第110回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーサイガ」
2013年3月9日 更新
2004年12月、装着変身「仮面ライダーサイガ」が発売されました。
非レギュラーのゲストライダーが商品化というインパクトは、当時凄い驚きを感じさせました。
それから約9年後、いよいよフィギュアーツで再商品化となりました。
前回の商品化の時も、そのプレイバリューに驚きましたが、果たして今回は?
■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーサイガ
2013年9月25日〜11月13日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
2014年2月21日配送開始(22日頃到着)。
同時配送物は、下記参照。
2014年2月のラインナップは、以下の通り。
- 2/15 「仮面ライダーアギト・シャイニングフォーム」
- 2/21(配送開始日)「キョウリュウブルー&キョウリュウグリーンセット(獣電戦隊キョウリュウジャー)」「マンモスレンジャー(恐竜戦隊ジュウレンジャー)」「マシンデンバード(仮面ライダー電王)」(すべて魂ウェブ限定)
全高は約14センチ(ツノ含まず)。
合計3種6個の手首付き。
サイガフォン、フォンブラスター(通常)の計2個付属。
サイガドライバー(バックル部のみ)計3種付属。
フライングアタッカー付属。
トンファーエッジ(小)2本付属。
トンファーエッジ(大)2本付属。
台座などのオプションはなし。
価格は税込4,200円。
仮面ライダーサイガ。
劇場版「仮面ライダー555パラダイスロスト」に登場する、ゲストライダー。
スマートブレイン親衛隊員レオが、「帝王のベルト」の一つ「天のベルト」ことサイガドライバーを使って変身する、白色のライダー。
専用装備「フライングアタッカー」で自由に飛行する能力を持ち、それまでのスマートブレイン製ライダーとは異なった戦闘スタイルを持つ。
サイガフォンを変型させたフォンブラスターや、変型したフライングアタッカーからの銃撃「ブースターライフル」などを武器とするが、最大の攻撃はグリップ(操縦桿)を引き抜いて使う「トンファーエッジ」と、これにミッションメモリーを挿入して放つ「サイガスラッシュ」。
その他、コバルトスマッシュやスカイインパクトという、ファイズやカイザと同様の必殺技を持つ(ただし専用装備は不要)が、劇中では未登場。
劇場版「仮面ライダー555パラダイスロスト」では、瞬時に数名のオルフェノクを撃退し、(劇場版の世界では)非常に強力な存在として危険視されていた仮面ライダーカイザ(草加雅人)を一方的に倒してしまうほどの実力を発揮。
乾巧が変身するファイズとの戦闘では、当初は優勢であったものの、アクセルフォームとのチェイスに破れフライングアタッカーを破壊されてからは劣勢となり、最期はファイズエッジによる「スパークルカット」をベルトに受け、灰化して果てた。
尚、レオを演じたピーター・ホーは、シリーズ初にして唯一(2014年3月現在)外人が演じた仮面ライダーで、その台詞は全て英語だった。
そのため、日本語を一切話さない仮面ライダーでもあり、これは「仮面ライダーディケイド」の「仮面ライダーカブトの世界編」にて、ディエンドが召還した際にも統一されていた。
さて、サイガです。
まずは、定番の前後比較から。
マッシブな555アーツ体型を継承していますが、頭部の大きさが良バランスなので、非常にスタイルが良く見えます。
また、膨張色の白なのに、さほど太めに見えないところもさすがです。
各部に散っている、メタリックブルーが適度の引き締め効果を発揮しているのか? と思えたり。
ちなみに、今回指先の銀部分がしっかり塗られている点もポイントです。
頭部アップ。
感情を全く連想させない、無機質な単眼フェイスが特徴的です。
ゴーグルの紫色が、非常に良い発色具合。
なんでカイザの時にこれが出来なかったのかと、つい思ってしまいます。
でも首が短いような……
斜めから。
銀部分のスミ入れなども、丁寧に行われています。
さすがは限定品。
頭部の青いライン(フォトンストリーム)も、ボディ同様銀地にクリアブルー塗装処理。
非常に深い蒼で綺麗なんですけど、当然退色が気になってしまいますね……
左肩部分の細かなメカモールドも、手抜かりなく塗装されています。
こういう処理は、ささやかな効果ながら凄く嬉しく感じられるものです。
胸部は、ゴーグル同様クリアパーツ。
その上を横切るフォトンストリームの処理が、実に綺麗です。
天のベルト・サイガドライバーは、ファイズやカイザ同様バックル部分が交換出来る仕様。
向きを間違えないよう、裏側にある二つのダボのサイズを、それぞれ変えてあります。
サイガドライバー三態。
上から、ミッションメモリー付き、ミッションメモリなし、サイガフォンなし。
固定力はそこそこで、勝手に脱落はしません。
今回も、足首はダイキャスト製。
安定性は高いので、片足立ちもOKの安心の保持力。
……と書きはしたものの、それはさすがにサイガ単独で飾る場合の話。
フライングアタッカーを装着すると、さすがに安定性に欠けてしまいます。
それでも、(やや前のめりになるとはいえ)しっかり自立出来るという点はさすがダイキャスト足首といったところでしょう。
ちなみに、足の裏はきっちりペイント済み。
ファイズの頃に泣いたのも、今はもう忌まわしい思い出。
サイガフォン。
今となっては古臭さすら感じるガラケー型ですが、ファイズ系ライダーが持つと不思議と古さを感じさせない気がします。
今回も、展開状態のみの付属で、閉じた状態はありません。
ちなみに、ファイズの時に出来た「フォンなし状態のバックルになんとなく固定」は、今回出来なくなっています。
フォンブラスターも、当然付属します。
武器持ち手のフィット感は、これが一番。
裏側? はファイズのものとは微妙に異なる造形となっています。
メモリーの球状部分の大きさが、別物。
サイガはフォンブラスターを左手で撃ってるので左利き、右持ちは間違いと良く言われますが。
劇中では右手でサイガフォンを持って変形させ、最初に左手で撃ってから右手に持ち替えて撃ってるんですよね。
レオ自身は変身の初動でも右手から動作が始まってたりするので、一概に左利きと断定する要素は(映像上からは)ないと思われます。
トンファーエッジも、右手を攻撃に用いてましたから。
まぁ、両手利きという可能性もあるでしょうが、多分そんなとこまで凝って設定はしてないでしょうね。
さて、いよいよフライングアタッカー装着の流れ。
まず、サイガの背中のパーツを外します。
腰裏側から指先を引っ掛けて、そのまま上に回すようにすれば簡単に外れます。
背中のパーツを固定しているツメは、短い直方体型の二連式で、そう簡単には折れない造りですので、少しくらいなら強く外しても支障はありません。
フライングアタッカー全体。
ご覧のように、サイガの背中のパーツがくっついています。
背中パーツとはボールジョイントで接続されています。
この状態だと、単体で見た場合ちょっと変ですね。
素材は、全てプラ製。
塗装は非常に丁寧で、質感もなかなか。
一応、背中パーツは取り外し可能。
フライングアタッカーを単独で飾りたいという人(いるのかな?)にも対応しています。
尚、この背中パーツを常時サイガに付けておいて、フライングアタッカー装着プロセスを簡略化しようというナマケモノさんがいるかもしれませんが、残念ながらそれは無理です。
背中パーツとの接続部の口径の問題で、サイガの背中にパーツが付いた状態でフライングアタッカーのボールジョイントを押し込むことが困難だからです。
無理やり押し込もうとすると、パーツが割れるかもしれないので、ここは素直に諦めましょう。
背中パーツを取り外したサイガに、フライングアタッカーを装着。
これで終わりではないです、まだ固定は不充分。
丸部分を、ジョイントで繋ぎます。
これで二点?支持となり、フライングアタッカーの固定力が更に高まります。
フライングアタッカー装着完了。
ようやく、サイガらしくなりました。
横から。
サイガの肘や肩の可動範囲の都合で、グリップを握るとどうしてもこんな風になります。
アームが直角にならず、やや斜めになる感じ。
ですが、むしろこれくらいの方が、自然に構えてるようにも思えます。
どうあれ、これはアームの基部の自由度が高いから行える姿勢なんで、決して問題点ではありません。
残念ながら、「仮面rライダーナイト」や「仮面ライダーオーディン」のような、魂STAGEを接続するジョイントの類は、フライングアタッカーには設置されていません。
そのため、浮かせて飾るためにはクリップ部分を工夫するしかありません。
ここが、個人的に一番残念だったところです。
とはいえ、造形上どこにもジョイントを設けられそうにないのも事実なんで、これはやっぱりしょうがない事かと思います。
でも、やり方によっては横向き飛翔状態でも飾れるので、アイデア次第なのかなとも。
フライングアタッカーのブースター部分も、左右に回転できます。
劇中でそういう可動があったかは覚えてませんが、噴射角度を変更とか楽しめそうです。
ブースターライフルにする時は、この部分のツメを引き起こして、トンファーエッジの底部に差し込みます。
これで、ブースターとグリップが一体化。
非常に良い工夫だと思うんですが、あえてゼイタクを言うなら、ここの部分はグレーか銀色っぽい成形色にしてくれたら良かったのになぁ、と思わなくもない感じ。
通常時に、色の差が結構目立つんですよね。
ブースターライフル。
カイザとの対戦などで使用していたのが、印象的です。
書き忘れてましたが、グリップのナックルガード部分は、体色の青部分と同じメタリックブルー塗装です。
フライングアタッカーのグリップは、そのまま引き抜くことができます。
サイガの三つめの武器・トンファーエッジ。
エッジ(棒)部分はナックルガードとは違い、普通の青塗装になっています。
クリアブルー塗りだと剥げ落ちるからかな?
エッジが長いバージョンのトンファーエッジも、別に付属します。
エッジの塗装は、短い方と同じです。
トンファーエッジ(長)は、片方がミッションメモリー付き。
もう一方はメモリーなしです。
バックルパーツを差し替えて、エクシードチャージ状態も再現可能。
これで、ファイズと絡ませることでアリーナでの対決シーンも再現可能になります。
……って、ファイズの武器持ち左手がないと、締めのポーズが出来ないのですが。
以上、仮面ライダーサイガでした。
【買ってみて一言】
非常にクオリティが高く、装着変身のプレイバリューを更に高めたような仕様が素晴らしくて、とてもお買い得感の高いアイテムです。
何より、造形と塗装が物凄く良くて、安っぽさを全く感じさせないところがさすがです。
本来であれば、すごく安っぽくなりそうな造りなのに、です。
こういう条件でここまで高いグレードの商品を作り出せるのは、さすがだと言わざるを得ません。
ただ、細かいところに目を向けると、いくつか不満点が見えてくるのもまた事実。
例えば、サイガは首の可動範囲が異常に狭く、ちょっと斜めにするのが限界で殆ど回せません。
よく見ると、首のジョイントがかなり短いらしく、寸詰まりになっています。
また、フライングアタッカーの可動部分がかなり軽く、ちょっとしたことですぐ角度が変わってしまったり。
でも、逆にいえばそれくらいしか気になる要素はなく、(個人的な好き嫌いを別とすれば)全体的には非常に良く出来た商品であると言えます。
555ライダーは、残りはあとオーガくらいですが、このグレードで最後まで突っ走ってもらいたいなと、切に願う次第です。
でも、ライダー以外ではまだ色々ありそうだよね。
変型システム有りのオートバジンも、WEB限定で受注受付中だったりしますし。