古物倉庫SP ■ 今野産業「バイ菌軍団大行進!」3

2007年5月6日 更新

【バイ菌軍団大行進!! シリーズ(後期 全12種)】

 後期シリーズは、人気も高く争奪戦も凄まじいので、なかなかに入手困難です。
 先の通り発売時期が特殊で、そのためあまり出回らなかったのか現存数or流通数が妙に少ないようです。
 また成型色の偏りも多く、特にピンク色がよく見かけられます。

■ バイ菌女王 ■

 バイ菌のあこがれの的。
 モモエ菌ともいう。朝一番にカガミを見た時「ァ〜私はなんと美しい!」と思ったら、もう感染している証拠。
 (ミニブック解説より)

 比較的人間っぽかったバイ菌大王に対して、思いっきり非人間型のデザイン。
 これで美しいとは、片腹痛いわ。

 また時代を感じさせる解説があるので、念のため説明。
 「モモエ」とは、70年代から80年代初頭にかけて大人気を誇った歌手・山口百恵のことです。
 三浦友和の奥様。
 アイドル歌手のクセにダーク&ニヒル路線で突っ走り、その生い立ちの暗さと独特の影(というか暗さ?)が魅力で、いまだに多くのファンを持つ人。
 その路線は、後に中森明菜に引き継がれてます(嘘)。
 人気絶頂期に引退したため、半ば伝説と化している人でもありますな。
 筆者にとっては、「いい日旅立ち」と大映テレビ室「赤いシリーズ」の印象強し。

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■ バイ菌博士(ばいきんはかせ) ■

 バイ菌大王の先生。
 人間のことならなんでも知っている。
 もちろん君がおやつを食べる前に手を洗わないってこともね。
 (ミニブック解説より)

 バイ菌大王やバイ菌樹と共に、入手が厳しいと思われていた人気アイテム。

 一つ目にモジャモジャ毛、大口に三叉の矛。
 左手に持っている本と、学者風の帽子以外は凶暴極まりない造形なのに、ちゃんと博士をイメージさせるデザインにまとまっているのは、さすがというべきでしょうか。
 この怖キモさが、バイ菌の味わいだと思うわけです。
 ま、別にリアルで怖がる奴はいなかったでしょうけど。

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■ おなら菌(おならきん) ■

 ブヒブヒと鳴くからすぐバレル菌。
 発生源はおいもかお腹の中かパンツの中か良くわからない。
 悪化するとうんち菌とも仲良くなれる。
 (ミニブック解説より)

 モチーフ型の典型、もう判り易過ぎ。

 鼻息らしいものまでモールドされている面白い造形ですが、どうやら鼻の穴らしき部分はなさげ。
 上半分と下半分のボリューム感がものすごく違うので、大変面白い形状になっています。
 という事は、当然人気も高いと。
 ま、それとは別に、いわゆる「お下品系ネタ」は子供(というよりガキんちょか)の大好物だから。

 これが暴走族シリーズになると、長い足に加えてヘルメットが!
 胴体のボリュームもアップしたけど、なぜか腕だけは短くなってたり。

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■ カリカリ菌(かりかりきん) ■

 近寄るな! 近寄るな! カミナリが落ちるゾ。
 すごーく頭に来た人のオツムに発生する。
 静かにしているとすぐにおとなしくなるから心配ない。
 (ミニブック解説より)

 アフロですよ、アフロ!
 敵は金髪でストレートであります。

 笑っているような表情なので、あまり「怒りの菌」という気がしないけど、設定がそうなら仕方ないかな。
 多分、怒り→カミナリが落ちる→髪の毛がチリチリになる→軍曹、という連想イメージの結果だと思いますけど。

 そういえば昔は、一般の女性の中でも普通にアフロにしている人が居たっけなあ。

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■ キントン雲(きんとんうん) ■

 雲の型をしたバイ菌。
 大昔、猿によく似た宇宙人が地球に持ってきたらしい。
 感染すると空を飛んでいるようないい気持ちになれる。
 (ミニブック解説より)

 この解説を読んで「ドラゴンボールの悟空」を思い出してるようでは、まだまだ甘いと。
 これが発売された頃は、まだドラゴンボールどころか「Dr.スランプ」がやっとジャンプに連載開始したばっかという時期でした。
 これは、当時大人気だった「西遊記(夏目雅子&堺正章版)」にあやかって作られたもの。
 当時知らない人にはピンと来ないかもしれませんが、円谷版西遊記の人気は、後のバージョンなど足元に及ばないくらいの超絶人気で、しかも世界レベル(本当)だったのです。
 こうしてみると、後期は当時の人気要素をふんだんに取り入れた設定の菌が多い事に気付かされます。
 横長の造形と、独特の表情が魅力で、さりげに人気が高い菌。
 このうつろな目と、分厚い唇が可愛いよね。

 以下余談。
 ちなみにこれ、聞くところによると「なんでも鑑定団」で北原照久氏が一体一万円なんていうアホな鑑定額を付けた事がありました。
 つか、ダメだよあの人の言う事真に受けちゃ!
 ブリキ玩具しか知らないんだから。

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■ 人くい菌(ひとくいきん) ■

 アフリカの奥地で発生したらしい。
 でも、かなり流行している。
 ほら、誰にでもかまわずカミツキたがる奴がいるだろう。
 犯されているゾ。
 (ミニブック解説より)

 人型なんだけど太めで、しかも四次元ポケットみたいな奴に、人間の手足が!
 バイ菌大王とは別な意味で怖いぞ!

 これ、当時からずっと不思議だったんですが、こいつらバイ菌っていうからには細菌並のサイズの筈なんだよね。
 という事は、こいつが銜えてる手足って、ものすごいマイクロサイズなわけで…それって絶対人間の手足じゃないよ!!
 などと、細かい所が気になってしょうがなかった小学校低学年当時。
 余計なツッコミですかそうですか。

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■ 下くちびる菌(したくちびるきん) ■

 夜の8時ごろに多く発生する菌。
 目から感染する。
 すぐにヒゲダンスを踊りたくなるから感染したかどうかすぐわかる。
 (ミニブック解説より)

 これをリアルで集めていた世代には説明不要でしょうけど、この解説はTBSのオバケ番組「8時だよ!全員集合」のドリフターズ・故いかりや長介氏にちなんだものです。
 ヒゲダンスは志村けんと加藤茶なんですが、まあ細かい事はいいでしょう。
 言うまでもないですが、口全体、三つ目の方が目立っていて、本来メインの筈の下唇がほとんど目立っていない気がします。
 全バイ菌の中でも比較的大型の方で、意外にモールドも細かいため、結構充実感が高いのも特徴です。

 バイ菌缶シリーズではカラオケマイクを持つタイプだったんですが、復刻版では、なぜか暴走族版が使用されました。
 画像はカラオケバージョン。

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■ バイ菌樹(ばいきんじゅ) ■

 アマゾンの密林に発生すると言われているがまだ見た人はいない。
 幻のバイ菌。
 この幹から取れるジュースは不老不死の薬といわれる。
 (ミニブック解説より)

 形状特殊型なので、やっぱり人気が高いようです。
 筆者も、これと後述する「バイ菌博士」は、当分入手不可能だと思っていたほど。
 木の幹がすべて三角形になっていて、さらに邪悪な顔つき。
 それでいてデフォルメ? が利いていて、どことなく不気味可愛い雰囲気になっているのはさすがです。
 ちゃんと木肌の筋まで再現されているのがいい感じ。
 けど造型自体はお世辞にも丁寧とは……。

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■ ハナタレ菌(はなたれきん) ■

 ハナグソ菌のいとこ。
 昔、ハナ紙屋がひそかにバラまいたというウワサも!?
 だから今は大繁盛。飲みこまないように。
 ハナグソ菌になるよ。
 (ミニブック解説より)

 当初は入手にえらく苦労させられたものの、ある時期からやたらと手に入るようになってしまったという奇妙な一品。
 ハナグソ菌のいとこの割に、形状がまるで違うのはすごいなと。
 顔の造形が、チープ感を程よく引き立てていて大変良い味わいです。
 平面に筋彫りで再現したようなモールドが、いかにも後期シリーズという感じで、見ていて嬉しくなってきます。
 単純なデザインの割に、妙に情報密度が高いように思えるのも魅力。
 復刻版では、暴走族シリーズの金型が流用されています。

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■ ヨダレ菌(よだれきん) ■

 デブ菌の子供。
 食物・おもちゃ、なんでも目に入るとすぐほしくなる。
 ほっておくとあっという間にデブ菌に……。
 ホラ、ホラヨダレタラタラ。
 (ミニブック解説より)

 でっけぇ頭と口と唇、いかにもアホでっせといわんがばかりの顔。
 珍しい二本ヅノ、対比的に妙に小さい体と、人間型の中でもかなりの個性を発揮しています。
 立体的な浮き彫りモールドが多いけど、筋彫りモールドも多く、その中に細かなゴミが詰まってるケースもあるので、状態にこだわる人は爪楊枝などで掃除を。

 これとなきむし菌は、なんとなくデザインがごちゃごちゃしている印象があって、当時はあまり積極的に集めていなかった記憶があります。
 近年になっても、オークション等で見かけた場合あまり積極的に入手しようとしていなかったんですが、後にそれで大後悔させられるハメに。
 ああ、やっぱり無理してでも落札しとくんだったなあ。

 こちらは、カラオケバージョン。
 残念ながら、こちらも復刻版には存在しません。
 オリジナルとはえらく形状が変わっていますが、どうも暴走族版の方がベースになっているっぽいです。

 画像の右が暴走族版。
 こちらは別ページで別途解説。

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■ 車菌(くるまきん) ■

 自動車のハンドルに発生する菌。
 この菌に感染すると、目がつりあがり、悪魔のような顔になり、赤信号が見えなくなる。
 こんな車には気をつけよう。
 (ミニブック解説より)

 妙にに薄っぺらだけど、ちゃんと自立可能。
 車の意匠を盛り込みながら、うまく顔のようにまとめているのがいいお味。
 元々車には顔がある、と言って、ライトやフロントグリル、バンパーなどを顔に見立てる事がありますけど、これはその集大成といった感じです。

 ちなみに現在手元にはありませんが、こちらもパチ物の存在を確認しています。
 以前所有していたものは、赤のクリア成形のもので、オリジナルよりも柔らかい材質で出来ていました。
 また、複製品のためか微妙にサイズが小さく、またモールドもほとんどが溶けたように潰れていたのも印象的です。
 話によると、青のクリアバージョンというものもあったそうです。

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■ 金もち菌(かねもちきん) ■

 感染するとなんでもお金を出せば手に入ると思ってしまう。
 新しいものをつぎつぎほしがる君は、このいやしい菌のとりこになったのだ。
 (ミニブック解説より)

 やばい、俺確実に感染してる!!

 ドル袋に顔が付いて手足が生えているという、これまた実にコンセプトの判りやすい菌。
 目的型と判断してもいいかな?
 それにしても、解説読むと別にありがたい菌じゃないのね。
 妖怪金魂みたいのを想像しているとエラいことに。

 のっぺりしたヒラメ顔にかなりラフな形の目と口が付いている形状で、なんとなく他に比べて浮いた造形に感じられます。
 復刻版(&カラオケバージョン)では全体的に引き締まり、縦長になると共に顔の造りもまとまりましたが、なぜかマイクで片目を隠すというおかしなデザインに。
 キャラクターデザインとしては復刻版の方が完成度高いけど、バイ菌的にはやはりこちらの造形の方がしっくり来るかな?

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■ なきむし菌(なきむしきん) ■

 本当はイジメッ子に寄生している。
 だからイジメッ子が強いんじゃなくてなきむし菌のおかげなんだ・・・ボクが泣かされるのは。
 (ミニブック解説より)

 コンセプトだけ読むとすごく弱そうなんだけど、槍とマントのせいで妙に偉そうに思えてしまう不思議なデザイン。
  第三期には珍しいスプレーなし版。
 人間型バイ菌の中では、これが一番好き。
 泣いているのに強そうにも見えるというギャップがね。

 ちなみに筆者、これを入手するタイミングを過去三回ほど逃していまして、今回のレビュー製作中にたまたま一体手に入れる事が叶いました。
 もしそのチャンスすら逃していたら、一個だけ足りないという情けない状態でレビューするハメになっていたかも。
 ありがたやありがたや。

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■ タイフー菌(たいふーきん) ■

 海水浴に行くと約束した時に限って発生する。
 時にはいえがつぶれることもある強力なきん。
 塩をまいたぐらいでは退治できないのだ。
 (ミニブック解説より)

 名前そのまんまの目的型。
 おなら菌と並んで、第三期中もっともわかりやすいコンセプトデザイン。
 しかし、本来台風の目があるべき渦巻きの中心部には何もなく、全然関係ないところに一つ目が浮いているというのが個人的にツボ。
 それにしても、解説読む限り電菌に並ぶ実害ありまくりの菌なんだなあと、あらためて感心。

 タイフー菌は第三期の中でもなかなか入手し辛いもののようです。
 今回たまたま手に入れたものは、なきむし菌と同じピンクのスプレーなし版。

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 バイ菌軍団シリーズ第一弾は、これまで。
 さすがに一度に全部紹介するのは無理なので、回数を分けて更新していきたいと思います。

 そして次は「戦車部隊シリーズ」に行ってみたいと思います!!

→ バイ菌軍団戦車部隊シリーズ 全14種

→ バイ菌軍団大行進 暴走族シリーズ

→ バイ菌軍団大行進 復刻版

→ バイ菌軍団大行進 第一期(前期)14種

→ バイ菌軍団大行進 第二期(中期)14種

【募集】

 このバイ菌軍団レビューページ製作にあたり、筆者は今現在もなおバイ菌軍団シリーズを集め続けております。
 もし、現在もなお持ち続けているという方がおりましたら、是非お声をかけてください。

 トレードや買取をさせていただきたいと思いますので。
 以上、無期限で待っておりますので、どうぞよろしくお願いします!!

 「あ〜どうせ邪魔なもんだし別にいいよ〜」というご奇特な方は、是非こちらよりご一報ください…

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