第64回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツEX「スカルボイルダー」

2010年12月5日 更新

 続けて、スカルボイルダーのレビュー行きます。

■ S.H.フィギュアーツEX スカルボイルダー

 

 2010年5月28日〜7月20日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
 2010年9月18日配送。
 同時配送物及び一般販売物は、以下の通り。

 「SHFナスカドーパント」
 「キバアロー」
 「仮面ライダーファイズ」(一般)

 全長は約19センチ(前輪〜テールまで)
 手首などの付属品はなし
 後輪安定用の台座付属。
 価格は税込4,200円+送料・手数料。

 

 スカルボイルダー。
 「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」(三本中三本目)に登場するが、具体的な活躍は皆無。
 ラスト間際、門矢士が渡した「スカルのカード」の効果により、翔太郎達の前に現れた“別世界の仮面ライダースカル”が乗っていたバイク。
 実際にはハードボイルダーの色をCGで変更しただけで、スカルの背後に停まっていただけ。
 所謂チラ見せ程度のものでしかなかった。

 12月公開の「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&W&スカル MOVIE大戦2011CORE」にて、新たな活躍シーンがある事が確定しているが、具体的な内容は現状不明。

 

 スカルボイルダーです。
 先に記してしまうと、こちらは「SHF-EXマシンハードボイルダー」の完全なリペ商品のため、同梱品を含めあらゆる仕様は同商品に準拠します。
 当然、諸問題やセールスポイントもまんま継承しているため、こちらで特筆すべき部分はほとんどありません。

 と、一言で片付けるのももったいないので、色々やってみます。

 

 サイドビュー。
 ツートーンカラーのハードボイルダーに対し、こちらは全身黒一色という思い切ったカラーリング。
 ある意味では歴代中最も地味な色合いのバイクとも云えます。
 サイド部分の赤いマークがひときわ目立ちますが、本来これは「W」を示すものだったわけで、この状態で「S」と読むのはかなり無理があります。
 っていうか、商品説明見るまでこれが「S」だった事にすら気付きませんでした。

 

 フェイス部分を見てみます。
 ツノまでご丁寧に真っ黒!
 個人的には、ツノは無くても良かったんじゃないかとも思ったのですが、それだと元車と区別つかなくなるから仕方ないのかな。
 せめて、ここだけでもオリジナルのパーツを乗っけて欲しかったものですが……

 それはそれとして、ライトの色合いがなんだか気になります。

 

 実はこのライト部分、見たまんま“上から銀色を塗っているだけ”という、凄まじい手抜き処置です。
 こういう場合、せめて裏側から塗らないか? と言いたくなります。
 ちなみに、ヘッドライトのパーツ自体はハードボイルダー同様クリアなので、我慢ならない人は色を落として裏打ちするか、別な物からパーツを流用するのがよろしいかと思います。
 それにしても、このやっつけっぷりには本当に頭が下がります。

 

 リアビュー。
 残念ながら改善点はまるでなし。
 あえて挙げるならナンバープレートの白塗装ですが、こちらもやっつけ感が拭えません。

 

 車体後部アップ。
 ハードボイルダーと異なり、リア部にも塗装が施されています。
 黒地に黒塗装なのでわかりづらいのですが。
 ホイールの色も当然変更。

 

 マシンハードボイルダーと並べて。
 ツノの銀色や車体後部のグリーンがないだけで、意外と別物感が強まっています。
 Wの手首は、サイクロンジョーカーエクストリームの物と交換しています。
 師弟と各々のバイクが並ぶと、感慨深いものがありますが、これって劇中で再現されるのかな?

 

 「SHF仮面ライダースカル」を並べて。
 「2010MOVIE大戦」では、顔だけ変身を解いたスカルがまたがろうとしただけでしたが。

 

 スカルを乗せる際は、ハードボイルダーに対するW系フィギュアーツと同じセッティングが必須です。
 尻を浮かせたくない場合は、それなりの工夫をしなければならないのも同様。
 どちらも型が同じですから、当然なんですけどね。
 それにしても帽子でバイクってのは、なんともユニークな。

 

 ハードボイルダーで触れ忘れていましたが、スカルボイルダー共々、メーター周りはこんな処理。
 これでは、まるでチープトイ。
 せめてメーターのタンポ印刷くらいしろっての。

 

 仕様が同じということは、当然ながら専用スタンドも付属します。
 地味に助かる良パーツ。

 

 ハードボイルダーと同仕様ということで、当然ながら同様の分解が可能です。
 12月配送予定の「タービュラーユニット」他も、換装させられます。
 (恐らく)劇中では登場しないオリジナル形態も作れそうで、そういうシチュが大好きな人達には嬉しいものがあるでしょう。

 

 無意味に、ハードボイルダーのリア部と交換してみたり。

 

 その他、適当なライディングポーズをいくつか。
 劇場版でどんな活躍をするのか、とても楽しみです。
 さすがに「AtoZ」のハードボイルダーみたいな派手なアクションはないでしょうけど……って、やってくれたらすごいけど。

 

 残念ながら、本商品にも握り手は付いてこないので、スカル付属の物を使用する必要があります。
 確かにこれは全く問題にならないのですが、黒の武器持ち手は数が少ないので、出来れば余分になっても付けて欲しかったところです。
 せっかくの受注生産版なんだから、ちょっとくらいオマケがあってもいいと思うんだよなあ。
 「SHFEXマシンディケイダー」にはちゃんと付いてたんだし、不可能じゃないでしょ。

 

 スカルボイルダーに、「SHF仮面ライダージョーカー」を乗せるとこんな感じ。
 隅々まで本当に真っ黒!

 

 スカルボイルダーは、10月中旬現在オークションではさほど需要が高くないようで、定価前後の出品にはほとんど入札が入っていません。
 この段階ではまだ活躍らしい活躍もないので、当然といえますが。
 果たして、劇場版以降に需要が高まることはあるのでしょうか?

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【買ってみて一言】

 個人的には「ここまで来たらもう全部揃えてやる」という、ほとんどヤケな気分で注文しました。
 仕様がハードボイルダーと大差ないという事は、受注の段階でおおよそ見当がついていたため、さほど過度な期待はしていませんでした。
 むしろ「こんなチョイ役まで立体化かよ!」と、その意気込みと良い意味での無謀さを褒め称えたものです。
 ただ、その時点ではまだハードボイルダー自体発売されていなかったため、その後露見する難点については全くの無考慮でした。
 現物を手にしてすっかり気分が切り替わった時点で到着したスカルボイルダーの率直な感想は

 「黒い」

 ただその一言だけでした。

 2010年9月は、3月に並ぶほどの大規模な新作ラッシュが起こりました。
 フィギュアーツだけ見ても、一般販売、限定品それぞれ4種ずつという凄いもので、個体数だと9体に達します。
 もし3月のようにほぼ同じタイミングで一斉販売・配送されていたとしたら、出費がどえらいことになったでしょう。
 しかし、この中で大きな話題となったのは「仮面ライダーファイズ」と「ナスカドーパント」くらいのもので、それ以外はあまりパッとしないという寂しさも残る結果になりました。
 (翌月、FIRST1号は別な意味で話題の中心になりますが…)
 スカルボイルダーも、ライトの塗装処理と手首付属なしに対する不満くらいしか話題が出ず、受注前では考えられないほど寂しいものでした。
 加えて、搭乗させるべき「仮面ライダースカル」がオークションで異常な高騰するほど入手困難化するという状況もあり、気軽に乗せて遊べないというハンディを背負わされたのもマイナスでした。
 スカルの時もそうでしたが、人気が本格化する(かもしれない)前に受注・配送終了するというタイミングの悪さもあるかと思います。
 受注・配送時には需要が乏しく、ファンが欲しい時に物がないという事態……言い換えれば「先を見越した先行投資」が求められるアイテムとなる可能性があったわけですが、搭乗者のスカル同様、本当に微妙な位置づけにある商品だったと言わざるを得ないでしょう。

 ご存知の通り、魂ウェブのスカル受注期間はかなり長く、「後で欲しくなるならなんであの時注文しなかった?」的な思惑に駆られがちですが、その時点では誰も専用バイク発売など予想していませんでした。
 否、ひょっとしたら商品化の予定すらなかったのかもしれません。
 もし、あの時点でスカルボイルダーの発売が確定していたら、今よりもう少しスカルの受注数が増えていたのかも? なんて思ってしまいます。
 ですが逆に言えば、「既に販売終了した玩具の関連商品を、よくこのタイミングで出す気になったもんだ」という、正気を疑う(褒め言葉)ような決断に感嘆しそうになります。

 この商品に限らず、W系は「あの時買っておいて良かった」と思わされるケースが非常に多い商品展開で、今回はその最たる例だったと思います。
 スカルの再販またはバージョン違いの製品化が望まれている昨今、仮にそれが叶ったとしたら、今度はこのスカルボイルダーの需要が高まってくるのでしょうか?
 もしそのように考えている人がいるのであれば、まだ相場が安いうちにオークションで入手しておくのも、悪くないかもしれませんね。

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