第81回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーフォーゼ・モジュールセット/スタンド&エフェクトセット」

2012年2月11日 更新

■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーフォーゼ・モジュールセット01

 

 2012年1月28日発売。

 マジックハンドモジュール、ランチャーモジュール、カメラモジュール、レーダーモジュールのセット商品。
 マジックハンドスイッチ(ON・OFF状態両方)付属。
 ランチャースイッチ(ON状態)付属。
 カメラスイッチ(ON・OFF状態両方)付属。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込2,100円。

 本商品は、「S.H.フィギュアーツ仮面ライダーフォーゼ」に同梱されなかったモジュールオプションをまとめたものです。
 フォーゼ本体は、当然の如く付属しません。

 

 こちらが、本商品に付属するアストロスイッチです。
 左から、マジックハンドスイッチ(OFF)、マジックハンドスイッチ(ON)、ランチャースイッチ(ON)、カメラスイッチ2種です。
 ランチャースイッチのOFF版は、フォーゼに付属しています。
 梱包時はそれぞれにタグ状のランナー? が付いてますので、これを切り取る必要があります。

 んで、なんでカメラスイッチだけはっきりON・OFFを記さないかというと、実は理由があるんです。

 

 カメラスイッチは、上部の突起が飛び出ている状態がOFFで、引っ込んでるのがONです。
 ON状態からOFFに戻す場合は、突起部から伸びている逆L字型のスライドスイッチを向かって左から右に動かします(その後、スライドスイッチはバネの力で元の位置に戻る)。

 

 ところが本商品付属のカメラスイッチは、両方とも上部突起が飛び出ていて、しかもスライドスイッチが右寄り・左寄りになっています。
 左の状態のカメラスイッチは、存在しえません。
 要するに、仕組みを確かめずに間違って作ってしまったわけです。
 せっかく気合い入れて作ったのに、またしても理解不足の状態で作ってしまうという、いつもの悪い癖がでたようです。
 Wや仮面ライダーエターナルの手首といい、カイザの顔といい、やるなら独自解釈などしないでちゃんと調べてから作って欲しいものです。
 やろうとしてくれた事そのものは嬉しいんだから……

 

 気を取り直して、ロケットスイッチのパーツを交換して、マジックハンドスイッチ装填状態にします。
 この状態では、フォーゼがこれからモジュールを変えるぞ、という準備状態までしか再現出来ません。
 まあ、ないよりあった方がいいパーツなので、無駄とは思いませんが。

 

 マジックハンドスイッチをONに。
 またまた差し換えでスイッチョン再現です。
 なくさないように注意です。

 

 \ マジックハンド オン /

 マジックハンドモジュール装着。
 対カメレオンゾディアーツ戦では、投げ捨てられた風城美羽を(落下開始してからスイッチを入れて)空中でキャッチするという、とんでもないプレイを見せてくれました。
 ロケットモジュールの時と同様、右前腕を交換して再現しますが、手首は再接続の必要があります。
 FMCS版ではこれまでなかった装備なので、このサイズでは初の立体化となります。

 

 右前腕との接続部は動きませんが、それ以外は曲がる・回転すると自由自在。
 先端のアーム部分も、180度可動する上に展開もします。
 ただ、ABS製とはいえこの大きさだと結構な重量になるため、気を抜くと倒れます。
 ある程度なら自立させるのは可能ですが、フォーゼの腕や肩が耐えられないことも多いので、微調整の腕の見せ所です。

 

 マジックハンドモジュールをまっすぐ伸ばすと、こんな長さになります。
 マジックハンド部分だけで、約19.8センチもあります。
 ここまで伸ばすと、さすがにこのままの姿勢で先端を浮かせることは出来ません。

 

 関節は、ご覧の通り。
 曲がっている部分は、それぞれ180度回転します。
 ついでに言えば、根元(フォーゼの右手横の部分)も回転だけ可能です。
 先端のアームは、付け根よりやや下の、太くなってる部分が回転。
 全七カ所可動ってことです。

 

 関節保持力は、いずれもそんなに強いわけではないので、何かを持ち上げたりするのは難儀です。

 ……が、頑張れば支えなしでこんな芸当も出来たり。

 

 非常に遊べるモジュールで、特にネタ方面で真価を発揮しそうな予感のマジックハンドモジュール。
 形状の関係でやや飾りにくい(工夫がいる)のも事実ですが、魂ステージを素直に使えばその辺かなりフォロー出来るので、併せて活用したいですね。

 

 次に、ランチャースイッチを入れ替えてスイッチオンを再現。

 

 ランチャーモジュール装着の為には、足首まで取り外す必要があります。
 つまり、こちらもドリルモジュール同様膝下丸々交換で、FMCSみたいに前面部に引っかけるタイプではありません。
 一手間かかりますが、ここは我慢の子です。
 足首も割と固めにはまってますが、膝よりは多少取り外し・取り付けが楽かな? と思います。
 あくまで多少ですが。

 

 \ ラ ンチャー オン /

 ランチャーモジュール装備。
 膝下に接続した後、足首もはめてやる必要があります。
 正面から見ると、大型モジュールの割に、妙にシンプルにまとまった印象です。

 

 ただし、側面から見るとやっぱり大きいです!
 個人的に、一番墨入れが気にならないかなと(もっと薄ければそれに越したことはないけど)。
 今回は、モジュール自体に特に凝ったギミックは仕込まれていません。

 

 背面から。
 右膝下は、ランチャーモジュールの一部で、一体化しています。

 

 ランチャーモジュールは奥行きがあるので、確かに自立性向上の補助になりはするのですが、足の甲部分にパーツが干渉してしまうため、接地性は逆に低下します。
 倒れにくくはなるものの、ちゃんと足で立ってるように飾る為には、若干前に重心を傾ける必要が出て来ます。
 幸い、膝周りは特に干渉は起こらないので、ここで微調整が利きます。

 

 今回、ミサイルは全部取り外し可能なんですが、このように先端部だけしかありません。
 わざわざ取り外す必要性がなかったり。
 せめて穴がちゃんとしてれば、発射後の状態とか脳内補完も可能でしたが。
 とはいえ、発射ギミックがあるでなし、ここはこんなもんでしょうな。

 

 FMCS版(左)との比較。
 精度は当然アーツ版の方が優れていますが、艶さえ除けばベースカラーはFMCS版の方が落ち着いてていいかも。
 その他、前面部の溝の解釈がそれぞれ異なっているのが面白いですね。

 

 レーダースイッチ、ON。
 先述の通り、こちらは差し換え無しなのでこのままで。

 

 左腕モジュール装着時も、このように前腕を丸ごと交換します。
 今回は、手首も別途取り外しておく必要があります。
 まあ、別な手首と交換でもいいんですけど。

 

 \ レーダー オン /

 レーダーモジュール。
 なんかもう完全に通信機になってる気もしますが。
 NSマグフォンも登場したことだし、本来のレーダーとして使われないといずれ利用価値がなくなってしまいそうです。

 

 ……などと嘆いても仕方ないと。
 レーダーモジュールは、基本的にFMCS版と大差ない構造ですが、さすがに塗装や細かいモールドは頑張っています。
 パラボラ部にちゃんと隙間が空いてるのもラブリーです。
 マジックハンド同様、手首も差し込んでやらなければカッコつきません。

 

 残念ながら、モニタ部は何もなし。
 ここはもうちょっと工夫して欲しかった所です。

 

 アンテナ部を正面に向ける事も、当然可能。
 拳なら干渉しませんが、さすがに開き手だと接触します。

 

 FMCS版(左)との比較。
 FMCS版の方が、少し大きめのようです。

 

 別角度から。
 FMCS版の方、光入っちゃいましたが。

 

 出来は悪くないんですが、単体だとどうしても語る事が少なくて悲しいですな、レーダーモジュール。
 使用頻度はかなり高い筈なんですけど。
 モニタ部に貼り付けられる画像データとか自作しようかな。

 

 ランチャーモジュールと組み合わせて、ホーミング機能追加。
 というか、ないと大惨事になる危険が。
 たまにレーダーなしでもホーミングやらかしてしまう事がありますが、そこはご愛敬。

 

 ロケット、ドリルモジュールと組み合わせれば、「ライダーロケットドリル宇宙キック」。
 宇宙空間で相手に狙いを付ける際にも、レーダーモジュールは必須。
 もちろん、たまに使い忘れていますが。
 やっぱり、まとまりがいいですねぇ。

 

 最後に、カメラスイッチに差し換えで。
 先の通り、どっちがONかOFFか不明なので、とりあえず通常時と同じ形状のものを使用。

 

 \ カ メラ オン /

 2012年2月初旬現在、いまだ1回しか使用されていないカメラモジュール。
 スイッチの方は、劇中で一番最初に出て来て以来、しょっちゅう利用されてるのに……

 

 今回はレンズ周りもしっかり再現され、色も重厚感が出ていて、よりリアリティが増しました。
 この角度で見ると、カメラ部だけを左前腕にくっつけたように見えますが、こちらもレーダーモジュール同様、前腕丸ごと交換です。

 

 モニタ部も当然可動。
 この辺の構造は、FMCS版とほぼ同じです。
 ただし裏側はやっぱり何もなし。
 もうちょっと凝って欲しかった部分です。

 

 モニタ部を折り畳んだ状態。
 ちょっと浮きすぎ?

 

 FMCS版(左)との比較。
 もはや比べるのも……といった雰囲気ですが。
 元々あまりギミックに期待出来ないモジュールなせいか、構造は似たり寄ったりなわけですが、その分細かい所の再現に注力したといったところでしょうか。
 あと色と。

 

 武器ではなく、攻撃系モジュールの補助にすらならないカメラモジュール。
 ではどう使えばいいのかと言われると、悩んでしまうところです。
 いっそ割り切って、ネタ用に利用するなんていうのもありかもしれません。
 それがたとえ、弦太朗がやらなさそうな事でも、キニシナイ!

 

 フォーゼは無様な姿も絵になるから、いいなあ。

 

 適当にポーズをつけていたら、なんだか映画泥棒がナントカってのを思い出しそうな構図になってしまった。

 

 以上、モジュールセット01でした。

 フィギュアーツ・フォーゼのプレイバリューをサポートする重要なアイテムであるわけですが、基本装備も含まれているため、外して考え難い物でもあります。
 ですが、正直この程度の内容構成で2000円もするのか、という割高感も拭えません。
 確かに、一つひとつちゃんと作られているし、それ自体に文句のつけようはないのですが、凝った構造の物はマジックハンドモジュールのみで、それ以外全く華がありません。
 これならせめて、あと2点くらいモジュールを加えてくれたら良かったのにと思えてなりません。
 まして、モジュールセット02以降の発表が5ヶ月以上もない現状、ファンとしては一つでも多くのモジュールが欲しいわけですから。
 今のところ、エレキとファイヤーステイツに(各主力武器以外で)シザース、ビート、スパイクモジュールが付属することが判明していますが、まだチェーンソーやガトリングなど人気が高く登場頻度も高めな物もあるわけで、これらがどうなるのか気になってしまいます。
 とにかく、02以降に繋げるつもりがあるのかないのか、それによって本当の評価が決まるようにも思えます。
 (……と書いてましたが、その後順当に発売され、全モジュール商品化も決定しました。「モジュールセット02」以降のレビューはこちらから。)

 ちなみに、本商品と後述する「スタンド&エフェクトセット」は、フォーゼ本体より出荷数がかなり少なかったようで、発売日に同時入手出来なかった人は結構多かったようです。
 また、フォーゼ/フィギュアーツという括りでいきなり3商品も同時発売したことから、商品情報を把握しきれず混乱した店舗もありました。

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■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーフォーゼ・スタンド&エフェクトセット

 

 2012年1月28日発売。
 ロケットモジュール用エフェクトパーツ一点付属。
 オリジナル魂STAGE一点付属。
 専用台座(大・小)各一点付属。
 価格は税込1,575円。

 本商品は、「S.H.フィギュアーツ仮面ライダーフォーゼ」専用エフェクトパーツと各種台座をまとめたものです。
 フォーゼ本体やモジュールは、当然付属しません。

 この商品は、本当にただのスタンドとエフェクトのセットで、それ以外の何物せもありません。
 いわば「魂STAGE ACT-FOURZE」といったところです。
 ですが、それでも話題はそれなりにあったりします。
 まずは、順番に触れていきます。

 

 まずは、魂STAGE。
 基本はACT-4仕様で、ロングタイプの支柱が二本、アームも差し込み式のものが二点付属します。
 台座部分は、「KAMEN RIDER FOURZE」と英文字でプリントされ、宇宙図を思わせる模様と、さらに星屑をイメージさせるラメが施されています。

 

 フォーゼを飾ると、こんな感じ。
 背景が暗いので解りづらいですが、思ってたよりも派手目です。
 支柱の強度は従来通りなので、当然浮かせて飾るのもありです。

 

 台座アップ。
 白い粒状の物が、全て台座素材内に散りばめられたラメです。
 連結用パーツはありませんが、他から流用すれば、当然連結可能です。

 

 こちらは、第二の台座。
 割れたコンクリートをイメージした物ですね。
 第一話、オリオンゾディアーツ戦後の着地シーンをイメージしたものです。
 今回の売りの一つで、かなりズッシリしています。

 

 本来は、こっち向きが正解のようです。
 長さは、奥行最大約10.3センチ、幅最大約8.8センチ。
 辺の長さは、狭い方を手前に向けた状態で、左の長い辺から逆時計回りに、約8.6センチ・約4.6センチ・約8.6センチ・約2.7センチ・約5センチ・約2.7センチ。
 材質はPVC(デコボコ部)とABS(台座)の組み合わせで、重量は約58グラム。
 本商品付属の魂STAGE(先述のもの)が、一組約24グラム、フィギュアーツ・フォーゼの重さが約52グラムですから、かなりの重さがあることになります。

 

 真っ当に飾ると、だいたいこんな感じ。
 FMCSでは叶わなかったディスプレイが、ようやく完成しました。
 ドリルの切っ先は、ただ差し込まれてるだけで特に固定などはされません。
 どちらかというと、穴の周辺の瓦礫部分がドリルを支えてるような印象です。
 右足の裏を接地させれば、案外しっかりと自立します。

 

 ドリルモジュールの切っ先差し込んで飾るのばかりが、この台座の楽しみ方ではないでしょう。
 工夫次第では、更に色々楽しめるのではないかと考えます。

 

 迫力のある着地シーンの演出などにもオススメ。
 当然、撮影角度で台座からはみ出した側の足を誤魔化す必要はありますが。
 ビートアップだよ、ビートアップ!!

 

 モジュールホルダーとしても、大活躍! 

 

 なんと、今回は小型の台座まで付いてきます。
 こちらも、ドリルの切っ先を差し込むタイプのもの。
 いわば簡略版?
 省スペース対応なので、飾る場所に悩む人も一応安心です。

 

 穴は貫通式です。
 この大きさだと、それくらいないとドリルが刺さりませんから。

 

 大きさは、最大幅約3センチ(だいたい約2.7センチ前後平均)、高さ最大約8ミリ程度。
 このように、かなりコンパクトです。
 むしろ、もっと別な台座と組み合わせると、旨味が出るかもしれません。
 しかし、こういう小粋なオマケが付いて来るというのは、個人的に嫌いじゃありません。

 

 さて、最後に触れるのがこのエフェクトパーツ。
 本商品のもう一つの目玉(人によっては最大の注目株?)であり、同時に最悪の難点を一手に担ってる物です。
 結論から先に言ってしまえば、全くの役立たず。
 なくても良いを通り越して、むしろない方が良かったくらい酷いです。

 

 とまあ、いきなりきつい事を述べるのもなんですが、今回はマジで評価に値しません。
 こちらは、(さっきも写真に使ったように)ロケットモジュールに差し込んで使用するロケット噴射のエフェクトなんですが、これを使うことでフィギュアーツ・フォーゼの魅力が膨らむのかというと、かなり疑問です。
 いえ、造型はいいんですよ、造型は。
 また、材質の関係でどうしても重くなるのも仕方ないだろうと、理解は出来ます。

 だけど、設計ミスのせいでちゃんとロケットモジュールに固定出来ないってのは、どうなんよ?

 

 とにかく、ロケットモジュールに装着してみます。
 まず準備段階として、ロケットモジュールのノズルを取り外します。
 5つ全部引き抜くと、こんな感じになります。
 取り外し自体は、大変スムーズに行えます。

 

 ここにエフェクトパーツを差し込むわけですが、写真の黄色い枠内を良く見てください。
 この状態で、エフェクトの凸ジョイントは一番奥まで入っています。
 にも関わらず、4つのノズルがロケットモジュール本体から浮いています。
 中心の、凸ジョイントが生えているノズルはちゃんと本体にくっついているわけですから、接続軸が長すぎたという事ではありません。

 

 写真は、エフェクトとロケットモジュールの接続部を、向きを揃えた状態で並べたもの。
 恐らくですが、中心部以外の四箇所にもジョイントを仕込むと、スムーズに取り付け・取り外しがしづらいと判断して、楽に換装出来るようにと配慮したつもりなのかもしれませんが、だとしても配慮の方向が間違っています。
 肝心の中心部の軸口径が違いすぎてスポスポ抜け落ちたり、ストレスがハンパありません。
 その上でノズルが浮くんですから、もう酷いなんてもんじゃありません。
 冒頭で散々悪く言った理由が、ここに集約しているわけです。

 

 ライダーロケットドリルキックで、エフェクトも併用して飾りたいというファンの方も多いと思いますが、かなりの難易度がつきまといます。
 PVC製でただでさえ重いエフェクトなのに、ロケットモジュールからすぐ外れてしまうのですから。
 実際、この体勢だと魂STAGEの支柱は最低二本必要ですが、支柱を一杯まで伸ばしてもエフェクトはかなり低い位置でしか支えられないため、全体の位置が低めになります。
 そう、噴き出す火炎部分にアームを直接当てないと、バランスが崩れて外れてしまうんです。
 せめて、ロケットモジュールとの結合さえしっかりしていれば、フォーゼの上腕を支えるなどの応用を利かせる幅が出て来て、もっと凝った角度で飾れたかもしれないのですが……

 

 オマケ。
 モクモク部分は、こんな感じです。
 硬いです。
 おいしそうじゃないです。

 

 以上、スタンド&エフェクトセットでした。
 モジュールセット同様、フォーゼに比べて出荷数は少なめだったようで、各地で品不足だったようですが、逆にこっちの方が多くてモジュールが少ないという場所もあったようです(筆者もこのパターンに巻き込まれました)。
 最大の注目ポイント・瓦礫台座はなかなかのもので、これ単体なら充分及第点、小型版もついて尚満足といったところ(魂STAGEも当然文句なし)ですが、とにかくもう一つのメインである筈のエフェクトがダメダメでした。
 これが相当なマイナスポイントを付与しているような気さえしてきます。
 軸を太らせたり短くするだけで、キッチリはまるようになる、というならまだ救いもありましたが、さすがに擁護のしようがありません。
 時折、信じられない低品質さを発揮してしまうフィギュアーツですが、今回こんなところで出てしまいました。
 これくらい、もっとしっかり作って欲しい物です。
 価格が安めだからって、妥協出来るとかそういうものでもないんですから。

 ちなみに、これと全く同じ形かは解りませんが、魂ウェブ限定「仮面ライダーフォーゼ・ロケットステイツ」には青い噴射炎のエフェクトが1点付属します。
 ロケットモジュールが二個あるのに付属エフェクト1点だけというのが意味不明ですが、もしこれまではまりが悪かったら、もう目も当てられません。
 中には、ロケットステイツに噴射炎を二つ、色揃いで装着させたいがために、本商品を2セット買った人もいるかもしれませんが、とんだ誤算だったでしょうね……

 まあ、そういう問題点にあえて目を瞑るとしても。
 本商品は、アーツフォーゼを買ったからといって絶対に必須になるようなものではありません。
 それどころか、人によっては持て余すかもしれません。
 そういう意味からも、購入検討は慎重にやった方がいいですよ、と付け加えます。
 個人的には、買わなくても事足りたかな、というのが正直な気持ちです。

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【買ってみて一言】

 

 三商品まとめて総括してみたいと思います。

 まず全体に言える事が、「遊び甲斐や応用の幅はそれなりにあるけど、いずれもどこかに大きな我慢ポイントがある」というものです。
 100%完全なものなんてあり得ませんが、それでもそれなりに高い満足度を発揮していた商品もあるわけで、「フィギュアーツ・フォーゼ」はそこまでには惜しくも至らないといった印象です。
 何もかもを否定するという程ではなく、よくぞここまで! と思わされる部分や、実際に手にすると意外に馴染んで気にならない点なんかもありますから、悪い出来だと断言はしたくありません。
 ですが、だからこそ「何故ここをこうしてくれなかった、それさえOKなら大満足なのに!」という気持ちが湧いてしまう、そんな微妙な出来なのです。

 とにかく、一番の災難は。
 可動にもプレイバリューにも、そして全体的な造型でも劣る筈のFMCS版の方が、正しくフォーゼのイメージを再現してしまっている事でしょう。
 こう書くと誤解されそうですが、ちょっとだけ特殊な意味です。
 これは、FMCS版が玩具としてとてつもなく優れていたからという意味ではなく、ユーザーが納得出来る要素がフィギュアーツよりも多く、そして致命的な程の違和感を煽る部位が存在しなかっただけという意味です。
 これまで、メイン視聴者層向け商品が高年齢層向け商品と同格またはそれと同じように比較されることは希でしたが(OCCの時ですら、それぞれの良さの模索ということで棲み分けがありました)、今回は同じ土俵に上げられて比べられた感すらありました。
 どちらも基本的な遊び方が同じだからなのか、フィギュアーツは大きな差別化が図り難かったという面もあったのかもしれません。

 

 フィギュアーツ・フォーゼは、最近のシリーズを踏襲してか、やや頭が大きめになっていて、相対的にボディが小さく見えます。
 その為、身体の造型もダメ出しされる傾向もありますが、筆者自身は、そういう部分も含めて、総合的にはよく出来てると思います。
 個人的には、これを(文字通り)ベースにして、今後の発展に活かして欲しいと真剣に思います。

 そしてモジュールセットは、これだけで終わったとしたら大変残念なコンテンツだとも感じます。
 スタンドセットはバリエーションを出されても戸惑うものですが、モジュールはやはり不足気味なので、何かの機会にドカッと出して欲しい物です。
 FMCS版は全モジュール商品化を決定させましたが、フィギュアーツはこのまま立ち消えてしまうのか、大変不安です。
 今回の商品はいずれも出来が良かったんですから今後の商品化頻度をもっと高めて、メジャーマイナーを区分することなく、どんどん出して欲しいものです。
 それこそ、こういう物こそ魂ウェブ限定で商品化して欲しいと思います。

 スタンド&エフェクトセットは、当初の注目度を大きく裏切るような内容で、実際にはかなり人を選ぶ商品といえるでしょう。
 ですが、フォーゼと同時販売する事で需要を感じさせるアイデア(というか商法)は秀逸でした。
 本来なら、必要な人が需要に併せて選択購入すべき物なのでしょうが、同時販売の影響で実質的にフォーゼの必須オプションと錯覚され? あっという間に消えました。
 考えてみれば、それはそれで正解だったかもしれません。
 一部仕様に致命的な難点こそありますが、はなから売り切りを目論んでいたと仮定した場合、これは逆に成功したと言い切れるでしょう。
 どのみち、他のステイツとも絡め辛い内容ですし、確かに正しい判断かもしれません。

 フィギュアーツ・フォーゼは、この後「エレキステイツ」「ファイヤーステイツ」、「マグネットステイツ」「マシンマッシグラー」の発売が決定しています。
 また、その後も何か展開を検討しているようなので、大変楽しみです。
 特にエレキステイツは、あの独特の体色を忠実に再現しているようで、期待のしがいがあります。
 その辺も、いずれ取り扱ってみたいと思います。

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