古物倉庫SP ■ 今野産業「バイ菌軍団大行進!」4
2007年8月29日 更新
【バイ菌軍団 戦車部隊シリーズ(全14種)】
「バイキン軍団・戦車部隊シリーズ」とは、前シリーズ「バイキン軍団大行進」に続く商品で、バイキンのプレイバリューを更に拡張したものです。
前期・中期の中から14種類のバイキンをセレクトし、本来背中にある吸盤を小型化・下方向へ移動させ、これを利用して塩ビ製の戦車に搭乗させられるようにしました。
バイキンなのに戦車に乗っているというシチュエーションは当時かなりのインパクトがあり、ハマっていた子供達の注目を集めたと思われます。
バイキンが搭乗する戦車は、今野産業がバイキン軍団以前に販売していた「ファイターシリーズ」という商品からの流用で、本来は砲塔部と本体部に分かれた消しゴム玩具でした。
本シリーズでは、これの本体部分のみを使い、本来砲塔部パーツが差し込まれる穴に、バイキンの下向き吸盤を差し込むスタイルに変更。
そのため、「戦車部隊」シリーズとしてリリースされた物以外の「ファイターシリーズ」戦車の中には、穴の口径が合わずバイキンを搭乗させられないものも、またその逆パターンもあるようです。
(情報:趣味人様)
この穴サイズについては諸説あるようで、「改修して吸盤が差し込めるようにした」「元々吸盤が入るサイズの戦車を選んだ」「平均的な穴サイズに合わせて吸盤の大きさを調整した」等、色々と言われているようですが、実際はどうだったのか今ではもう知る術はありません。
(筆者個人としては、吸盤サイズ調整説に信憑性を感じていますが)
本シリーズのために流用された戦車は全15種類。
なぜかバイキン本体より一種類多いのが特徴です。
薄っぺらい物からかなりごつく分厚い物まで、種類と特徴は様々。
中にはキャタピラではなくタイヤのものもあります。
内訳は以下の通り。
- 日本61式/日本74式/日本M42
- アメリカM-3/アメリカ・スチュアート/アメリカ・チェロキー
- イギリス・マチルダー/イギリス・チーフテン
- フランス・AMX-13/フランス・クロテル
- ドイツ・パンサー/ドイツ タイガー
- ソビエト・ミサイル/ソビエト・T34/76
- 103B MBT(スウェーデン)
本体裏面にカナ&英数文字で大きな刻印があり、上記は表記ママ。
砲塔がないため、戦車に詳しくないとどちらが前なのかわからなくなってしまう物があります。
刻印の向きで前後方向の区別がつけられるか…と思ったら、実は必ずしも向きが統一されているわけではないようです。
「戦車部隊シリーズ」は、基本的にはバイキン本体・戦車共にスプレーなしの成型色ママ状態ですが、極僅かにスプレー塗装版が存在します。
成型色は青・赤・黄色・緑・ピンクが主ですが、クリアや蓄光などの特殊バージョンは存在しませんでした(不確定…だけど多分ない)。
バイキンは、前述の通り前期・中期からセレクトされているが、全種類ピックアップではない上に後期14種は存在していません。
これは、戦車部隊シリーズが大行進中期と後期の間に発売されたためです。
当時はそれを知らず、ありもしないバイキンを集めようと必死になっていた者がいたり、後期バイキンの戦車バージョンが存在するという嘘情報に踊らされた人も居たようです。
少なくとも、一人は確実に存在しました。
誰とは言わないけど…
背中の吸盤がなくなったため、どのバイキンもかなりスマートになった印象があるのも、本シリーズの特徴です。
形状は、吸盤位置変更以外は大行進版と同じなため、原型改修などによる成形なのではないかと考えられます。
以下は、各バイキンの画像。
形状が大行進版とほぼ同じため、各コメントはオミットしています。
【前期】
■ バイ菌
手のひらを良く見てごらん。
ぼくの友達がたくさんいるだろう。
手をよく洗わないとお腹の中へはいっちゃうゾ〜。
(ミニブック解説より)
■ 水虫菌
お兄さんの臭い靴下、お父さんのゲタに注意!
暖かくなると「ジクジク・カサカサ」と鳴きだすのですぐにわかる。
(ミニブック解説より)
■ 出歯菌
ギャー出っ歯菌! と大声で叫んだヤツにだけ感染する菌。
ボクの口の中にはいないゾ。
きっと、トウモロコシの中にいるのさ。
(ミニブック解説より)
■ 悪魔菌
ドラキュラの棺おけの中に住む。
伝染すると吸尻鬼になって、女の子の尻を追いかけ回すようになる。
太陽の光に弱い。
(ミニブック解説より)
■ 菌額
ボクの貯金箱にいる菌。
お手伝いを少しするとお母さんのサイフの中から移ってくる。
お金持ちになる良い菌だョ。
(ミニブック解説より)
■ イジワル菌
イジワル花子が巻き散らしたといううわさ。
足の太い女の子に多く、カワイイ男の子にチュッとされるまで治らない。
(ミニブック解説より)
【中期】
■ バイ菌大王
バイ菌の中の王様?
いつもいばっている菌。
そういえばそんな菌どこかで見たゾ。
そうだ、先生にソックリ!
(ミニブック解説より)
■ 菌マン
大菌獣を相手に戦う正義の菌マン。
バイ菌の中の英雄!
テレビの菌マンショーにも出演。
なんだかわけのわからない菌。
(ミニブック解説より)
■ なまけ菌
宿題をする時間になるとテレビの回りに発生する。
感染すると「なまけ者病」になる。
叱られるとすぐに治るんだモーン。
(ミニブック解説より)
■ のぞき菌
「のぞくベッチーのぞくベッチー」と言いながらテストの答えをのぞくズルーイ菌。
テスト勉強しない奴だけにうつる。
(ミニブック解説より)
■ でめ菌
頭を3回たたくと2日後に目の回りに発生する。
よく見るとカワユイ菌。
この菌が目に入ったら舌を引っぱってもダメ。
(ミニブック解説より)
■ 大食い菌
おやつを食べて、すぐにごはんが食べられるんだって。
きっとお腹の中には大食い菌がいっぱいなんだ。
(ミニブック解説より)
■ うんち菌
ためゴンから発生し、あたり一面にくさい臭いをまきちらす。
世界一くさい菌。
一度ふむと、においがとれない。
(ミニブック解説より)
■ 電菌
刺されるとシビレる。
電線に多く発生しているので凧上げの時には注意しよう。
また、長く座れば足に発生することもある。
(ミニブック解説より)
先述の通り、下向きの吸盤を戦車砲塔部の穴に押し込んで固定するわけですが、この時ちょっとだけコツが必要で、穴の中で吸盤が湾曲したり、変に折れ曲がったりすると綺麗に立たなくなってしまいます。
また、穴の中に空気が入ってしまって、なんとなくおかしな感じになることも。
さらにさらに、たま〜に戦車の穴が深すぎて、下まで貫通しかけているようなデンジャラスなものが混入していたりもします。
そういう場合、踏み抜かないように気をつけるひつようがあります。
実際はそんなに難しいわけじゃないんだけど、いざ乗せようとすると、なんとなく細かな姿勢にまで拘ってしまいがちです。
●ここまでのまとめ
前回も書いた通り、バイ菌軍団の魅力は世代限定のもので、しかもその世代の中でもごく限られた人しか価値を見出せないもののようです。
だから本来、そんなものは丁寧に取り上げる価値もない、と切り捨てられやすい傾向もあります。
ですが、このバイ菌軍団に限らず当時リアルで似たようなものを集めていた人にとっては、ガチャガチャを回して消しゴム人形を手に取るという行為そのものが、かけがえのない思い出として心に残っている筈なのです。
筆者はすれすれでキン消しブームに乗らなかった世代のため、そちらに対する執着心は皆無なのですが、これを集めていた人達の気持ちはすごくよくわかるつもりです。
当時は、現在のガシャポンでは考えられないほどシリーズ内個数が多く、フルコンプへの道のりはとてつもなく厳しかったものです。
だから、コレクションはほとんど「無限への挑戦」に等しく、それは怪獣消しゴムでも、キン消しでも同様でした。
全部集め切っていないうちに次のシリーズが出れば、そりゃあ無限の道になりますよ、って。
しかし、だからこそ必死になってこずかいを費やし、ガチャガチャ機にへばりつく価値があったわけです。
これはもう、今となってはまず蘇る事のない古いノスタルジーですね。
その断片だけでも、このページに残しておければと思い、今回このレビューをまとめてみました。
バイ菌軍団を集め、サイトに画像を載せている人は多いが、それらをもっとじっくり見て、当時集めていた人達の懐かしい気持ちを刺激できればいいなと思います。
というわけで、今回はカタログ風画像にはせず、玩具レビュー風にまとめさせてもらいました。
このページで、誰か一人でも「ああ、こんなのあったよ!」とか「おー懐かしい!」とか言ってくれれば、それ以上の喜びはありません。
さて、次回はいよいよ「バイキン軍団暴走族シリーズ」に行ってみましょう。
【募集】
このバイ菌軍団レビューページ製作にあたり、筆者は今現在もなおバイ菌軍団シリーズを集め続けております。
もし、現在もなお持ち続けているという方がおりましたら、是非お声をかけてください。
トレードや買取をさせていただきたいと思いますので。
以上、無期限で待っておりますので、どうぞよろしくお願いします!!
「あ〜どうせ邪魔なもんだし別にいいよ〜」というご奇特な方は、是非こちらよりご一報ください。