第50回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダーW ヒートメタル/ルナトリガー」

2010年5月8日 更新

 フィギュアーツWの第二弾は、赤と銀のヒートメタル。
 基本仕様はサイクロンジョーカーとほぼ同じなので、造形・可動についてのポイントは前ページをご参照ください。

■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーW ヒートメタル

 2010年3月20日発売。
 同時販売物は、「強化外骨格霞(覚悟のススメ)」「イース(フレッシュプリキュア!)」※。  
 全高約14.5センチ(ツノ含まず)、全3種の手首付き。
 メタルシャフト長・短の計2種付属。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込2,625円。

※2010年3月20日は、WEB通販品も含めると過去にないほど多数のSHFシリーズ商品が同時リリースされた日となった。
上記3種に加え、他にも「SHF仕様バトルホッパー」「同・アクロバッター」「強化外骨格零・最終局面Ver.」が同日配送された。
更にこの前日には「SHFキュアミント&ルージュDXセット(及び各単品版)」が配送されていたため、3月の三連休初日は最大8体もの新商品を手にする事が可能だった。

 劇中ではめったやたら強い印象のあるヒートメタルの商品化です。
 なんでも、Wの基本フォームの中でも人気が高いとかなんとか。
 本商品は、基本的にサイクロンジョーカーのリペ商品のため、あちらを持っている人には商品イメージが掴みやすいと思われます。

 前面と背面。
 ヒートメタルは、なんといっても「マフラーなし」「メタルシャフトを背負う」という色以外の外観特徴が目立ちます。
 WFC版と異なり、ヒート側襟部分に使われないマフラーの穴が開いているということはありません。

 付属手首は、サイクロンジョーカーと同じ握り拳と平手に加え、今回初となる「武器持ち手」が入っています。
 ただし平手は指揃え型のため、イマイチ棍を構えている雰囲気が出しづらくなっています。
 出来れば指をぐわっと開いた平手も付けて欲しかったものです。

 メタルシャフトは、長短二種付属。
 長の方はドえらく長いですが、その分ハッタリが利きまくりでなかなかカッコイイです。
 ただ、最初は武器持ち手が硬いため、指の隙間にシャフトを通すのが若干困難。
 メタルシャフトはPVC製ではなくABSのため(アギト・ストームフォームのストームハルバードと同じ)、くれぐれも折らないように注意する必要があります。

 でも、一旦持たせる事に成功すると指が適度に開いてくれるようになるため(癖が付く)、次からは若干持たせやすくなります。

 メモリブレイク時に炎を吹き出す排気孔も、しっかり再現されています。
 この大きさ・太さでもしっかりモールドされているのは、本当に嬉しい限りです。

 メタルシャフトは形状が独特のため、持たせる位置をどうするか戸惑うのですが、今回は二箇所に「ずり落ち防止」と思われるストッパーが付いているため、そこをガイドにして構える事が出来るようになっています。
 こういう配慮は、本当にありがたいものです。

 保持については特に問題なし。
 クウガ・ドラゴンフォームアギト・ストームフォームのように手の中で回るような事はありません。
 これは手首の保持力もさることながら、メタルシャフトの形状の都合で掴みやすくなっている事も関係しているようです。

 WFCヒートメタルとの比較。
 WFCのメタル側は、こうして見るとなかなか渋い色合いだとわかります。
 SHFの方は派手ですけど、それが嫌味になっていないので違った良さに繋がっていますね。

 WFCヒートメタル付属のメタルシャフトとの比較。
 形状としてはWFCの方が忠実で、フィギュアーツはどちらかというとイメージ優先でアレンジされているようです。
 長と短で、かなり形状も違ってるし。

 メタルシャフト短の固定位置は、設定通りメタル側の肩甲骨辺り。
 固定方法は、メタルシャフトから伸びている凸ジョイントを背中に挿すというシンプルなものですが、実はここに最大の注意点があります。
 メタルシャフト短はABS製な上、ヒートメタルの固定穴の口径がややきつめなため、差し込む際に変な方向に力を込めると凸ジョイント軸(固定ピン)が折れてしまうことがあります。
 しかも、凸ジョイント軸がそこそこ長めという事もあり、背中に固定した後もメタルシャフトに不用意な力を込めると、根元からポッキリ逝く危険が考えられます。
 これは発売初日より各所で指摘されていた問題で、決してエラーというわけではないのですが、大変に神経を遣うポイントとなってしまいました。

 コツとしては、メタルシャフトを回しながらゆっくり差し込み、固定後はどこかにぶつけないように慎重に取り扱う事。
 ただし回す際も、グリグリ押し込むようにするのではなく、優しくゆっくりねじ込むようにした方がよさそうです。
 サイクロンジョーカーのマフラーでは、これをやるとかえって基部が破損してしまいますが、今回はそれと正反対の扱いが求められるわけですね。

 丁寧な扱いが面倒な人は、後述するシリコンスプレー使用するのもいいでしょう。
 スプレーを一度ティッシュに吹き付けてからシャフトのピンに塗りつけて使用すると、驚くほど効果が高いです。
 ユルユルにもならず、ストレスなく取り外しが出来るので、本当にオススメです。
 サイクロンセットヒートセット対策として、今のうちにシリコンスプレーを購入しておくのも良いかもしれません。

 時既に遅しの人は、開き直って背中の穴を広げるか、いっその事ピンバイスと真鍮線を使って軸を新造するのが良いかもしれません。

 前回指摘し忘れていましたが、肩から背中にかけての部分は別パーツとなっていて、接着剤で固定されています。
 うまくパーツ分けしていて、さりげに感心させられます。
 このパーツを引き剥がす事が出来れば、その下にあるネジを調整することで肩関節基部の硬さ・緩さを調整出来るそうです。
 ただしこれは破損の危険が高いため、個人的にはオススメしかねます。

 ヒートメタルの肩関節が異常に固いという報告は各所で見られ、どうやら慢性的な問題のようですが、一番良いと思われる対策は「シリコンスプレー等の潤滑剤を使用する」というものです。
 ラジコンやミニ四駆等を取り扱うお店にある、ABSを冒さないタイプのシリコンスプレーを購入し、付属ノズルを肩口に差し込んでシュッと一吹き。
 これだけで、ギチギチ感が驚くほど緩和されます。
 けれど吹き過ぎには注意を。
 筆者はうっかり、首元から噴出すくらいぶっかけてしまったのですが、それでもユルユルになる事なく保持力を維持したままスムーズに動かせるようになりました(首関節部分のは当然拭き取りましたが)。
 値段も高くないし、一つ持っていると後々の問題にも対応可能ですから、大変便利かと思います。
 画像のものは、MARUIの「シリコンメンテナンススプレー」。
 プラスチック素材を保護してくれるので、大変重宝します。

 さて次は問題点です。
 ひとまず造形面の問題は前回細かく触れましたので、それ以外の部分について。

 ヒートメタルはサイクロンジョーカーと違い、左右両側のボディに塗装が施されています。
 そのせいか、塗装精度に大きなブレが目立ちがちです。
 細かい傷や擦れ、塗装剥げは言うに及ばず、塗装ムラなどもかなり多く指摘されています。
 このため、充分な在庫がある店舗での選別は必須といえるでしょう。
 本来であれば、選別行為はあまり推奨されない行為ですが、今回はそれでもやらざるをえないほど個体差が激しくなっています。
 実際に、筆者も相当数の「塗りに問題がある物」を見ています。
 特に多いのが胸板や顔、角や肩などで、場合によっては背面や太股の裏側など、パッケージの外からでは決してわからない部分にも至っています。
 筆者の物も背面側の細かい傷が目立ちましたが、幸い極端なものはなかったので補修や交換はナシでいけると判断しました。

 ちなみに、この問題は「ルナトリガー」でも同様に存在します。

 塗装面の問題というと、WEB各所で「身体の部位によって色の塗りが違ってる」という指摘が見られます。
 これは、ヒート側の頭部や胴体がきちんと二度塗り(銀の下地の上に赤を塗っている)なのに対し、四肢が成型色マンマのため、色味の差が目立ち大変格好悪い……といった内容です。
 確かに、ヒート側の胴体部と手足の色味はかなり違っているのですが、実はこれ成型色ではありません
 PVC製の四肢は何かの理由で頭部や胴体と同じ処置が出来なかったようで、赤の成型色の上に赤を吹くという塗装を施しています。
 赤の上に赤なので、成型色のまんまだと勘違いした人が多かったようですが、サイクロンジョーカーの右側、ヒートメタルのメタル(左)側も全く同様の処置で、決してヒート側だけ手抜きされているわけではありません。

 脚を根元から外してジョイント周辺を見るか、或いは膝を曲げた状態で周辺を見ると、それがよくわかります。
 サイクロンジョーカーの右足も、緑色の成型色パーツ上にメタルグリーンの塗装が施されています。
 同様に、メタル側もライトグレーの成型色の上から銀が吹かれています。

 ヒートの手足は確かにややくすんだ色になってしまい、いささか残念なバランスではありますが、少なくともこれだけ仕様が変化しているという事はないようです。
 サイクロンやメタル、ルナ、トリガー側では特に気になるものではないため、これは素材の色と塗料相性がたまたま悪かっただけなのではないかと、筆者は個人的に考えています。

 メモリブレイク「メタルブランディング」。
 本商品では構えるまでが精一杯ですが、4月発売予定の「SHF仮面ライダーW・ヒートセット(ヒートジョーカーとヒートトリガーのセット)」には、噴出す火炎のエフェクトが付いたメタルシャフトが付属します。

 こちらが、その「エフェクトパーツ付きメタルシャフト」を構えた状態。
 このパーツの詳細については、後日公開予定のレビューページをご参照ください。

 炎の向きが固定でしかもエフェクト部が重いため、ポージングがかなり制約されます。
 自立を考慮せず魂STAGEで支える前提なら、まだある程度ましなのですが。

 「ヒートセット」付属のもう一つのエフェクトパーツ「バーニングパンチ」を、ヒート側に付けてみたところ。
 劇中でも、ヒートメタルは右手でこんな攻撃をしていました。
 このパーツについても、詳しくは後日のレビューにて。

 「ヒートセット」付属の手首で、「さぁ、お前の罪を数えろ」ポーズ(右手でだけど)。

 サイクロンジョーカーの時の大絶賛から一転、今回はあまり好評価に恵まれた感が少ない印象のあるヒートメタルですが、仕様は特に問題はなく、SHFW系の造形・スタイルに納得出来る人なら充分に満足出来る商品だと思います。
 また、W系初の武器持ちフォームという事もあり、飾り映えは更に高まり、またポージングバリエーションも(やや難しいとはいえ)更に楽しめるため、ある意味ではサイクロンジョーカーよりプレイバリューに溢れていると言えるでしょう。

 しかし、それでも塗装面の問題は無視し難いレベルで、ぶっちゃけるとこれだけでかなりの損をしています。

 塗装面のクオリティの差異は、本商品だけでなく同日発売のイースでも指摘されていますが、全体的にハデな色合いのせいかこちらの方が問題点が目立ってしまいがちです。
 
 フィギュアーツは塗装問題が結構あるので、出来るだけ通販は利用しない方が良いとは以前から言われていますが、最近は通販予約しないと危険なケースも発生しうるようになったため、人によってはやりたくても出来ない場合もあるようです。
 そんな状況下で、塗装クオリティ問題が以前より目立つようになったとなれば、かなりきついものがあります。
 特にW系は、2010年3月現在計8商品12体もの発売が確定しているわけで、それら全てに今回のような問題が起こりうるとなると、ユーザーはかなり神経質になりかねません。
 すべての商品に全く同じグレードを求めるのは不可能ですが、それでももう少しだけ製品チェックが徹底すれば、悪い流れが断ち切れそうに思えるだけに残念です。
 まして「強化外骨格霞」のように、さほど大きな問題が挙げられない製品もあるのですから、やってやれなくはないと思うんですよね。

 とにかく、せっかくの良い品がほんのちょっとの事でケチがつくという事態が続いてしまう(可能性が見える)のは、個人的に残念でなりません。
 ましてこのヒートメタルが、その口火を切るるような形になって欲しくはないものです。

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 続けてフィギュアーツWの第三弾、黄と青のルナトリガー。
 こちらも、ヒートメタル同様基本仕様はサイクロンジョーカーとほぼ同じなので、造形・可動についてのポイントは前ページをご参照のこと。

■S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーW ルナトリガー

 2010年3月27日発売。
 同時販売物は、同シリーズ中にはなし。  
 全高約14.5センチ(ツノ含まず)、全3種の手首付き。
 トリガーマグナム計2種付属。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込2,625円。

 W基本フォーム三番手は、初公開当時そのエキセントリックな色合いのため批判的意見が多かったルナトリガー。
 しかし、今となってはすっかりなじんでしまった感があります。
 やっぱり特撮ヒーロー物は、動いてみるまでわからないものですよね。

 さて、のっけからで恐縮ですがいきなり問題点の指摘。

 今回のルナトリガー、右側の黄色がかなり薄くなっています。
 劇中だと、もっとハッキリ際立った「いかにも黄色」という色なのですが、本商品は金とプラチナの中間くらいといった感じの金属色になっており、かなりイメージが違っています。
 肩アーマー等のゴールドラインの色合いの方が、まだ近いです。

 フィギュアーツのW系は、以前からソウルサイド(右側)の色が劇中のものとかなり変わっている特徴があります。
 サイクロンジョーカーの頃から違和感については述べられていましたが、あちらは「これはこれで綺麗な色」として好意的に受け入れられていた感があったため、特に問題視はされてなかったようです。
 しかし、今回のこれは人によっては納得が難しいレベル。
 なんというか、黄色ではなく金色であると誤解されたまま配色指示が行われたかのような、「奇妙な感覚のズレ」を覚えます。

 ボディサイド(左側)の青が結構良い発色をしている事もあり、相対的にソウルサイドの薄さが際立って感じられる部分もあります。
 ひょっとしたら、ルナメタル(黄と銀)ルナジョーカー(黄と黒)だったら、これほど色の薄さが気にならなかったかもしれませんが、そちらについても現物が出てみないことにはなんともいえませんね。

 ルナトリガーの黄色が薄いという事は、試作品の時点から指摘されていました。
 しかし、とうとう修正される事なく販売に踏み切られてしまいました。
 「フィギュアーツはファンが指摘すると問題改善が施される」と考えているファンもおられるようですが、今回の件や「SHFディケイドの膝の色オミット」のように、度重なる指摘にも関わらず頑なに修正が行われないパターンも多いので、本当に油断なりません。
 とにかく、今後ルナトリガー&ルナセットを購入する際は、色味についてある程度の割り切りが求められる事は間違いありません。

 劇中の着ぐるみという具体的な比較対象があるため、どうしても劣っているように思えてしまいがちなルナ黄色ですが、それでも本商品単独で見た場合はなかなか綺麗なもので、決して適当な処置をされているわけではありません。
 また、部屋の照明・明るさによって黄色の発色が微妙に変化するため、全く同一の個体を見ても直接目視する場合・写真撮影した場合とで色が違って見えるケースもあり、これはこれでなかなか面白くもあります。
 今回のレビューにあたり、黄色部分は出来るだけ現物の出色に近くなるよう調整していますが、それでもCRTモニタで見た場合色が濃く見えてしまうのではないかと考えています。
 それと似たようなことが、現実でも起こりうるといえば、多少ニュアンスは伝わるでしょうか?
 これぞ、まさにルナ(幻想)の力!?

 ここからはオススメポイント。
 ソウルサイドにケチのついたルナトリガーではありますが、ボディサイドの青は本当に良い発色です。
 実はこれも劇中色と違うんですが、サイクロンジョーカーの緑同様、はっきりと発色されているせいか違和感は少ないです。
 結局、全く同じ色でなくてもそれっぽく感じられればいいって事なんですよね。

 黄色と青の身体、そしてマフラーやシャフトのような装着物がまったくないスタンダードなスタイルは、過去の2フォームとはまた違った個性を感じさせます。
 今更な感想ですが、実際はただ色が違うだけなのにこれだけ異質なイメージを生み出すのは、本当に素晴らしいです。
 基本デザインがシンプルなのも功を奏しているのかもしれません。
 上では色々指摘してますが、実は個人的にはこのシンプルスタイル&メタルイエロー/ブルーの組み合わせは大変お気に入り。
 見慣れた、というのもあるかもしれませんが、今ではこのメタリックイエローに高級感すら覚えます。
 ちなみに魂フィーチャーズによると、基本フォーム中このルナトリガーが、塗装面で一番コストがかかっているそうです。

 ルナトリガーは、銃を持つのがソウルサイドのため青側の動作がイマイチ寂しい感がありますが、左用にも武器持ち手がしっかり付いているため、左手撃ちも可能です。

 今回の付属品トリガーマグナムですが、こんなに小さいのに驚くべき情報量を持っていて、かなりビックリさせられます。
 WFC版の時ですらかなりの出来と思えたのですが、今回のモールドの細かさ・丁寧さはその比ではありません。
 これは、フィギュアーツ銃ライダー系の中でもトップクラスの完成度。
 こういうサプライズは本当に嬉しいものです。
 ちなみに、武器持ち手はヒートメタル付属の物とは別物で、人差し指が引き金にかけられるようになっています。

 通常形態と、マキシマムドライブ状態の銃身を伸ばしたバージョンが付属。
 単に銃身部分が違うだけではなく、細かい変更箇所にもこだわられています。
 また、大きさやグリップ形状もWFCの時より改善されており、スマートに飾れるようになっています。
 これは、同じ金型を利用されるだろう「SHF仮面ライダースカル」のスカルマグナムにも期待出来そうです。

 WFC版ルナトリガーと比較。
 実はWFCの方も、黄色は微妙な色でした。
 ひょっとして、発色の良い黄色というのは表現が難しいのかな?

 WFCのトリガーマグナムと比較。
 WFCの方は、手首の構造上大変持たせ辛かったのですが、形状そのものはそんなに悪くはなかったり。

 残念ながら、今回も「トリガーマグナムを左胸に装着する」のは不可能です。
 WFCの時も書きましたが、やはり胸板に穴を開けるわけにはいかなかったのでしょう。
 この辺は諦めるしかないようですね。
 両面テープで無理矢理着けてみると、上の写真みたいになりました。
 ……銃が大きすぎて無理ありすぎやん。
 これを問題なく再現するとなると、更にもう一つ「小さなトリガーマグナム」パーツを付属させないとなりませんね。
 ああ、それじゃオミットされる筈だわ。

 Wのボディは二重塗装のため、皮膜の一層目がかなり薄く、ヘタに粘着力の強いテープを使用すると色剥げが発生するかもしれませんので、注意が必要です。
 挑戦してみようと考える方は、くれぐれも無理をされませんよう。

 「気分屋な記聞」で鷹羽飛鳥氏も書いてますが、トリガーマグナムが胸に接続される理由は

  • ベルトにホルスターをつけると「右側に銃が出現」してしまうため設定上おかしいことになる
  • 更に右腰横には、既にマキシマムスロットが設置されている
  • かといって左腰にホルスターをつけると扱い辛くなるし、まして玩具のDXダブルドライバーに余計なギミックを増やすことになる

 という事情が組み合わさった結果の、苦肉の策なのでしょうね。

 メモリブレイク「トリガー・フルバースト」。
 グリップに左手を添えるようにすれば両手撃ちポーズをそれっぽく再現出来て良い感じです。
 こうなると、3WAY誘導弾のエフェクトパーツが欲しくなってしまいますね。

 本編では絶対やらないだろう「東映特撮撃ち」をでっちあげ。
 どちらかというとスーパー戦隊のイメージが強いですが、RXもこんなジャンプでチョップ技とか使ってましたね。
 というかそれ参考にしたんだけど。

 SHFサイクロンジョーカー、ヒートメタルと揃い踏み。
 提供テロップでは、一番後ろでクルクルとトリガーマグナムを回している姿が妙に優雅でカッコイイんですよね。
 これで、ようやくアレが再現出来る訳です。
 次の目標は、OP途中の各フォーム連続登場場面再現?

 4月発売の「サイクロンセット」「ヒートセット」で、トリガー派生のフォームが全部揃いました。
 というわけで、サイクロントリガー・ヒートトリガーと揃い踏み。
 ヒートトリガーのトリガーマグナムには、「サイクロンセット」付属のメモリガジェット・スパイダーショックが着いています。

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【買ってみて一言】

 さすがにリペ三商品目となると、当初の感動はかなり薄れてしまいがちですが、それでも充分楽しめるアイテムだと思います。
 トリガーマグナムの出来も良く、何より可動部とスタイルのバランスが良いため、構えポーズが本当に様になります。
 色についてはいささか残念ではありますが、それでも全体的に「綺麗」で、これはこれで高級感を感じさせられて嬉しいものです。
 好き嫌いが分かれてしまう点はやむを得ませんが、充分楽しめる良い商品なのは間違いないでしょう。

 ただし、今回も個体差が激しく、塗装面については問題が山積みです。
 色剥げ・細かい傷などは当然のようにあり、しかもその混入数も相当なレベルです。
 ヒートメタルの時もそうでしたが、とにかく「無視し難い問題レベルの品質」は相当で、筆者が購入した際はおおよそ3個に1個の割合で問題のある品が混じっているという有様でした。
 勿論、これはほんのちょっとの擦り傷やちいさな点程度の塗装欠け、または塗料付着などの細かなものを無視しての話。
 明らかにメーカー返品・交換クラスのものでというものです。
 無論、たまたまそういう商品が多く集まった店舗に出向いてしまっただけかもしれませんが、筆者の場合はここに加え「複眼の中に気泡がある」「黄色または青色が塗られていない部分がある」「腕や足の一部がへこんでいる」などといったエラー品も確認しており、やりたくもないのに選別をさせられるという有様でした。
 それでも結局、右肩部分に毛を塗りこんでしまった物を掴まされてしまいましたが、他が綺麗なので諦めて持ち続けていようと考えたり。
 ともあれ、それくらい品質にバラつきが目立つという事なのです。
 私見ですが、なんとなくヒートメタルの時より酷い状況だったように思えてなりません。

●SHF・W系の関節硬化現象について

 ヒートメタルの項でも触れていますが、どうやらフィギュアーツW系に限り、両肩及び股関節が後天的に硬化? し、ギチギチになる現象が発生するようです。
 どういう事かと言うと、購入直後はスムーズに動いていた筈なのに、ある日突然関節が固くなり、あげくには動かすのも怖いほどギチギチ状態に陥るというものです。
 筆者は、当初これはヒートメタル特有の物と考えていましたが、その後手持ちのサイクロンジョーカーやルナトリガーにも発生したため(また同様の不具合報告をネット上で多く見かけたため)、本シリーズ特有の問題点と解釈することにしました。

 筆者の手持ちのW系では、だいたい以下のような経緯で異常が発生しています。

「サイクロンジョーカー」:

  • 2/26購入、翌日公開のレビュー準備時時点では問題なし
  • 頭部塗装不具合があったためメーカー交換依頼(頭部のみ交換で胴体はそのままの処理。バンダイ側から説明あり&背面の細かいすり傷がそのままだったため同一個体と認識)
  • 到着後も特に問題なく可動
  • 3/29、左(ジョーカー側)肩が突然ギチギチになる
  • 3/30シリコンスプレー使用。現状再発なし
  • 同日、右(サイクロン側)股関節に若干のギチギチ感発生を確認(現状未対応)

「ヒートメタル」:

  • 3/20購入。当時より少し両肩関節が固い印象あり
  • その後日が経つにつれてギチギチ感増加(当初は「最初からこうだったけど意識していなかっただけ」と考えていた)
  • ルナトリガー発売日直前頃には、動かせないほど硬化(動かしたら折れそうなくらい固い)
  • 3/27ルナトリガーと同時に購入したシリコンスプレー使用。現状問題なし。
    (この時点ではサイクロンジョーカー&ルナトリガーにも問題なし)

「ルナトリガー」:

  • 3/27購入。可動については一切問題なし
  • 3/30、左(トリガー側)肩の関節が突然硬化
  • 3/31シリコンスプレー対応。現状問題なし

 ルナトリガー購入時点で既にヒートメタルの問題に気付いていたため、購入時は入念にチェックした上で問題なしと考えていましたが(サイクロンジョーカーも同様)、明らかに後天的な硬化を見せています。
 原因はよくわかりませんが、季節的及び室温的にパーツが何かしらの膨張を起こし関節を圧迫しているとは(普通なら)考えられません。
 ともあれ、これはパーツのねじ切りなどを発生させかねないほどきついものなので、早急な対応が必要かと思われます。
 また、メーカー交換でどこまで対応可能なのかも現状わからないため、可能であれば自分で何かしらの処置を行った方がいいかもしれません。
 
 シリコンスプレーはパーツの表面に保護皮膜を形成し滑りを良くするもので、大型模型店やラジコン・ミニ四駆を扱い店、または(チャリダー御用達風の)自転車専門店、ホームセンターに売っています。
 一応、成分確認をして「プラを傷めない」というキャッチコピーのあるものを選べば問題ないと思われます。
 価格も500円前後からあるので、さほど高い出費にはなりません。
 ただし、一度吹けば今後もずっと大丈夫というわけではさすがになく、皮膜が磨耗したら再び使ってやらないとならないため、注意が必要です。
 逆に言うと、これ以外の潤滑剤スプレーは使用しない方が無難です。
 シリコンスプレー使用はパーツ保護のための処置なので、改造に抵抗のある人でも(開封派なら)行っておくべきですし、また特に難しい技術は必要ありませんから安心です。
 仮に吹き過ぎてしまっても、吹き出た部分を丁寧に拭き取れば大きな問題はありません。
 ただし、くれぐれも問題のない関節にまで吹きかけないよう注意してください。
 問題のない関節は何かで包んで保護しながら行うのもいいでしょう。

 ちなみに、グリスなどの潤滑剤は滑りが良くなりすぎてかえってカタカタになってしまうケースがあるようです。
 また素材的に悪影響が及ぶ危険もあるため、オススメは出来ません。
 シリコンスプレー使用はオススメではありますが、試してみたい方はくれぐれも自己責任でお願いします。
 何か不具合が生じても、当方では一切の責任が取れませんので……。

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