、特に呼称は変化しない。
 コンテナ上部にビーム砲を装備。

 

 フロントビュー。
 目を伏せた状態のゴリラヘッドが、かなりのイメージチェンジを図っています。
 本来なら、フロント部からニョキッと生えてくるのですが、玩具では再現不可能なので、前面部をハッチ状にすることで対処しています。
 このギミックのため、フロントウィンドウ部が二重構造になっていたわけです。

 

 再びサイドビュー。
 ゴリラヘッドが付加されただけですが、やはり印象が変わります。

 

 ややローアングルで見ると、案外ごっついイメージ。
 実際はかなり軽めなんですが、重厚感を覚えるところが魅力です。
 本編で見慣れてるせいなのか、ゴリラヘッドが露出してないとなんか違う感じがしましたが、ようやく落ち着いた感が出ました(個人的にはですが)。

 

 CB-01チーター(ニック搭乗後)との比較。
 ただ、両方とも結構な大きさで、撮影ブースの構造上ベストな比較アングルになっていません。
 スポーツカーとトラックが同じくらいの大きさってところに若干の違和感を覚えますが、よく考えたら別に実車の対比を適応させる意味なんかないんですよね。

 

 それでは続いて、アニマルモードへの変型行程を。
 まず、ゴリラヘッドを一旦取り外します。

 

 次に、前輪部のロックを外します。
 後ろ寄りの前輪上部にあるジョイントを、下方向に引っ張る感じで。

 

 左右の前輪を全部外すと、トラックのヘッド部分が丸々外れます。

 

 ヘッド部分の変型。
 前輪を基部から前方に90度回し、ホイールがシャーシ側に向くように回転させます。

 

 変型完了状態。
 これはここで一旦停止、別ブロックの変型に移ります。

 

 続いて、コンテナ部。
 こちらを、最終的に4分割させます。

 

 コンテナ各側面のプレートを、前方側に折り畳みます。

 

 この変様に化します。

 

 後輪部斜め上辺りのジョイントを合計4カ所外し、コンテナを前後で分割します。
 具体的には、上から下へへし折るイメージで。
 「へし折る」といっても、実際はかなり軽快に外れます。

 

 コンテナ後部は、ひっくり返すことでアニマルモードの脚部になります。

 

 この時点までの、全パーツの状態。
 ここからさらにバラバラになって、組み替えて行きます。
 本当に立体パズル。

 

 続いて、コンテナ前部を左右に分割します。

 

 折り込まれている黒いブロック状のパーツを引き起こします。
 これが、アニマルモードの腕部・拳になります。

 

 頭部・両腕部・両脚部が揃った状態。
 ここから合体に入ります。

 この時点で「え? 胴体は?」とお考えになった方は、ちょっと鋭いかも。

 

 脚部ブロックのジョイント4カ所に、両腕部を接続します。
 正確には、向きを180度変えての再接続です。
 黄色い丸部分を、次の写真の、同じく黄色い丸部分にはめる訳です。

 

 腕側のジョイントUP。
 はめ込むコツとしては、四角い形状のジョイント(写真だと左の丸内)を先にはめ、そこを基部に下に降ろすようにしながら、丸い形状のジョイントをはめ込みます。
 というか、まるで吸い込まれる様にはまります。
 一見複雑そうですが、実際に弄ってみるとそんなに難しくないです。

 

 左腕まで接続した状態です。
 写真右側に見える白い矢印は、商品に直接プリントされているもので、こちらで加えたものではありません。
 この矢印は、ゴーバスターオー合体時に意味が出て来ます。

 

 黄色い丸で囲んだジョイントに、ゴリサキの側面部のジョイントを差し込みます。

 

 左右のジョイントを接続して、ゴリラヘッド(ゴリサキ)を固定。
 これで、メインボディ部分は完成です。
 さっき胴体について疑問を持った方、回答は今しばしお待ちを。

 

 ゴリラヘッド合体状態を、別角度から。
 このように、ゴリサキが宙ぶらりんです。
 このままではさすがにみっともないので、これから蓋をします。

 

 さっきから放置状態だった、トラックのヘッド部分を、上から差し込みます。
 パーツが収まるスリットや大きなジョイントが設置されていますので、特に支障なく上からすとっとはめられます。

 

 ゴリラヘッドの額部分を上にスライドさせると、目が露出します。

 

 バスターアニマル・GT-02ゴリラ。
 全長27.1メートル、全高25メートル、全幅32メートル。
 ゴーバスターエースに次ぐ、人間型の四肢を持つ形態で、怪力を利用した格闘戦や細かな修復作業をこなせるが、エースほど戦闘用に特化しておらず、これといった決め手になる武装は持っていない。
 両肩にある多連装ランチャーから、バナナ型のミサイルを発射可能で、これはバグゾード程度なら一撃で破壊可能だが、離脱した皮(に相当する部分)でメガゾードをスリップさせるという謎効果もある。
 背面から横方向に伸びるタイヤ(ホイール)部は、サーチライトやスピーカーとしても活用出来、多目的に利用可能。
 戦局の都合上、ゴーバスターエースが対応出来ない局面では積極的に戦闘に参加するというケースが多い。

 

 バスターアニマル、フロントビュー。
 正直なところ、かろうじてゴリラっぽいスタイルを維持している程度で、可動やらギミックやらには全くと言っていいほど期待出来ません。
 こじつけるなら、せいぜい手首が後方に動くってくらいで、もはや固定モデルと考えてしまって良いでしょう。
 もっとも、玩具の性質上それで全く問題はないんですけどね。
 ないんですけどね。

 

 サイドビュー。
 コンテナの構成が変化して、トラック時の面影がかなり薄まっているのが面白いものです。
 というか、超重力で圧縮されたみたいにも見える。

 

 リアビュー。
 トラックのヘッド部分が干渉するため、後輪は折りたためません。
 これを折りたたむのは、ゴーバスターオーの時です。

 

 裏面。
 先の様な合体構成ですから、当然のように胴体から腰にかけての部位は、存在していません。
 豪快にオミットしているわけです。
 OPで印象的な四角い胸板などは、どこからともなく発生していたわけですね。
 これが、バスターアニマル・ゴリラの一番目立つ欠点。
 まぁ、仮にここがしっかり埋まっていたとしたら、その部位は合体時にどこに収まるのかという新たな疑問も生まれるんですが、それにしてもこれはあんまりといえるでしょう。

 

 ゴーバスターエースとの比較。
 体型も背の高さも全く異なるので、全然比較になってはいないのですが。
 こうして見ると、やはり無理のある体型にまとまってるなという感が拭えません。

 

 スペースの都合で真横に並べられない悔しさよ……

 

 以上、GT-02ゴリラでした。
 色々書いてきましたが、正直な所、細かな疑問を差し挟まずにはいられない出来です。
 ハイエイジトイではないため、可動範囲とかギミックなどを求めるのは論外なのですが、それにしても造りが簡素過ぎで、ディスプレイモデルにしかならない出来なのが大変残念です。
 言い換えれば、「ゴリラ単体として遊びにくい」という感じでしょうか。
 とにかく、胴体部分かスッカスカなのが、一番の難点。
 かなり目立つ部分でもあるので、ここはもっとなんとかして欲しかった所ですね。

 本商品は、ゴーバスターオーへの合体ギミックから逆算した結果、力業でまとめられたようなパーツ構成です。
 それだけなら、今までの戦隊玩具にも該当するものは沢山ありますが、ゴリラの場合はあまりにも特化しすぎというか、捻りがないというか、そのまんまっていう印象が拭えません。
 そんなわけで、現状は劇中のイメージからもっともかけ離れた商品だと言っても過言ではないでしょう。

 尚、ゴリラにはここまでで挙げたもの以外にも気になる問題点が存在しますが、それについてはゴーバスターオーの項にて詳しく触れて行きます。

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