第153回 ■ BANDAI SPIRITS DX超合金魂「超電磁マシーン ボルテスV〜VOLT IN BOX〜」
2021年9月25日 更新
2020年末、「超電磁マシーン ボルテスV」の究極版ともいえる商品が、発売されました。
1977年に発売された、DXポピニカ「VOLT IN BOX」の名を冠する、DX超合金版!
全高36センチの巨体に、光る・鳴る・叫ぶという点灯&音声ギミックも内蔵。
そして何より、価格が6万円以上!
はい、清水の舞台からナンチャラの覚悟で、買いました、買っちゃいました!
そして、これはレビューしないわけには行かない! と思い立ち、このページ製作に踏み切ったわけです。
……って割には、9ヶ月近くも間を空けてしまいましたが!
というわけで、今回はこの、当ページ(現状)最高額購入商品をレビューしてみたいと思います。
■ DX超合金魂 超電磁マシーン ボルテスV「VOLT IN BOX」
2020年12月26日発売。
価格は、64,900円(税込)。
内容物は多岐に渡る為、詳細は以降の本文を参照のこと。
本商品は、2019年10月25日〜27日にかけて、ベルサール秋葉原・秋葉原UDXで開催された「TAMASHII NATION 2019」にて、初めて試作品が公開されました。
尚、この時「大空魔竜ガイキング」も一緒に公開されていて、長い間製品化のアナウンスがありませんでしたが、2021年6月、「GX-100」ナンバーを引っさげ、年末の発売に向けて予約が開始されました。
話を本商品に戻しますが、DX超合金魂ボルテスVは、2020年7月3日、(株)BANDAISPIRITS(※株式会社バンダイとは別会社です)からのニュースリリースで正式公開され、同日午後4時頃を皮切りに予約が開始されました。
翌7月4〜5日開催のオンラインイベント「TAMASHII Features 2020」では、本商品公開と関連イベントを実施。
この頃から、(大方のファンは予想していたものの)とてつもない高額設定がネット上で話題となり、製品仕様や造型に関する意見よりも「買えるか、買えないか」という意見が飛び交っていたような印象がありました。
●超電磁マシーン ボルテスV 作品解説
1977年6月4日〜1978年3月25日まで、テレビ朝日系で全40話放送された、日本サンライズ製ロボットアニメ。
前番組の「超電磁ロボ コンバトラーV」と、後番組「闘将ダイモス」と合わせて、いわゆる「長浜三部作」と呼ばれている。
長浜とは、この三作品の総監督を担当した故・長浜忠夫氏のことで、昭和五十年代前半という時期に「ハードなドラマ性・ラブストーリー・壮大な悲劇性」などを盛り込んだ。
これは、それまでのロボットアニメのスタイルを大きく打ち崩しただけでなく、後続の作品群にもかなり大きな影響を与え、「子供向け作品にも、深いストーリーを盛り込む事が出来る」という可能性を示した功績を作り出した。
特にこの三作品には、当時にして現在のようなやおい(今でいうBL)ファン的存在を大量に生んだという興味深い事実もある。
ある日突然、プリンス・ハイネル率いるボアザン星人の軍団が、地球侵略を開始した。
地球側の抵抗はすべて無駄に終わり、圧倒的な力の差を思い知らされる。
だがその時、秘密基地・ビッグファルコンから発進した五機のボルトマシンが合体!
超電磁マシーン・ボルテスVが登場し、ハイネル軍が派遣した獣士・ドクガガを撃退。
ここに、ボルテスチームとボアザン勢力の戦いの火蓋は切って落とされた。
剛三兄弟の健一・大次郎・日吉は、“ロデオ大会三年連続優勝して帰国したところをいきなり拉致られた”峰一平と、地球防衛軍の岡長官の娘・めぐみと組み、母・光代とビッグファルコン初代司令官・浜口博士の導きを受け、五体のボルトマシンへの搭乗と、ボアザン勢力との戦闘を命じられる。
ボアザン勢力に対抗するため、それまで過酷な訓練を積み重ねてきた五人は、ボアザン星と地球の科学の結晶であるボルテスVと共に、壮絶な死闘に挑んでいく。
そしてそれは、指導者達の死、衝撃の事実判明、さらに兄弟同士の殺し合いへと発展していく、壮絶な悲劇の幕開けでもあった。
(第28回 「超合金魂「超電磁マシーン ボルテスV」レビューより引用)
本商品を語る前に、まず簡単に「DX超合金魂」ブランドについて触れてみます。
DX超合金魂は、2012年12月14日発売の「マジンガーZ」から始まり、おおよそ2〜3年に一度のペースで、年末に発売されているシリーズです。
2021年9月現在、最新のボルテスVで5商品目になります(第二弾で、魂ウェブ商店限定のジェットスクランダーを除くと実質4商品)。
一番安いマジンガーZですら税抜35,000円と、ハイエイジ向けの中でもかなりのハイエンドトイで、前作の「コンバトラーV」も、税抜55,500円と相当な高額になりました。
これまで、旧世代超合金におけるDX版に相当すると思われた「超合金魂」ブランドでしたが、更なるDX版登場ということで、一気に入手ハードルが高まったわけです。
反面、これまでの魂では出来なかったギミックや構造を盛り込み、贅沢な仕様となっているのが特徴ですが、やはりどうしても価格がネックになってしまい、いずれも覚悟を決めた人向けという印象が強い商品群でもあります。
かくいう筆者も、今回のボルテスVがDX超合金一発目なので、残念ながら過去の商品との比較が出来ません。
……その前に、撮影ブースに二体も入らないって!
さて、それではいよいよ、商品の内訳に参ります。
尚、今回は非常に注目点が多いため、パートを区切って紹介したいと思います。
●PHASE-1 : ボックス(外箱関係)
今回は、まず箱からです!
普段のレビューなら、箱関係は最後に紹介するのですが、今回はのっけから行きます!
さすがに撮影ブースよりも遥かにでかいため、今回はフローリングに直置きで撮影するしかないのです。
このダンボール、大きさは横約62×高さ約46×奥行約22.5センチという、特大サイズ。
無論、これは保護用ダンボールなんですが、普通これを見れば、「随分でっかいなあ、どんだけ緩衝材入ってるんだ?」って、思っちゃいますよね?
……緩衝材、ゼロでした。
そう、これ、本体ボックスときっちり同じサイズの輸送箱なんです!
なんだよこれ、それじゃあ破棄できないじゃん!!(はなからする気ないけど)
保護用ダンボールを開くと、取っ手が……!
これは、当時のDX超合金パッケージによくあった、運搬用のグリップ(ビニール製)ですが、よくまあここまで再現したものだと!。
保護用ダンボールの中から、ようやく本体のボックス取り出し。
大きさは、横約60.5×高さ約44.3×奥行約21センチ。
大人でも、持ち運ぶにはかなりの困難が伴うサイズです。
重さもそこそこあります。
ご覧の通り、今回の箱は、DXポピニカ版「VOLT IN BOX」の完全リスペクトで、写っている商品は新しいものの、かなり忠実に旧パッケージ(と言っていいのか?)を再現しています。
ボルトボンバーに、わざわざ拳を付けているところが泣かせます。
今回、このパッケージを見た時、思わず変な声が漏れましたよ……
箱の厚み、というか奥行。
縦横サイズと比較すると薄めに感じるボックスですけど、実際は先の通り21センチもあり、これは「超合金魂レオパルドン」の背丈よりも大きいです。
中身は、三層に重ねられた巨大ブリスターやら、発泡スチロールやらと、非常に多彩かつ細かな分類。
箱側面。
この箱がどんだけデカいかを伝える為、前回レビューした「超合金魂ダイラガーXV」の箱を重ねてみました。
うん、間違いなく、体積は二倍をゆうに越えてますね!
次に、箱のデカさには定評のある「超合金魂ガオガイガー」を重ねてみました。
……あの箱が、ちっさく思えるこの相対的な!
ついでのついでで、手持ちの「S.H.フィギュアーツ真骨彫製法」のパッケージとも比較してみました。
表面積だけでも、この通り。
全体積は、果たして何個分に相当するのでしょう?!
メインの内装ボックス。
当然のように? 各パーツの名称の書かれた「あの」台紙が!!
これは、超合金魂「宇宙大帝ゴッドシグマ」などでもあったものですが、今回は発泡スチロール箱とブリスター蓋の合間に挟む形になるので、台紙が傷みにくくなっています。
それに、ずれにくい!
今後もこれにしてくださいよ!
尚、本来の商品はそれぞれの部品が個別に癒着防止用ビニールで保護されていますが、この撮影では部品が見えやすくする為、あえてビニールを除去して撮影しています。
これで、超合金ボールペンが付いていたら完璧でしたね(無理)。
取扱説明書。
全36Pのフルカラー!
作品解説や旧「VOLT IN BOX]や超合金魂などの解説もあり。
しかし、何故かこれの存在が無視されてる?!
●PHASE-2 : ボルトマシン
それでは、いよいよ「中身」に触れて行きます!
■ ボルトクルーザー:
ボルテスVの頭部を構成、合体後は全体のコンピューターセクションを担当する高速戦闘機。
全長12.8メートル、重量95トン、飛行速度マッハ20。
パイロットは剛健一。
ボルトマシンの指令機で、超電磁発生装置とウルトラマグコンを装備。
翼にクルーカッター、機首側面部にクルーミサイルを装備。
その他、バルカン砲や、本体上面部から撃ち出すクルーアロー(なぜかたまにクルーミサイルと言われる事もある)、ボルテスのツノにあたる部分を射出するクルーブーメラン等の武器も装備する。
異様に精密な操縦が可能で、3話では、ボルトボンバーの発射したミサイルをクルーカッターで“弾いて”、高速移動する獣士の死角から命中させるというトンデモない事をしてみせた。
これは機体性能だけでなく、健一の特訓の成果も大きいと思われる。
ボルトクルーザー。
全長約10.6センチ、全幅約9センチ、高さ約3.2センチ(尾翼含まず)。
重量は、約66グラム。
機首の一部(ボルテスの側頭部)がダイキャスト製。
パッと見、超合金魂の拡大版に見えますが、構造は全く別物です。
正面と後部。
側面。
まずは、ランディングギア。
主翼側に倒れていた後輪は、ボディ側から引き上げる構造に変化。
前輪は対比的にかなりコンパクト化し、あまり着陸脚っぽくは見えないデザインに。
前輪はタイヤが回転しますが、後輪は何故か固定。
これに関しては、魂版の方がそれっぽい出来になっています。
超合金魂版で、些細な問題ながらも非常に気になった、ボルトクルーザー天面部の面一(ツライチ)問題ですが、今回は殆ど気にならなくなっています。
機首部と本体がガッチリロックされ、ブレることがないためか、非常に安定性があります。
キャノピー展開。
今回は、全てのボルトマシンのキャノピーが開くのですが、内部にコクピットカプセルが接続出来るようになっています。
さらに、そのコクピットカプセルを取り外す事も可能です。
画像は、カプセルを取り外した状態。
ボルトクルーザーのコクピットカプセル。
健一は、赤色。
固定方式は到って単純で、各機コクピット下部に縦長の凸部分があり、これをコクピットカプセル下部の凹部分で挟み込む方式。
意外に固定力は強く、勝手に外れてコクピット内でカタつくようなことはありません。
今回のクルーザーは、クチバシが開きます!
って、実はこれ、「クルーブーメラン」パーツを交換するためのギミックなのですが。
機首下部のツノ(ボルテス頭部の正面に来る部分)を引っ張れば、簡単に開けます。
ピッチリ閉じるので、隙間が気になるようなことにはなりません。
クルーブーメランを交換した状態。
いきなり生物的な印象になるのが特徴です。
左右の主翼も、下側のパーツが外せます。
これは、「クルーカッター」装着の為のギミック。
翼の末端部(白に赤のラインがある部分)を指でつまみ、ゆっくり揺するようにすると、破損させずに外せます。
パーツを交換して、クルーカッター再現。
このパーツは、主翼の裏側にある各二箇所の凸ジョイントで固定されますので、結構しっかりしています。
クルーブーメランとクルーカッターのフル装備状態。
音声・発光ギミックのON・OFFスイッチは、この部分にあります。
スイッチを入れても、DX変身ベルトみたいな起動音は一切なりません(全機共通)。
そして、ボルトクルーザーのギミックスイッチは、この位置にあります。
一旦機体を引き伸ばし、コクピット後ろのフタ?を開けることで露出します。
この状態でスイッチを押すと、
健一「V! トゥギャザー!(効果音)」
健一「レーッツ!」
全員「ボルト、イーン!」
と音声が鳴り響き、その後、合体時の効果音が鳴り始めます。
各ボルトマシンを牽引する時の「ピルルル…」という効果音が、次のアクション(合体接続)まで延々鳴り続けます。
煩かったら、もう一回スイッチを押して止めましょう(この場合、また最初から再生)。
尚、この段階でスイッチを押しても、何処も光りません。
電池は、この部分に入れます。
LR41×3個使用で、本商品内に同梱されていますが、機体内には入っていないので、自分で入れる必要があります。
これに限った話ではないのですが、ダイキャスト使用率が低い上に、機体が小型ということもあり、これだけだとプラデラを弄っているような感覚です。
しかし、思ったよりもドッシリ感はあるので、感触と重量感のアンバランスさは、かえって面白く感じられるかもしれません。
また、機体の安定感も良く、パーツの接合具合などが微妙に気になるといった不具合はないので、とても安心して弄っていられます。
超合金魂(40th Ver.)と、ミニアクション版のボルトクルーザー比較。
■ ボルトボンバー:
ボルトボンバー。
ボルテスVの両腕部を構成、合体後は全体の攻撃セクションを担当する重爆撃機。
全長16.2メートル、重量100トン、飛行速度マッハ18。
パイロットは峰一平。
コクピットブロック側面から撃ち出すボンバーミサイルや、主に左腕側から射出するボンバーフック、機首先端部から発射するボンバーリング、コクピット後方部から突如放り出すボンバーバム(←注:ボムではない)など多彩な武装を持っている。
全長約13センチ、全幅約11.8センチ(ランディングギア展開時)、高さ約3.8センチ(尾翼含まず)。
重量は、約231グラム。
本体の殆どがプラ製ですが、肩の基部がダイキャスト製。
大きさも手頃で、デザインも(これまでの超合金魂よりは)劇中のフォルムに近づいていて非常に良い造型なんですが、外観の殆どがプラ製ということもあり、正直「どこが超合金?!」と思えるガッカリ感が漂います。
とはいえ、重量はそこそこあるので、決して軽すぎるということはなく、程々に手応えはあります。
尚、この機体には電飾・音声ギミックは一切ありません。
ランディングギア。
今回のボルトボンバーは、超合金魂でいう所の「ポピニカ準拠」のランディングギア配置となります。
ただし、後輪の位置はやや外側寄りとなります(主翼の配置の都合)。
機首(コクピット真下)のは、ハッチを開いた後、普通に倒してあるランディングギアを立たせるだけです。
ですが、両上腕部の二箇所はハッチ開閉からの「押しボタンで飛び出す」仕組みになっていて、非常に凝っています。
もっとも、スイッチがやや固く、そのせいで上手く作動しないこともあり、なかなかスマートに行かない面もあるのですが。
でも、「シャコッ!」と飛び出てきた時の感動はひとしお!
キャノピー展開。
コクピットカプセル。
キャノピーを外し、コクピットカプセルを取り外した状態。
ボルトクルーザーのコクピットカプセル。
一平は、青色。
正面と後部。
側面。
ついでに上面。
今回も、劇中同様“機首が手首より前に飛び出ている”状態は再現されていませんが、元々構造上無理のある描写だったこともあり、今回はかなり頑張ってイメージを寄せているような気がします。
ちなみに、ビークル形態を維持する際、腕の付け根の関節の位置調整が、少々めんどくさいです。
今回のボルトボンバーは、前腕部の固定が可能です。
本体側面部に板状の凸ジョイントがあり、これが前腕内側面部のスリットに入り込むことで固定される仕組みです。
これのおかげで、単独ビークルとしてのシルエットが非常に安定するのですが、初回時はえらく固く、また双方プラパーツということもあって、非常に破損が怖いです。
まあ、思い切ってエイヤーで行けば、意外となんとかなるんですけど。
主翼……というか、尾翼。
今回は、これまで超合金魂版でやっていたような「後ろに回りこむ方式」を廃止し、そのまま真下に潜り込む形式となりました。
その結果、上腕部から肩にかけて、劇中にはないスリット穴が残るという事態になってしまいました。
まあ、かといって、元祖ポピニカ版みたいに豪快にオミットするのもどうかとは思うのですが。
この辺りは、許容出来るかどうかは人次第という所でしょうか。
手首周辺の構造は、最初の超合金魂と、超合金魂ポピニカリスペクト及び40thVer.のハイブリッドです。
前腕装甲部分のスライド機構による、手首周辺の伸縮と、手首内蔵ギミックが共存しています。
前面のシャッターパーツが余剰になるのも、従来通り。
かといって、ボルテスバズーカが内蔵されているということは、さすがにありません。
ポピニカ版でよくあった、手首付きボルトボンバーも、当然再現出来ます。
超合金魂(40th Ver.)と、ミニアクション版のボルトボンバー比較。
こうして見ると、超合金魂版とは、全く形状が異なりますね。
■ ボルトパンザー:
ボルトパンザー。
全長12.4メートル、重量220トン。
飛行速度マッハ15という設定だが、劇中ではマッハ16で飛行する場面がある、トンデモタンクメカ。
合体後はボルテスVの上半身&エネルギーセクション担当ブロックを構成し、パイロットは剛大次郎。
セクション機能はあまり目立った描写がないが、エネルギー関連の動作に関して健一が大次郎に指示をしたり、また鷹メカが超電磁ボールコントロール装置をパンザーに取り付けたりと、大変地味に描写している。
コクピットブロック側面にパンザーミサイルやパンザーナックルを装備し、さらにキャタピラ下面から発射するベルトカッターという武器もある。
一番有名な装備は、上面後方部にあるパンザーアーム。
バトルタンクとは前後の向きが逆で、腰側が前、胸側が後方になる。
全長約10.3センチ、全幅約9.6センチ、全高約8.2センチ。
重量は、約336グラム。
本商品の要ともいえる、重要な部位を司る機体。
非常にギミックが凝っており、かつ大きさも手頃という、非常に魅力溢れるビークルです。
魂版の不満点の数々を補っている点も見逃せません。
正面と後部。
側面。
電飾ギミックあり、魂版の改良ギミック搭載、更にちょっと驚くような構造になっているのが、ボルトパンザーの特徴です。
それに、一周りして(?)ようやく劇中のずんぐりスタイルに戻ってくれたのが嬉しいです。
個人的には、一番関心させられた機体でした。
本機最大の注目ポイントと言っても過言ではない、キャタピラ関連。
まずキャタピラアームですが、今回でようやく完成形に達したという印象です。
超合金魂版では、初回版が「ボルテス重戦車」に出来ない構造だったため、キャタピラアームは短いままでした。
しかし、それにより劇中に近いフォルムを維持していました。
対してポピニカリスペクト版と40thVer.は、重戦車形態を取れる反面、キャタピラアームが長いままで、ポピニカ版には近いのですが、劇中からはかけ離れたフォルムになってしまいました。
そして今回のDX魂版は、なんとアーム自体を折り畳んで短縮することで、劇中のフォルムに近づけるという対策を行いました。
当然、やろうと思えば、アームを伸ばした形態も再現可能です(意味の有無はともかく)。
今回も、ボルテス重戦車形態が再現可能なので必然と云える構造ではあるのですが、やはり劇中の寸詰まり体型をしっかり再現してくれているというのは、嬉しいものがあります。
さらに、キャタピラの位置も固定可能になっています。
ボルトパンザーのコクピット周辺のギミックは非常に秀逸で、機首(?)の先端が割れて前方にせり出してくるようになっています。
これは、初見ではまずわからない構造なので、恐らく前情報なしで初めて触れた人は驚くと思います。
コクピットカプセルを取り外した状態。
コクピットカプセル。
コクピットカプセル、大次郎は緑色。
「超電磁ボールコントロール装置」を装着する部分は、魂版と異なり観音開きタイプになりました。
また、底部には鉄板が仕込まれていて、これで磁石接続が可能となります。
パンザーアームは、いつものようにちょっぴり伸びるだけです。
ボルトパンザーの底部(ボルテスVの胸板)は取り外しが可能で、またこれ自体がバッテリーボックス的な存在になっています。
胸板の裏側に電池(LR44×3個)を入れられるようになっており、同時に電源切り替え、電飾&音声スイッチもまとめて付いています。
裏側はこのような形になっています。
天空剣の柄は、マグネット着脱式になっています。
魂版のように、外れた時の底板を別途はめ込む必要はなく、元から底部に備わっています。
マグネットが目立ちすぎですが……
超合金魂(40th Ver.)と、ミニアクション版のボルトパンザー比較。
■ ボルトフリゲート:
ボルトフリゲート。
剛日吉が操縦する双胴型潜水艦。
全長19.5メートル、重量105トンで、ボルトマシン中最大サイズを誇る。
マッハ16での単独飛行も可能で、人によっては潜水艦という印象がほとんどないかもしれない。
修理装置を搭載しており、合体後は修理セクションとなる面白い設定がある。
5話では、ブースター部を破壊されて飛行不能になった時、水中で自己修理を行って戦線復帰したり、32話ではボルトクルーザーを修理した事もあるが7話では飛べなくなったボルトランダーを、メカに強い日吉が直接修理していた。
他ボルトマシン修理時は、なんとアンテナ(艦橋に似たパーツ)部からマニピュレーターを伸ばす。
ボルテスVの腰と脚部を構成。
全長約22.2センチ、全幅約17.5センチ、高さ約7センチ(アンテナ除く)。
重量は、約463グラム。
最大サイズかつ最重量、そして音声ギミック有りの上、ちょっとした驚きギミック込みという、なかなかの機体です。
正面と後部。
側面。
まずは、ランディングギア。
魂版は、ベルトのバックル(グランドファイヤー)が開き、これ自体がランディングギア前輪部になっていたんですが、今回は股間部に個別に収納されており、爪で引っ掛けて引き出す仕様になっています。
ランディングギアの具体的な配置は、ここになります。
ランディング後輪は、魂版のように足首部分の回転するブロック部にあるのですが、配置がちょっと変更されています。
今回は、足首の回転ブロックの先端部に折り畳まれている仕様で、ブロックの向き自体は変更しません。
足首のブロックを一度引っ張った後、爪の先でランディングギアを引っ張り出して、その後ブロックを戻すという形式です。
上面の艦橋部分ですが、これの収納が非常に凝っています。
まずメッキのアンテナをつまみ、そのまま艦橋を真下に押し込むと、左右から自動的にシャッターが閉まります。
その後、アンテナを畳んで変型完了です。
これがかなり軽快に決まるので、ちょっと感動します。
艦橋を戻す場合は、側面の4つの節がある部分をスライドさせることで、カシャン! と勢い良く戻ります。
双胴(両脚)部分は、末端部に支柱を二本かませることで固定が可能です。
これにより、魂版でよくあった「両脚がブラブラ」が起こりません。
若干、劇中スタイルを崩してしまう結果にはなっているのですが、この安定感は素晴らしいので、個人的には充分アリなアレンジだと思えます。
ただ残念ながら、カッチリはめ込むことは出来ないので、しょっちゅうはずれがちです。
また微妙に長過ぎるためか、双胴が綺麗な平行状態になりません。
音声関連ですが、両脚部分にそれぞれLR-44電池を二個ずつ入れる必要があります。
当然、電源スイッチも左右の脚それぞれに個別で存在します。
肝心の音声スイッチは足首のブロック――ボルトランダーが合体するジョイント部分が伸縮することでONになります。
が、しかし、実はボルトフリゲートから鳴る音は「合体音」のみです。
そう、ボルトランダーを接続させた際に鳴る「ガシィーン!」ってな感じの、アレだけ。
それ以外は一切ありません。
合体音一種類を鳴らすためだけに、ボタン電池4個……
キャノピーとコクピットカプセル。
コクピットカプセル、日吉は黄緑色。
合金部分は、太ももの裏側部分と、股間部及び膝の関節部分。
やっぱり殆どプラのため、大きさに対して重さはあまり大したことはありません。
うーん、これのどこが、DX超合金魂なんだろう……?
太もも全部とか、膝下部分の前面部くらいは、合金にしても良かったんじゃないかなあ?
確かに重くはなるけど、下半身を重くする分には安定性が増すから、もう少し比率を多くしても悪くないと思うんだけどなあ。
超合金魂(40th Ver.)と、ミニアクション版のボルトフリゲート比較。
■ ボルトランダー:
ボルトランダー。
紅一点・岡めぐみが操縦する、ボルテスVの足首・足を構成する。
全長8.3メートル、重量80トン、飛行速度マッハ17。
偵察用マシンで、かなり個性的な装備を持つメカ。
合体後のセクションは情報分析担当で、6話では行方不明になった一平の捜索も行っている。
全長約9.8センチ、全幅約12.2センチ、高さ約9センチ(アンテナ除く)。
重量は、約371グラム。
合金部品の割合が、全機中一番多いマシン。
また、ポピニカ版のリスペクトが一番目立ちます。
正面と後部。
側面。
まず本体ですが、両足首になる都合上、左右で二分割出来るわけですが、マグネットによる接続になります。
マグネットの磁力は、弱くはないものの強くもないという程度で、ボディ片側だけを持って持ち上げても反対側は落下せず、しかして揺さ振るとポロリと落ちるという感じです。
正直、もう少し強い磁力のマグネットを使用して欲しかったと思うのですが、ひとまず、片側だけを持つようにはぜす、出来るだけ両方のボディを持つようにすべきかと思います。
今回、ボルトランダーの砲塔内部が、ようやく黒で塗装されました。
キャノピーとコクピットカプセル。
後述しまうが、このコクピットに込められたギミックが、良い意味で気が狂っています。
コクピットカプセル、めぐみは黄色。
まずコクピットブロックは、左右どちらのキャノピーにもセット出来ます。
正解なのは左側なのですが、右側にセットすることが出来るのです。
また、以下で説明するギミックは、左右どちらにも施されています。
(画像では、右側にボルトフリゲートのコクピットブロックをはめ込んでいます)
接続面には、左右それぞれ、上部に二箇所の仕掛けがあります。
前寄りにある、縦長長方形が三つ並んでいるような部分は、コクピット全体を前後にスライドさせるスイッチ。
その後方にあるダイヤルのようなものは、コクピットを回転させるものです。
ここで「回転? まさか……」と思った方は、大正解。
実は今回のボルトランダー、劇中同様に、コクピットの角度を変更出来るのです。
具体的には、先で触れた「ダイヤル」を回すことで、コクピットカプセルに直接触ることなく90度回転させられます。
これは、なかなか凄いこだわりです。
ちなみに、コクピットカプセルの回転を行う時は、コクピットを前にスライドさせた状態で行う必要があります。
尚、ダイヤルの回転方向とコクピットのそれが感覚的に噛み合わない場合もあるかと思いますが、所謂「仕様」って奴です。
ランダードリルは、当然今回も再現されています。
ただし今回は、ドリルを浮かせることが出来ます。
また、ドリル自体を回転させることも可能です。
特徴的な12連?タイヤですが、今回はゴム! ゴム製です! やった♪
また、タイヤ全体を押し込める機構(※サスペンションではありません)もあり、合体時にタイヤのせいでずっこけるようなことにはなりません。
合体時にはタイヤを沈ませ、安定性を確保できるのですが、沈んだタイヤは、この部分にあるスイッチで元の位置に戻せます。
ただ、カチャッ! と勢い良く戻るわけではなく、どちらかというと「ゆっくり押し戻す」感覚に近く、あまりすっきりとはしません。
超合金魂(40th Ver.)と、ミニアクション版のボルトランダー比較。
ボルトマシンが五機揃ったら、次は当然合体。