第59回 ■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーW サイクロンサイクロン&ジョーカージョーカーDXセット
2010年9月12日 更新
2010年3月31日発売のホビージャパンムック「S.H.フィギュアーツ コレクションブック」誌上及び、「月刊ホビージャパン2010年6月号」本誌上で受注販売※。
受付期間は3月31日〜6月10日で、9月1日配送開始(2日頃到着)。
配送開始日の六日前(8/26)に、魂ウェブ限定「ミルキィローズ(Yes!プリキュア5GoGo!)」「SHF仕様ギルスレイダー」「FFRブレイドブレード」の発送開始。
配送開始日の四日前(8/28)に、「S.H.フィギュアーツEXマシンハードボイルダー」が発売。
東映ヒーローネットでも受注されており、こちらは後述の魂ステージが付属しないセット内容だった(配送開始日はDXセットと同じ)。
全高はそれぞれ約14.5センチ(ツノ含まず)
各4種8個の手首付き。
ウィンディスタビライザー(マフラー)2種4点付属。
DXセットのみ、3点の専用台座付属。
DXセットの価格は送料・手数料・税込で8,140円(ムック本誌代は除く)。
東映ヒーローネットのセットは、上同7,140円
※ただしホビージャパン本誌からの注文は、1冊1点のみの限定だった。
仮面ライダーWサイクロンサイクロン(以下CCと表記)・同ジョーカージョーカー(以下JJ)
「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」(三本中三本目)に登場した姿で、仮面ライダーディケイドのファイナルフォームライド(FFR)の力を受け、サイクロンジョーカー(以下CJ)から発生したイレギュラーな存在。
セントラルパーティション(中心線)から左右真っ二つにされた後、それぞれ欠けた半身が補われて登場。
このようなプロセスのため、W派生フォームとしては唯一(唯二?)ガイアメモリの能力を介していない。
CCにはフィリップ、JJには翔太郎の意志が宿っており、それぞれ独自行動が可能となった。
所謂「必殺技専用形態」のせいか登場時間と活躍はごく僅かで、ディケイドと協力して「トリプルエクストリーム」を決め、スーパー死神博士の生み出した究極生命体の最終形態「アルティメットD」を撃破した。
魂フィーチャーズ会場で展示されていた「まさかのアイテム」が、遂に到着しました。
インパクトこそあれど、登場時間激短のこの形態が、まさか立体化するとは!
これで、フィギュアーツWの同一原型バリエーションはとうとう12種類にも達してしまいました。
ここに更にファングジョーカー(以下FJ)やらサイクロンジョーカーエクストリーム(以下CJX)やら加わるわけですから、本当に恐ろしいことです。
というわけで、今回も基本仕様は過去製品と同じなので詳しいギミック説明はオミットします。
まずはCCから。
メタリックグリーン一色に染まったWということで、多くの注目を集めました。
こちらは色々語るべきポイントが高いです。
まずは前後比較。
一見今までと大差ないようですが、ウィンディスタビライザーが二枚付属しているのがポイントです。
プラナリア方式で増設された左半身なのであるのは当然なんですが、マフラー基部は一応新規パーツという事になります。
ウィンディスタビライザーは対称になるように、左半身用が新規で作られています。
形状は反転している以外右側とほぼ同じ。
接続方法も同様です。
当然、なびいた状態のものもそれぞれ付属しています。
エクストリーム時には両方たなびいていましたから、ないと困りますが。
左半身肩周辺。
マフラー用の穴が空いてます。
ただ穴が開いただけでなく、右肩同様内部に軸受けが新造されています。
今回は左右どちらの穴もやや緩めになっていて、気を抜くとすぐ外れてしまいがちです。
ひょっとしたら個体差があるかもしれませんが。
ある意味で今回最大の目玉となる「色付き関節」。
CJ発売当時散々叩かれた「緑ボディに黒関節」の違和感が、ようやく解消されました。
ようやく、と言っても、正確にはFJやアクセルで対応しているので今更なんですが、やはり嬉しいものは嬉しいです。
ヒジだけではなく、膝も変更されています。
その他、股関節・首ジョイントもすべて緑色で、つまりは黒関節が完全に廃されているということです。
ただし、色が付いたと言っても試作品のようなメタリックグリーンではなく、成型色です。
しかも「SHFハードボイルダー」の後部のようなうっすらメタリックが入ったものでもない、純粋な緑色。
ここを残念がる人もいるかもしれませんが、試作品のヒジ関節には塗装がハゲた痕が見られたので、ヘタに色塗られるよりはこの方がいいんじゃないかと思えます。
CJ発売前、右半身の関節色がどうなるかで様々な議論が渦巻き、実売後しばらくはガックリムードも漂いました。
当時悲しみに暮れた人も、CCを利用することでやっと理想的なCJが再現出来るようになりました。
これはなかなか嬉しいかもしれません。
黒関節にすっかり慣れたとはいえ、やはり緑関節だと違和感が薄れていい感じにフィットしますね。
出来れば最初からこうして欲しかったものです……
肘や膝関節をわざわざ取り出さなくても、腕や足を丸ごと交換すればいいわけですから、実にお手軽です。
ただし、肩アーマーの付け根などはそのままなので、ここまで変えようと思ったら大幅な改造を要します。
全サイクロン系に適応させるとしたら、それだけでCCが三体以上必要になるわけであまり経済的とはいえません(まして銀や青の関節はどうしようもないし)。
んで、これは当然CJXにも適応出来るわけですが、いい加減めんどいので止めます。
……。
忘れてはいけないことですが、サイクロンカラーという事は塗りエラーが多発しやすいという弱点も持ち合わせています。
CJ同様のエラーを引いた人もかなり居た様子なので、気になる人は入念なチェックをした方が良いでしょう。
筆者所有のものも、一部塗料ダマりがあり、大変みっともなくなっています。
ちなみに撮影に使用しているものは、全身にトップコートを吹いています。
付属手首は、CCJJ全て同じ組み合わせ。
まずは変身直後の二本指揃え。
毎回のように入っているものですが、正直これは必要なかった気がします。
だって変身?プロセス特殊過ぎるし、ダブルドライバー依存じゃないし。
と言いつつも、緑の左手は初だからある意味貴重だったり。
続いて平手。
こちらも、左手バージョンがあるのが地味に嬉しかったり。
「お前の罪を数えろ」手も、当然付属。
実際の形とは全然違うんですが、自然な手の形として活用しがいがあるので、これは一番用途が広いかもしれません。
向きは反対の方が良かったかな?
ここにデフォの握り拳が加わって全4種。
出来れば武器持ち手も欲しかったんだけど、案の定付属してくれませんでした。
これで、CCを「SHFマシンハードボイルダー」に乗せるのは、事実上不可能となってしまいました。
非常に残念!
緑と黒(または銀・青)の組み合わせに慣れたせいか、全身緑には良い意味での違和感があります。
この“Wにしかありえない”どこか違う感は、マイナスではなくむしろプラスになる個性だと筆者は考えています。
ただ緑一色だと引き締め効果がなくなるせいか、JJ他より太めに見えてしまう印象もありますね。
それはそれで面白いものですが。
中身がフィリッ八なので、それっぽいポーズを取ってみたり。
可能ならFJにあった人差し指を伸ばした手首とか欲しかったかなーと。
まー所詮はFFR兵器の片割れ。
CJをはじめ、サイクロン系フォームと揃い踏み。
緑なのが四体も並ぶと、なんつーか派手というか……
CJXとも比較。
ふと思ったのですが、CJXにFFRかますと一体どんなことになるんでしょう?
巨大なプリズムビッカーやエクス鳥になるのか?
それとも三分裂?
CJの肩に、CC左側のたなびくマフラーを接続してみました。
表情付けの足しになるかなと思ったけど、結果は……あんまり変わりませんね。
CCのダブルドライバーアップ。
中心部のウインドウの色は、両方ともグリーンになっています。
続けてJJ。
2月に初公開、七ヵ月後に到着したわけですが、まさかその間に「仮面ライダージョーカー」という良く似た存在が登場し、しかも先行発売されてしまうという、ちょっとしたサプライズが印象的です。
このおかげで若干存在感が薄まってしまった感もありますが、それでもやっぱり嬉しい商品化です。
前面背面比較。
こちらは特に何の装備もなく、基本スタイルまんまです。
セントラルパーティションの銀色って、意外に引き締め効果あるんですね。
こちらにもおま罪手が付いているので、(中身が翔太郎ということもあり)本家「お前の罪を数えろ」。
――いや待った、翔太郎の肉体をベースに変身したCJからの派生だから、CCJJがそのまま変身解いたら、やっぱり翔太郎が二人いることになるのかな?
それとも(以下グロ想像のため省略)
先の通り、CCJJは事実上クウガゴウラムやブレイドブレード等と同じような存在なので、特にこれといった個性的なアクションに恵まれていません。
なので、ここは劇中のイメージに捉われずに弄くりまくるのが正しい姿かも?
てなわけで、時計を気にするようないつもの戦闘前ポージングなど。
ジョーカーにならってライダーキックをさせてみたり。
部分的に違う色が入っただけなのに、ジョーカーとは全然違う印象になっているのが面白いです。
おまけのライダーパンチ。
勿論劇中ではやってません。
魂フェス限定「仮面ライダージョーカー」との比較。
ジョーカーの情報が初めて出た時は、「JJとほとんど変わんないじゃん」等と言われていたものですが、劇中活躍の度合いで今やすっかり立場逆転。
しかし、バックル形状やパーティションのおかげで、やはりJJの方がW派生フォームという印象が強いようですね。
ちなみにJJのボディはつや消しではなく、CJ等と同じ成型色まんまです。
そのため、ジョーカーと比較すると、同じ黒なのに結構印象が異なります。
頭部のつや消し黒だけは全ジョーカー系共通。
恐らく塗りわけの都合、つや有りにすると違和感が出ると判断されたのでしょう。
本商品最大の問題点として「塗装ムラ」があります。
これは、右腹部前面辺りが一部つや消しになっているというもので、かなりの違和感が生じているというものです。
つや消しをほとんど使用していない筈のJJで、なぜ腹部だけこうなっているのかは疑問ですが、どうやらこれは個体差とは言い切れないようで、各所で多数報告があります。
事実、筆者だけでなく鷹羽飛鳥氏が購入したものも同様の問題が発生していました。
この撮影後、念の為バンダイに返送してみましたが、残念なことに「仕様範囲内となっております」とのコメントと共に戻されてしまいました。
それでも、写真のよりはマシになっていたので、個人的にはOKでしたけど。
JJのダブルドライバーアップ。
中心部のウインドウの色は、両方ともパープルになっています。
CJXを除くジョーカー系フォーム揃い踏み。
やっぱり、どことなく不気味な集団と言わざるを得ない!
「SHFハードボイルダー」と一緒に。
たとえ決戦兵器の一部であろうとも、ライダーであればバイクに乗せたくなるのが人情ってもんです。
さて、左手首がないためバイク搭乗が叶わなかったCCですが、JJは他商品を利用することで搭乗が可能になります。
この通り、右の武器持ち手首を補えるわけです。
左の手首は「ヒートセット」付属のものを利用出来ますが、右手は――
「SHF仮面ライダースカル」は、スカルマグナムを持つため武器持ち手が両方揃っています。
これを拝借することで、JJは乗れるわけですね。
まさに「師匠の手を借りてバイクに乗れたどー」というわけです。
同じ理屈で、ジョーカーをハードボイルダーに乗せる事も可能です。
残念ながら、「スカルボイルダー&スカル」と「ハードボイルダー&ジョーカー」という揃い踏みは叶わなくなってしまいますが。
やっぱり、黒い武器持ち右手はもっともっと欲しいですよね。
CCJJセットは、冒頭で解説した通り2種類あります。
東映ヒーローネットで受注された“魂STAGEが付属しない”本体のみのセット。
ホビージャパンで誌上通販された“魂STAGEが付属する”DXセット。
今回購入したのは後者のため、付属品を紹介。
二体同梱なのに台座が3つ付いているのは、一つが「SHF仮面ライダーディケイド」用だからです。
こちらは梱包状態。
台紙の裏側にセロテープで貼り付けられています。
結構重い!
まずは、CC用のクリアグリーン台座。
盤面の印刷はこの通り。
こんなセリフあったっけ?
ここは「ディケイド、切り札持ってるよね?」じゃないと、ディケイド用台座のセリフと合わないんだけど。
ちなみに、仕様はすべてACT-3なので、台座の連結は出来ません。
こちらはJJ用。
劇中でこれといった台詞がなかったせいなのか、なんとも微妙な文言になっています。
「よぉし、行くぜフィリップ」にしちゃまずかったのかなあ?
逆にいえば、他の二つと絡める事に捉われず利用出来るという事でもありますが。
そしてこちらがディケイド用。
「FARキャンペーン第二弾」に続く、専用台座ですね。
ディケイド、CC、JJを台座に乗せて並べると、こんな感じです。
別売りのフィギュアーツが必要になるとはいえ、なかなかの飾り栄えです。
撮影に使用しているディケイドは「激情態」の通常ヘッド仕様。
フィ「ディケイド、切り札持っているよね?」
ディ「ああ!」ブォーン
「ちょっとくすぐったいぞ!」
まず先にやるのはこっちか!
念願の真っ二つ達成。
さすが世界の破壊者。
翔「よぉし、行くぜフィリップ!」
八「ああ!」
台座を利用して、合体必殺技「トリプルエクストリーム」再現。
……と言っても、ご存知のように両脚キックをかっこよく撮影するのは至難の業。
今回もかなり難のある状態に。
それはいいけど、どーにかならんかったんかいJJのキック時のかっちょ悪いポーズは(手首は一番似ているものを使用)。
以上、CCJJのDXセットでした。
これで、一応現在発表されているW系統フォーム商品はコンプリート。
サイクロンジョーカーゴールドエクストリームや、劇中でイメージとして登場したサイクロンアクセルエクストリームなど、商品化すら定かではない物がまだありはしますが、一旦これでゴールと解釈しても良いでしょう。
……なんて書いてたら、想像を絶する展開に発展して開いた口が塞がらねー。
せっかくだから、W全フォーム(ジョーカー含む)を全部並べてみました。
総勢14体!
一年前は、こんなに増えるなんてこれっぽっちも思いませんでしたが、本当にすごいことになっちゃいました。
さて来年の今頃、タトバな人がどのような状況を作り出してくれるのか……
もうヤケ。
「仮面ライダーアクセル」と「仮面ライダースカル」も加えてみました。
ついでにハードボイルダーも。
2010年9月初旬現在、これがフィギュアーツW系全種となります。
この後「アクセルトライアル」「ナスカドーパント(青・赤)」「ウェザードーパント」「仮面ライダーエターナル」、ついでに「スカルボイルダー」「ハードタービュラー(ユニット)」「スタートダッシュブースト(ユニット)」と、8種類も新作が加わるわけですから、総勢25点!
たった一番組の玩具とは思えない数です。
うちの撮影用ブースでは、絶対入り切りません(もっとも、さすがにいくつか見送った商品もあるんですが)。
【買ってみて一言】
受注時と商品到着時で、テンションにかなり差が生じてしまった感のあるアイテムでした。
2月、魂フィーチャーズで初めて見て、4月に申込をしたテンションを七ヵ月後の9月まで維持するのは難しいもので、しかも途中に突然のジョーカー乱入もあり、すっかり冷静になってしまったような気がします。
また、この七ヶ月間に計12体(FJ、CJX含む)もの良く似た物を手にしているため、新鮮さはもはや皆無。
そんなバックボーンもあり、個人的には「ここまで来たら」的な覚悟で受け容れた、コレクションの一部というイメージが強まってしまいました。
とはいえ、やはり「ほんの僅かな出番にも関わらず商品化された」というレア度は確実に存在し、希少性を愛でるタイプの人には大変に良いアイテムになっただろうとも考えます。
また(JJはともかく)全身明るいカラー一色に染まったWという珍しいスタイルである事、仮面ライダーV3を彷彿とさせる“空にはばたく二枚の翼”も新鮮で、単品としての魅力もきっちり揃えている点は見逃せません。
それに、既に発売済みのディケイドと違和感なく絡められるW系という意味でも、価値はあると思われます。
どういう部分に魅力を見出すかは人それぞれですが、物としては決して悪くない、ただ出すタイミングがビミョーだったという、ある意味変わった存在感のある商品ではないでしょうか。
尚、蛇足ですが本商品の実売価格を計算してみました。
東映ヒーローネット通販のものは除外するとして、先に本誌を購入する必要のあったDXセットは、本来いくら払うべきだったのでしょうか。
嫌な思い出を振り返ってみます。
まず、「S.H.フィギュアーツ コレクションブック」から注文した場合。
本誌代税込2,000円+本体7,140円+送料・手数料計1,000円=10,140円
次に、月刊ホビージャパン6月号からの注文時。
本誌代税込840円+本体7,140円+送料・手数料計1,000円=8,980円
1万円オーバーと9千円弱……なかなかとんでもない出費です。
野暮を覚悟で計算すると、これはCJ単品価格の約4倍に相当します。
対して、9月初旬現在のヤフオクは6千円台〜8千円台以内が相場のようです。
しかも、7千円台以上だと入札も入り難い状況ですから、かなり割安で手に入ってしまう印象ですね。
うっかり注文し損ねたという人も、諦めずに探してみる価値があるかもしれません。
【S.H.フィギュアーツ コレクションブック】
2010年3月31日、ホビージャパンより発売された「S.H.フィギュアーツ」初のオリジナルムックです。
これまでの過去商品の画像及び解説、担当者からのコメントが掲載され、2010年2月に開催された「魂フィーチャーズ」発表のアイテムもメインで扱われています。
最新商品は、WEB限定を含め2010年7月までに発売される予定の物まで掲載。
それ以降の物の掲載はありませんが、「ナスカドーパント」「仮面ライダー新1号」の無彩色原型写真も載せられています。
サイズはA4、本文96Pで価格は税込2,000円。
本誌の発表は「魂フィーチャーズ」上におけるサイクロンサイクロン&ジョーカージョーカーの試作品展示ブースで行われました。
S.H.フィギュアーツのムックですがそれだけでなく、2007年1月発刊の「装着変身大全」(ミリオン出版)の補完として「仮面ライダー電王」〜「仮面ライダーキバ」の装着変身についても触れられており、またマシントルネイダーをはじめとするバイク商品「SHF仕様」と「DXポピニカ(装着変身EX)版」の比較など、興味深いページも含まれ、更に担当者インタビューなど大変読み応えのある内容にまとめられています。
しかし、誌上通販「仮面ライダーW・サイクロンサイクロン&ジョーカージョーカーセット」の応募券が申し込み書の真裏に印刷されているという致命的な校正ミスがあり、ホビージャパンサイト上でお詫び文が掲載されました。
これは、本来であればムック本誌から申し込み書と応募券を両方切り抜き、申し込み書に応募券を貼り付けて郵送するというものなので、このままでは「応募券を切り取りたくても切り取れない(つまり規定通りの方法で応募できない)」という事になってしまいます。
この問題について、ホビージャパン側は
- 申し込み書を切り取りそのまま必要事項を記述して送る(裏側に応募券があるので切り抜く必要はない)
- 申し込み書をコピーし、そちらに本誌から切り抜いた応募券を貼り付けて送る(応募券のコピーは不可)
のいずれかの方法を推奨しました。
このように、ちょっとしたオチャメがありはしたもののムックとしては大変良い物で、資料的価値も高い内容となっていました。
ただ、(応募券問題以外)構成上の問題は見当たらないものの内容については疑問を差し挟む余地がかなりあり、一部のファンは難色を示しました。
どういう問題があったかというと
- 一部商品の仕様表記に間違いがある
- (転載された)担当者コメントの内容に問題が多い
- ごく一部、情報に間違いがある
1は、キュアドリームの「足首も左右の回転だけでなく、ボールジョイントを内蔵しているため、接地もスムーズ(実際は全くのデタラメで、接地・自立は大変に困難)」や「ルナジョーカーに装着するベンダブル仕様の手足パーツが付属する」といった、明らかに事実に反する表記があること。
2は、「ピンクの特色を選ぶのに悩みました。ボデイカラーも同様で〜」「トライ&エラーを繰り返しました」など、担当者が根本的に誤解している表記がそのまま利用されている点。
尚、この商品別コメントはすべて「魂フィーチャーズ」の展示物に付加されていた物をそのまま流用しています。
3は、「装着変身・仮面ライダーゼロノスの発売日が2008年8月(実際は2007年)」といった誤情報(ただしゼロノスの発売日は最後の一覧表では正しく記述されている)。
3の発売日は単なる誤字の範疇ですが、それ以外の誤情報は恐らく「当初の予定はこうだった」とも推察出来るもので、決して致命的な問題とは言い難い部分もあります。
1のルナセットについても同様で、これもやむを得ない感があるように思われます(キュアドリームについては全くの謎。わざわざ書く必要がないのに触れている点から、皮肉表現としても受け取れる?!)。
ただ、2のような担当者のコメントをイベント時のものを再チェック・修正なしでそのまま流用するなどは色々な意味で問題でしょう。
SHFディケイドの色がマゼンタではなくピンクと解釈された、というのは「魂フィーチャーズ」当時からネット上で散々叩かれていた問題でもあり、また見方を変えれば、商品開発にあたって担当者の下に正確な情報が充分に伝えられていない可能性も窺えるというものでした。
また、CJの「実は、決めポーズを番組で初めて観て、あわてて追加で手首を作りました」という表記や、SHFモモタロスの「剣とカッブを無くすか、顔を無くすかの2択になり顔は断念しました」やSHFウラタロスの「シリーズの中でも塗装工程はトップクラスです(中略)それでも背中は塗れませんでした……」といった、わざわざ書く必要のない“言い訳”も目立ち、一部大変見苦しい内容になってしまっています。
「コストが云々」というのは、「魂フィーチャーズ」会場でやたらと繰り返されていた情報ですが、イベント会場ではすべての文言が読まれるとは限らないためまだ良いものの、ムックではそれが集約されるわけで、まとめて読まされる側としてはおかしな印象を抱かざるをえません。
特にウラタロスの件などは、背面の塗装をオミットした代わりに複雑な彩色の施されたコーヒーカップが付属していたり(モモタロスも背面が塗られていない上に同様の仕様)、かと思うとSHFリュウタロスの“モモタロスよりも背が高い問題”には全く触れないなど、なんだかすごくもにょもにょさせられてしまいます。
もっとも、ある意味ではこういう生々しいコメントのおかげで、メーカー側と購入者側の認識のズレや温度差が大変よくわかるわけで、そういう意味では大変価値のある内容だとも解釈できます。