第153回 ■ BANDAI SPIRITS DX超合金魂「超電磁マシーン ボルテスV〜VOLT IN BOX〜」

2021年9月25日 更新

●PHASE-5 :各種装備

 

 ここからは、各種武器類について触れて行きます。

 まずは、「ボルテスバズーカ」。
 割と使用頻度が高かった装備です。
 今回も、外付けになります。

 

 ボルテスバズーカは、外付けの利点を活かして非常に大型です。
 変な位置に付いている右手首も、ボルテスバズーカの一部になり、これはトリガーになります。

 

 ボルテスバズーカの構成。
 右端のは、先でも紹介した手首ジョイントで、これを用いて装備します。
 下に置いてあるエフェクト付きのミサイルも、勿論構成に含まれます。

 

 ボルテスバズーカは、今回もミサイル発射ギミックがあります。
 砲塔部分を取り外し、その中にエフェクト付きミサイルを差し込みます。
 中でカチッと音がするまで差し込みます。
 その後、ミサイルを収めたまま砲塔を戻すことで完成します。

 

 この状態で、右手首を動かすことでトリガーが引かれ、ミサイルが発射されるというギミックです。
 ミサイルパーツは結構な大きさがあり、にも関わらず、結構な勢いですっ飛んでいきます。
 結構容赦ないです。

 

 超合金魂版で最初に公開された、肩に担いだようなスタイルでも構えも、当然再現可能。
 ……とはいえ、劇中ではこんな構え方してないのですが。

 元々、ボルテスバズーカは右前腕内部に収納されている為、使用する場合は右手首を倒して露出させるのですが(初代・超合金魂でのみ、このギミックを再現)、その為手首がぶら下がる形となります。
 この状態での右親指がトリガーになるという設定です。

 で、実際にこれを構えてみたのですが、ボルテスVの肩・腕の可動範囲の問題で、正直自由に構えが調整出来るとは言い難いです。
 この撮影の為に色々頑張ったのですが、「左手で右親指だけを掴ませる」という、半ば妥協っぽいポージングに甘んじなければ、まともなポージングすら適いませんでした。
 よって、やや前方にまっすぐ伸ばした右腕を、左手で支えて……という劇中再現的なポーズは、取ることは出来ません。
 更に、付属の手首では、左手で右手首を上手く掴むことも出来ません。
 相当な無理をかけ、左手首の指を拡げれば少しの間は可能かもしれませんが、筆者は諦めました。

 

 ガトリングミサイル。
 ようやく! ようやく!! 両手に装備出来るようになりました!
 まったく、なんで今まで一個しか付けなかったんだろう……
 これにより、劇中同様、両腕に装備が可能となります。

 

 ガトリングミサイルパーツ。
 これ自体に、手首ジョイントと同じパーツが底部に付いているので、このまま差し込めます。
 ちなみに、今回はミサイルを外すことは出来ません。

 

 腕を翳すだけで簡単にそれっぽいポージングが可能なので、ある意味、これが一番使い勝手の良い装備ではないかと思われます。
 正直、それ以外の装備は、取り出すのもおっくうなんで……

 

 グランドファイヤー噴射口展開。
 今回は、ストリングパーツ(ベルト)を外す必要なく、バックル単独でギミックが可動します。
 内部のディテールも、かなりしっかり作りこまれていて、塗装もバッチリです。
 こういうところは、さすがDX超合金の大きさあってこそ、ですね。

 

 チェーンナックル。
 今回は結構ぶっとい金属製の鎖で繋がれており、先端部もでかくてかなりの迫力です。

 

 超合金魂版とだいたい同じパーツ構成で、先端部を伸ばすロッドパーツも付属。
 ただし、40th版に付いていた、先端部だけを射出するパーツは、何故か今回は付属しません。

 

 チェーンナックルのパーツ内訳。
 なんと、二組も付属します。
 チェーンの長さは、約41.5センチ!
 あまりの長さに、撮影時は非常に戸惑いました。
 見た目軽そうですが、鎖の重量もあって、実際はかなりドッシリ来ます。

 

 次に、超電磁ストリング。
 まず、ボルテスVのベルトにあたるパーツを外します。
 左右に分割されています。
 ちなみにこれ、一回外すと妙に外れやすくなり、やたらポロリします……

 

 超電磁ストリング。
 これまでのものは皆軟質樹脂製でしたが、今回は硬いプラ製になっています。
 当然、柔軟性はないので、湾曲具合を調整するのは不可能。
 代わりに、細かく分断されたパーツを組み合わせて、動きを再現します。

 ……ぶっちゃけ、結構取り扱いがめんどくさい装備です。

 

 超電磁ストリング・パーツ構成。
 なんと、全24パーツを組み合わせて使います。
 先の通り、形状はこれで固定です。
 一番左がボルテスVに持たせる部分で、掌部分に差し込ませるためのジョイントがあります。
 それぞれの凸部が凹部に差し込まれて連結する構造で、右側下段の6つのパーツは、凸と凸を繋ぐジョイントtとなります。

 実は、これをいちいち取り出すのがおっくうで、そのためレビューする気がなかなか起きなかったという裏事情があります……

 

 これらのパーツは、ジョイントさえ合わせれば、結構自由に組み合わせられます。
 画像では二本にしていますが、当然、めちゃくちゃ長い一本だけにすることも可能です。

 尚、この先端部を巻いている形状のものに交換することで、後述する「超電磁ゴマ」との連携に繋がります。

 

 超電磁ゴマ。
 先の通り、超電磁ストリングの先端部を交換することで、そこに固定させることで、動きを再現します。

 

 構造は、基本的に過去の超合金魂と同じ解釈です。
 超電磁ゴマの下部の尖ったパーツを抜き、これを超電磁ストリングの先端(巻いている形状)に差し込みます。
 さらに、その下から別のパーツ(コマジョイントという名称)を挿し、あたかも巻き取られているように見せるわけです。

 

 超電磁ゴマ単独の大きさは、このくらいです。
 オールプラ製で、結構軽いので負担なく持たせられます(必要性はともかく)。
 それにしても、お腹から出てくるサイズじゃないですよね、明らかに!

 

 いよいよ、ボルテスVを代表する武器です。

 まず、胸のM字型パーツを外します。
 前述の通り、マグネットで接続されています。

 

 天空剣!
 大迫力の、最大最強武器!

 

 天空剣の大きさは、刃渡り約23cm、全長約32cm。
 これを、全高36cmのボルテスVに持たせるわけですから、こうでもしないと撮影ブースからしょっちゅうはみ出します。

 

 両手持ちは勿論可能ですが、振りかざしたポージングも当然可能です。

 

 天空剣自体には、特に何のギミックもないので、色々構えさせて遊んでみます。

 

 武器持ち手首は二種類あり、角度付きのものもあるので、結構自由度があります。

 

 尚、当然ではありますが、超合金魂版では伝統だった「無理矢理収納天空剣」は今回はないので、劇中でたまにやっていた「刃だけ出した状態」は、再現不可能です。
 この画像は、こっそり下で押さえてます。

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●PHASE-6 :ビッグファルコンその他

 

 鷹メカ。
 24話から登場した、ビッグファルコンに所属していない謎の副座式飛行メカで、劇中での正式名称はない。
 便宜上「鷹メカ」と呼ばれるが、24話のナレーション時のみ「メカ鷹」と呼称される。
 元々はボアザン皇帝専用の遊覧機として設計されたものだが、皇帝防衛目的のため強固な装甲と超機動力を持っており、設計者はラ・ゴール。
 超電磁フィールドの効果が通用しないマキシンガル合金を使用した鎧獣士によって、天空剣Vの字斬りを封じられたボルテスVの前に突如出現、超電磁加重砲を発射。
 これによりマキシンガル合金の分子構造を崩壊・急激劣化させ、ボルテスVの窮地を救った。

 

 後に、超電子加重砲をボルテスVに組み込む設計指示書を投下していったため、パイロットは生死不明になっていた剛健一郎博士かと思われたが、実は彼の同志であり、自ら角を折って反乱部隊に参加したボアザン貴族の英雄・ダンゲ将軍が操縦していた。
 マッハ30という非常識極まりない速度で飛行するが、これが正体隠蔽の材料として、劇中で巧く使われていた事は特筆に価する。
 普段はアルプスに隠されているボアザン反乱分子の秘密基地に格納されており、ボルテスVのピンチ時に高速飛来する。
 後に、超電磁加重砲を搭載したものの、超電磁ボールを一回使っただけでエネルギーを使い果たしてしまったボルテスVに合体し、エネルギー許容量を向上させるコントロール装置を組み込む(ボルテスとの合体は、この時の一度だけ)。

 

 全長約12.8センチ、最大幅約15.3センチ。
 全高は、約4センチ(脚部畳み状態)。
 重量は約25グラム(台座含まず)。
 ダイキャストは未使用。
 専用の台座付です。
 
 鷹メカは、本放送当時は玩具化してませんが、超合金魂で初めて立体化して現在に到ります。

  

 前面と後部。

 

 側面。

 

 今回、鷹メカには少々ギミックが増えています。
 脚にあたるパーツが根元から前方に引き出すことが出来て、この辺りまで脚を移動させることが出来ます。
 これが、後のボルテスVとの合体に役立ちます。

 

 超電磁ボールコントロール装置。
 先の解説で触れている、ボルテスVのエネルギーキャパシティーを大幅に増強させる効果を発揮するパーツで、これが鷹メカによって直接ボルテスV内部に増設されました。
 こちら、ただのプラの塊ではなく、マグネットが内蔵されています。

 

 コントロール装置は、今回も鷹メカの爪に挟んで固定させられます。
 今回は四点支持で、鷹メカの前後の爪で四方をロックする感じでガッシリつかみます。

 

 ボルテスVのキャタピラを左右に開き、背中のハッチを(先述の通り)開きます。
 ここに、コントロール装置を固定するわけです。

 

 こんな感じで、カチッと行きます。

  

 鷹メカと合体させた状態。
 鷹メカは、コントロール装置の磁力でくっついているわけではなく、コントロール装置が入る枠の上辺部分に、爪を引っ掛けています(三枚目)。

  

 当然ながら、コントロール装置を中に収めたまま、蓋を閉じることも出来ます。

 

 鷹メカとボルトクルーザーの比較。
 だいたい同じくらいの大きさです。

 

 今回の「何故これを入れた」系アイテム(褒め言葉)。
 なんと、初立体化の「ボアザン円盤」!
 敵メカです。
 こちらも、鷹メカ同様、台座付き。

 

 オールプラ製で非常に軽いのですが、直径約9センチと、思ってたよりも大きいです。
 重量は、約27グラム。

  

 前面だが側面だか。

 

 上面。

 

 底面。
 下部の小さな縦長の穴が、台座の差込口です。

 

 ボルテスVに持たせると、これくらいの対比となります。
 結構大きめなのが伝わるでしょうか。

 

 鷹メカ、ボルトクルーザーとの比較。
 オマケにしては、洒落の利いた上になかなか凝った造型の、非常に嬉しいアイテムですね。

 

 いよいよ、最後の紹介「台座」関係です。

 台座は、この画像の基本体をベースとして、二種類の形態に組み替えられます。

  • ボルテスV展示用
  • ボルトマシン展示用

 また、この台座の裏側には電池を入れることが出来、これ独自で音声(というか音楽)ギミックがあります。

 

 黄色い四角部分が電源スイッチで、これをONにした後、1〜5のボタンを押すことでそれぞれ音楽が鳴ります。

  • 主題歌「ボルテスVの歌」(OPサイズ)
  • BGM「ボアザン軍総攻撃開始」
  • BGM「レッツ・ボルトイン」
  • BGM「ボルテス絶体絶命」
  • BGM「必殺!天空剣Vの字斬り」

 OP以外は、だいたい35〜45秒弱くらいの長さです。

 

 まずは、ボルテスV展示形態から。
 メイン支柱の後ろに、巨大な“V字エフェクト”を、専用の穴に差し込んで立てます。
 更に、メイン支柱の中央に、「ロボ支柱」を接続します。
(本当にそういうパーツ名なんです)

 

 ボルテスVのキャタピラアーム部分を、ロボ支柱のアーム部分に固定します。
 これで、本体をしっかり支えます。

 

 正面から見ると、こんな感じになります。
 ただでさえ撮影ブースからはみ出してるのに、これで奥行きもギリギリでした。

 

 V字エフェクトは、後ろだけじゃなく前にも固定出来ます。
 合体後のポージングも、これで行えます。

 

 続いて、ボルトマシン展示形態。
 ロボ支柱を外し、各ボルトマシンを載せる「カタパルト」とそれを支える「カタパルト脚」を接続します。
 また、最頂部には「ファルコンヘッド」を載せます。

 

 ファルコンヘッドUP。
 下の方に見えるのは、コクピットブロックを固定するための「カプセルホルダー」です。

 

 ボルトマシンを展示した状態。

 

 かなり精悍な見栄えです。
 ただでさえ大きなボルトマシンが三段重ねで飾られるわけですから、これはちょっとした脅威のデカさです。
 ぶっちゃけ、部屋の一部の空間を結構大きく占有するので、飾る為のスペースを気合い入れて空ける必要があるかと思われます。

 

 カプセルホルダーを使うことで、コクピットカプセルも個別で飾ることが出来ます。
 ホルダーは、ファルコンヘッドの下にある縦長の穴であればどこでも好きな位置に固定できます。
 画像のVの字型は、取り扱い説明書に載っている形ですが、実はこれだと、一番下のカプセルがボルトクルーザーに干渉してしまい、Vクルーザーが定位置に配置出来ず、ガタついてしまうという問題が発生します。
 まあその場合、コクピットカプセルを飾らないとか、ホルダーの配置を替えるなどすればいいだけなんですが、なんかここだけ、物凄くマヌケなんですよね。

 

 V字エフェクト。
 撮影ブースで全貌を映すには、横倒しにするしかありませんでした。
 全高は約40.5センチで、Vの字の左右一辺の長さは約45.5センチ。
 Vの字最頂部の最大幅は、約44センチ。
 重量は、約192グラム。
 アクリル製? の、とんでもなくバカでかいパーツです。
 ボックス内での空間占有率も、かなりのもの。

 

 全高約15センチの「MINI ACTION」版ボルテスVを並べると、こんな対比になります。
 これ、所謂1/12サイズの可動フィギュアとだいたい同じサイズなので、どれだけバカでかいかが窺えるかと思います。

 

 最後に、付属電池について。
 本商品には、三種類の電池がこのような形態で添付しています。
 単三電池(台座用)×2、LR-41(Vクルーザー用)×3、LR-44(Vパンザー&Vフリゲート用)×7という内訳です。
 本体に内蔵されているわけではなく、別途まとめられているのは、非常にありがたいものがあります。

 ただし、これらはあくまで「テスト用電池」であり、そんなにちゃんとした電池ではない可能性が高いです。
 末永く使うつもりなら、出来ればこれは使わず、ご自身で新規に購入した電池を用いるべきでしょう。
 また、使い終わったら本体内から電池を全部抜いておくことも、オススメします。

 

 以上、DX超合金魂・ボルテスVでした。

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【総評】

 何と言うべきか、もはや「圧巻」の一言。
 圧倒的な大きさと重量感、そして充実したギミック。
 更に、「やりすぎだ!」とすら思えるほど盛り込んだ各種オプション。
 「DX」の商品名に恥じない、恐ろしいほど豪華な商品です。
 確かに、単価は6万円台と非常に高いですが、それに見合うだけの内容になっていることは間違いないと思います。
 あと、ボルトマシン一体一体が結構な大きさがあるため、本放送当時のポピニカ版を知る人にとっては、ようやく納得の行く後継商品が出たという感覚を覚えた人も多かったのではないでしょうか。

 個人的に思ったことなんですが、超合金魂版で気になった点、問題と感じた点が、ことごとく良い意味で駆逐され、改善されているという点が高評価でした。
 過去のレビューで何度か触れましたが、ボルテスVは腰部分の接続がガンで、ここの改善に注視していたのですが、これは非常に納得の行く改善案を提示された感がありました。
 まあ、重量が重量なんで、負担がかかる部分の接続方法を重視するのは当然とも云えますが。

 

 超合金魂は、基本的に、旧版超合金版と同じサイズで商品化するのがセオリーですが、ボルテスVの場合は、オリジナルのポピニカ版に比べるとかなり小柄でした。
 その為、(前に同様のコンバトラーVもあったし、買った時点でそれは判ってはいたのですが)当時の感触を求めていた人には、あまり評価が良くなかったという面もあったようです。
 そういう不満点を払拭することが出来る商品がやっと出たということで、このDX超合金魂版は、非常に意味があると思います。

 ……が、当然、問題点もあります。

 まず、外観のかなりの割合がプラ製になったことで、超合金としての肌触り感・質感が大きく失われたこと。
 これは、かなり大きな問題だと個人的に考えます。
 実際には、内部パーツや荷重のかかる部位にはきっちりダイキャストを使用しているので、一応問題はないのですが、頭の一部や胸、太ももの一部、足首だけにしかダイキャストが使われていない(という風に見える)点は、仮にも「DX超合金魂」を名乗っている商品としてはどうなのかなと思わざるを得ません。
 また、プラにするにしても腕や脚などが光沢のある表面処理の為、皮脂が非常に付き易く、この為見栄えに影響が出るケースが多々ありました。
 これは結構深刻で、今回の撮影でも最も注意を払う必要のある点でした。

 

 ただこの問題点は、人によって評価が分かれる所ではあるので、一概に重大な問題とは言い切れないとも云えます。
 また本家の超合金魂も、新型コロナの影響で世界的に起きている様々な素材不足・材料不足の影響を受けてなのか、極端にダイキャストの使用率が減少しているケースもあり、これ以上は触れるべきではないのかな、とも思わされます。

 別な視点では、「音声ギミックの存在意義」について、非常に強い疑問を抱いたという点を挙げておきます。
 先で紹介したように、胸部パーツに内包された複雑な音声ギミック、そして台座に設けられたBGMの演奏など、これらは果たして必要なのか? という点。
 あくまで個人的な評価ですが、この玩具の購入を検討する人達の中で、こういったギミックを求めている人達って果たしてどのくらいいるのだろうか? と思わざるを得ません。
 別商品シリーズの話になり恐縮ですが。
 仮面ライダーシリーズのベルトを大人向けに開発した「CSMシリーズ」等でも顕著ですが、わざわざ新録までして音声を増やしたりしていますが、そんなもの、本当に求めてる人はどれだけいるのでしょう?
 まあ、変身ベルトならまだわからなくもないのですが、これが合体ロボット玩具となった場合、作中の臨場感を煽る効果が、この程度のギミックでどこまで発揮出来るものでしょうか。
 本体の大きさの都合、スピーカーの性質も限られ、音質的にも納得のいくものにはなり難く、「なくてもいいんじゃね?」と思えることもしばしばです。
 というか、本商品のそれはまさにそれで、最初からなかった方がどれだけ良かったか、と思わざるを得ませんでした。

 こう書くと「ああ、最近の玩具に慣れていない人の戯言だねぇ」と思われる方もおられるかもしれませんが、ここで述べているのはそういう事ではなく、単純にギミックとして成立し切れていない点に触れているのです。
 例えば、今回の商品で豊富に加えられているBGMや効果音、音声が、簡単な操作で手軽に鳴らせられるなら、臨場感も煽られていい感じに盛り上げられると思うのです。
 しかし、天空剣Vの字斬りの音声を鳴らす為に、8〜9回もボタンを押さなきゃならない状況って、どうなんでしょう?
 飾っている状態で、音声だけを聴きたいがためにそういう操作をするのならまだ判りますが、それは他の媒体でも再現出来るわけで、わざわざ玩具内に取り込む必要性があるでしょうか?
 本商品は、6万円台というかなりの高額度合いのせいで、欲しくても買えない人を多く生み出しましたが、こういったギミックを廃することで、もう少し価格を抑えることが出来たのでは?! と、どうしても考えてしまいます。

 まあ、とはいえ……当時の音源を忠実に用いて丁寧に組み込んでいる仕様自体には、非常に好感が持てますし、一概にばっさり切り捨てるには惜しいものではあるのですが……

 色々書いては来ましたが、疑問点・不満点はあるにせよ、非常に素晴らしい存在感を持つ商品であることは疑いようのない事実ですし、現状のハイエンドトイでありますので、ボルテスVに“人生を賭けるほどの魅力”を感じてやまない方々には、是非とも入手して頂きたいものであると、ここに強く述べておきたい所存です。

 ……箱ごと保管するというなら、家財の一部を片付けるなどの手間を要する(可能性のある)アイテムではありますけどね!

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