第96回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「ジェノサイダー」2
2013年1月20日 更新
本商品は実質ミラモン3体セットみたいなもんなんで、必然的にレビューも長くなります。
というわけで、このページはエビルダイバーとジェノサイダーを取り扱います。
ベノスネーカーとメタルゲラスは、こちらから。
■ エビルダイバー:
全長約28センチ(エビルウィップ含む)、最大幅約24センチ、最大厚み約2.5センチ。
当初は仮面ライダーライアと契約、後に仮面ライダー王蛇と契約する、エイ型のミラーモンスター。
常に空中を飛翔し、神出鬼没。
単独では、特にこれといった特性を発揮していないが、メタルゲラスには及ばないものの多少執念深さはあるようで、ライア亡き後、仮面ライダー王蛇を襲撃したこともある。
王蛇の持つ三枚目のコントラクトカードで契約を果たし、ユナイトベントで融合合体時は、背面を構成する。
エビルダイバー。
ある意味最もギミックが少ないミラモンなんですが、今回はそれなりに頑張っていて、目を見張る大きさでアピールしている感じです。
とにかく、横幅が、面積がデカい!
そこに加え、こっそり隠しギミックなんかもあったりして、唸らされます。
エビルダイバーは、R&M版他のように下部に車輪などがないため、基本浮かせて飾る必要がありますが(まあ地べたに置いてもいいんですけど)、そのために専用の保持パーツがついています。
これと、ライア用の魂STAGEを組み合わせれば、いい感じになります。
まぁ、それでも飾る場合はかなりの面積を占有してしまいますが。
エビルダイバーは平たい体躯なので、今回はまず上面・下面比較から。
金色の部分は、全て凹モールドへの塗装処理。
下面。
まさにエイという感じの鼻腔と口腔が開いてます。
口の横にある変型五角形の部分は、特にギミックはありません。
所謂ネジ隠しかと。
頭部アップ。
メタリックグリーンの目が、なんかいいです。
相変わらずの無表情っぷりがラブリー。
今度は、前面。
若干俯瞰になってますが、薄さは実感出来るかと。
背面、というかリアビュー。
サイドビュー。
とにかく長いです。
補助パーツはこの部分で接続できるようになっています。
固定力は上々で、一度はめれば脱落はまずありません。
ちなみにこの接続部は、ジェノサイダー時に活用されます。
尾の脇にある尾びれ? 部分はそれぞれ上下に可動。
また、尾自体も同じように根元から動かせます。
下降時に上げたり、上昇時に下げたりすれば雰囲気出るかもしれません。
定番通り、今回もエビルダイバーの尾はエビルウィップとして利用出来ます。
ただ、今回この接続部がやや甘めで、しっかりはめておかないと高頻度で脱落します。
これは、ベノスネーカーの尾と違い、特に変な構成ではありません。
当然ながら、尾は仮面ライダーライアに持たせることも可能です。
装着変身の時は、R&M版と微妙に異なっている造型でしたが、今回は?
まぁ結論からいうと、ライア付属版とは完全な別物になっています。
上が、「仮面ライダーライア」に付属したエビルウィップで、下が今回の“エビルダイバーの尾”です。
下の長さは、約15.2センチ。
色はともかくとして、各節々の形状や先端部のしなり方など、全く別になっています。
ただし、可動部分は同一で、ライア付属版と似たような感覚で扱えます。
ライアに持たせる場合、ポージングによって使い分けると面白いかもしれません。
ただし、ライア付属版をエビルダイバーに装着させることは出来ません。
画像は、今回付属したエビルウィップのグリップ末端部。
当たり前ですが、エビルダイバーに装着させるための凹ジョイントが設けられています。
対して、こちらはライア付属版のエビルウィップ。
グリップ末端部分には、ジベットスレッドのモールドが設けられているため、接続が出来ません。
エビルダイバーの背中の一部はスライド式になっており、その下には魂STAGEの支柱を固定できるジョイントが設置されています。
こんな感じで支柱を立てて……
台座から伸びてる奴を含めると、二本も用意せにゃなりませんが。
ここで、ライアとFVのカードなどを準備して。
ファイナルベント「ハイドベノン」。
これまでの商品でも、エビルダイバーの上に立たせることさえ出来れば一応再現可能ではありましたが、今回は支柱に支えられるので、宙に浮かんだ理想的な状態で飾れます。
ただ、実際にやってみるとわかりますが、ライアを立たせるのは結構難しく、見た目の印象からは予想不能なくらいの難易度が付きまといます。
エビルダイバーがこれだけの大きさにも関わらず、ライアの足の置き場に困ってしまうというのも意外なところ。
ハイドベノンを横から。
このように、支柱の関節をそれぞれ限界まで曲げないと、ライアを所定の位置に配置できません。
そのため、かなりタイトな工夫が求められます。
仮面ライダーライア用の魂STAGE台座。
まぁ、実際にはエビルダイバー専用とした方がいいのかもしれません。
ライアを飾った状態。
以上、エビルダイバーでした。
どことなく愛嬌のある顔で、かつ他にない独自の体型が個性放ちまくりで、好きな人にはたまらないミラモンです。
とにかく出来に関しては文句のつけようがなく、非常に良く出来たアイテムです。
R&M他版よりシャープさが増し、スタイリッシュになりつつも無理なく大型化を図っている点も見逃せません。
なんか好きなんだよね、エビルダイバーって。
■ 獣帝ジェノサイダー:
さて、ようやく「ユナイトベント」。
王蛇のカードの力で、三体のミラーモンスターが融合合体。
ここからが本領発揮です。
まずは、メタルゲラスから。
メタルホーン部分を取り外し、頭部全体を前方に押します。
胴体中央部が倒れ、身体の縦幅が広がります。
次に、頭部を限界まで持ち上げます。
先ほど、ヘビープレッシャー時に保持用パーツを接続した部分アップ。
背中の突起部分には、実は回転式のジョイントが収納されています。
若干爪で引っ掛けづらい気がしますが、慣れればなんとかなります。
次に、ベノスネーカーの二番目の節の一部・六角形状の部位を取り外します。
ここが、メタルゲラスとのドッキングジョイントになります。
この六角形パーツを取り外すにはちょっとコツが必要で、爪で掴んで左右に揺するようにすると取れやすくなります。
この時取り外したパーツは完全な余剰となりますが、非公式ながら収納出来る場所があるので、安心です(後述)。
尚、このギミックのため、ベノスネーカーの代わりにドラグレッダー(またはドラグブラッカー)を合体させるのは不可能になります。
メタルゲラスの頭部、メタルホーンを固定していた突起部分を、先ほど開いたベノスネーカーの穴に差し込みます。
メタルゲラスと、ベノスネーカーが合体した状態。
この直前に、ベノスネーカーの各節の向きを調整しておくと便利です。
エビルダイバーの腹部の穴を、先ほど展開したメタルゲラスの背面のジョイントに接続します。
エビルダイバーを、背負わせるように合体させます。
エビルダイバーのヒレ前面部を、左右共に大きく展開させます。
メタルホーンを、ベノスネーカーの頭部に被せます。
やり方は、まずメタルホーン裏側後部にある突起を、ベノスネーカーの後頭部の突起に引っ掛けるようにしながら被せます。
続けて、大ヅノを前に倒します。
すると、連動して内側で突起が倒れ、ベノスネーカーの鼻先をロックします。
これで、マスク部の固定完了。
融合合体完了、ジェノサイダー爆誕。
合体時全高は約28.5センチ(ツノ除く。通常姿勢時)、最大幅約23.3センチ、最大奥行約48.5センチ(ツノ先からベノサーベル末端まで。尾を伸ばした状態)。
物凄い大きさです。
劇中のジェノサイダーは、基本的に首下が着ぐるみ、首から頭部全体がCGで表現されていましたが、頭部も含め着ぐるみだったシーンも若干ながらあったため、当時ごく一部のWEB上では、ジェノサイダーは果たして着ぐるみかCGかで揉める一面もありました。
改めて、仮面ライダー王蛇と比較。
数値上の身長差はきっちり2倍なんですが、体積差が半端ないので、大きさは単純に2倍とかそんなもんじゃ済まない事態になっています。
劇中では、もっと小型で王蛇の背後でウネウネ頭を動かしてた感じなんですが、正直その対比で出されていたら、物足りないなんてもんじゃなかったでしょうね。
これはイメージ優先の勝利といったところでしょうか。
……まぁ、原型となった(だろう)ドラグレッダーの型や、ライアを乗せる必要のあるエビルダイバーのサイズからの計算の結果ってのが、正直なところなんでしょうが。
単に横に並べるだけでも充分大きさがわかるというものですが、ジェノサイダー視点で他のライダー系フィギュアーツを見下ろすと、その身長差が更に際立ちます。
画像は、合成ではなく実際に並べて撮ったもの。
約2倍の身長とは、実際はここまで巨大なんです。
これまで触れてきた各部関節可動範囲の拡張によって、非常に多彩な表情付けが可能になっています。
加えて、造型もシャープで迫力あるものになっていて、はっきり言ってR&M他版が霞みます。
さすがフィギュアーツといった感がありますが、相変わらず思うのが、「何故龍騎ばかりこんなに気合が……?」という疑問。
このクオリティを、他の平成ライダーにもry
ジェノサイダー・前面。
若干起立状態に近づけていますが、実際にはもう少し膝を曲げ、前屈みにするのが「らしい」かなと。
サイドビュー。
正面からではわかり辛かった奥行きの凄さが、わかるかと思います。
二本尻尾が割とキュート。
背面。
特段太いとは感じられなったベノスネーカーの尾も、こうして見ると結構太さがあって迫力感じます。
頭部アップ。
メタルゲラスの目とベノスネーカーの口が組み合わされただけで、何故ここまで人相(…?)が変わって見えるのか、本当に不思議。
可動範囲・ギミックは、ベノスネーカーのそれに準拠。
実は、側面の金色のヒレ(?)もそれぞれ可動したりします。
そういえば、劇中でもヒクヒク動いてたような気がする。
ジェノサイダー形態独自のものではないんですが、さっき触れなかったギミックについて。
実は、中央部のツメが左右共に引き伸ばせます。
これで、少し転倒防止になる?
もちろん、メタルゲラス時にも使えますが、気分的にジェノサイダー時に使いたい感じがします。
何故か、説明書には表記されてなかったりします。
メタルゲラス、エビルダイバー、ベノスネーカー(一応)とファイナルベントの再現が出来た以上、ジェノサイダーにも当然ギミックが存在します。
胸の装甲板が取り外し可能になっていて、ここを差し替えることでFV再現出来ます。
尚、先ほどの融合合体のところで触れた「ベノスネーカーの余剰パーツ」は、普段この中にしまっておけます。
当然、FV再現中は不可能になりますが。
ジェノサイダーオリジナルのファイナルベント「ドゥームズデイ」。
ジェノサイダーの腹部に出現したブラックホールへ、相手を蹴り込んで消滅させてしまう恐るべきもの。
決まったら即死確定という、間違いなく全ライダー中最悪最凶のFVです。
ただし、効果がやばすぎなせいか劇中では殆どが不発や未遂で終わっていて、最終回でようやく決まったものの、結局ライダーを倒すことは出来ませんでした。
ライダーは倒せなかったとはいえ、マグナギガを倒すという快挙? を果たした「ドゥームズデイ」。
やっぱりおっかない技なことに変わりありません。
嗚呼、仮面ライダーディケイドで披露されなくて本当に良かった。
ジェノサイダー付属のカードは、全部で3枚。
左から、「ユナイトベント」、「アドベント(ジェノサイダー召還)」、「ファイナルベント(ドゥームズデイ)」。
一番右端は、裏面です。
王蛇の主要カードが、これでようやく出揃う形になります。
これだけ巨大なジェノサイダー。
でも全部プラだし実際の重さは大したことないよね? と思いつつも調べてみたら、なんと502グラムもありました。
参考に、2013年1月に発売された「仮面ライダー1号桜島Ver.」が39グラム、手元にあった「Fate/Zero
セイバー&セイバー・モータード・キュイラッシェ(バイク)」が台座つきで160グラム。
初期の超合金魂(非合体)が単体でだいたい300グラム前後でしたから、単純比較は難しい対比ではあるものの、やっぱり結構重いものだと実感できます。
以上、ジェノサイダーでした。
長いレビューにお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
【買ってみて一言】
もはや、問答無用!
ジェノサイダー好きなら有無を言わさず買いなさい!(※受注は締め切られています)としか言いようのない、現状のベストアイテムではないかと思われます。
こう書くといささか褒めすぎな感もなきにしもですが、一部の要素に好みが分かれる点があることを除けば、非常に高く評価出来る商品なのは疑いようがありません。
プレイバリューもあり、複数の他ライダーとも絡められ、しかも絡め方にもバリエーションがあり、加えて造型も塗装も良好。
価格と飾り場所の確保がネックではありますが、それを補って余りある魅力に溢れています。
ここしばらく心配の種になっている、塗装面の疑問も特に問題ありませんし。
尻尾の付け辛さの件さえなければ、まさに完璧というのが、個人的な評価です。
あえて出来以外の難点を挙げるなら、商品化発表時期をもう少し早くして欲しかったかなというものがあります。
「仮面ライダーガイ」のレビューでも書きましたが、本商品の商品化情報が流通したのは2012年7月23日で、ガイの申し込み締め切りである5月7日の二ヵ月半後。
そのため、ジェノサイダー商品化が判っていたらガイ買ったのに! 的なユーザーが結構いた様子で、その影響もあってか、ヤフオクでのガイ高騰化は(ガイのレビューで触れた後も)今尚進んでいる有様です。
当時は、いざとなったらfigma「仮面ライダードラゴンナイト」のトラストで代用すればいいやと考えてた人もいましたが、後手だったこともあってか、やはり完成度はフィギュアーツの方が遥かに上で、果たしてどこまで代用になりえたのか疑問を差し挟む余地がありました。
まぁ、こんな風にタイミングの計り方がまずいのは、もはやバンダイのお家芸みたいなものなんで、文句を言っても始まらない気がしますが、王蛇とライアとガイは、ジェノサイダー発売が確定しないと手を出す気がしないという人の気持ちもわからなくはないんですよね。
ちなみに、2013年1月中旬現在、オークション相場は定価+2,000〜4,000円程度。
多少無理すればまだ追いつける感じですが、ガイ等と共に入手しようとすると、ちょっとした勇気が必要な額になる印象です。