第7回 ■ 仮面ライダー龍騎「R&Mシリーズ」2
2002年9月24日 更新
- | R&M仮面ライダー王蛇 |
- R&M龍騎ブランク体 |
- R&M仮面ライダーリュウガ |
- 総 括 |
R&M4 仮面ライダー王蛇 ¥4500円
セット内容:
- 王蛇本体
- モンスター1・ベノスネーカー
- モンスター2・メタルゲラス
- モンスター3・エビルダイバー
- ベノバイザー
- ベノサーベル(ベノスネーカー・尾)
- メタルホーン(メタルゲラス・頭)
- エビルウィップ(エビルダイバー・尾)
- メタルホーン用ジョイントパーツ
- アドベントカード×5
- 取扱説明書
ホントは龍騎ブランクの方が出たのが先なんだけど、まずはこちらから紹介。
R&M王蛇を語る際、どうしても避けて通れないのが「ガイとライア」だろう。
ここをご覧の方のほとんどには説明の必要がないと思うが、王蛇だけ他のライダーと違って契約モンスターが三匹もいるのは、ちょっとした理由がある。
当初、メタルゲラスは「仮面ライダーガイ」の、エビルダイバーは「仮面ライダーライア」の契約モンスターだったが、両方とも王蛇によって倒されたため、契約破談になった各モンスターが王蛇を襲撃。
なぜか沢山の契約カードを持っていた王蛇は、それらを全部自分と契約させる事で身を守った…という展開。
だが、それだけではなく「ユナイトベント」という特殊カードによってこの三体は合体、獣帝「ジェノサイダー」という融合モンスターに変身する事ができる。
で、この商品はこれらのギミックを再現しているというものだ。
王蛇フィギュアを見てみよう。
シリーズ初の黒い素体に、紫の上半身、そして銀色と、なかなか面白いカラーリングでまとめられているアイテムだが、当初はこの紫が「赤っぽすぎる」「配色が下品」などと散々な言われようだったみたいだ。
この辺は好みの違いなのかもしれない。
筆者もやや赤っぽい気はするし本編との違いは意識しているが、むしろ本編の方が「紫というには青過ぎる」という印象があるため、結構許せてしまっている。
それよりも重要なのは、上半身の形状…特に「肩」だ。
写真を見ていただければわかるが、王蛇のショルダー部分は上広がり&ボディと一体化しているため、腕の可動範囲に影響を及ぼす。
腕を真正面に伸ばしそうとした辺りから無理がかかり始めるため、腕との接触面が心配という状況に陥りやすい。
これは玩具の構造の問題ではなく単純なデザインのせいなので、商品自体を責めるわけにはいかないが、気になる人にはとっても気になるようだ。
でも、この肩がないと王蛇の独特のシルエットが形成されないわけで、悩み所でもあったりする…
それ以外ではかなりの完成度に達しており、飾っていてもかなり見栄えがするようだ。
横から見ると非常に特徴的なフェイス部分の造型や、上半身部分の面取りなどがわかり、なかなかに唸らされる。
恐らくコブラのエラ(?)部分を意識しただろうデザインラインから、こういう形状の上半身になったのではないかと推察するが、やっぱり良く出来たデザインだと感じる。
召喚用のベノバイザーだが、これは材質の関係でヘロヘロになりやすい欠点があるが、蛇頭の後頭部のモールドなども丁寧に作りこまれていて、小型ながらもなかなか味わい深い。
しかし、やはりというかこれを収納するギミックなどがどこにも存在しないため、アドベントした直後に消えてしまうという「龍騎本編7大不思議」の謎解きには至れなかった。
はい、そこ。「七大で済むのか?」というツッコミはナシね。
ちなみに、塗装状態をじっくり確認しないととんでもないハズレに巡り会ってしまう危険のあるR&Mシリーズ、王蛇の場合も「目(ゴーグル)」部分の塗装を特にチェックしたい。
よく見ると、ゴーグルにあたる黒い塗装部分がラインからはみ出たり面積が足りなかったりで、結構な違いが見うけられる。
もちろん龍騎のアレほどひどくはないが、ゆとりがあるならチェックしてみる価値はあるだろう。
さて、次にモンスター…と行くところだが、その前にちょっとだけ脱線してみたい。
実は、王蛇の玩具が発売される前に、こんな不安が囁かれていた。
- 「モンスターが合体するのはいいが、そっちが中心でベント装備が重要視されないのではないか?」
- 「これだけ大きな対比になるモンスターとなると、重量を支えるために関節可動率やパーツ構成がかなりオミットされるのではないか?」
- 「そもそも、悪役の商品が(この時点で)一番高くて、やっていけるのだろうか?」
こうしてみると、確かにいずれもあって当然の不安ばかり。
ガイもライアも、モンスターの身体の一部を利用した武器をほとんど持っていなかった。
あのナイトよりも少ないのだからかなりのもので、そのカードのほとんどが“モンスターを介さずにライダー自身に付加される能力”ばかりだった。
まあ、ガイやライアに沢山の武装を与えてしまう事は、この商品「R&M王蛇」のパーツ構成やコスト事情をさらに複雑にするだけでしかないから、あんな形に落ち着いたのだろうと納得はできるんだけど。
玩具の形状や重量から来る危険も、たしかに無視は出来ない。
1/12のザクの脚部関節が可動させられなかったのも重量関係のせいだし、以前『星獣戦隊ギンガマン』の「DX超合金ギンガイオー」という当時最重量の超合金で大けがをした子供もいたというから(噂だけどね)、注意をむけなくてはならない所ではあるだろう。
…しかし、だからって何か大切なものが欠けてしまわないか…?
そして、これら不安のほとんどは、見事に的中してしまう事になる。
・ベノスネーカー
全身紫色の、ヘビ型モンスター。
特技は暁丸呑み。
なんと、ボディのほとんどが「R&M龍騎」のドラグレッダーの流用で、「後半身部のジョイント(本来ドラグシールドの片方が接続される部分)が無い」「胴体側面部のシールの柄が違う」などの違いがある程度だ。
もちろん頭部は完全な新造型で、特徴的なエラ(?)部分と頭そのものが独立しており、首だけさらに下に向けることができる。
さらに、口の中には「舌」が別パーツで接続されており、うまく「蛇らしさ」を強調している。
ドラグレッダーよりも華やかさに欠けるデザインではあるものの、実は決して悪い出来ではないモンスターだ。
…が、設定上やむをえないとはいえ、ベント装備が「ベノサーベル(尾)」だけというのはかなり悲しい。
是非とも、この特徴的な頭を「ガードベント」か何かに役立てて欲しかったが、残念ながらドラグクローのように外れることはない(そもそも胴体末端部と完全一体化している)。
無理矢理やるなら、ジョイントごと外さなければならないのだ。
ドラグレッダーの時はやたらと外れやすかった尾の武器は、今回少しだけ外れにくくなっているようだ。
だが、王蛇はその個体差がかなり開いているようなので、一概に言いまとめられない。
恐らくは外れやすすぎて閉口しているという人もいるだろう。
…しかし、このベノサーベル…。
ヘビのしっぽには見えないなあ。
ガラガラヘビの尻尾をモチーフにしているのかな?
なお、ベノサーベルを「左手」に持たせるようにするのは、もはや常識である。
パッケージの写真は間違いという事で。
(ホントはどっちでもいいんだけどさ)
ベノスネーカーの前半身部にあるジョイントは、ジェノサイダーに合体する場合に必要になる部分。
もちろんドラグシールドを無理矢理ハメ込むことも可能だが、かなりマヌケな印象になるので、是非一度試していただきたい(ぉぃ)。
全身のボールジョイントは、やはり個体差はあるもののドラグレッダーよりも固くなっているという事で、全体的に評判が良い…らしい。
「らしい」というのは、筆者のものはドラグレッダーの方がガチガチに固く、ベノスネーカーはヘロヘロなので100%納得できないためだ。
しかし、それでも「鎌首を持ち上げた」ヘビ独特のポージングとその保持は充分行えるので、やっぱりすごい。
さて、このベノスネーカーは単体だとそこそこ出来が良いのだけど、ジェノサイダーに合体する際に沢山の問題点が浮上するというちょっと変わった性質があったりする。
これらについては、後述するとしよう。
・メタルゲラス
仮面ライダーガイが倒された後、慟哭にも似た叫びを上げつつ浅倉威(王蛇本体)を追跡し続けたという姿から、妙な萌え人気を獲得してしまったサイ型モンスター。
敵討ちに走るその態度がラブリーだといわれていたが、デザインは決してラブリーではない。
2002年9月現在、合体形態のジェノサイダーやサバイブ2体のモンスターを除けば、単体形状でもっとも大きな体躯を持っている。
恐ろしいことに、マグナギガよりも体積は大きかったりする。
また、胴体の中身がスッカラカン…という事がなく、びっちり詰まっているため、(他のモンスターと比較すると)とても重い。
造型もかなり高レベルで、肩の部分が実物とちょっと違うという事を除けば、ほぼ完璧に本編のイメージを再現していると言える。
…が、その分首を傾げてしまうギミックに溢れていたりもする。
メタルゲラスも、ライダーが装備できるパーツは一つしかない。
頭の上半分がそげ落ち、これを「メタルホーン」として腕に装備する…のだが、実はこれ、そのままだと装着できない。
裏側の凸部に補助パーツを接続し、それをライダーの腕のジペットスレッドにはめるのだ。
もちろん無理をすればジョイントパーツは必要なかったりするが、うまく固定できなかったり腕の動きに干渉しまくったりで、いい事が全然ない。
また、メタルホーンがあまりにもオーバースケールすぎるため、いずれにしても本編同様のスタイリング再現は不可能だ。
「ストライクベント」の筈なのに、ほとんど「ガードベント」みたいなものだ。
また、メタルゲラスとのコンビネーションによるファイナルベント「ヘビープレッシャー」の再現は、完全に不可能。
ヘビープレッシャーは、メタルホーンを構えてメタルゲラスの肩の上に立ち、そのまま極端な前傾姿勢で相手に突進する…というものだが、これを再現したければ、メタルホーンをもう一つ入手した上に、メタルゲラスの肩にライダーが立てる(かつ固定できる)ような改造を施す必要がある。
メタルホーンは、バンダイのお客様相談センターに電話などして入手する事も可能だろうが、肩への改造となると、また色々と問題が発生するだろう。
いずれにしても、これは本編での技の形態描写に問題があるのであって、「玩具で再現する気はさらさらない」という意図があまりに丸見えだ。
しかし、メタルホーンの問題点はこれだけにとどまらない。
メタルゲラス本体への接続がかなり甘いため、しょっちゅうポロポロと落ちてしまう。
メタルホーンは、角部の真裏辺りにある二本の突起と、末端部にある穴の三箇所で固定されるのだが、この3つすべてのジョイントが揃って綺麗にはまることはない。
つまり、前2本の突起を完全にジョイントさせると後ろの一本が浮き、逆にすると前の二本がはまり切らないのだ。
メタルゲラスの下顎部分に生えている凸ジョイントは、ジェノサイダー合体時に使用するものでこの場合は一切関係ない。
この不安定さはシリーズの中でも一ニを争いかねないほどのもので、パーツの形状を考えるとかなり危険にも思える。
子供なんて、これを持ち上げて目の上とかにパーツを落としてしまったら…大変だろうて。
ちなみに、メタルホーンのジョイントパーツは、メタルゲラスの頭の中に収納することが出来たりする。
ただしジェノサイダー形態時はそのスペースが埋まってしまうため、その際は外に出さなければならない。
さらに問題は続く。
メタルゲラスは、その造型の良さに反して関節可動幅が異常に少ない。
首と肘が曲がる事を除けば、普通のソフビ怪獣などと同レベルだ。
特に、膝と手首に関節がないのはかなり痛い。
これのために、かなり表情付けが限定されてしまう。
頭は、合体ギミックの都合上よく動くのだが、当然横には回らない。
まあ、元がサイだという事を考えればどうでもいいことではあるが。
もっとも、メタルゲラスの関節については、ある程度やむをえないだろう事情を察することも出来る。
先に1/12ザクの例を挙げたが、もしも足の関節がフレキシブル過ぎた場合、自重に耐えきれずに全体が崩れ、落下などによる負傷などが発生しかねない。
ある程度以上の重さに達する玩具は、どんどん足部分の可動率が下がっていくのは昔からの事で、こんなに技術が発達した昨今でさえ、戦隊ロボットなどの足はほとんど可動しないのも同様の理屈による。
手首についてはこの条件から外れてしまうが、そういう考察がある程度含まれていた可能性は高い。
エビルダイバー
仮面ライダーライアの契約モンスターだった空中を泳ぐエイ”。
ライア活躍中はほとんど登場しなかったため、あまり印象に残っていないという人も多いのではないか。
エビルダイバーは、造形的に大変面白いものがあるのだが、文章にして表そうとするといまいちピンと来ない。
契約モンスターズの中でも異彩放ちまくりのデザインであるので、もっと色々特徴的なものが欲しかった所だが、これも尻尾がムチになる“スイングベント”「エビルウイップ」くらいしか武器がない。大変悲しい。
しかし、実は本体底部にポピニカを連想させる車輪がついており、その辺がたまらない人には大変愛着が持てる(はず! 断言しちゃう!?)。
…もっとも、この車輪がいただけないという人もいたようだが…昔は、早乙女研究所やムトロポリスの下にも車輪が付いていたのよん。
この車輪があるため、エビルダイバーは設置させる事にそれなりの意味が生じている。
うまくバランスを調整して王蛇を上に立たせれば、ファイナルベント「ハイドベノン」が再現できる。
すでに各地では「王蛇をどこまで倒さないで、ハイドベノン姿勢のままコロ走行させるか」という競技が行われている。
…って、押したのと同時に倒れちゃったよ。ちぇっ。
エビルダイバーは、この他ヒレ(?)部分が正面向きに展開し、ジェノサイダーの翼を模すというギミックがある。
これは単体時にはまったく意味のない可動ではあるが、どうも話によるとエビルダイバーのヒレは鋭利な刃物になっているという設定らしく、ひょっとしたら本編でもこれを活かしてくれる…かもしれない。可能性は低いだろーけど。
エビルウィップについて、ちょっとだけ書いてみよう。
これは軟質性素材で作られており、「装着変身・仮面ライダーギルス」のギルスフィーラー並に自由に曲げられるようになっている。
ある程度無理にしならせても、しばらく放っておけばちゃんと元に戻ってくれるので、なかなかありがたい。
エビルダイバー本体の色に合わせているため、本編登場のものと色味が違う上に微妙に対比が狂ってはいるが(太いし)、なかなかご機嫌なアイテムだったりする。特に、グリップ周りの造型や塗装もかっこいい。
本体の接続部分手前に関節が設けられているため、尾の接合部にかかる余計な負担が分散するようになっているのは結構ポイント高い。
また、ドラグレッダーやベノスネーカーの尾と同様の接続方式であるにも関わらず、かなりしっかり固定されるため、ポロリと抜け落ちることは少ない。なにせ、尻尾を持って本体の方をブラブラ振り回してもビクともしないのだから。
とはいえ、これについても個体差があるらしく、外れやすいものもあるという報告を耳にした。
で、三体合体の…
上記3体が、王蛇の持つ「ユナイトベント」カードによって融合合体した姿だが、どうやら分離も自由自在らしい。
ほとんど本編に出てこない上、何度もファイナルベントを阻止されているという、「いったい何のためにいるのかよくわからない」存在に甘んじている現状…ここから先、目を見張る自己主張が出来るのか、注目していきたい所だったり。
(答え:最後までほとんど変わりませんでした)
ジェノサイダーへの合体を説明しよう。
まず、メイン本体となるメタルゲラスの頭(メタルホーン)を外す。
次に、ベノスネーカーの身体の節々の向きをそれぞれ互い違いに回し、ドラグレッダー的な体勢にする。
ベノスネーカーの首の下…ドラグレッダーで言うところの「ドラグシールド接続部分」の穴を、メタルゲラスの頭の内側にある突起にはめる(右写真・赤の矢印辺り)。
この時、やや強くはめ込む必要がある。
これにより、メタルゲラスの首から胸、腹部分が通常時より前にせり出す感じになるが、空いてしまった背中部分には、エビルダイバーで蓋をすることになる。
エビルダイバーのヒレを反対方向を向くまで一杯に広げ、腹部分にある2箇所のジョイントを、メタルゲラス背中部分の凸ジョイントにはめる。(右写真・青の矢印)
この時、ちょっとしたコツがいるので、最初だけ戸惑うかもしれない。
また、ベノスネーカーの身のひねり方が悪いとこの行程がうまくいかないので、注意しなくてはならない。
最後に、最初外したメタルゲラスの頭を、ベノスネーカーの頭に被せる。(写真・緑の矢印)
メタルホーン裏側にある突起部分を、ベノスネーカーの頭部の穴に差し込むのだが、凸部分に奇妙な曲がりが加わっているため、ちょっとコツがいる。
これで、固定ができれば合体完了。
で、合体した後のジェノサイダーのギミックの売りは…………
●アドベントカード
王蛇は、そのボリュームに合わせてか5枚もカードが付属している。
- ●特殊効果:このカードがレベルアップフェイズで場に出たあと、自分の場のコブラ、サイ、エイの紋章はお互いつなげる事が可能になる(レベルは合わせて場に出すこと) (ATTACK 5000)/「剣」
- 上辺右から5番目の端子部分に穴。
・RK-057モンスターカード LEVEL4「ベノスネーカー」:
- ●爆発するパワー! 弾丸と化したメタルゲラスが、金色の角で獲物を射抜く!!(ATTACK 4000)/「剣」
- 上辺右から5番目の端子部分に穴。
・RK-058モンスターカード LEVEL3「メタルゲラス」:
- ●巨大な影が大地を覆うとき、浅紅(せんこう)のモンスターが戦いの大海原へ飛来する!!(ATTACK 5000)/「岩」
- 上辺右から5番目の端子部分に穴。
・RK-059モンスターカード LEVEL3「エビルダイバー」:
- ●特殊効果:自分の場にモンスターカードがあれば、捨て山かデッキ(その後よくきる)からモンスターカード2枚までを出してモンスターカードに重ね、一番上のカードのポイントのみを使う ●1デッキ1枚 「羽」
- 上辺右から4・5・7番目の端子部分に穴。
・RK-060ベントカード LEVEL3〜4「ユナイトベント」:
- ●自分の場か手札から「仮面ライダー王蛇−3デッキ−」と「獣帝ジェノサイダー」を捨てることで手札から場に出せる(ATTACK 8000)/「羽」
- 上辺右から3番目の端子部分に穴。
・RK-061ベントカード 特殊発動「ファイナルベント ドゥームズディ」:
(以上、原文ママ)
●展開
一部では結構な人気を誇っているように思われたR&M王蛇だが、実は意外な事に、玩具はほとんど人気がなかったらしい。
筆者も、当時取材らしきものをして驚いたが、発売直後からいつまでも残り続けているシリーズ商品はこれが初めてで、子供なんかもほとんど見向きもしなかったらしい。
もちろん、全部の場所が必ずこの条件に当てはまっているとは思わないが、筆者自身が訪ねた個人商店などでは、結構ドン底クラスだったようだ。
また、大型店舗などでも早速山積み&安売りのターゲットになってしまった事も記憶に新しく、発売直後のトイ系イベントなどでも、かなりの値引きが成されたにも関わらず、あまり売れているように感じられなかった。
他の新商品はとっととなくなるというのに…。
造形的な出来の良し悪しはともかく「遊べない」となれば、コレクター的な意欲が大きく減退するだろう事は想像に難くない。
で、ちょっと突っ込んだ事を店舗関係者に聞いてみた。
王蛇は、子供達にどう受け取られているのか、と。
その返答は、やっぱりというか「悪役のせいか、欲しがるそぶりをみせる子はほとんどいないようだ」という事だ。
購入していく子もいるにはいるが、圧倒的に“度外視”する子の方が多いとも聞く。
う〜む…これだけで全体的な評価を定めるのは危険だが、なかなかリアルなご意見だ…
なんか、子供に結構な人気だという話も聞いているんだけどなあ。どっちがホントなんだろうか…混乱してきたぞ。
当然、なりきり系アイテムの「ベノバイザー」も、ほとんど同様の扱いを受けているという。
…この前、とあるイベント会場で楽しそうにベノバイザーを持ち歩いている子供と出会ったが、随分珍しい光景…だったんだろうなあ、きっと。
…などと、本放送当時に書いていたら、一部で猛烈な反発を受けてしまった。
ある時なんか、当時のバンダイの月別売り上げ記録一覧まで提示して反論された事があった。
それによると、R&M王蛇の売り上げが一位になっている。
きちんと調べれば、そんな馬鹿げた結論が出る分けないじゃないか、という意見だった訳だ。
ところが、その資料の続きをよくよく見ると、次の月からあっという間に順位ガタ落ち状態で、R&Mナイトサバイブ発売時期にはリストのかなり下の方でやっと名前を見つける程度にまで落ちぶれていたのだ。
また、R&Mナイトサバイブが数ヶ月に渡って上位をキープしていた事も考えると、やはり、R&M王蛇は発売開始時のみ僅かな勢いがあり、後は失速し続けたと判断せざるをえないだろう。
王蛇ファンの人や、R&M王蛇を探し回っていた人にはかなり申し訳ない言い方になってしまうのだが、「これが当時の現実」だったと認めていただくしかないかと…。
もっとも、だからと言って商品そのものの価値感が変わるわけじゃないんだけどね。
販売終了後、再評価された商品なんかいくらでもあるんだから。
R&MEX 仮面ライダー龍騎ブランクフォーム ¥1,500円
セット内容:
- 龍騎ブランク体
- ライドバイザー
- ライドセイバー・完全体
- ライドセイバー・折れ
- アドベントカード×5
- 取扱説明書
王蛇の手前に発売されたアイテムで、第1話・2話・16話などに登場した龍騎の“モンスターとの契約が成立していない”状態を再現したもの。
モンスターが付いて来ない都合上、一番の低価格。
まさかの商品化という事もあり、一部では大変喜ばれた。
そして、また別な方面では大変な需要が求められたらしいが、これについては後述。
では、ブランク体。
「ブランクフォーム」という名称は玩具独自のもので、本編内では「ブランク」、設定的には「ブランク体」という呼称が正しいらしい。
この“フォーム”は、当然クウガやアギトのアレを継承した呼称みたいなものだろうが、なんとなく、装着系玩具が大流行りした頃になんでもかんでも「クロス」という名称が用いられた事を思い出す。
このブランクは一見龍騎の単なるリペイントに思えるが、「頭部てっぺんの模様」が異なり、「カードデッキのタンポ印刷の有無」もしっかり再現されている。
また、腕に接続するライドバイザーは当然完全新造で、ものすごく無骨なシルエットをしっかり再現していて微笑ましい。
ブランクは、龍騎の赤いボディカラー部分がダークグレーがかったブルー系に変更されている訳だが、これによってあらためてそのデザインの良さをしっかり再認識する事ができる。
これが、最大の売りではないだろうか。
前回でも触れたが、仮面ライダー的デザインコンセプト云々は抜きにして考えると、龍騎は玩具的には大変よく出来たデザインであった事がわかる。
とはいえ、ボディカラーの「赤」が災いし、やや膨張して締まりがないように感じられてしまう部分があった。
対してブランクは、全体のイメージを引き締める「黒系」の塗装で統一されているため、よりスリムな印象が強まるのだ。
造形的にまったく同じ筈なのに、これだけで全体のシルエットの印象がまるで変わってしまうのだから、すごく不思議。
これにより、実はシリーズ全体の中でもトップクラスのスリムであるという事実が判明したりする。
うーん、ホントに色による印象変化って、不思議なものだなぁ。
しかし、ブランクでかっこいいポーズを取らせて飾ろうという人は、そんなに多くないんじゃないかなー?
やっぱり、飾るんなら“へっぽこ極めた”情けないポーズで配置したいのが人情というもの。
嗚呼…せっかくこんなにカッコイイのに…。
そうそう、へっぽこといえば、この商品のパッケージの裏写真は必見。
メイン商品で「やられている」場面を再現しているなんて、これくらいのものじゃないか?!(爆笑)
2本付いているライドセイバーも、シャレが効いててイカす。
まともなものと、途中からポキッと折れたものが両方入っているというものだ。
折れた方は、第一話にてディスパイダーに切りつけた直後の「折れたぁ?!」を再現するのにとても重要。
筆者は、これが入っていることでバンダイをかなり見直した。
でも、個人的には「ほらよっ」って感じで適当に放り出されてくるのが好きなんだよなー。
カード使用者の手の中に落ちてこないのって、これだけでしょ?
●アドベントカード
この商品には、なんと5枚もカードが入っている。
しかも、そのセレクトもなかなかおいしいものだったりする。
個人的には、「契約」「封印」のカードが入っているというのがツボ。
諸事情でカードがダブった人(意味深)は、どこかにさりげなく飾っておくと良いかもしれない。
- ●特殊効果:このカードがバトルフェイズで負けていても、レベルアップフェイズ開始時に表向きに戻る(ATTACK 1000)/「岩」
- 上辺右から2・7番目の端子部分に穴。
・RK-049ヒーローカード LEVEL1「仮面ライダー龍騎 ブランク体」:
- ●特殊効果:「仮面ライダー龍騎ブランク体」につなげて出したときのみ、相手の場のレベル2カード1枚を捨て山に送る。その後このカードも破壊され、捨て山に送られる(ATTACK −)/「剣」
- 上辺右から5・7番目の端子部分に穴。
・RK-050ベントカード LEVEL2「ソードベント ライドセイバー」:
- ●特殊効果:このカードが自分の場に表向きであるとき、自分は紋章にかかわらず手札からモンスターカードを出す事ができる(レベルは合わせて場に出すこと)。●1デッキ1枚 「羽」
- 上辺右から5番目の端子部分に穴。
・RK-051ベントカード LEVEL1〜3「コントラクト −契約−」:
- ●特殊効果:このカードが自分の場に表向きであるとき、相手はモンスターカードを場に出せない。●1デッキ1枚 「剣」
- 端子部分に穴がない。
・RK-052ベントカード LEVEL3〜4「シール −封印−」:
- ●特殊効果:自分のデッキからカード1枚を手札に加え、手札から1枚捨てる(ATTACK −)/「岩」
- 上辺右から2・6番目の端子部分に穴。
・RK-053フォースカード LEVEL2「ライドバイザー」:
(以上、原文ママ)
●展開
「R&MEX ブランクフォーム」は、その名の通りシリーズの中でも特別な位置付けにあるものらしい。
発売当初は、各店舗に山積みになっていたものだが、しばらくしたら綺麗さっぱりなくなってしまった。
再生産とか、しないのかなぁ? …とか書いていたら、ある日突然、某所で再び山積みとなっていた。
どうやら、特別品数が少ないというわけではないようだが、出たり消えたりを繰り返している様子ではある。
欲しいなら、見かけた時にゲットしておいて損はないという事だろうか。
(※注:その後、見事にプレミアつきましたとさ)
先ほど触れた「別方面の需要」についても軽く記しておこう。
実は、このブランクは改造素体として大変意味のあるアイテムでもあり、玩具改造を得意とする人達はこれを大量に購入し、玩具化されていないライダーを作り出す作戦に出たようだ。
具体的な方法はともかく、だいたいのパターンとしては、頭部や胸部の大幅な体積削減、塗装の変更、カードデッキ部分のペイントなどを施すのが主流のようだ。
そして、そこにパテや既存の流用可能パーツを加え、形を整えていく…らしい。
「らしい」というのは、筆者が玩具の改造を基本的にやらない主義だからよくわからない、という意味なのだが、多分そんなに大きく外れてはいない…んじゃないかなあ?
少なくとも、シザースはこのやり方の発展型で再現するというのが定番のように感じられる。もちろんそれぞれの秘伝もあるだろうが。
だが、「仮面ライダーライア」「仮面ライダーガイ」などになると、実は別商品からのパーツ流用が効くらしい。
ユタカから発売されている「ツインヒーローシリーズ」の2にはライアとガイがいるらしいが、これがR&Mシリーズとだいたい同じ対比。
そのため、パーツ取りには大変便利のようだ。
もちろん、パーツをそのままブランクに被せて終わり…ってな事にはならないから、さらなる加工は必要だろう。
また、ガイの腰アーマーのように接続方法をよく考慮しないと、ポージングに支障を来す可能性もある。
さらには、ボディカラー部分の塗り替えにも気を配らなければならない。
R&Mの共通ボディ部分は、一見プラ製に思えるが実はゴムに近い質感の材質で、従来のプラ用塗料だと食い付きが悪いらしい。
そのため、適した塗料選びから始めなければならない。
…ライアもガイも、シザースも黒だからねえ。
無理矢理我慢するという手ももちろんありだろうけど。
これらは誰もが行える改造ではないのだろうが、こういう楽しみ方もまたアリかな、なんて考えてしまう。
自分も、商品をもっと買えたら挑戦してみてもいいかなぁ…なんて思い、この度「ツインヒーロー」を購入して制作してみた。
…が、とてもじゃないけどここでそのレポートや写真を掲載するには至れない程度のシロモノに仕上がってしまった!
R&MEX 仮面ライダーリュウガ ¥3,000円
セット内容:
- リュウガ本体
- ドラグブラッカー・胴体
- ドラグブラッカー・足部(ガードベント)×2
- ドラグブラッカー・尾(ソードベント)
- ドラグブラッカー・頭部(ストライクベント)
- ブラックドラグバイザー
- ガードベント用グリップ×2
- アドベントカード×3
- 取扱説明書
劇場版に登場した、黒い龍騎。
格子状ゴーグルの奥から覗く、赤く吊りあがった目と、ガンメタルを含んだ黒いカラーリングが大変格好良い。
当初、本編(この場合は劇場版)の内容にも絡めて書こうと思ったのだが、見に行ってない・行けなかった人へのネタバレを避けるため、あえて玩具だけをピックアップしていきたい。
「R&MEX リュウガ」は、言うまでもなく「R&M1 龍騎」のカラーリング変更バージョンのようなものだ。
もちろん微妙な造型の違いもあるのだが、だいたいそんな感じで考えて間違いない。
リュウガ本体は、顔面・胸部前面・頭頂部・メインボディ・脚部ほぼ全体が黒で、(バイザーではない)手甲部分・後頭部・上半身・グリーブ(すね前面アーマー)部分がガンメタルカラーになっている。
また、カードデッキも従来のものとはカラーバランスが異なり、黒地(または暗目の別カラー)に金のモチーフマーク(紋章)ではなく、シルバー地に黒い紋章が被さっている。
ちなみに、このモチーフマーク、なぜかタンポ印刷が豪快に大失敗しており、龍の頭のマークではなく“ワカメかコンブ”のようになっている。
どうやらマークの輪郭線から塗りがはみ出まくっているように感じるが、こうなった原因そのものはわからない。
当初は例の“個体差”かとも思ったが、どうやらそうではないらしい。
どの商品も、バックル部分では“Crawling-Kelp”がうねっているのだ。
また、どうもこの紋章、上半分くらいしかないようにも感じる。
どう見ても、龍の鼻先に当たる部分まで印刷されていないように見えるのだ。
かなり気になる所なので、塗装派は塗り直しに挑戦してみるのもいいかもしれない。…めちゃくちゃ大変だろうけど。
特徴的な頭部を見てみよう。
リュウガと龍騎のもっとも違う部分がここだが、リュウガは、龍騎にあった“複眼のふくらみ”がまったくない。
本当に、黒ゴーグルの上から格子状のパーツが被っているだけだ。
そして、例のツリ目はゴーグルの奥で光っている。
これを再現したこの商品では、格子の隙間にだけ赤を落とし、奥で光るツリ目を表しているのだ。
…が、当然そんな精密な作業を要する部分だから、塗りミスも結構多い。
個人的印象では龍騎の時よりはマシに感じられるが、右目の上半分が黒に侵食されている品を見つけてしまった以上、やはり無視は出来ないと思う。
これ以外、リュウガと龍騎の明確な違いはほとんど存在しない。
しかし、そのあまりに異なったカラーリングコンセプトは“まったく別のライダー”と言っても遜色のないほどで、単純なブラックバージョンに堕していない所はさすがだ。
次に、暗黒龍ドラグブラッカー。
こちらは…もう完璧に「ドラグレッダーの色替え」バージョンだ。
胴体側面のシールのデザインをはじめとして、カラー配置やバランス等、「赤→黒」に変換しただけと言っても過言ではない。
目は赤になっている。
唯一、尾(ドラグセイバー)のカラー配置だけが異なっており、刃の中心部にもメインカラーが侵食している形になっている。
龍騎にもこれくらいの配色があってもいいかなー…なんて思ったのだが、これは黒だからキマるのかもしれないし…微妙かな?
個体差報告になってしまうかもしれないが、実は筆者が購入したものは、ドラグレッダー以上に胴体部の結束力が強い。
すでに何度も動かしているドラグレッダーは緩んでしまっているだけかとも考えるが、どっちにしてもドラグブラッカーの節々がめっちゃ強い(固い)事は間違いないようだ。
ポージングに支障はないレベルだが、これは結構嬉しいかもしれない。
前回触れなかったが、ドラグレッダー型ジョイント接続形式モンスターは、ボールジョイントの軸受け部分が破損しやすいらしい。
これはそれぞれのユーザーの使用頻度にもよるだろうが、あまりカタカタになっているようだったら、一度外して中を確認してみるといい。
最悪の場合、軸受けが中で割れている事もあるという。
その場合、素直にメーカー修理に出すか、自分で直すしかなくなるが、軸受けの割れを塞ぐよりも、むしろ軸に何かを巻いてはめ込んだ方が賢明かと思われる。
接着剤を軸の周りに塗り、完全に乾いてからはめるとか、両面テープを短く切ったものを軸に貼りつけてみるとか…
先の通り、ドラグブラッカーのパーツ(武器)は完全に龍騎(ドラグレッダー)と造形的に同じものであるため、ここで特別触れる事はない。
言い換えれば、前回の龍騎の項の長所・短所がそのまんま適応されるという事だ。
やはりドラグクローはハメ辛いし、バランスも悪い。当然頭が二つ付いてるなんて事もない訳で…。
でも、カッコイイんだよなぁ、ホント…。
結局、筆者的にはそこに落ちついてしまうのである。
もちろん「全部パーツを外した後の黒ミミズ」も例によってアレである。
で、ちょっと脱線した事を考えてみたのだが、リュウガの良さは、やっぱり「龍騎ありき」で初めて際立つのではないかな、なんて思い始めた。
玩具の出来の良さやコンセプトはともかくとして、龍騎のデザイン自体はやっぱり「あまり良いとは言えない」ものだ。
ライダーという銘柄のせいで付けられてしまったとしか思えない“ゴーグルのふくらみ”や複眼、また、あまり引き締まった印象を与えない全身の赤色…それでも、本編の中ではなかなかうまく活かしていて面白いと思うし、大変魅力的だとは思うのだが、まとまりのあるデザインとは言いきれないのは確かだろう。
玩具の種類によって、顔部分の造型の概念が大きく異なってしまっているというのも、欠点の一つと言えなくもない。
つまり“ある程度以上のサイズでないと、立体にしにくい”ものなのだ。
そして、私達視聴者はそれにいつしか慣れ、それなりのかっこよさを見出し、そしてあのコミカルな演技と仕草に微笑ましさを覚えてきたのだ。
対して、リュウガは“本来こうしたかった龍騎の姿”とも取れる、ライダー的な束縛の無視が許された存在だった。
だから複眼もないし、顔面が黒一色という“本来なら絶対やってはいけない”配色までもが認められた。
考えてみたら、こんなにアクセントの少ない顔というのも大変珍しい。
恐らく、龍騎がいない状態でこのリュウガの立体物を見せられたとしても、イマイチピンとこなかったのではなかろうか?
デザインの良し悪しの話ではなく、“良さを掴み取り辛い”存在だったのではないかという意味だ。
しかし、龍騎という“奇抜なデザインと行動パターンを持つ”ヒーローと並び立ち、初めてリュウガの良い部分が何か、はっきりと見えてくる。
ゴーグルのふくらみがない事に驚嘆し、ある意味大胆なカラーリングに動揺を覚える。
光を吸収してしまう系列の色だけで、輪郭の強調を義務付けられるべき立体物を塗装してしまう事は、映像の上では“顔を潰す”のに均しい行為なのだから。
しかし、龍騎という印象深いフェイスデザインの刷り込みがあるおかげで、たとえリュウガの顔が影のせいで沈んでしまっていたとしても、脳内で無意識に補える。
その上で、龍騎とまったく違う“赤く鋭い眼差し”に、畏怖を感じるのだ。
これまでも、黒を基調としたヒーローやライバルキャラクターが何人もブラウン管に登場し、その姿を印象付けていったが、いずれも黒とは対照的な“明るい配色”を散りばめる事によって、逆に部分的な造型の印象を強めていた。
もっとも黒一色に近いと思われる「マッドギャラン(巨獣特捜ジャスピオン)」も、身体のあちこちに真っ黄色のポイントが施されていた。
個人的には、そういう配色面での妥協が徹底的に少ないリュウガが、大変気に入っている。
●アドベントカード
リュウガ付属は3枚。
本来スタンダートな枚数の筈なんだけど、5枚封入物を2つ連続で見てきた後だと、ちょっと寂しい気もしたりして。
- 闇より黒きそのボディ! その眼に映るもの全てが、暗黒へと誘われる…(ATTACK 3000)/「羽」
- 上辺右から2・3・4・6・7番目の端子部分に穴。
・RK-076ヒーローカード LEVEL1「仮面ライダーリュウガ」:
- 黒き尾を引く流星! 敵の視界を暗黒で包み、永遠の闇をもたらすのだ!!(ATTACK 4000)/「剣」
- 上辺右から5・6番目の端子部分に穴。
・RK-077フォースカード LEVEL4「DRAGON BREAK 昇竜突破」:
- 闇の竜巻が渦を巻く!あらゆる光を打ち消す、ブラックホールの如き暗黒!!(GUARD 4000)/「岩」
- 上辺右から5・6・7番目の端子部分に穴。
・RK-078フォースカード LEVEL4「TORNADE DEFENCE 竜巻防御」:
(以上、原文ママ)
●総括【買ってみて一言】
すでに放映終了して久しい「仮面ライダー龍騎」だが、以下では本放送中に書いた分析を、そのまま掲載しておきたいと思う。
まだ放映期間が充分残っている上に、クリスマス商戦も残っている状況で明確な結論を出せないのは当然だが、展開の変化は充分ありうるという前提で、現段階の状況をちょっと考えてみよう。
今回紹介した商品群は、いずれも別々な理由から話題に上ったものであった。
その時点でのシリーズ最大規模を誇っていた「R&M 王蛇」、龍騎のバリエーションタイプであるにも関わらず、別な魅力と用途を見出された「R&MEX ブランクフォーム」、そして劇場版でのえげつない活躍も記憶に新しい「R&MEX リュウガ」…昨年度のアギトの頃と比較すると、それぞれの商品が持っている話題性はものすごいものがあるように感じられる…が、はたしてこれは全体的なものだったのだろうか?
前回あえて触れなかったが、一時期、各所で龍騎関連玩具の売上不振についての論争が巻き起こったことがあった。
巷で騒がれているほど、龍騎の関連玩具は売れておらず、商品人気もほとんどないという意見から派生した流れだったようだ。
ただし、これは明確なソース提示により証明されたものなどほとんどない、ただの意見のぶつかり合いでしかなかったようにも感じられる。
一概に言いまとめられない気配もあったという事だ。
以前パワーアニマルを扱っている時にも触れた事だが、ここ数年、個人商店と大型店舗それぞれの商品に対するスタンスがかなり変わってきた。
現在の流通事情を、簡単に説明してみよう。
なお、以下の事情は日本全国どの店舗にも当てはまるものではなく、あくまで一般的なものである、という事をここで強調しておく。
まず新番組が始まり、最初のメイン商品ラッシュがやってくる頃には、「ソフビ系」「なりきりグッズ系」「チープトイ系」などの第一陣が各店舗に出揃っている訳だが、この時点では入荷日の遅れはあるものの、あまり大きな差は生じない。
しかし、メイン商品…龍騎で言うなら「R&M」、ハリケンジャーで言うなら「DX旋風神」のようなものが登場しはじめると、入荷状況がだんだん深刻化してくる。
メーカーは、トイザらスやさくらやなどの大型店舗への出荷をメインで考えはじめ、個人経営店や小規模店舗は二の次という事で配分商品数を決定する。
これには、各店舗で事前に取った予約数などは一切関係ない。
必ずしもこの限りではないのだが、個人店一軒の視点で見た場合、大型店との入荷比率は9対1くらいの割合になる事もざらだ。
具体的に言うと、大型店で山積みになっている新商品が、個人店では1つしか入荷していないなんて事もある。
そして、これが売れてしまった後の再入荷は「未定」という事になり、いつ入ってくるか本当に見当がつかない事になる。
事実、私の知るとある店舗は、発売日に一つ入荷したっきり、この原稿を執筆している9月下旬現在まで一度も「R&M ゾルダ」が入荷していない。
すでにこの時期、各大型店では当たり前のように入手できるようになったというのに、である。
では、そういう店舗は新番組の商品入荷がまったく行われないのかというと、そうではない。
メイン以外のものが、ぼこぼこ入ってくるのだ。それも「ソフビ系」などのような、主力にはならない二番目三番目クラスのものが、である。
個人店によっても、入荷頻度が高いところがあり、そこは例外的…な見方をすべきなのだが、実はこれには裏がある。
個人店で入荷頻度・数を優先させてもらうための「条件」というものがメーカーから提示されており、それを可能な限り多く満たした所は、大型店舗ほどではないにせよそこそこの展開を行う事ができるのだ。
たとえば、2002年は
- MSinアクションを全種類取扱
- S.I.Cシリーズを全種類取扱
- その他、メーカーが希望するいくつかの商品シリーズ(デジモン等)をなるべく多く取扱
- さらに、それらについて充分な商品知識を持っている店員がいる事
こんな条件が本当に提示されている。
(実際はこれより遙かに条件が厳しい。上記は、筆者がかろうじて覚えていた範囲に過ぎないので念の為)
これが満たされていれば、新商品入荷は有利になる…という旨の書類が、商品入荷の際に回ってくるのだ。
だから、個人店なのに人気商品の入りが良い所は、同時にこれらの商品も充実しているというわけだ。
遠回しに「店舗としてのグレードを上げろ」と言っているわけだが、ファミコン後期以降のTVゲームの事情がどうなっているのかまったく見当もつかないようなおじちゃん・おばちゃん店員の店なんかには、あまりにハードルが高過ぎる。
こんな条件、ほとんどの個人商店がクリアしていける筈がないのだ。
そのため、在庫処分のための値引きはおろか、満足な販売すらも危うい状況に陥りやすくなってきているのが現実なのだ。
回りくどくなったが、つまりこういう条件を満たせない店舗は「主力商品がないのに、廉価版や二次・三次主力商品ばかりが充実していく」傾向が出てくる。
そうすると、「価格の安いものの動き」がわかりやすく、逆に主力商品を欲しがるお客の声・要望も多く耳にする事ができるようになる。
ここで本題に戻ると、こういう状況の個人店にもかかわらず売れ残る主力商品というのがあるのだとしたら、それは二つの可能性が考えられる。
一つは、すでに充分な商品数が出回ったか、主役格パワーアップなどによって商品鮮度が落ちてしまい、全体の購入意欲が下がった場合。
そしてもう一つは、単純に「人気がない」場合だ。
実は、後者の条件には「R&Mナイト」と「R&M王蛇」がよく当てはまっている。
特に王蛇に対する反応は辛らつで、先にも述べた通り、場所によっては現行主力なのにもかかわらず、まったく動く気配がない。
ナイトについては、ナイトサバイブの登場などでまだわからなくもないが、王蛇の反応は別な意味で驚かされる。
また、ソフビ系は龍騎に登場した初期ライダー系ばかりがよく流通し、大変在庫を潤してくれるという。
まったく売れていないわけではないだろうが、ここまで来るとさすがに見向きもされない傾向も出てくる。
稀にマニアな客やお父さんが購入する事もあるが、子供の反応としてはあまり良くないとの事。
というより、「もういい加減…」という色が見えるそうな。
つまりは、これも「充分必要所に行き渡った」という事なのだろう。
どんな商品でもいずれはそういう時期が来るものだが、龍騎の場合、そのローテーションが早すぎることに問題がある。
前回触れたように全部のライダーを主力商品化するわけにはいかない事情もあるので、新商品への興味を維持させておく事も困難になってくるのだ。
これからも、まだいくつかの新商品が控えている同シリーズ…それぞれの商品にどういう注目が集まるのか、注目していきたいと思う。
そしてまた、その流通事情なんかも…
比較的安定して入手する事ができると思われている商品も、場所によってはまったくそうでないという事がわかる。
そしてこれは、何かの限定版が出れば益々厳しい状況へと落ちこんでいく。
大変趣深いウォッチングターゲットであるとも言えるわけだが、さて…?
- | R&M仮面ライダー王蛇 |
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