第21回 ■ バンダイ 装着変身「仮面ライダーファム&仮面ライダーリュウガセット」

2006年2月19日 更新

 ついに、この時が来ました。

 3年前は、誰もが夢のまた夢と思い、実現は絶対ありえないだろうと諦め、香港版R&Mとして出揃ってくれる事を願っていました。
 しかしそれすらも果たされる事はなく、龍騎ファンは失意に暮れていました。

 しかし。
 しかし!
 シザースと龍騎のペアから始まった「新生・装着変身」は、ようやくここまで来ました!

龍騎ライダー全員集合!

 2005年12月17日の「装着変身・仮面ライダーリュウガ&ファムセット」発売で、ついに長い間夢見ていた事が現実に!
 うおおお、やってくれたぜバンダイ!
 ごめんね、途中で絶対止まるだろうなんて疑ってゴメンね。
 まだサバイブとオルタナティブ・ゼロが出ていないけど、もうこれだけで充分!
 これでみんなも、ライダー全員で龍騎をリンチしたり、ナイトをボコったりするあの感動の場面が再現できるのだ!
 いざ飾らん! 龍騎取り囲んで一斉ファイナルベント!!  なに。
 それやるなら、ガイとシザースとライアはいらねーだろって?
 もののついでってあるじゃん。

 さて、今回レビューする本商品は、装着変身初の複数ライダー同梱セット。
 仮面ライダークウガまで遡っても、こんな販売形態は今までまったくなかった。
 この独特の売り方については後に述べるとして、とりあえず内訳を見てみよう。

●バンダイ「装着変身・仮面ライダーファム&リュウガセット」 定価4200円(税込)

  • 装着変身・仮面ライダーリュウガ関連一式(内訳は後述)
  • 装着変身・仮面ライダーファム関連一式(内訳は後述)
  • ブランク用Vバックル×1
  • 装着変身サイズ・アドベントカード×6
  • ファム&リュウガ専用アドベントカードシール(6枚分裏表・計12枚)
  • 取扱説明書

 今回、ボーナスパーツとして「ブランク用Vバックル」が一つ付けられた。
 これは、銀のVバックルに無印刷の黒いカードデッキが収まっている状態で、ブランクとすると龍騎・ナイト・シザース用という事になる(ガイのカードデッキは黒ではなく、ダークグレーなので除外)。
 なんでまたこのセットに、ブランクデッキが? …と思ったら、なんとこれ、王蛇用だという。
 おいおい、王蛇のデッキは紫ですわよ。
 契約前の状態のカードデッキも、しっかり画面に出たんだから。
 しかし、説明書にはしっかりと「仮面ライダー王蛇(別売)に付けて遊べます。」と書かれている。
 うーん、ありがたいような余計なような…まあ、これが入ったために値段が上がったわけじゃないからいいけどね。

 ちなみに、龍騎劇場版では、ジェノサイダーをリュウガに倒された王蛇がブランク化するが、その際、なぜかカードデッキに王蛇の紋章が残ったままだったというのは、有名な話。
 おっと、そこでDVDに手が伸びた人! 見ても無駄よ。
 これは劇場公開時のみにあったミス演出で、ソフト化にあたって修正されたものだから、直接劇場に見に行った人以外わからないのだ。
 あの時、さすがに「おいおい」と思ったけど、とにかく修正されて良かったよかった。

 なお、この原稿執筆後に発売された徳間書店ムック「装着変身マニアックス」の誌上限定販売として、「装着変身オルタナティブ・ゼロ スペシャルパック」というものが発表された。
 オルタナティブ・ゼロ自体は、ハイパーホビー2006年3月号でも誌上購入できたが、ムック販売の方には「ブランク龍騎マスク+ライドバイザー+ライドセイバー2種(通常&折れ)」がボーナスパーツとして追加される上、パッケージもちゃんとした印刷の物になった。

 で、このブランクパーツは、どう見ても本商品付属のブランク用Vバックルと組み合わせる事が前提のように思えてならないのだ。
 まあ、なんともあこぎな手法という気もするが、おおかたの人が気づいておられる通り、そのボーナスパーツとこのブランク用Vバックルがあっても龍騎ブランクフォームは絶対に完成しない
 なぜなら、ブランクフォームの素体が存在しないためだ。
 暗い青色なので、装着変身ナイトの素体を使えばいいと思っている人もおられるようだが、ナイト素体の明るすぎる青色では無理がありすぎる。
 黒い素体のものを使ったって無意味だ。
 いずれ、ブランク用素体を別途出してもらわない事には、龍騎ブランクフォームは絶対に完成しないわけだ。  …と、以前書いていたんだけど。
 実際試してみたら、多少違和感はあるけどなかなかイケてるかも。
 ごめんなさい前言撤回します。

 今回は二人分という事で、シールがカード6枚分一まとめにされている。
 リュウガは「ソードベント」「ストライクベント」「ファイナルベント」の三枚、ファムは「ソードベント」「ガードベント」「ファイナルベント」の三枚で、計六枚。
 カードの成形色は黒。

 では、次に各ライダーについて見てみよう。

●バンダイ 装着変身「仮面ライダーファム」

  • ファム素体フィギュア
  • ファム頭部(マスク)
  • ファム肩アーマー×2
  • ファム前腕アーマー×2
  • ファム胸アーマー×1
  • Vバックル×1(ファム用ベルト)
  • ブランバイザー
  • マント×2
  • 背面マント固定装甲×1
  • ブランバイザー用ホルスター
  • ウイングスラッシャー
    (ソードベント装備)
  • ウイングシールド
    (ガードベント装備)
  • 交換用手首×左右各1

 2005年12月17日、装着変身「仮面ライダーリュウガ」とセット発売。
 「仮面ライダー龍騎」系装着変身としては、13または14番目の商品。
 龍騎系唯一の女性ライダーという事で、当然ながら素体から新規造形となった。
 結果的に、今までの装着変身とは大きく異なる雰囲気になったわけだが、さて?

●映像内のキャラクター

 2002年度放送「仮面ライダー龍騎」の仮面ライダーの一人で、本編内では登場していない。
 劇場版とスペシャル版のみの登場で、あくまでゲストキャラクター的扱い。
 ただし、本編でも43話より、ジャンクションにだけ姿を見せている。

 霧島美穂(仮名。本名は最後まで不明)が変身するライダーで、全体的なスタイルは“ナイトの女性版”という雰囲気となっており、マントを装備している点を除けば、外観・装備などかなりの共通点がある。
 レイピア型の召喚機・ブランバイザーを装備。
 契約モンスターは、白鳥型のブランウイング
 「ソードベント」で召喚するウイングスラッシャー(ブランウイングの翼の一部分)という薙刀型の武器や、「ガードベント」で召喚するウイングシールド(ブランウイングの翼)を使いこなし、ファイナルベントは、ブランウイングが吹き飛ばした敵をウイングスラッシャーで次々に叩き斬っていく「ミスティースラッシュ」。
 画面で見た限りでは、対モンスター集団戦にはそこそこ役立ちそうだが、対ライダー戦にはとても有効そうに見えない。
 見た目の印象でそんなに強そうには思えないのだが、一応ゾルダに重傷? を負わせた上戦線離脱のきっかけを作ったり、王蛇にトドメを刺したりと、それなりの戦果を上げている。
 だが、同じく劇場版ゲストライダーであるリュウガには敵わず、彼が召喚したドラグブラッカーに咥えられ、コンクリートの柱に何度も頭部を叩き付けられ、それが致命傷になって死亡する。
 
 霧島美穂は結婚詐欺師で、色々な男を誘惑し、騙して富を得ていたようだ。
 結婚詐欺師同士のバカし合いの最中、ふとした事から真司と知り合う。
 実の姉を浅倉威に殺されており、その遺体をどこかの施設にて冷凍保存させている。
 浅倉を憎んでいるが、浅倉の裁判時に関わった北岡をも同様に憎んでおり、彼に深いトラウマを植えつけた。
 ライダーとして戦う最終目的は、その姉を蘇らせる事。
 そのためにはどんな卑怯な手段でも取ると嘯くが、どこか悪に徹しきれない部分があり、王蛇打倒のチャンスをくれた真司をデートに誘ってお好み焼きを奢ったり(注:リュウガと龍騎を勘違いしている)、真司のカードデッキを盗み取ってライダーバトルからリタイアさせようとしたり(殺さずに戦線離脱させようとしたり)する。

 最終的には、真司そっくりのリュウガ(人間体)に騙され、それがきっかけでリュウガとの戦闘→死に至るが、それでも最期まで真司の事を想い続けていた。
 その死体はビジネス街の植え込みの上に倒れこみ、そのまま放置された。
 通りがかる人々が死体と気付かず、美穂の傍を通り過ぎていく光景が、妙にリアルだった。

●セールスポイント

 ファムは、とにかく売り部分の固まりなのだが、順番に見ていこう。

 まず素体だが、先の通り完全な新造形になっている。
 体型は細くなり、胸部と腰部の凹凸や、腕や脚もかなり細めとなった。
 また指先もより人間らしい形状になり、これまでのような、玩具的雰囲気漂う指関節にはなっていない。
 また、可動指版手首とは別に、スタイル重視の平手(微妙に指に表情が付いている)が付属する。
 スタイリング用のパーツが付くのは、装着変身としては大変珍しいことだ。
 
 女性型の素体という事で、各部を見て行くと、これまでの装着変身用素体よりも、かなり見栄えを重視している事がわかる。
 出来不出来はともかく、顔の作りこみ、全体のラインはこれまでとはまったく異質で、本当に新鮮だ。
 この影響で上半身ブロックがかなり小型化しており、ファムの上半身アーマーもかなり小振りになっているが、恐らく初めて手に取った人は、あまりのパーツの小ささに軽いショックを受けるのではないだろうか。
 ただ、腕が細いため、くれぐれも変な力をかけないように注意したいところ。
 これは指先についても同様だが、あまりに細すぎてボキッ! とやってしまいそうで、コワイのなんの…。

 なお、いちいち言うまでもないが、当然他の装着変身とのパーツ換装はまったく不可能。
 そりゃそうだ。

 というわけで、このノウハウを活かして、是非とも仮面ライダーラルクや朱鬼も装着変身化していただきたいものだ。

 …え、なんだって?
 朱鬼は今までの素体でいい? それ以前にいらない?
 なんて事を言うんだ! TV放送初の正当な女性仮面ライダーに失礼だろう!  基本的には、アーマーパーツの構造はこれまでと同一。
 しかし、先の通り上半身アーマーは妙に小さい。
 肩アーマーは、今回も跳ね上げ式で、これまた妙にちっこい。
 素体肩から飛び出しているジョイント部分も、アーマーの表面にあたる部分はしっかり白くなっているので、基部だけが黒いという事にはならないのが嬉しい。

 今回の見所は、Vバックル周辺部分だろう。

 ファムのバイザー収納ホルスターは、ナイトのように腰のジベットスレッドに固定するものではなく、片方をVバックルの下に、もう片方を腰の裏側のジョイントに差し込んで固定するという、たすきがけのような形状になっている。
 Vバックルの下で固定するわけだから、当然Vバックルは従来の物と形状が異なっており、左側側面部が少しえぐれたような形になっている(ここにホルスターが通る)。
 これはなかなか面白い処理で、劇中のスタイルに忠実なのだが、ホルスターが少し可動に干渉してしまうようになった。
 でもまあ、ここは我慢すべきかな?  なお、Vバックルは今回だけカードデッキ面がふっくらと膨らんでおり、全体的に丸みを帯びている。
 おや、良く見たら、紋章の隅のマークが復活しているじゃないか。

 ファムは、全(龍騎)ライダー中、唯一膝のジベットスレッドの形状が異なっている。
 縦長のデザインになっており、パーツジョイントの必要性がなくなったため、接続用の穴もオミットされている。
 まあ、元々ここのジベットスレッドを使用するのは、インペラーだけだからどうでもいいんだろうけど。

 マントの固定は、R&Mのナイトサバイブ方式…と思わせておいて、実は違う処理になっている。
 ナイトサバイブは、背中のジベットスレッドにマントの端を固定する形式だったが、今回はマントの端が輪っか状になっていて、ジベットスレッドの周囲にはめ込む形になっている。

 その上で、マント固定用のアーマーパーツをジベットスレッドに差し込んで、ロックをかけるわけだ。

 この構造のせいで、アーマー脱着がやや面倒になったが、元々装備の互換性が求められないファムだから、あまり気にならないかな?
 マント自体は軟質素材になっていて、左右に開く他、飾り方によっては風になびいているかのように見せる事も可能。
 これは、なかなかいい感じだ。
 劇中では、二分割されていない一体式のマントだったのだが、まあこれは、可動重視のためのアレンジとして割り切りたいところ。

 ダイキャスト部分の白塗装には、上にうっすらとパール塗装が施されており、光の角度によって微妙に紫(ピンク?)がかった色が浮かぶ。
 残念ながら、マスクなどのプラパーツにはこの加工が施されていないため、若干色合いの差が気になる事もある。
 だけど、装着変身ライアよりはかなりマシかと。

 武器のウイングスラッシャーは、プラ成形の一体式なので、へたれる心配はない。

 また、細い割に塗装も丁寧なので、なかなか良くまとまっている。
 残念ながら分割はできない。

 ウイングシールドは、グリップ一体式のプラ製で、ちょっと安っぽい感があるものの、サイズ・造形共にかなりいい線行っている。

 ただ、この二大装備は、取り立てて特筆すべき部分がなかったりする。
 まあ、本体に充分過ぎるほどの注目箇所があるから、どーでもいい?!

●問題点:

 実は、ファムは結構細かな問題箇所がある。
 中には、スタイルを重視したために発生した難点もあるため、かなり深刻かもしれない。

 まず、最大の問題点として「手の保持力がものすごく弱い」という点が挙げられる。
 ブランバイザー、ウイングスラッシャー、ウイングシールドのいずれも、手に持たせるとすぐに傾いたり、斜めになったり回転したりしてしまう。
 一方向にしっかり握らせる事がまったく出来ず、これでは飾る派の人も難儀してしまうだろう。
 どうもこれ、指関節の強度ではなく、手の形状に問題があるようだ。
 装着ファムの手は、可動版の方も女性の手の形状に近づけられているため、何かを握りこむのに適していない。
 人差し指と親指の間もそんなに離れていないため、ここに武器の軸をはめ込んでロックする事もできないため、指で押さえても、武器が斜めになってしまうのだ。
 せっかくスタイル重視の手を別に付けたのだから、これは保持力優先の形状にするべきだったのではないか?
 唯一、二つの手で支えるウイングスラッシャーだけは違和感なく持たせられるが、これも片手ではきつい。
 ファムの手は、軸が太すぎても細すぎてもうまく持てないようで、ベストサイズの軸を持つ付属品が、まったくないのだ。
 こいつは困ったものである。

 次に、頭部。
 ある程度の違和感は容認する前提だった筆者も、今回の頭でっかちさには閉口させられた。
 いや、女性だから、肩幅と頭部の差が小さいという事で、華奢さを表現するのはありだと思うのだ。
 筆者が「頭でっかちすぎる」と指摘するのは、シルエットではなく“可動幅”に問題が発生しているためだ。

 ファムのマスクは妙に天地方向に大きくて、装着させると首が短くなってしまう。
 これは、以前装着変身・仮面ライダーファイズで見られたものと同じ欠点だ。
 その上、首を回そうとすると襟部分に干渉し、マスクの前後が開いてしまう。
 マスクてっぺんのジョイントの保持力が高いため、外れるという事はないのだが、マスクの横に隙間が開く上、首がスムーズに回らないというのは厳しい。
 結果的に、これもポージングの表情付けに影響を及ぼし、あまり嬉しくない。

 これは問題点とするべきかどうか悩んだが、一応触れておこう。
 シリーズ最後のオリジナル(R&M版でない)バイザーだったブランバイザーに、展開ギミックなどがまったくない。
 ナイトのダークバイザーと同じで、プラ製の簡素な造りの物になっている。
 これは仕方ない気がするが、かなり残念でもある。
 カードのベントイン機能までは望まないにしても、その直前くらいまでのギミックはあって欲しかったというのが正直な所だが、かといって、ヘタなギミックを仕込むと鍔部分が巨大化し、ホルスターに下げると凄まじい事になってしまうわけだし。
 ブランバイザーは、その成型色や塗装から感じられる安っぽさも手伝って、ものすごくチープなアイテムに見えてしまう。
 それさえなければ、結構良い感じなのだが。

●バンダイ 装着変身「仮面ライダーリュウガ」

  • リュウガ素体フィギュア
  • リュウガ頭部(マスク・無灯火)
  • リュウガ頭部(マスク・目点灯)
  • リュウガ肩アーマー×2
  • リュウガ前腕アーマー×2
  • リュウガ胸アーマー×1
  • Vバックル×1(リュウガ用ベルト)
  • ブラックドラグバイザー
  • ドラグクロー(ストライクベント装備)
  • ドラグセイバー(ソードベント装備)
  • ドラグシールド×1 (ガードベント装備)
  • ドラグシールド用グリップ×1

 2005年12月17日、装着変身「仮面ライダーファム」とセット発売。
 「仮面ライダー龍騎」系装着変身としては、13または14番目の商品。
 仮面ライダー龍騎のリペイントか? と思わせながら、実は部分的に新造形。
 さらに、一見同じに見えても、微妙に龍騎と異なっている部分があったり。
 マスク交換で、特徴的な「目の発光」を再現できるのは嬉しい。
 R&M版では、常に目が発光状態だったからね。

●劇中のキャラクター

 リュウガは、劇場版とスペシャル版のみに登場したライダーで、その姿は龍騎に酷似している。
 というより、元々龍騎のダークバージョンとして形作られたようなものなので、ライダー時の姿だけでなく、変身前の姿まで真司と同じだ(着ている服の模様だけが鏡写しで逆転している)。
 黒いドラグレッダーことドラグブラッカーと契約しており、アドベント装備まで龍騎と同じ。
 もちろん、ファイナルベントも「ドラゴンライダーキック」。
 他のライダーと違い、ミラーワールド出身のライダーという触れ込みになっており、劇場版の神崎士郎の態度から推察するに、オーディンとは別な意味での「ライダーバトル焚き付け役」だったのではないかと思われる。
 あるいは、本気で勝ち残らせる(=望みを叶える理由付けにする)つもりだったか。
 生存するライダー中、唯一ライダーバトルを否定している真司as龍騎の姿を用いているのも、その辺に関連があるのではないだろうか。

 リュウガは、ライダーバトルの途中ふらりとその姿を現し、圧倒的な戦闘力でジェノサイダーを倒して、王蛇の能力を奪い取った。
 また、真司に成りすまして美穂を騙し、誰の助けも入らない状況で一対一のバトルを持ちかけ、ファムをあっさりと倒してしまった。
 後に、ミラーワールドとの境界がなくなった現実世界において、優衣の死を知り激怒した龍騎との「ファィナルベント激突」を繰り広げ、爆炎に散る。
 龍騎とまったく同じ能力を持ちながら、その戦闘能力の高さの描かれ方は大変秀逸で、オーディンなどとは違う“輪郭のはっきりした強さ”を示した。
 特徴的な戦法として、ブラックドラグバイザーにあらかじめカードを差し込んでおき、相手の反応を見ながら時間差でベントインするというものがある。
 これは、ライダー同士の戦いの際、ベントインする(新しい武器を手にする)ために一度攻撃の手を休め、戦闘の流れを止めなければならないという「お約束」を覆す画期的なもので、相手は、たとえリュウガがカードを差し込んだ瞬間を見ていても、それがいつ発動するかをはっきり認識できないため、瞬時に発生した効果に不意を打たれるのである。
 ファムも、最期はこの戦法で召喚されたドラグブラッカーに不意打ちを受けている。
 筆者は、ジェノサイダーを倒した時よりも、この戦法を用いた事で、リュウガの恐ろしさを実感させられた。
 どうして今まで、この戦法を誰も使用しなかったんだろう、とすら思わされた。
 まあ、中にはバイザーの形状の都合でやりたくても出来ない奴が居たわけだが。

 リュウガの正体・ミラーワールドの真司は、当然城戸真司を演じる須賀貴匡氏が二役で演じていたが、これまでの「軽くてマヌケで人が良すぎる奴」という真司の固定イメージを根本的にぶち壊し、邪悪な意志を秘めた好戦的な“影の男”を見事に表現していた。
 声・仕草・表情・目線・普段の動き方のすべてが真司のそれと異なっており、まるで(無論外観はまったく同じなのにも関わらず)“まったく別な人が演じているような錯覚を受ける”ほど見事に決まっていた。
 このリュウガ役で、須賀氏はその演技力の高さを広く認められ、役者としての評価を高めた。

 スペシャル版に登場した時は、他のライダー同様「リンチ担当要員」の一人に過ぎず、変身もなければ必殺技を使うシーンもなかった。
 つまりはただ出てきただけなのだが、面白いのは、本編中まるでファムをかばうように前に立つシーンがある事だ。
 劇場版を見ていない人には、まるでこの二人はペアを組んで戦っているかのような雰囲気があった。

 リュウガは、龍騎の完全な使いまわしデザイン・同一造形の色違いと解釈される事があるが、これは間違っている。
 カードデッキを対象外としても、実際にはマスクが完全な別物で、ゴーグル部分の膨らみがまったくない上、頭頂部の竜の紋章状ディテールが異なっている。
 これは、本商品のみならずR&M版でもちゃんと再現されているもので、決して原型の使いまわしではない。
 限りなくそれに近いけれど。

●セールスポイント

 R&M版との形状比較は、以前レビューした「装着変身・仮面ライダー龍騎」に準じるため、ここでは画像のみの提示に留めておこう。

 唯一オリジナル造形の頭部比較。

 先の通り、装着変身版はリュウガマスクが二種入っているが、目非点灯時のマスク装着時の印象はものすごく雰囲気が変わり、いい感じだ。
 顔面部分が完全に黒一色に染まるため、過去のどのライダーよりも無表情さが強まり、不気味さを漂わせる。
 これは、半リデコ商品というマイナスイメージを払拭するのに充分すぎるものがあると、筆者は考えている。
 ただし、このゴーグルの格子状モールド、当然ながら塗装の良し悪しがあるので、購入時は注意したい。
 目点灯時のマスクは言うに及ばずだが、実は非点灯時マスクのものも、格子部分に塗料の“固まった気泡”が入り込んでいる場合がある。
 これは、情報だけ聞くとあまり大した問題に感じないが、物によっては「目にデキモノが出来ている」ようにも見え、大変気味が悪い。
 明るい店内で品物をじっくり選ぶ機会があるなら、なるべく良く確認しておくべきだろう。

 装備はすべて龍騎と同一形状・同梱パターンで、リュウガオリジナルのものはない。

 無論、大まかにはR&M版のものと同一なのだが、過去の商品同様、微妙な違いが見受けられる。
 たとえばドラグセイバーは、刃の内側の黒い部分の塗装に違いがある。

 R&M版は、先端部辺りがすべて真っ黒にとそうされているが、装着変身は、溝に沿って丁寧に塗り分けられており、パッと見るとシルバーのラインが二本入っているように見える。

 ドラグシールドは、爪の銀色部分がさらに丁寧に塗られており、塗料が指部分にまで浸食しているR&M版と異なり、しっかりした印象にまとまっている。
 ドラグクローは、鼻筋にグレーの塗装が加わり、モールドの区別が付きやすくなった。

 また、角部分の溝内部も黒で塗装(R&M版は薄いグレー)されていて、よりディテールが明確化している。
 ドラグクローの首関節部分は、装着変身龍騎と同様の処理がされており、R&M版では可能だった、首を折り曲げる事ができない。
 それを除けば、武器関係はR&M版と同型状のもののようだ。
 やはりというか、ブラックドラグバイザーも、龍騎同様の接続パターンだった。

 個人的には、(龍騎との差が生じても)新規造形にして欲しかったものだが…
 よくよく考えると、劇中同様の形状にしてしまうと、アクションフィギュアとしては問題が生じてしまうのね、これ。

 本来のドラグバイザー及びブラックドラグバイザーは、ライアのエビルバイザーのような形状をしており、左手でグリップを握って固定するものだ。
 ところがこれを玩具で再現してしまうと、左拳部分の可動とプレイバリューを殺してしまう事になるのだ。
 手首は回転させられず、指は動かしづらくなるから武器の持ち換えがさせにくい。
 同形状のライアの場合は、専用武器が一つだけだから、左手が塞がったままでも問題なかったし、他のライダーの場合は、召喚武器自体にグリップが付いていた(プレイバリューの妨げにはならない)。
 こうしてみると、左手にバイザーを装備しながらも、同じ手で武器を持つ可能性がある龍騎とリュウガだけが、割を食わされるのだ。
 龍騎とリュウガは、本来ドラグシールドを両手で同時に装備できる筈で、事実龍騎は、本編中ゾルダとの対戦時にこれを行っている(一方的防御モードとでも言うべきか)。
 また、ドラグセイバーやドラグクローを右手に装備させたら、左手にシールドを持たせたくなるのも人情だ。
 となると、左手が使えなくなるのはまずい。
 その結果、このような形状でドラグバイザー他を装備させざるをえないわけだ。
 うーむ、手抜きだとばっかり思っていたこのバイザーも、よく考えると、それなりに考え抜かれた結果の事だったんだなあ。
 そういえばこのリュウガ、なぜかVバックル紋章周囲の模様が復活している。
 ここしばらくの龍騎系装着変身は、すべてこの模様がオミットされていたのに。
 復活の理由はわからないが、これはありがたい。
 まして、リュウガはR&M版の時、この部分のプリントがグダグダになっていた事もあるので、嬉しさ倍増である。

●問題点

 リュウガの問題点は、その造形上装着龍騎の問題点とイコールになるので、リュウガ単体のポイントはどうしても数が絞られる。
 筆者が気付いたのは、「(マスク以外の)塗装が粗いものが混入している」という事だろうか。
 どうも、金色ラインの塗料がおかしな所に付着しているものがあるようで、筆者も店頭で数個確認したし、自分の物も、右肩付近に問題箇所がある。
 リュウガは、どうしてもゴーグル周辺に注意が行きそうだが、こちらについても気をつけたい。
 というか、筆者はこのパターンを踏んで、うっかり引っかかったのさ(泣)。

 それから、ちょっと面白い事に気付いたので触れておこう。
 実は、リュウガの両膝のジベットスレッドの口径が、龍騎のものと異なっているようだ。
 例えば、龍騎のドラグシールドを龍騎の膝に装備させる事は楽に出来るが、同じ物をリュウガに装備させる事はできない(かなりきつい)。
 また、リュウガのドラグシールドはリュウガの膝に入らないが、龍騎には楽に装備できる。
 膝のジベットスレッドを利用するのは、ライダーの中でインペラーのみなので、あまり実害のない問題ではあるが、オレオレ設定で遊ぶ人や、とにかく色んな所に色んなものを付けて遊んでみたくなる人には、痛いかもしれない。
 ただし、龍騎以外のライダーの膝ジベットスレッドの口径を確認したわけではないので、ひょっとしたら他にも同様の問題を持つライダーがあるかもしれない。

 リュウガ素体は、相変わらず股関節が横方法に開かないため、ドラゴンライダーキックの構えが、今ひとつ決まらない。
 これはリュウガだけの問題ではないが、やっぱり悲しい。

●総評:

 完全新造形のファム、そして半リデコであるにも関わらず、単品商品並の貫禄を発揮するリュウガ。
 細かな問題は色々あるが、全体的には、大変満足度の高い商品であると結論付けて良いだろう。
 何はともあれ、龍騎ライダーが全員揃ったという事は、とても嬉しい事。
 何度繰り返しても飽きないくらい、ファンにとっては感動的な事なのだ。
 実際には、まだ数体残りがあるが、これで一応のゴールに辿り着いたという意味は大きい。
 或いは、それだけで本商品の細かな問題点など、すっきり流せてしまうかもしれない。

 しかし、世の中には「13人全員揃ったら龍騎系装着変身を買う」と心に決めている人が居るという。
 そんな人は、これからの苦行(特に金銭面)、なんとか耐えていただきたいところだ。
 また、R&M版が存在する場合、そのライダーを避けて購入しているという人も居るが、その人はどうするのだろうか。
 さすがに、リュウガだけ取り分けて購入するわけにはいかないから、我慢して装着リュウガも手にしなくてはならない。
 まして、R&M版リュウガはかなり叩き売りされていたから、沢山買ったという人もおられるだろう。
 そうなると、ある意味ミラーモンスターシリーズでR&M版モンスターをダブらせるよりも苦痛かもしれない。
 もっとも、個人的にはそれをきっかけに、装着変身版の龍騎ライダーの魅力にも目覚めていただきたいところだが(実際ほとんど別物だしね)。

★注意:装着リュウガ左脚問題について

 このレビューページ掲載後、装着変身リュウガに致命的な問題がある事が判明。
 詳しくは別ページにまとめましたので、こちらをご覧ください。
 はっきり言って、これはシャレになっていません。
 お持ちの装着変身リュウガも、 これを機会に是非確認してみてください。

●総括:

 初のセット売り、女性素体導入と話題の多い本商品だったが、ファンの間では、この売り方に多くの疑問が投げかけられた。
 と言っても、決して値段が高くなるから云々というグチではない。
 「なぜセットにする必要があったのか」という疑問だ。
 
 バンダイは、男玩で女性キャラクターの商品を出す事を、極端に嫌う傾向がある。
 でも、ある時期までは結構積極的に発売されていたのだ。
 古い話になるが、超合金では「がんばれロボコン」のロビンちゃんが発売されたし、「超電子バイオマン」では、イエローフォーとピンクファイブのドール(今でいうジェニーみたいな人形が、バイオマンのコスチュームを着ているもの)等が出ている(恐ろしい事に男玩としてである)。
 「BLUESWAT」でも、装着変身の先祖にあたる「コンバットクロスシリーズ」でサラが商品化されていた。
 必ず女性メンバーが加わっているスーパー戦隊シリーズ各メンバーの超合金は、ちゃんとメインメンバーが全てラインナップされていた。
 今でも、番組開始期からのラインナップにある玩具シリーズでは女性メンバーが発売されている。
 購入する側からすれば、メインメンバーであれば全員勢ぞろいさせたいという願望が当然出てくるわけだから、このような流れで続けて欲しいと思うだろう。

 ところが、番組関連玩具全体を良く見てみると、その中になぜか、女性メンバーだけが除外されたシリーズも多く含まれている事がわかる。
 例えばデカレンジャーで、デカブレイクを除く男性メンバーがマシンに変型するというアイテムがあったが、これはデカイエローとピンクが無視されている。
 また、途中からのパワーアップ「スワットモード」のソフビも同様だ。
 マジレンジャーも、「戦隊ヒーローシリーズ」の330ミリアクションフィギュアは、男性陣三体しか出ていない。
 ソフビやスカイホーキーでは、ちゃんと五人発売されているのに、である。

 バンダイは、どうもある程度以上高額になる商品シリーズの場合、女性メンバーを商品化しなくても問題ないだろう、と考えているようだ。
 ソフビなどの初期アイテムなら、さすがに全員揃えないとまずいが、ある程度以上の基準(←この場合は様々な意味が込められる)を越えた場合は、無視してもいいという感じで。

 その理由は、単に「売れないから」だ

 実際のところ、男玩の女性アイテムは、マニアが想像する以上に売れない。
 バンダイ製品に限らず、他社商品でもその傾向は見て取れる。
 また中には、女性メンバーそのものではなく、女性が搭乗しているメカだというだけで売れ残るケースもあるのだ。
 最近では、コナミの「Get Ride!アムドライバー」のアムジャケット・サラ、「幻星神ジャスティライザー」のライザーカゲリ関連商品が、この傾向を如実に示している。
 もちろん、上記例の場合、その番組全体のアイテム或いはシリーズカテゴリ自体が不人気だったという影響もあるのだが、これらを販売している業者にしてみれば、そんな理由は理由にならないのである。
 単純に「やっぱり女性キャラだから売れなかった」と烙印を押して、それで終わりである。
 明確なソースがないので話半分程度に解釈していただきたいが、話では、バイオマンやチェンジマン辺りで男玩女性キャラアイテムに大きな陰りが見えたそうで、これがバンダイの「女性アイテム不信」の要因を生み出したとされている。
 実際は、これをきっかけに後々の商品の反応を観察し続けて結論を出したのだろうが、どうも、これは相当根深い問題のようだ。

 閑話休題。
 このような背景があるため、いくら13人の中に加わっているとはいえ、ファムの装着変身化は厳しいのではないか、という見方が、かなり以前からあった。
 まして、体型から何からすべてが既存と異なるため、素体から作り直す必要があるのだ。
 果たして、それだけの労力をバンダイが費やしてくれるだろうか?
 それなりに古くから玩具の流れを知っているファンとしては、抱いて当然の不安だったわけだ。
 
 で、実際に発売された商品は、このようにセット売りになった。
 どうやらこのセット売りの理由を、「実質的なリデコ(のようなものである)リュウガを単体で売っても売れないだろうと見越して、新造形のファムと組み合わせたのだろう」と考える方もおられるようだが、恐らくそうではないだろう。
 これだけ女性キャラクター商品化を警戒しているバンダイである。
 ほぼ間違いなく、ファムを単体で販売する事に懸念があったと見るべきだろう。
 過去の売り方を考えたら、リュウガは単体販売されていたとしても、まったく不思議ではない。
 いくらR&M版でダダ余り状態だったからと言って、それを反省点として捉えられるかどうかは大変微妙だ。
 事実、響鬼系装着変身では、これ以上ないくらいのリデコである「響鬼紅」と「斬鬼」が発売されているではないか。
 あれに比べれば、装着リュウガなどまだオリジナリティがある方だし、13人ライダーを揃えるという意味合いもあるから、需要はまだ高い。
 ファムが、龍騎系装着変身としては一番最後に回った事、リュウガとセットになったという事は、決してリュウガへの不安があったからではあるまい。

 もし、今後「仮面ライダーラルク(劇場版ブレイドに登場した女性ライダー)」が商品化され、誰か別なライダーとセット売りされたとしたら、この説の裏づけになるだろう。
 逆に、ラルクが単体売りされたとしたら、女性ライダーの需要が認められたという事で、それはそれで嬉しい事になるかもしれない。

 しかし、不安は実はまったく過ぎ去っていない。
 確かに、セット売りとはいえファムは発売された。
 それはそれでいいのだが、これがある程度さばけない事には、バンダイ的には成功にならないのだ。
 もし、本商品が今後も売れ残り続け、その残数が他の装着変身と同じ割合だったとしても、実売評価は不当な見方をされかねない。
 「出してみたはいいが、やっぱり売れなかったじゃないか!」と判断されたら、そこまでである。
 現在の装着変身は、購買ターゲットが子供ではなく、ある程度の高年齢層向けに作られている。
 そしてそれは、2006年度作品「仮面ライダーカブト」のアクションフィギュア(メイン商品)が、装着変身とは別に販売される事でも裏付けられる。
 専用バイクも発売されるのに、それは装着変身用ではないのだ!
 つまりは、それだけ装着変身は、シビアな見方をされている可能性がある。

 玩具ファンの声は、雑誌のアンケートなどで見るとかなり大きなものと感じられるが、実際は全然大した事がないレベルなのだそうだ。
 それでも商品化希望をアンケートなどで寄せる行為は決して無駄ではないが、ネット上の評判が、実際の商品販売率に直結する事はほとんどない。
 ファム装着化を望む声は、以前ネット上でかなり聞けたが、イコール本商品がそれだけ売れる保障があるわけではない。
 無論、売れないとも限らないわけなのだが、いずれにしても不安要素は高いわけだ。

 筆者は、装着ファムが女性ライダー(或いは特撮変身ヒロイン)の商品化の大きな起点になる、とはとても思えない。
 むしろ、ここからが一番厳しい状況なのではないかとすら感じている。

 というか、実はすでに、本商品の大幅値引き&叩き売りが行われた事が確認されている
 おいおい、いくらなんでもそりゃ早すぎだろう〜!!(ザらスオンラインのは誤表記だったと信じたいが…)  来年の今頃、ファム以外の女性ライダーの装着変身の話題を楽しめていればいいなあ、なんて思ってしまう今日この頃。
 さて、どうなることやら。

 ――と、本来ここで本文を終えるところだったが、先にもご案内した通り、2006年4〜5月頃から、急に装着変身リュウガの破損問題が各所で指摘され始めた事は見逃せない。

 これは決して噂話などではなく、別ページにてすでに検証済みの事実であり、本商品の信用度を著しく低下させてしまう致命的な大問題だ。
 なにせ、未開封で保存していても自然に崩壊する危険があるわけだから
 という事は、破損を恐れて予備を買って安心、というわけにもいかない。
 かつて海洋堂の「バーチャロン」のブリスターフィギュアが、パッケージ内で自然崩壊していくケースがあるという話を聞いた事があるが(残念ながら詳細は未確認)、ある意味アレに迫る恐ろしさだ。
 ファムに同様の報告がないのがせめてもの救いだが、これはいただけない…というより、冗談じゃない。
 人によっては、他の装着変身に対しても疑念を抱きかねなくなるほどのもので、本来ならば回収・改訂再発売クラスの不具合だ。
 バンダイお客様相談センターは、一応交換修理に応じてくれるが、申請の際、伝え方を誤ると自然崩壊であるにも関わらず、「ユーザーの不手際で破損したもの」と解釈され、送料を支払わされるケースもありうる事も確認されている

 いくらなんでも、これはあんまりだ。

 以前から噂されていた事だが、黒い成型色のプラ素材は粗悪な材料が混入されるケースがありうるそうで、これにより耐久性が格段に低下する危険があるようだ。
 今回のリュウガも、そのために耐久性が低下し、破損してしまうのではないかとも言われている。
 実際の所はわからないが、もしそうなら、かなり大規模な品質管理問題だろう。

 最近、海外生産の製品の精度低下やグレードダウンの悪影響が各所で報告され、ユーザーが泣かされているが、よりによって龍騎ライダー最後を飾るコレでやられてしまっては、もう目も当てられない。
 はじめから装着ファムだけが目当てで、リュウガを度外視しているという人ならいいかもしれないが…それはごく少数のユーザーだけの話だろう。

 一応、すべての商品が確実に崩壊するわけではないようだが、このようなケースが多発している現状を見ると、平気なバージョンを持っている人も不安は拭えないだろう。
 まして、つい先日まで平気だとばかり思っていたのに、ある日突然ポッキリ逝く事もあるのだから、不安はいつまでも継続してしまうのだ。  再販で改訂されればいいのだが、果たして再生産&グレードアップなどされるのだろうか?
 それ以前に、交換してもらったリュウガも、本当に安心であると言い切れるのか?  やはり不安は、当分尽きないようだ。
 これからこの商品を購入しようと考えた人は、どうか一度熟考する事をお勧めしたい。  というか、筆者はハッキリ言って、今から買う事はオススメできない。

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