第140回 ■ バンダイ 手裏剣戦隊ニンニンジャー「オトモ忍シリーズ」02
2016年3月23日 更新
今回は、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」に登場したセミレギュラーのオトモ忍のレビューです。
本編途中参加の三体に加え、劇場版限定の「ダイノマル」が加わり、全四体存在します。
ここに加え、「バイソンキング」付属のロデオマルも含めた全てが、シュリケンジンとの合体(搭乗)が可能となります。
このページでは、「サーファーマル」「ダイノマル」について触れて参ります。
「パオンマル」「UFOマル」のレビューはこちらで、シュリケンジンのレビューはこちらになります。
■ 手裏剣戦隊ニンニンジャー オトモ忍シリーズ参 サーファーマル:
サーファーマル。
キンジの持つオトモ忍シュリケン(サーファーマル)で召還されるオトモ忍で、潜水艦型から分離変型で人型にチェンジ可能。
好天から、弟子入り期限が切れてアメリカに帰国することになったキンジに贈られた餞別。
海や水辺での戦闘が得意で、なおかつ潜水戦闘も可能。
本体の一部が変型した、サーフボード型の「サーファーマルボード」に乗り、様々なアクションを展開。
シュリケンジンと合体することで、シュリケンジンサーファーになる。
さて、サーファーマルです。
シノビマル型だった他のオトモ忍シリーズに対して、こちらはロデオマル型になります。
そのため、パオンマルやUFOマルと異なり、「DXバイソンキング」との合体も楽しめる仕様となっています。
スターニンジャー・キンジ絡みのオトモ忍のためか、発売日も2015年6月20日と、パオンマルやUFOマルとはかなり離れた時期となります。
価格は、3,024円(税込)。
サーファーマルは、他のオトモ忍シリーズと比較すると、プレイバリューの幅が一段階広くなっています。
番組終了後の売れ残り状況を見るに、もしかしてあまり人気なかったのかな? とも思えたものですが、玩具としての楽しみ度合いはダントツです。
もし、オトモ忍シリーズの中から一個だけ選べといわれたら、このサーファーマルを選ぶくらい、筆者は気に入っています。
前後比較。
といっても、一番後ろにオトモ忍シュリケンを着けている都合、バックビューは殆どオトモ忍シュリケンそのままになってしまいます。
一応、劇中ではこの部分「オトモ忍シュリケン型スクリュー」ということになっているそうです。
というわけで、オトモ忍シュリケンを外したバックビュー。
サイドビュー。
この状態で、全長約22.3センチになります。
それでは、人型への変型というか組み換え。
まず、本体を前部・メインボディ・オトモ忍シュリケンの三つに分けます。
例によって、ここでオトモ忍シュリケンは余剰と化します。
前部は、後方に畳まれていた脚部を伸ばします。
この時、本体がやや前のめりになりますが、それはエラーではありません。
足首にあたる部分で調整が効きますので、ちゃんとまっすぐ立たせることも可能です。
本体上部側面、つまり肩と腕になる部分を下ろします。
やはり背中側に倒れている頭部を、引き起こします。
変型完了・サーファーマル。
全体としてはまだ変型完了ではないのですが、人型はこれでOKなので、一旦中断してこれだけを見てみます。
全高約12.2センチ(頭頂部まで・シュノーケル含まず)。
前後比較。
潜水ゴーグルとシュノーケルがあったり、ヒレが生えてたりと、海関連の記号が沢山。
右太股のマークは、タンポ印刷。
頭部アップ。
サーファーマルの頭は、何故か横方向に回転させることが出来ます。
シノビマルも横方向回転が可能ではありますが、あれは腕に変型した時のためのギミックで、サーファーマルの頭部回転にはそれが必要なギミックは絡んでいません。
戦隊玩具で、変型合体ギミックに絡まない可動部があることは結構珍しいので、(些細な点ですが)非常に興味深いポイントと云えます。
シノビマル、ロデオマルとの比較。
ロデオマルと構造が同じ(※リデコではない)せいか、全体の印象も非常に良く似ています。
放置していた、残りのボディの変型に移ります。
底面部から生えているランディングギア……というか車輪を、本体内に押し込み収納します。
本体を展開して、まっすぐ伸ばします。
これで、サーファーマルボードの完成。
後述しますが、サーファーマルボードにはサーファーマル以外にも、シュリケンジン、バイソンキングを乗せることが出来ます。
そのための専用ジョイントが表面に設置されているのですが、それぞれのジョイント部付近に、分かりやすくなるようにロボの顔マークが付いています。
サーファーマル用のジョイントを起こし、サーファーマルの足裏ジョイントを接続。
これにより、サーファーマルがサーフィンしている姿を再現出来……たような気になります。
この時、サーファーマルは画像のような中腰姿勢を取らせることで安定性を発揮します。
先の説明で、普通に立たせるとやや前屈気味になると書きましたが、それはこの姿勢を取らせる必要があったためなのです。
ボードに乗ったサーファーマル全体。
首の可動は、この時に進行方向を向かせる必要があるためのものなのでしょうね。
シュリケンジンやバイソンキングは首が動かせないので、こういうポーズは取れませんけど。
次は、シュリケンジンとの合体。
まず、シュリケンジンをこの状態にします(背中に右腕装着で)。
座らせた姿勢のサーファーマルを、胴体内に収納します。
操縦桿は、シノビマルのように腕を少し動かして調整、というのがやりにくくなっています。
左肩は多少上に振れるのでまだいいですが、右肩はオトモ忍シュリケンの内蔵スイッチを押す棒が干渉するので、全く動かせません。
幸い、腕自体がPVC製なので、多少強引にたわませて操縦桿を滑り込ませることが出来ます。
ちなみに、これはロデオマルを搭乗させる時にも同じことが言えます。
サーファーマル・オトモ忍シュリケン。
この状態で上部のボタンを押すと、
1.効果音+「オトモ忍シュリケン!」
2.「サーファージャー!」+エレキギターのBGM
3.「サーファーマル!」
…という音声が鳴ります。
オトモ忍シュリケンを、接続。
合体させると、BGM&「サー、フィン! ワッショイ!」という音声が2ループ、その後「シュリケンジンサーファー!」→エレキギターのBGM(所謂グループサウンズ時代のテケテケエレキ)が鳴ります。
ちなみに、バイソンキングに合体させても同じ音が出ます。
合体後にボタンを押すと、合体時音声の後半と同じ「シュリケンジンサーファー!」+BGMが鳴ります。
サーファーマルボ−ドの先端に近い方のジョイント(先の解説参照)を引き上げ、シュリケンジン右足裏のジョイントと接続します。
完成、シュリケンジンサーファー!
サーフィンしてる感は限りなくゼロですが。
必殺技は、「シュリケンジン・サーファー波乗り斬り」。
操縦者はスターニンジャーになります。
前後比較。
サーファーマルの脚が妙に目を惹きます。
一応、この状態でコロ走行可能ですが、後述するように非常に安定性がないため、シュリケンジン全体を押さえながら動かさないといけません。
シュリケンジン用のジョイントは、右足限定ではなく左足にも接続可能です。
しかし、バイソンキング用のジョイントを併用して両足固定は出来ません。
サーファーマル用のジョイントは、そもそも嵌りません。
このように、ボードとシュリケンジンは片側だけのジョイントで繋がっている状態なので、非常に不安定です。
しかも、ボードのジョイント自体に固定力があるわけでもないので、かなり外れやすくなっています。
ですから、ボードだけを掴んで全体を持ち上げようとするのは、危険です。
先の通り、サーファーマルはバイソンキング(というかバイソンキングバギー)に合体可能です。
ロデオマルと入れ替え、首周辺から背面(と言っていいのか)を構成。
オトモ忍シュリケンも合体させて、完成・バイソンキングサーファー?(本編未登場)
DXバイソンキングのレビューもしてないのに……
サーファーマルボードに搭乗。
こちらも、左右どちらの足にもジョイント接続可能です。
以上、オトモ忍サーファーマルでした。
他のオトモ忍と少し異なるスタイルとプレイバリューのおかげで、個人的には一番遊び甲斐のあるオトモ忍シリーズだと思います。
ただ、サーフボードの固定力の弱さがどうしても気になり、せめて二点支持に出来ないものかと、弄るたびに考えてしまいます。
シュリケンジン関連のDX玩具は、一部例外はあるものの、全体的にしっかり合体・接続されるものが多いので、これだけ疑問を差し挟む余地があるというのはアンバランスな気がします。
しかし、取り扱いに注意すれば特段問題があるものではないと思えますし、説明書でもしっかり触れていますので、致命的なマイナス点というほどではないかと。
それにしても、一つだけタイプの異なるオトモ忍(本体より大きな外付?装備がある等)というのは、ちょっとしたミスマッチ感があっていいものですね。
■ 手裏剣戦隊ニンニンジャー オトモ忍シリーズEX ダイノマル:
さて、ラストはダイノマルです。
2015年8月8日公開、劇場版「手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖!」に登場した、劇場作品限定のオトモ忍。
発売は、劇場版公開と同じ2015年8月8日で、価格は4,104円(税込)。
実質的な限定版のせいか、オトモ忍シリーズ最高額となっています。
ダイノマルは、一見オリジナル造型に思えますが、他の戦隊シリーズ劇場版限定メカと同じく、リデコ品です。
まあ、リデコといっても新規造型パーツも多いので、基本構造が同じ限りなくオリジナルに近いリデコ、といった印象ですが。
リデコ元の「パオンマル」と比較。
知らなかった人は、結構驚くんじゃないでしょうか?
それくらい、パッと見での印象が違っています。
実は筆者も、購入するまでそうだと知らなかったたちです。
パオンマルとの側面比較。
分かりやすいように、同じ形状のパーツが同方向を向くようにしてみました。
要は、パオンマルの頭側にダイノマルの尾が、尻側に頭が追加されているわけです。
その他、パオンマルの後ろ脚がダイノマルの前脚になるため、本来の踵部分に大きなツメが増設されています。
これは本当に良く考えたもんだなあと、素直に感心します。
ダイノマルは、前脚を上げた姿勢がデフォのようですが、降ろすことも可能です。
その際、昨今のティラノサウルス的姿勢に近い姿に出来ますが、前脚が大きすぎるため恐竜とするには、些か違和感が付きまといます。
前後比較。
サイドビュー。
全長約26.3センチ(鼻先〜尾まで)。
尻尾の長さと大きさが、改めて良くわかります。
こんだけ大きな新造パーツ付いてりゃ、そりゃ値段も高くなりますわな。
頭部アップ。
首は、下方向に多少可動出来ます。
全く可動させない状態だと、デフォ体勢の際に斜め上を向くことになります。
下顎は開閉可能。
続けて、人型形態への変型です。
まず、ここまでパーツを分解します。
言うまでもなく、オトモ忍シュリケンはこれ以降余剰です。
パオンマルの時同様、ボディ中心部(後ろ脚とその上)が人型のベースとなります。
背面側に折り込まれた頭部を引き上げます。
胸部に、ダイノマルの頭を接続します。
両肩後ろに、後ろ脚だったパーツを接続します。
最後に、尻部分に尻尾パーツを接続します。
これで、安定性さらに向上。
変型完了・ダイノマル人型モード。
全高約13.7センチ(最頂部まで)。
パオンマル同様、顔周辺が見えなくなってしまいますが。
人型・前後比較。
両肩と尻尾のせいで、どうしても対比がずれてしまうので、正直あまり比較になりませんが。
サイドビュー。
こうして見ると、人型というのは無理があるとしか思えません。
見方によっては、中国雑技団のようにありえないほどの身体折り曲げポーズを取ってるように見えます……
頭部アップ。
恐竜の口の中に顔があるようなデザイン。
パオンマルと全く違う形状なのですが、何となく通じるものがあるような気がします。
シノビマル&ロデオマルとの比較。
もう何がなんだか。
ちなみに、両肩のランチャー? はパオンマルと違い非変型です。
なので、銃口はありません。
次はシュリケンジンとの合体です。
例によって、この状態にしておきます。
胴体内に、ダイノマル人型のメインボディのみを搭乗させます。
ダイノマルの胸に、恐竜頭部を再接続。
これで操縦桿を握らせるのも、パオンマルと同じ理屈。
ダイノマル・オトモ忍シュリケン。
この状態で上部のボタンを押すと、
1.効果音+「オトモ忍シュリケン!」
2.「ダイノジャー!」+恐竜の叫び声
3.「ダイノマル!」
…という音声が鳴ります。
オトモ忍シュリケンを、接続。
合体させると、BGM&「ウー、ハー!」×2+「ワッショ、ワショワショ、ダ〜イノ、ワッショイ!」という音声が2ループ、その後「シュリケンジンダイノ!」→最初のBGMが鳴ります。
ちなみに、バイソンキングに合体させても同じ音が出ます。
合体後にボタンを押すと、合体時音声の後半と同じ「シュリケンジンダイノ!」+BGMが鳴ります。
完成、シュリケンジンダイノ!
尻尾「ダイノマルドリル」を武器として装備可能。
更に、後ろ脚を(パオンマル同様)「ダイノマルハンマー」という武器として持たせられます。
一体で二種類の武器!
ダイノマルハンマーは、当然両手に装備可能。
その際、ダイノマルドリルは余剰となります。
前後比較。
リデコなのに、シュリケンジンパオーンとは全く違う印象。
頭部アップ。
アバレアバレあ〜ばれまくれ〜ゲットアップな印象のゴーグルタイプ目と、二本の大きな牙を連想させるマスクが、他のシュリケンジンバリエーションと違った印象を与えます。
またオトモ忍シュリケンの頭飾り部分も、独特な形状。
以上、オトモ忍ダイノマルでした。
「特命戦隊ゴーバスターズ」のRH-03ラビットとFS-00フロッグを超える、リデコと思えないリデコ商品だと思います。
パオンマルを既に持っており人にはお馴染みのギミックのため、些か面白みに欠ける感もなきにしもですが、シュリケンジンのバリエーションが更に追加されるのは非常に魅力的ではないかと感じます。
ただ、正直恐竜というには若干無茶が過ぎる部分(前脚など)が目立ち、かつほぼ固定のポージングしか取れないという部分に、本商品のプレイバリューの物足りなさを感じるのも、また事実です。
結局の所、ここまで来ると、本商品のどこに価値を見出すか、という問題な気もしますね。
【買ってみて一言】
オトモ忍シリーズは、先にも触れた通り発案者の正気を疑う(褒め言葉)モチーフが最大の魅力ですが、何でもスタッフ内で「たまには(統一モチーフではなく)なんでもありで行かないか」(※意訳)という発案があったため、こうなったようです。 冷静に眺めてみると、オトモ忍シリーズは最終的にシュリケンジンやバイソンキングに合体する事でギミックが帰結しますが、仮に似たようなモチーフばかりだとどれも似たようなプレイバリューに終始してしまい、面白くなくなる可能性もあったわけで、そう考えると、このようなアイデアや展開は正解だったんだなと感じさせられます。 戦隊ロボ玩具であるため、可動や複雑な変型合体ギミックはありませんが、何より気楽かつ気軽に弄れて様々な(また個性的極まりない)音声ギミックも搭載で、純粋に楽しい玩具だと思います。 オトモ忍シュリケンというキーアイテムの形状のせいで、どうしてもプロポーションに破綻が出てしまいますが、それも弄っているうちに許容できるんじゃないかなと思わずにはいられません。 番組終了後、シュリケンジンをはじめいくつかのオトモ忍シリーズは安売り対象となり、比較的入手がしやすくなりましたが(時期限定とはいえ)、もし興味があり、たまたま見かける機会があれば、試しに触れてみるのも一興かと個人的に思います。
以上で、シュリケンジン&オトモ忍シリーズのレビューは終了です。
後日、改めて「DXバイソンキング」のレビューをしたいと考えますが、その間に別な何かが割り込むかもしれません。
なにぶんマイペースな更新なもので、今後ともよろしくお願いします。