第9回 ■ 仮面ライダー龍騎「R&Mシリーズ」4

2003年4月20日 更新

 結構な時間が経ちましたが、「仮面ライダー龍騎」ついに終わってしまいました。
 本放送中に全部紹介しきれませんでしたが、残るアイテムはあと3つです。
 今回は…

  • R&M 仮面ライダーオーディン
  • 同 仮面ライダータイガ
  • ポピニカ DXライドシューター

 これらについて書いてみたいと思います。

R&M7 仮面ライダーオーディン 定価2500円

セット内容:

  • 仮面ライダーオーディン・フィギュア
  • ゴルトフェニックス
  • ゴルトバイザー
  • ゴルトセイバー×2
  • ゴルトシールド
  • アドベントカード×3
  • 取扱説明書

 13人目のライダーであるオーディン。
 「つっこみパンチ」で、走るトラックの進路をも変えてしまうほどの強さを発揮した最強のライダー。
 一応のラスボス的位置にいる存在だけに、さりげに嬉しい商品化だったりする。
 もちろん、ラスボスに徹しきれていたわけではないということは今更語るべくもないが、一人でも多くのライダーが商品になるという傾向は、賞賛に値するのではないだろうか。

 当初は、もっと遅くになってから登場すると思われた“最後のライダー”は、3クール目の冒頭で突如出現した。
 かなり強いというイメージを刷り込ませることには成功したものの、「テレポート」「羽飛ばし」「ビンタ」「タイムベント」くらいしかしないという事で、あまり能力アピールはできておらず、最終回にやっと使ったファイナルベント「エターナルカオス」は、背中にゴルトフェニックスを合体させ、空中に浮かんだと同時に「マシンロボレスキュー」などのCMを展開し、その間にナイトをへろへろの骨抜きにしてしまうという、なんだかとってもテクニシャンな技だった(はぁと)。

 とにかく、商品のギミック再現に期待をかける以前に「面白く遊べない」というイメージが先行してしまったようにも感じる。
 R&M終盤の展開を彩った商品であるにも関わらず、発売時にはほとんど注目されていなかった不運なオーディン…
 で、実際の商品はどうだったのだろうか?

 まず、オーディン本体から見ていこう。
 なぜか、R&Mオーディンは出来が良くないというイメージが蔓延していたようだが、決してそんな事はない。
 パッケージを見る限りだと、印刷の関係か全体の彩度がかなり低くなっており、くすんだ茶色というカラーリングに見えるが、実際はそこそこいい感じの仕上がりになっている。
 たしかにテレビ本編に登場したものと比べると色味が異なるのは否めないが、かといって、大きくイメージを損なうほどではない。
 R&M王蛇の色の違いが気にならない人なら、問題なく受け入れられるのではないかと思われる。
 
 次に造形。
 頭がちょっと縦に潰れているように見え、その結果ゴーグル(?)部分の比率が縮んで人相が悪くなっている点がポイントか。
 これは確かにイメージが狂うもので、本編の「どちらかというと縦長」というイメージのフェイスとはかなり違った印象を与えているのは疑いようがない。
 これについては、購入した人が受け入れられるかどうかという問題となるだろう。
 重要な部分だけに、こだわる人は、実物をじっくり確認して自分のイメージと比べてみる必要があると思う。

 胴体…というか、肩。
 オーディンの肩は上半身部分からの一体成形で、横に長く伸びているデザインとなっている。
 このため腕の可動範囲が著しく制限されてしまい、R&Mシリーズ中最低の可動範囲しか稼げない。
 もちろん、ただでさえ不可能な“腕組み”ポーズはさらに縁遠くなってしまっており、かなりへこまされてしまう。
 これが最大の問題点であるだろう事は間違いない。
 とはいえ、仮にこの肩パーツが軟質素材などで構成されたとしても、材質の張力で結局腕の動きが制約を受ける事になるだろうから、いずれにせよ飾る人には辛いだろう。
 これも、デザインが影響を及ぼした問題点と言っていい。

 なお、この肩パーツが別な方面でも悪影響を及ぼしているのだが、それについては後に触れるとしよう。
 (ここでピンと来た方、その考えは恐らく正解です)

 さて、オーディンは13人目のライダーであると同時に、「第三のサバイブ体」ライダーではないかという見解があった。
 本編には結局未登場だったものの「無限のサバイブ」というカードを持ち、また能力についても「ナイトサバイブらを手玉に取る」ほどだったので、そう推測されてもおかしくはない。
 しかし、明確な提示がなかった上に「サバイブではない姿」というものが、あらゆるメディアを含めてまったく登場しなかった事もあり、反対意見も多く出た。
 
 ここでは、玩具のデザイン上から「サバイブなのかどうか」を検討してみよう。
 以降はあくまで“このページの中だけの判断”であって、決して他の媒体の情報との関連や「習慣鷹羽」などとの共通見解ではない事、くれぐれもご了承の程を。

 つーか、結論から先に言えば明らかに「サバイブ」ですな、こりゃ。
 というより、ナイト&龍騎サバイブにこのオーディンのデザインが流れた結果、デザインに共通項が生まれたと解釈すると面白いかも。

 まず、全体の配色。
 ゴールドがふんだんに混じっているという当然のポイントはさる事ながら、その配置(配色位置)が共通している事に注目したい。
 もちろんオーディンの方が比率的に他のサバイブよりゴールド率が高いわけだが、頭部ゴーグル部分・胸から肩にかけての部分・両前腕・両脛に、いずれも同じように配色されているのが面白い。
 また両腕・脚のパーツのモールド構成を見てみると、益々説得力がある。
 脛パーツは、ナイト・龍騎サバイブに比べればずいぶんおとなしめの印象があるが、共通デザインラインに金の縁取りがされていたりするから、やはりこれも「ノーマル(サバイブ以外)とは違う」という判断ができる材料ではないか。
 唯一決定的に違うのはVバックルで、オーディンは全面がゴールド仕様になっているが、まあ、3体のデザインに共通項を設けたと判断してもバチはあたらないのではないだろうか。
(※注:後に「オーディン=サバイブ」である事が証明された)

 ゴルトバイザー。
 玩具上では大型化・ゴールドのラインが入る事で共通しているし、こういったコンセプトのバイザーは他にはない(全面金色のガゼルバイザーというのはあるにはあるが…)。
 
 なお、サバイブ化したバイザーはいずれも半透明フード状のパーツがカードジョイント部分に施されているという共通点があったりする。
 もっとも、それはどのR&Mでも再現されてはいないけど。

 で、ゴルトバイザー。
 多分バイザー類では最大の大きさになるだろうコレは、当然というか一体成形で一切のギミックはない。
 たしか撮影用のものは上部の翼部分が開くようになっていた筈だが(でも開く場面はとうとう無し)、そんな事には期待しちゃいけない。
 ただ、本来そういうギミックがあったせいかその部分は異常に分厚い成型となっており、必然的に「超頭でっかち」なスタイルになっている。
 それでいて材質は他のバイザーと同じなのだから、上が重ければ必然的にへにょってくる。
 オーディンの手に持たせて飾るのはおろか、ただ横に置いているだけでも、頭部分と棒部分に落差さえあれば容赦なくへにょる。
 もちろんへにょりやすいという事は、元に戻りやすいという事でもあるんだけど…気になって仕方ないという人は、棒部分を別素材で自作して、それに切り取ったゴルトバイザーの頭をくっつける改造などが良いのではないかと想像。
 それをやるにしても、そこそこの太さ(というか強度)は欲しいところだけど。
 で、当然というか、カードスロット部分なんかまったく再現されていないので、期待しちゃいけない。
 サイズがどんなに大きくても、他のものと基本的には変わらないという事か。

 しかし、全体のスタイルは大変良く出来ているので、やはり「無くてもいい」という事にはならない。
 なお、肩の張り出しが干渉してしまい、バイザーにカードを納めるようなポージングを取る事が出来なくなっているというのは、ご愛嬌。

 次に、本編登場時間約数秒程度という、アルティメッ某フォームをしのぐ凄まじい記録を残した契約モンスター・ゴルトフェニックス。
 ただでさえ短い登場なのに、炎のような合成効果をまとっていたため、ほとんどディテールが確認できなかったのが残念だが、実はこのモンスター…ならびにその商品は、大変出来が良い。
 可動範囲にやや難があるものの、全体のバランス・作り・ギミック・塗装・モールド、すべてにおいて文句のつけようがない完成度に達している。
 R&Mオーディンという商品に偏見をお持ちの方にはあまり信用していただけないかもしれないが、私は、全R&Mシリーズモンスターの中で最高傑作だと思っている。
 もちろんギミックではマグナギガには及ばないんだけど、という念は押しておかなきゃならないが。

 ゴルトフェニックスは、成形色と部分的な塗装をうまく活かしており、非常に上品な作りになっている。
 落ちついたゴールドをベースに、微妙に明度・彩度の違う同系色を各所に置き、しかもそれが見事に融和している。
 翼部分に浮き彫りになっているモールドは別彩色になっており、暗めの下地と合わさって本当にきれいだ。
 さらに、翼が上下でニ分割可動するという面白いギミックがあり、さりげに表情付けの幅が広がっているのも見逃せない。
 首の動きが上下可動のみというのは寂しいが、あまり気にならない。
 さらに、オーディンの背中に背負う際に首をたたむわけだが、この時も頭が余っているという事がさほど気にならなくなるように処理してある。
 絶妙のバランスだと言っていいだろう。

 で、ゴルトフェニックスの塗装には、大変興味深い部分があるので触れておこう。

 ゴルトフェニックスは、実は右翼の宝玉状モールドと目に青、左翼宝玉と目に赤の彩色がなされている。
 さらに、翼を広げた上でこの宝玉状モールドを見てみると…それぞれの翼が、ナイト(疾風)龍騎(烈火)のサバイブカードのマークと同じものになっている事に気付かされる。
 そして、背中にある第三の宝玉(ゴルトシールドの中央部分に相当)には、銀色の彩色が施されている。
 オーディンの持つ(とされる)「無限」のサバイブカードは、鳥の中央に銀色の珠を重ねたデザインとなっている。
 そうやって考えると、このゴルトフェニックスを縦に三分割したものが、それぞれサバイブカードのモチーフになっているという結論に辿りつく。
 謎めいた設定が透けて見えて、なんだかゴルトフェニックスに神秘性すら感じる気がするが…残念ながら、何にも触れられないままにテレビ本編は終わってしまった。
 うまく描ければ、オーディンやゴルトフェニックスの強さ・奇妙さ・神秘さをより強調できただろうに…と考えると、残念な気がする。

 ちなみに、ゴルトフェニックスは両翼を開き脚で立たせると、大変良いスタイルで飾る事が出来る。
 飛翔中のポージングで固定する事は無理だが、これはこれでなかなかかっこいい。
 筆者は、このゴルトフェニックスに惚れ込んでしまったため、可能ならもう一体R&Mオーディンを買ってもいいかな、と思うほどだったりする。
 いやホント、本編の諸設定との整合性とかを気にしなければ、なかなかの逸品なので、オススメ!
 もしも、まだどこかで安売りしているようだったら、騙されてみるのも一興だと思いますぜよ。
 いやマジで。

 オーディンの装備は、「ゴルトセイバー(翼)」と「ゴルトシールド(背中)」の2種類。
 やはり数が多くないようにも感じるが、

  • 龍騎 3種類
  • ナイト 実質的に2種類
  • ゾルダ 5種類
  • 王蛇 全部ひっくるめて3種類
  • リュウガ 3種類
  • タイガ 1種類(後述)

 こうやって比べてみると、そんなに悪くない事に気付かされる。
 ましてやゴルトフェニックスを背中に背負ってむやみにゴージャス化するというギミックもあるし。

 ではまず、ゴルトフェニックスの翼の上辺(例の宝玉のある部分…手羽って言っていいの?)の先端部分が分離する「ゴルトセイバー」×2。
 付属カードの絵柄を見る限りだと、なんか「炎と氷の属性を持つ剣」といった印象があるが、実際には全然そんな事はないようで、単なるチャンバラソードに堕していた。
 両方に造形的な区別はないが、なかなか面白い形をしていて楽しい。
 鳥の翼部分であり、剣でもある…その両方の特徴を巧く活かした上、しっかりグリップ部分が作られ、色分けもされているのは嬉しい。
 オーディンの両手に構えるとなかなかかっこいいので、筆者は大好きな武装だ。
 長すぎず短過ぎずといった丁度良いサイズなので、材質の関係でヘロヘロになるようなことはない。
 これも大変嬉しいことだ。
 刃のリーチの割にグリップが短いようにも思えるが、その辺に文句を言ってたらキリがないだろう。

 次に、“究極の盾”らしい「ゴルトシールド」。
 これはゴルトフェニックスの背中から尾にかけてが分離したもので、これを外されたゴルトフェニックスは、背をそがれたような哀れな外観になってしまう。
 つまり、それだけの大面積がすべてシールドになっているわけで、とにかくデカイ。
 もちろん尾にあたる部分は自由に可動するため、表情付けが出来る上、ゴルトフェニックス背中合体時は、オーディンの実質的な3本目の足としても機能する。
 見た目のモールドも美しく、単体の造形としても素晴らしい。


▲ 写真1

 さらに、これが鳥モンスターの一部も兼ねているのかと思うと、そのセンスには脱帽させられる。
 …テレビでは、龍騎サバイブと取り合いされるだけのアイテムに堕していたのが、残念でならない。

 良いトコずくめのゴルトシールド…しかし、実はこれ、あまり喜べないアイテムだったりもする。
 まず←写真1を見て欲しいが、本編登場時はこういう構え方だったため、普通の人は「前面に翳す」事ができるだろうと自然に考えるだろう。
 補助パーツが必要だったとはいえ、R&M龍騎のドラグシールドもこういう構え方が可能だったこともあり、多分おおかたの人は、何の疑いも抱かないだろう。

 実はこの写真は、ゴルトシールドの裏側にドラグシールドのパーツを接続させたもので、本商品単体では絶対できない構え方だったりする。


▲ 写真2

 実際の装着スタイルは→写真2のように、前腕のジベットスレッドへ直に接続するだけのものであり、シールド自体の大きさも仇となって、大変不恰好になってしまうのだ。
 もちろん、手首を無理矢理外してその穴に接続…というのも不可能。
 こういう持ち方しか出来ないというのは、なんとも悲しいものがある…どう見てもノーハンドシールドじゃあないだろ!
 もし、これをどうしても翳して飾りたいなら、写真1のように龍騎のパーツを流用するしかない。
 よくよく見ると、パッケージ裏の写真も“腕に直接接続”しているので、確かに騙したわけではないんだけどね。
 でも、こういう所に気を遣ってこそのプレイバリューだと思うんだけどな〜。

 で、ファイナルベント時の「ゴージャス合体」についても触れておこう。

 

 一度シールド部分を外したゴルトフェニックスの首を180度後ろに倒し、首の位置を微調整してから再びシールドを接続して、蓋をする。
 あとは、ゴルトフェニックスの脚の位置を整え、翼に表情をつけてオーディンの背中に合体。
 単純なギミックだが、その結果誕生するスタイルは、なかなかにすごい。
 もうむやみやたらにゴージャス振りまきまくりで、こんなのが目の前に出てくれば、ナイトがヘロヘロになってしまうのもわかるという道理。
 とにかく、ゴルトフェニックスの頭が(完全ではないものの)さほど気にならないように隠れるようになっているのは特筆すべきポイントだろう。

●アドベントカード

 この商品には、3枚カードが入っている。
 以下はその内容。

    ・RK-099ベントカード LEVEL3「ソードベント ゴルトセイバー」:

  • ●金色に輝く聖なる豪剣! 神々しき光をまとい、無限の力ですべてを斬り抜く!!(ATTACK 4000)/「剣」
  •  上辺右から5番目と7番目の端子部分に穴。

    ・RK-100ベントカード LEVEL0「サバイブ -無限-」:

  • ●このカードはレベル1カードの下にのみ出せる。このカードが場に表向きであるときのみ、SVカードはフルパワーとなる。
    このカードを含む3種の「サバイブ」カードを自分の場に揃えた時、そのプレイヤーはゲームの勝者となる/「羽」
  •  上辺右から1・4・6番目の端子部分に穴。

    ・RK-101ベントカード LEVEL3「ガードベント ゴルトシールド」:

  • ●完璧なる防御力! 究極の輝きが今、いかなる攻撃も無に帰す!!(GUARD 4000)/「岩」
  •  上辺右から5番目と7番目の端子部分に穴。

(以上、原文ママ)

●展開

 何度か唱えた通り、問題はちょろちょろあるものの、決して悪い商品ではない。
 それどころか、大変良い商品だった。

 ただ、TV本編で(登場回数の割に)ほとんど使われなかった能力・武装はイメージが把握し辛く、結果として玩具への関心を強く引けなかった事は否定できない。
 そのために、商品イメージが好転しなかったのは大変痛かった。

 自分は、“底知れぬ強さを持つ存在”というイメージを優先させすぎたせいか、他のライダーと違う戦闘スタイルを貫いてしまったオーディンの表現は、失敗だったと思っている。
 思わせぶりな演出ばかりを続けたせいか尺足らずとなり、結局“出すべき物”を記号的にしか出せず仕舞いだったのは、この商品の宣伝効果としては不充分だった。
 もっとも、尺足らずだったのはオーディンだけではないが…

 2003年初頭に山のように残っていたオーディンの在庫数と、その販売開始時期などから考慮・推察すると、この商品が龍騎関連玩具の(実質的な)最後の主力商品に位置していたらしき事が伺える。
 もちろん、この後に「R&Mタイガ」が発売されている訳だが、タイガの発売時期とその実質的な店頭販売数の割合を考えれば、主力と呼ぶよりは例外的な限定アイテムであったと考えた方が自然だろう。
 そう考えていくと、確かにオーディンには目を見張るポイントが多く盛りこまれていた商品だ。
 それぞれの部位の完成度、サバイブの謎の解答を匂わせるかのようなゴルトフェニックスの造形、カードゲーム上で「一発逆転」を狙えるほど重要な効果を持つ「無限のサバイブ」カードの封入…これらはどこか意味深なものがあるような気がする。
 気のせいならそれに越した事はないけど。

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R&M8 仮面ライダータイガ 定価3000円

セット内容:

  • 仮面ライダータイガ・フィギュア
  • デストワイルダー
  • デストバイザー
  • デストクロー×2
  • アドベントカード×3
  • 取扱説明書

 「8人目」のライダー…と言いたいが、実際はラストから二番目・9人目となるタイガ。
 なぜ順番がめちゃくちゃなのかというと、実質的な8人目に相当する「オーディン」が、自ら13人目を名乗っているためなんだけど。
 細かい事はおいといて、最終登場ライダー「インペラー」の前に出た、という事でいいでしょう。
 もちろん、このカウントにはベルデ・ファム・リュウガは含まれていない訳だが。

 タイガは、はっきり言って「強いのか弱いのかよくわからないライダー」として登場した。
 主に不意打ちを得意とし、一度自分のペースに持ってさえいけば一方的に攻撃を仕掛けられるが、逆に攻撃を受けるとなかなか脱出できず防戦一辺倒になる。
 つまり、タイガが王蛇に追い詰められている場面をちゃんと見ている人、見逃した人によって、その辺の印象は大きく変化するという事だ。
 まあ、個人的にはこういうライダーがいても面白いかなと思っているが、とにかく素体・東條悟の“陰湿・異常な性質”がにじみ出ていたため、あまり良く受け止められていなかったような印象がある。
 個性はイヤという程出ていたから、いいと思うんだけどね。

 この「R&Mタイガ」という商品には、結構語るべき部分がある。
 順番に触れていこう。

1.肘の問題

 実は、「R&Mタイガ」には致命的な欠陥がある。

 なんと、左肘の関節構成に不具合があり、うまく曲がらないようになっているのだ。

 ひょっとしたらお気づきでないユーザーもいらっしゃるかもしれないが、タイガのフィギュアの両肘を可能な限り曲げてみるといい。
 この場合、決して力いっぱいにやってはいけない。
 あくまでスムーズに曲げられる限界までに留めてみよう。
 すると、なんと左右の腕の曲がり具合が違う事がわかる。
 そして、妙に左肘の曲がり方が固いように感じる筈だ。

 まずは、下の検証写真を見て欲しい。
 写真は、それぞれの肘関節を限界まで曲げている状態だ。

 撮影時に腕の角度調整具合を間違えたため、ちょっと変な感じだが、そこはご容赦いただきたい。
 それぞれの矢印の角度を比べてもらえればわかるように、明らかに曲がり具合が違う事がわかる。

 実は、タイガの左肘関節を司る“ピン”(関節の軸になる金属パーツ)を通す位置がズレていて、そのため前腕の端(肘を伸ばした際上腕に隠れる部分)が干渉し、ギチギチした感じになるのだ。
 これを無理して曲げていると、上腕肘部分がバキッと割れ、取り返しのつかないことになる。
 今までこれを知らなかった人も、できれば自分のタイガを確かめてみた方がいい。
 いつのまにか、肘部分にヒビが走っている可能性がある。

 ちなみに筆者はこれで見事に肘を破損し、メーカー交換してもらったのだが、交換後のものもほとんど変わらない状態だった上、別件で手にしたR&Mタイガでも同様の痕跡を見つけたので、確証を得た次第。
 もちろん微妙な個体差はあるだろうが、こういうものを手にしてしまう危険が高いというのは事実だ。

 …と書いたが、実はこの左肘のピンずれは、タイガに限った話ではない。
 はっきり言い切ってしまえば、すべてのR&Mシリーズも同様にややズレしている。
 ウソだと思うなら、それぞれ左右の肘のピン位置を比較してみるといい。
 微妙にズレている事がわかるだろう。
 そのため、やっぱり関節の曲がり具合の差が見て取れる。

 タイガだけが、これの影響が極端だったという話なのだろうが、ひょっとしたら個体差で、他のR&Mでも同様の不具合を経験した人がいるかもしれない。
 この部分は購入前に確認できないため、大変始末が悪い。
 特にタイガは、この後に述べる「デストクロー」の都合で腕にかかる負担が大きい。
 充分注意しておきたい。
 なお、接着剤などを隙間に流して補強…というやり方は、この場合思いっきり逆効果なのも付け加えておく。

2.発売時期の問題

 過去に何度か記してきたが、その年の1月〜2月に放送が始まった番組の関連商品で、11月に新規発売されるというメイン商品は本来ありえなかった。
 具体的な説明をすると横槍が入りそうなので割愛するが(笑)、てっとり早く説明すれば「クリスマス間際ギリギリにそんな商品出さんでもええやん」的な事情だと(漠然と)考えていていい。 
 ここに二次出荷・生産、問屋間のやりとりなど複雑な事情が関わってくるのだが、とにかくリスクはあれど利点が見込まれてこなかったのは事実だ。
 
 だが、ここ数年でこの観念は破られた。
 2001年度は「百獣戦隊ガオレンジャー」の「DXガオゴッド」「DXガオライオン」が発売され、2002年度は「Vバックル・13ライダーセット」(トイザらス限定)などが登場した。
 これらは、番組終了時期から来る商品在庫の飽和を抑えるため1度しか生産されず、二次出荷などがあったとしても、実質的には限定販売版と変わりない。
 そして、その情報はインターネット上でかなり早い時期から蔓延し、さらに競争率を高めてしまう。
 「DXガオゴッド」の事実上の販売期間はたったの1週間に過ぎず、しかもその後半にはほとんど見かけなくなっていたものだ。
 また、これの争奪戦などは近年でも例を見ないほどとんでもないレベルのものとなった。

 結果、クリスマスにもっとも近い時期に発売されながらも、クリスマスまで待たされたらほぼ確実に入手不可能になってしまう。
 子供がそれらを欲しがった際に買わず、「サンタさんにお願いしようね〜」なんてうかつに言ってしまったが最後、そのお父さん・お母さんは生涯恨まれかねない事になるのだ(笑)。

 前置きが長くなったが、本商品も、年度は違えど一応これらと同じような時期に発売された。
 
 出た瞬間に飛ぶように売れたわけではないが、「R&Mタイガ」は少しずつかつ的確に売れ続け、本編での活躍が極悪化し「こんなんで売れるものかなあ」という一部の視聴者の心配をよそに、退場の頃にはほとんどその姿を消していた。
 この時期の商品の割にはあまりに地味な展開だったため、これがガオレンジャー終盤商品と同じくらいの危険性を秘めている事に気付かなかった人は多かったようで、場所にもよるだろうが、やはりクリスマスの時期には軒並み姿を消してしまっていた。
 現在ではじわりじわりとプレミアが付き始めており、ガオナイトやガオゴッドのようなすごい価格にはなっていないものの、なんとなく納得してしまうような微妙な値段になっているようだ。

3.ギミックの問題(前評判)

 「R&Mタイガ」は、その価格の割には大変ギミックに乏しく、「R&MEX 龍騎ブランクフォーム」を別にすれば、もっともプレイバリューが少ない。

 劇中のタイガの使用した能力は、「アドベント」「フリーズベント」「ストライクベント」「ファイナルベント」で、このうち(ライダー全員の標準装備である)「ファイナルベント」を例外とすれば、「フリーズ〜」と「ストライク〜」がオリジナルと言える。
 だが「フリーズ〜」は相手のライダーの契約モンスターを封じる能力であり、何かのギミックとして玩具で再現できるようなものではない。
 その結果、唯一ギミック反映が可能な「ストライクベント」だけが残った。

 さて、商品シリーズラストを飾るタイガのギミックが「玩具的にショボさ爆発」なのは、本編を見ていた人は誰もが知っている、或いは予想ができる事だった。

 だが、タイガにはもう一つの売り…契約モンスターの「デストワイルダー」がいる。
 デストワイルダーは、単体モンスター玩具ではメタルゲラス・マグナギガに並ぶ大型のものだ。
 マグナギガは全身これ武器の塊、メタルゲラスは、武器こそ1種類しかないもののジェノサイダーへの合体ギミックがある。
 これだけ大きなものならば、マグナギガの「ギガホーン」「ギガテクター」のように“本編未登場の武器”が仕込まれている可能性もあるだろう…などという、ささやかな願望も一部では囁かれていたようだ。
 特に肩の部分なんかは、いかにも外れそうな造形である。
 これが外れて「ガードベント」くらい出来たってバチは当たるまい…などと、望みは薄いとわかっていながらも、そう思いたくなるのが人情だった。

 で、その結果は…後の「デストワイルダー」の項目を参照していただくとしよう。

4.ギミックの問題(現実の商品)

 では、タイガフィギュアを見てみよう。
 前評判では散々だったタイガだが、実はフィギュアそのものの出来はかなり良い。
 もちろん、先に述べた肘の問題は残っているものの、造形的な完成度は非常に優秀だ。
 銀を主体にブルーを各所に施されたカラーリングは、悪役にしておくのがもったいないほど爽やかかつ鮮烈で、大変スマートな印象を与える。

 だが、一部ではこの「スマート」さが難点だという人もいるようだ。
 というのも、実際に番組内に登場するタイガはかなり太めの体格で、マッシブなラインが特徴なのだ。
 画面ではわかりづらいという方も、何かの写真・画像でじっくり見てもらえれば、上半身や太腿が妙にがっしりしている事にお気付きになると思う。
 どちらかというと「ひょろっ」というイメージの東條とはイメージギャップがあるのだが、いずれにしても、本編登場タイガとR&Mタイガの体格差はかなりのものだ。
 もちろん、だからといってタイガだけ基本体形(ぶっちゃけ流用ボディの造型)を変更するわけにはいかない。
 この辺はまさに“愛”でその差を補うべきなのかもしれない。
 もちろん、こだわらない人にはまったく関係ない事なんだけど。

 カラーリングを細かく見てみるのも面白い。
 タイガは、なぜか各ジベットスレッドとVバックル(ベルト)がガンメタルで塗装されていて、かなり特異な印象を受ける。
 また、全ライダー共通の両手足の装甲(小手と脛ガードにあたる板状パーツ)の隙間から覗く部分が、素体の色とは異なるブルーメタリックで塗装されている。
 これにより、他のライダーでは装甲をハメているだけのように思えたものが、グローブ・グリーブ状のアーマーを装備しているようにも見えて、なんかかっこいいかも。
 また、よく見ると複雑な造形である事がわかる上半身装甲だが、これは比較的丁寧な塗り分けがされていて大変見栄えが良い。
 本商品はすべてのブルーがメタリック塗装になっているので、タイガ自身の銀色部分との取り合わせが大変美しく、まさしくメタルヒーローといった佇まいだ。

 …って、今良く見たら、自分の持っている奴って上半身の脇腹部分(黒い所)にブルー塗料がはみでている事に気付いてしまった!
 わはは、ちょっとショック。 

 タイガの額に付いている、3つの黄色いシグナルは、さすがに未塗装。
 というより、頭頂部のブルーラインに塗り潰されている。
 目立たないけど特徴的な部分だっただけに、個人的にちょっと残念。

 タイガを語る上で、外せないのが肩パーツだ。
 実はこの部分、テレビ登場の着ぐるみと商品とでまったく解釈が異なっている。
 虎の爪が肩を掴んでいるような形状のショルダーアーマーは、本編着ぐるみでは襟・肩・肩ブロックがすべて繋がっており、腕を上に上げると襟を含めたすべてのアーマーが上に持ち上がる構造になっていた。
 このため、腕を上げたタイガは首が短く上半身が膨らんで見え、その結果マッシブなイメージを与えるようになっている。

 しかしR&Mでは、肩ブロック(上腕の付け根一帯の事)の装甲を独立させた事で、腕を自在に回せるようにした。
 その結果、肩アーマー全体が膨らむ事がなくなって細身になり、同時に広い可動率を確保するに至った。
 …が、これは先にも触れた通りタイガの全身イメージをも変化させてしまったほどの変更なので、好き嫌い分かれるものでもある。
 RHシリーズが好きでR&Mがどうしても受け入れられない人は、可動優先のためにプロポーションが変わってしまう事を良しとしないらしいが、この違いを見ると、なんとなくそういう考えもわからなくはない気がしてくる。

 武器及び召喚機のデストバイザー。
 斧型という、ちょっと意外な形状のこの武器は、本編のように柄の部分が比較的長く(実物との対比の違いについてはノーチェック)、上の方を持ったり中央部分を掴ませたり、はたまた端部分を手にしたりする事で実に多彩なポージングが行える。
 また、ベントインのポーズも容易に取らせる事が出来、このバランスはなかなか嬉しい。
 もちろん、他のシリーズ同様バイザーには一切のギミックがないので、「フリーズベント」を再現する時は、それなりの“脳内演出(笑)”が必要になる。
 全体的にメタリックな塗装のため、実際の材質に関係なく硬質感を感じさせてくれるのはポイント高いかも。

 でも…個人的感想なんだけど、どうして「虎に“斧”」なんだろう?
 別に文句があるわけじゃないけど、その連想にはちょっと不思議な感覚を覚えてしまう筆者であった。

 ちょっと脱線するが、このページを最初に発表した後に、タイガに関するちょっとした面白い説を耳にしたので、記しておこう。

 「実は、タイガは元々“熊”のライダーの予定だったのではないか」

 一見「ハァ?!」と言いたくなる内容だが、冷静に考えてみると、あながち馬鹿にできない気もしてくる。
 まず、タイガやデストワイルダーの「虎と見るには無理のあるディテール」をピックアップしてみる。
 次に、それらを「もしこれが熊の意匠だとしたら」と発想を切り替え、見つめ直してみる。
 すると…なんだか真実味が出てこないだろうか?

  • デストワイルダーの長い爪(虎=爪、というイメージはほとんどない)
  • デストバイザー(金太郎の斧に引っ掛けているとしたら納得できる?!)
  • デストワイルダーの全体デザイン(虎というより熊に近いボディライン)

 もちろん、タイガのエラ付近にある「モフ毛(笑)をモチーフとしたらしきディテール」や、猫科動物をイメージさせるデストワイルダーの耳など、明らかに虎をベースとした部分もあるので完全な断定は出来ないが、一つの説としてとらえる分には、なかなか面白いものがあると思う。
 まあ、「斧使って熊を呼び出す」という方が、シャレが効いてていいかなって気がするけどね。

 タイガのフェイスを見て、ある事にピンと来た人もいると思う。
 そう、R&M龍騎や王蛇、リュウガの時にもあった「ゴーグル部分の塗り」である。
 あの細い溝部分が、どれほど綺麗に塗られているかを気にされる方も多いと思うが、筆者がみた限りだと、またまた結構とんでもないのが混在していたようだ。
 一番ヒドイ例は、タイガ顔右側上のゴーグル(?)部分が、ほぼ全部銀色に侵食されて潰れていたというもの。
 多少の塗りミス程度なら容認できる人でも、アレばっかりはさすがに躊躇したのではなかろうか。

 さて、肝心の「ストライクベント・デストクロー」についても触れておこう。
 デストワイルダーの両前腕部が外れ、だいたい肘の裏側辺りにある凸パーツを、タイガの前腕のジベットスレッドに差し込んで固定する。
 巨大な両手と爪を構えたタイガは、それまでとはまた違った迫力があって大変いい味が出ている。

 …が、ここで勘のいい人は「ちょい待ち、固定するのはやっぱりジベットスレッドなの?」と不満を漏らされるのではなかろうか。

 そう、前腕部分にデストクローを固定するという事は、装甲面は通常姿勢の場合、タイガ自身から見て外側の面に向く形となる。
 という事は、デストクロー本体の向きは著しい制限を受ける事になり、タイガの前腕を変な方向でもに回転させない限り、表情付けに困難が伴う可能性がある。
 これは、ライダーのジベットスレッドが、肘ではなく前腕側面部についているために発生する問題だ(仕方ないんだけど)。

 たとえば、デストクローを下から構えるような姿勢にした場合、タイガの前腕を思い切り外側にひねらなければならなくなる。
 また、もし正面にクロー(爪部分)を構えるようにした場合、R&デストクロー全体が下なりのカーブを描いてしまい、綺麗な直線状の構えが取れなくなってしまう。
 もちろん、これは以前書いたように「R&M素体はストレートパンチを打つ姿勢が取れない」という問題から発生した影響なのだが、想像した通りの構えが取れない可能性があるというのは、かなり悲しい。
  もっとも、実はさりげなくデストクローの手首部分は回転するようになっているので、爪の向きを変える事で似たような姿勢を作る事は可能だったりする。
 人によっては気にならないポイントかもしれないが、一応こういう性格も含んでいるという事だ。

 しかし、デストクロー最大の問題点は他にある。
 なんと、装着時の固定力がほとんどなく、ちょっと動かすだけですぐにポロポロと外れてしまうのだ。
 理由はよくわからないが、タイガのジベットスレッド部分に保持力がないようで、デストクローのパーツ自体の重みに耐えられないようにも感じる。
 また別な見方としては、「これだけ大型のパーツを、末端部たった一カ所の接続点で装着させているための弊害」というのもある。
 いくらしっかり差し込んだとしても、大きなパーツをちょこちょこいじる事によって接合がゆるんでくるというものだが、デストクローの場合、それが特に起こりやすいのだ。
 これは、おそらく接着剤使用によってジベットスレッドの穴の口径を調整したとしても、またいつか発生してしまうだろう問題だ。

 一応、これを解決する方法がある。

 もちろん完璧ではないし間に合わせ的なものだが、デストクロー装着時にタイガの手(正確には指)を開かせるというもの(右写真参照)。
 つまり、中途半端に4本指部分を開いた状態にした上から、クローを装着するという事だ。
 場合によっては、装着後にも指の開き具合をちょいと調整してやる必要がある。
 これにより、開いた指がつっかい棒代わりになり、クローは指とジベットスレッドの2カ所で支えられ、結果的に保持力が若干向上する。
 基本的に玩具に手を加える事を良しとしない人には、お奨めの方法だ。
 …とはいえ、これはどう考えても設計ミス以外の何物でもないような気が…。

 このデストクロー装着の件だが、ひょっとしたらしっかりハマるものをお持ちの方もおられるかもしれない。
 しかし、筆者は都合3体のR&Mタイガを手にし、そのいずれも同様の問題を抱えていた事を確認した以上、「かなり高い確率で発生しうる問題」であると確信している。
 まったく無問題のものを持っている人、くれぐれも大事にしましょう。
 たとえベルトのバックルのタンポ印刷がなくなってしまっても。

 次に、デストワイルダー。
 先にも触れた通り、一部の人達から“隠しギミック”を期待されまくっていた存在だが、その想いは無残に打ち砕かれた。

 とにかく、このデストワイルダーを初めて手にした人は、様々な意味で驚愕した事だろう。
 着ぐるみやデザイン画を見る限り、かなり複雑なパーツ構成に感じられるデストワイルターは、なんとほとんどABS樹脂の塊なのだ。
 重くて手応えがあるのは結構だが、首・肩・肘・足・膝しか動かず、しかもその可動範囲もかなりの制約を受けている。
 前腕なんか、回転すらもできないのだ。
 デザイン上首の動きについては仕方ないと思うが(むしろこのちょこちょこ動く様が良いようにも感じる)、あれだけ大仰な肩が、ただ前後に回転するだけというのは閉口させられる。
 肩ブロックからブラ下がっている謎の装甲は、上腕全体と完全な一体型で、ガードベントの希望はおろか横方向への関節可動も叶えてはくれない。
 単なる“ジャマなでっかいコブ”なのだ。
 ああ、この部分が外れてタイガの肩にでも接続できれば…はかない夢だった。
 もっとも、タイガの肩ブロックの構造上、そんな接続はほぼ不可能なんだが。
 爪状パーツの下に、ジベットスレッドが隠れてしまうからね。

 足については、メタルゲラスとほぼ同様と考えていい。
 やや前屈姿勢になるように調整しないと自立できないという点も同様で、大変表情付けが困難だ。
 ちなみに足の裏には謎の穴(抜き部分)があり、この中にひみつメモを詰めて遊ぶ事も可能だ。
 奥に押し込みすぎて取り出せなくなってもしらんけどね。

 なんか妙に意味深な形をしている背中部分は、唯一ビスによって固定されている。
 これも、取り外せれば……いや、もうやめよう(泣)。
 しかし背面から見ると、モールドがあるにも関わらず塗装がオミットされている部分が結構目立つ。
 背中左右部分と尻にあるライン状の部分は、本来ブルーが入るんじゃないの?

 さて、デストワイルダーからストライクベントのパーツを外すと、その後はどうなるのだろうか?
 テレビ本編では、デストクロー装着時もデストワイルダーの両手は健在なのでまったく問題はないが、この商品の場合は何かしらの対策がないとならない。

 で、実際に外してみると……こ、拳?!

 なんと、黒い拳が…人間のと同じ形状の握り拳が出現!
 しかも、ご丁寧にジベットスレッドまで前腕に付いている!!

 つまり、デストクローをデストワイルダーに装着する場合も、タイガと同様の形式を取るという訳だ。
 なるほど納得。
 確かに、そうする事が一番てっとり早くかつ分かり易いものになるだろう。
 だがしかし、その“隠し拳”までもが回転するというのは、何か意味があるのだろうか?
 これってまったくの無意味にしか思えないのだが?! 

 しかも、よく見るとこの拳を正面に構えると、「猫パンチ」状態になってすっごくかわいい。
 そうか、これがデストワイルダー造型担当者が意地で導入した“こだわり”なのだな!(断定)
 デストワイルダーに内包された可愛らしさを、ユーザーに伝えようという目論見に違いあるまい!(妄想)
 いや、でもこの拳…なんか妙に可愛いのはホントなんだよね。
 ある意味侘び寂びすら感じさせるものがある。
 これだけで、充分3000円の価値があるだろう。
 ……などと真剣に思ってしまった人は、まんまと造型担当者の罠にハマっているに違いない。

 ちなみに、デストワイルダー前腕部のジベットスレッドはタイガのものより穴が深いせいか、デストクローが比較的しっかり固定できるようで、拳による補助は必要ない。
 …なんだかな〜。

 なお、ここまで書けばもうわかると思うが、ファイナルベント「クリスタルブレイク」の再現は完璧なまでに不可能。
 もちろん、デストクロー×2セットが必要という大前提を別としても、デストワイルダー自身の可動範囲の事情から、“相手を引きずる”ポーズすら取れないのだ。
 腰動かないし。
 
 ここまで散々悪口を書いてはみたが、実はデストワイルダーそのものの造型は、かなり良いものだ。
 デザイン画に比較的忠実なスタイルはなかなかの説得力があり、なんと着ぐるみよりも完成度が高い。
 もっとも、あくまでテレビに登場したものを造型の基準に考える人もいるので、一概に「最高の造型バランス」とは言い切れない。
 とりあえず“こういうスタイルもありかも?”という程度に止めておこう。
 筆者は、着ぐるみよりもモンスター然としている、R&Mのデストワイルダーの方が大好きだ。

 おっと、肝心な事を忘れてた。
 一部の人達を熱狂的に萌え上がらせた(らしい)、デストワイルダーの肉球だが、これはしっかりモールドされて…はいる。
 ただし、平にあたる部分はくぼんでいるだけ、丸い部分はぷっくり盛り上がっているだけで、塗り分けなどは一切されていない。
 残念ながら、求めるものはここにはなかったようだ。

 だけど…正直、そんなにこの肉球っていいのかな〜?
 残念ながら、肉球属性完全にゼロの筆者には、この感覚がホントにわからなかったりする(というか、むしろ生物の内臓的なイメージがあってかなり気持ち悪く感じていたり)。
 また、実際のデストワイルダーの着ぐるみでは、この肉球部分は浮き出た硬質のメタルパーツになっており、丸い部分なんかはマイナスドライバーがハマりそうな、溝付きのただのビス状のモールドになっていたりする。
 平の部分だって、丸ではなく六角形だ。
 なんだ、それじゃあやっぱり造型自体全然違うのかあ。

●アドベントカード

 この商品にも、3枚カードが入っている。
 以下はその内容。

    ・RK-103ヒーローカード LEVEL1「仮面ライダータイガ」:

  • ●白き斧をふりかざし敵を斬りつける、白虎の仮面ライダー!(ATTACK 3000)/「剣」
  •  上辺右から1・3・4・5・7番目の端子部分に穴。

    ・RK-104モンスターカード LEVEL4「デストワイルダー」:

  • ●俊敏な動きと恐るべきパワー! 今、白き猛虎が牙をむき、襲いかかる!!(ATTACK 5000)/「羽」
  •  上辺右から1・3・4番目の端子部分に穴。

    ・RK-105フォースカード LEVEL2「デストクロー」:

  • ●すばやい動きにあらがう敵は、巨大な爪を見ることなく引き裂かれる!! (ATTACK 3000)/「剣」
  •  上辺右から2・3・5・6番目の端子部分に穴。

(以上、原文ママ)

●展開

 前評判がそんなに良くなかったというのに、結果的に商品は順調にさばけたようで、うまく売り切ったと言えるだろう。

 とにかく「遊べない」「問題箇所多数」「動かない」と問題ばかりなのだが、それでもなんとなく手が伸びてしまうのは、やはりその存在感と表面的な完成度の高さから来る見栄えが要因なのだろうか。
 なんとも評価が難しいものではあるが、あえて筆者が一言云わせてもらえるとするなら、「失敗作」。
 もちろん、筆者自身は相当なお気に入りではあるが、自身の好き嫌いと全体評価はまったく別だからね。
 どう考えても、総合完成度が高い商品とは思えないのだ。

 もし、タイガが初期の方の登場ライダーだとしたなら、おそらくこんなにすぐなくなったりはしなかっただろう。
 もっともその場合、もっとギミックが増えていた可能性もあるが。

 個人的には、ここで述べてきた数々の話題を提供してくれたという意味で、とても嬉しい商品だった。
 このタイガは、“本編では絶対やる筈なんかなかった”ヒーロー然としたポーズで今も我が部屋に飾られ………

 ……原稿も書き終わったし、片づけよ。

 そういえば、オーディンとタイガだけは、なぜか商品をパッケージから取り出しやすくなった。
 これまでの物は、すべて「取り出す前にパーツ折れるんじゃねーか?!」と思わせるくらいガッシリと固定されていたのだが、この2商品に限り、スッと簡単に取り出せる。
 やっぱり、あのギッチギチな詰め込み方にクレームでもついたのかなあ。
 あれのせいで、しばらくマグナギガがしまえなかったんだよね、怖くて。

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R&M DXポピニカ ライドシューター 定価3500円

セット内容:

  • ライドシューター本体
  • アドベントカード×2
  • 龍騎キャンペーンチラシ&応募用ハガキ(一体式)

 「仮面ライダー龍騎」に登場するライダー各自に、個別で与えられているミラーワールド移動用モジュール。
 設定上時速930Kmなどというとんでもない性能をもってはいるが、側面部が解放されているためかとても乗るのが怖そう。
 ちなみに、撮影に使用していたものには自走能力はまったくなく、けん引とCG合成で走行状態を再現していたのは有名な話。

 ライドシューターが導入された理由についての考察は、前回「ナイトサバイブ・龍騎サバイブ」にて好き勝手述べさせてもらったので割愛するが、とにかくこれは人気がなかった。
 そのデザインも不評であり、何よりも本編での描かれ方がまずかった。
 “仮面ライダー”が乗るにはとてもふさわしいとは思えない形状とライディングスタイルもさる事ながら、“バイクに乗って現場に駆けつける”という概念自体を否定しようとした傾向もあり、あまり好意的に受け取られていなかったようだ。

 もっとも、ライドシューターは本来のバイクとしての用途を求められてはおらず、本編内では最初から単なる「移動ツール」に特化していたようだ。
 ただそれにしても、統一は計られていなかった。
 初期の頃は「現実世界→ミラーワールド」の移動の際に使用するものというテイストで描かれていたにも関わらず、中盤の頃には「ライドシューターがなくてもミラーワールド行き放題」になってしまい、完全にその存在意義は失われた。
 それどころか、いつのまにか現実世界とミラーワールドの間の世界という概念自体なくなってしまったし。
 ライアが活躍していた頃までは、まだ活躍の場面もそこそこあったのだが、その後の扱いはかなり悲惨。

 おそらくライドシューターがもっとも有効に使用された例は、第44話にて龍騎がミラーワールド内で行方不明になった優衣を探していた場面くらいのものだ。
 滞在時間に制限のあるライダー達にとって、ミラーワールド内を高速移動できるライドシューターは、本来大変重要なものの筈なのだ。
 にも関わらず、自分の足で走って現場まで駆けつけようとするライダーはいるし、ジャンプしたらいきなり別な場所にいく奴はいるし、あげくには移動の瞬間すら豪快にオミットされる始末。
 スタッフ側も、ライドシューターの確固たる使用方法を最後まで見つけられなかったかの様に思えてならない。
 それくらい“微妙”な存在だったという事だ。

 個人的には、たとえ単なる移動機関に徹していても、明確な使い方が提示されていればより人気を得られた事は間違いないと思っている。
 事実、二台のライドシューターがドリフトしながら戦闘の場に到着し、中からゆっくりライダー達が立ち上がってくるというシチュエーションはかなり燃えるものがあったのだし。
 決して悪い材料ではなかったんだよ。決して…
 タイヤも太いし <おい!

 
 商品の前評判については、実は特別書くべき事がない。
 やはりというかなんというか、番組開始直後から「ライダーバイクらしくない」「ギミックに乏しい」といった見方をされていたせいか、喜んで迎えられたという訳ではなく…ぶっちゃけた話“かなり冷遇されていた”ように思えてならない。
 事実、私が以前取材でお邪魔した店舗をはじめとしたいくつかの個人商店では、初入荷の時からずっと残り続けているDXライドシューターをいくつも見かけた。
 そして「歯牙にもかけてもらえなかった」といったような内容のコメントまでいただいてしまった。
 悲しきかな、これが現実という事なのだろうか。
 
 ここで、筆者自身はどうしてこれの購入を避けていたのかを思い返してみる。
 個人的に一番ためらっていた理由は、主に「大きすぎる」「ギミックが少ない&忠実に再現されていない」というものだった。
 もちろん、最終的には「価格に見合った気がしない」という最大の問題が出てくる訳だが、ともあれ、これと似たような印象を抱いていた人は多かった筈だ。
 筆者の場合、このコーナーの第6回「R&Mシリーズ『仮面ライダー龍騎』1 龍騎・ナイト・ゾルダ」の写真撮影時に、きょろら氏よりライドシューターを借りてみたのだが、いじってみてなおさら購入意欲が萎えてしまった。
 ただ勘違いしないように念を押しておくと、この時点では筆者の方にライドシューターへの思い入れがなかった、という部分もある。
 実際、自分で購入してみたらいきなり評価が逆転してしまったのだから、実にいい加減なものだ。

 では、さっそく商品本体を見ていこう。

)

 DXライドシューターは、全長約28センチ・最頂部までの高さ約11センチとかなりの大きさを誇り、大人が両手を合わせて持ってもはみ出してしまう。
 また、後述するジャッキアップ時にはなんと最高部が18.5センチにも達する。
 子供は言うに及ばず、大人でもちょっと扱いに戸惑ってしまうサイズなのだ。
 しかも、重い。
 結構重い。
 シャーシ部分に豪快にダイキャストを使用しているからなのだが、このずっしり感はなかなかのものだ。
 
 全体のディテールや造型は、やはりかなりのレベルの高さだ。
 シートの独特の質感も(実物との比較とかは別として)いい感じだし、フロントホイール周りの形状もよくまとまっている。
 サイドランプ風のモールドが(本当にそういうデザインなら、だが)クリアパーツ等で出来ていれば、個人的には最高だったのだが、そこまで求めるのは贅沢だ。
 とにかく、表面的な部分についてはほとんど文句のつけようがない。
 テールランプ部分がメタルレッド塗装になっているのはいただけない気もするが、これは“無理矢理難点を見出したら”出てくるポイントだろう。
 もっとも、ライドシューター自体の本編中の露出がもっと多かったなら、さらに細かなディテールの差が見えてきたかもしれない。
 意地の悪い言い方をするなら、「露出の少なさが幸いした」とも言えてしまう事になるのだ。

 だが見た目の完成度の高さに反して、問題点がところどころに存在している。
 
 まず、一番目立つ問題と思われるのが「ハンドルグリップ」と「固定用ベルト」だ。
 ハンドルグリップは、見た目には特に問題らしい問題がないように思われる。
 しかし、実はこれものすごく柔らかい材質で出来ていて、ライダーフィギュアに握らせるのが異常に困難なのだ。

 この質感は、デストワイルダーの爪などとは比較にならないほどで、ほとんどただのゴムだ。
 ライドシューターにフィギュアを乗せるのにはかなりのコツが必要で、搭乗を無意味に難しくしている。
 ここが普通のプラ製で、しっかりと作られていたのなら、あらかじめフィギュアの手の形を決めておいて合わせる事が出来るのだが、ふにゃらとした質感だとうまく手の形を合わせる事ができないのだ。
 さらに、凝った人は人差し指と中指部分だけをレバーに引っかけてグリップを握らせるが、これも無闇に難しくなる。
 ドラグランザーバイクでも難儀したものだが、これはそれ以上だ。

 「固定用ベルト」と書いたのは、ライドシューター搭乗時にライダー本体を固定する“シートベルト”のようなパーツの事だ。
 シートの横からアーム状に伸びているもので、これの凸パーツを腰のジベットスレッドに差し込むようになっている。
 …のだが、まともに差し込めない。

 実はこのベルト全体が、ハンドルグリップと同様ふにゃらな材質で作られているため、いざジベットスレッドに差し込もうとすると凸パーツが折れ曲がったりして、うまく穴に入ってくれないのだ。
 しかも、なんとか片方を差し込んでももう一方は益々困難になり、さらに、ライダーフィギュアを正しい位置にセッティングせず微妙にズレた位置にライディングさせていたりすると、いつまで経っても両方のベルトと両ジベットスレッドの位置が揃わず、座らせる事すら出来ない事態に陥るのだ。
 幸いこのベルトパーツ自体を外してしまう事が出来るので、うざったいなら片づけてしまうのも手だ。
 とにかく、このベルトとハンドルグリップ両方の問題をクリアしつつライディングさせる事は相当の労力を伴うので、スムーズに遊びたいなら、どこかで妥協するしかないのだ。

 次に、シートのジャッキアップ。

 ライダーがライドシューターから降り立つ際、フード全体が持ち上がった後にゆっくりとシートがジャッキアップするのだが、本商品はこれを再現しようとして、豪快に失敗してしまった。
 なんと、ジャッキアップはものすごい勢いで行われ、「ガシャコン!!」という感じでライダーフィギュアがシュートされる。
 …というのは冗談だが、飛び出さん勢いで弾かれるのは事実で、きちんとライディングポジションを取っていない状態のライダーフィギュアだったら、姿勢を崩すか固定用ベルトを弾いてしまう。
 筆者も、タイガを使用して何回か試してみたが、簡単にシートからずり落ちてしまう。
 もちろん、ハンドルグリップをしっかり握らせていればなんとかなるのだが、それにしてもこの「ガシャコン!!」という音と勢いは凄まじく、決して気軽にいじりたくなるようなものではない。

 なお、ここでは「ゆっくりとシートが…」と書いたが、本編中、ライアがまだ活躍中だったある時期から、突然ジャッキアップのスピードが早まった事に気付いた方はおられるだろうか?
 単に、ジャッキアップする部分を早送りしているだけなのだが、これを見た当時「おお、おもちゃと同じスピードで上げられとる。難儀よのぅ」と妙に納得してしまったものだ。

 本商品のジャッキアップは、ちょっと面白いギミックで再現されている。
 まず、前輪部付近にあるボタンを押す。
 するとライドシューターのフードのロックが外れ、勢いよく跳ね上がる。
 そして、フードの後ろの部分がハンマーの役割をして、ライドシューター本体後部に設置されたジャッキアップボタンを叩くのだ。
 これにより、フードアップとジャッキアップが時間差で連動し、本編のギミックを再現する事になる。
 …のだが、あまりに凄まじい勢いのため、ずいぶん豪快な印象を受ける。
 おそらく強度的には問題ないのだろうが、なんとなく耐久性を心配したくなってしまう。

 さて、もっと細かい部分まで(わざわざ)見てみよう。
 実は、ライドシューターには「コンパネ部分にアドベントカードを差し入れる事で起動キーにする」という設定があったりする。
 具体的には、メーター部分のやや下辺りにカードを差し込むトレイのような部分があり、どうもそこからカードをスルーインするようだ。
 もちろんそんなものは本編で表現されていなかった訳で、本商品でも“それとおぼしき部分はなんとなくわかる”程度の再現にとどまっている。
 たぶん、ここでアドベントカードを入れてしまう事が、後々の戦闘局面に影響を及ぼしかねないと判断されたのではないだろうか。
 龍騎の世界では、一回の変身でチャージされたアドベントカードは、一度使うと消滅してしまうらしい。
 オルタナティブに至っては燃えて消滅してしまっていたが、まったく同じカードを再利用したケースは一度もなかった(同種カードの連続使用はあったが)。
 どうも設定では、それぞれのモンスター召還用カードを使う事になっていたようだが、だとしたらちょっと大変だ。
 これは、スルーして正解だっただろう。

 ジャッキアップについても、ちょっと面白いポイントがある。
 フードを上げた時、後ろのボタンにあたらない様に手で止め、ハンマーを利用しない状態でシートアップスイッチだけを押すと…座席はビクともしないのだ。
 つまり、後部ボタン単体を強く叩いたとしても決して座席は動かないという事。
 これはなかなか素晴らしい工夫だ。
 おそらく、フードパーツ基部(本体エンジン部と繋がっている部分)にもう一つのロックがあり、フードパーツがある位置まで移動しないと外れない仕組みになっているのだろう。
 よく見ると、シートの裏側では2カ所のストッパーが確認出来る。
 後部ボタンだけを押しても、連動するのは上の1つだけだ。
 なるほど、さりげない所で丁寧な仕事してるな〜。
 また、仮にフードが閉じている状態でシートがジャッキアップしても、フードパーツに接触しないで押さえられるようになっているのもポイントが高い。

 玩具ではなくデザインの問題だが、ライドシューターの前輪部は、まったく左右に曲がらない。
 というより、どうやって曲がるものなのか是非聞いてみたい心境だ。
 玩具を見た限りだと、前輪ブロックはフード前面をロックしている部分から伸びており、シャーシの延長上に接続されているように思えない。
 前輪そのものは大型のホイールガードに包まれているので絶対に曲がりようがない。
 本編でも、前輪は一切曲がった様子は見せずCGで無理矢理ひん曲げていたものだから、ものすごい違和感があった。
 「時空戦士スピルバン」の撮影用ホバリアンも、ほとんど直進しかできなかったというが、これはそれ以上だろう。

 蛇足だが、実はライドシューターに乗せられないライダーが一人だけいたりする。
 それは「オーディン」で、あの立派な肩パーツが端にひっかかって、フードが閉じてくれないのだ。

もちろん、全部のライダーがR&Mで発売されていない以上、オーディンだけが搭乗不能と決めつける事はできない(ガイの左肩の角もなんかアヤシイし)。
 でも、発売されたR&Mライダーすべてを乗せてみたいと思うのは、自然な感覚だろう。
 たとえオーディンが本編中でライドシューターに乗っていないと言っても、商品として関連があるんだから、もうちょっと気を遣って欲しかったものだ。

 …って、この文句はオーディンに対してだから、ここに書くのは間違いかなあ?!

●アドベントカード

 この商品には、2枚カードが入っている。
 他のR&Mシリーズより一枚少ない。
 以下はその内容。

    ・RK-016フォースカード LEVEL2「ライドシューター」:

  • ●地上からミラーワールドへ! マシンは今、時空を超えて駆け抜ける!(ATTACK 2000)/「羽」
  •  上辺右から3・4・5・6番目の端子部分に穴。

    ・RK-017ヒーローカード LEVEL1「仮面ライダー龍騎」:

  • ●カードの力を華麗に操り、龍騎は運命の戦いを勝ち抜いていく!(ATTACK 3000)/「岩」
  •  上辺右から3番目と6番目の端子部分に穴。

●展開

 繰り返しになるが、とにかくライドシューターは徹底的な不人気商品だった。
 ある程度この商品に魅力を感じていた人ですら、値崩れを待って待機していたくらいだ。
 この後に発売されたバイク系玩具「ナイトサバイブ」「龍騎サバイブ」、また『仮面ライダーファイズ』のS-RHF「ファイズ&オートバジン」などと比べてみると、明らかにコンセプトの見直しが計られているように感じられる。
 やはり、各方面に明確な「失敗」を感じさせた商品という事になってしまうのだろう。
 残念ながら。

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【買ってみて一言】

 以上で、「仮面ライダー龍騎」メイン商品の『R&Mシリーズ』をすべて紹介した。
 久しぶりに、集めがいのある…購入して中身を取りだし、飾る事に充実感を感じられる商品群だったと思う。

 個人的な感想だが、当初は前番組「仮面ライダーアギト」までの『装着変身』ブランドにこだわっていたためか、亜鉛合金の手応えのない本シリーズに難色を示したものだが、番組中の演出効果の良さも手伝い、いつのまにかそんな事はまったく気にならなくなった。

 何にしても、最大のけん引要素・ゾルダ&マグナギガの存在はデカかったと思う。
 事実、この商品からシリーズに注目をはじめ、やがて全種類集めたという人も多かったようだから。

 そう考えると、このシリーズは本当に「質感よりもギミック」を前面に掲げて売り出していたものなんだなと、しみじみ痛感する。
 
 「龍騎」「ナイト」は、第一次出荷数こそ少なかったため店頭からすぐに姿を消しはしたものの、ゴールデンウィーク辺りに「ゾルダ」が発売されてから二次出荷が始まった(らしい)ようで、爆発的に商品数が増えた。
 そしてそこから、番組終盤辺りまではどこでも見かけるようになった。
 龍騎・ナイトなどは、オーディンが発売される前にはとっくに生産停止していたにも関わらず、だ。
 こういった状況は玩具ファンに様々な印象を与え、一時期は「売れた」「売れない」などの論議も起きた。
 実際は、「売れた時期とそうでない時期が波状に発生していた」のではないかと考えられるが、これも所詮印象論の域を出ない。

 結局のところ、「全体的にはどうか知らんが、商品別に人気のムラがあった」という感じに落ちつくのだろう。
 以前「R&M王蛇はあまり売れていない」と書いて反論をいただいた事を書いたが、「R&MEX リュウガ」のように、劇場版公開直後には高い人気を誇ったにも関わらず、後に凄まじい在庫過多状態に陥った例もある。
 パッと見ただけでこんなに違いがあるのだから、先の見解はそんなに的外れではないと思うのだが、どうだろうか?


 さて、龍騎も終わった現在、一部では面白い期待が持たれている。
 2003年4月現在、香港では『仮面ライダーアギト』が放映されており、それに伴って「装着変身」が香港バンダイから発売されている。
 そしてその中には、日本未発売(だった)の「G4」「G3マイルド」「エクシードギルス」も含まれている。
 販売形態こそ違うものの、日本よりもバリエーションの多い商品群は大変な魅力であり、2003年2月に「逆輸入正規販売」という事で上記3商品が発売された時は、なかなかすごい騒動となった。

 ここまで書けばだいたいご想像いただけると思うが、このまま来年度に「仮面ライダー龍騎」が香港で放映されれば、「R&Mシリーズ日本未発売」のものが商品化する可能性もあるのではないか?! という話があるのだ。
 もちろんこれは何の根拠も裏付けもない、ただの希望的観測に過ぎない。
 だが、クウガ・アギトの展開を考えると、期待するなという方が無理だろう。
 クウガの「アメイジングマイティ」、アギトの3ライダーなどは、基本的にそれまでの金型の流用だったからこそ果たせたものだという意見もある。
 だがG4は頭部新造だし、ギガントまで付属している。
 龍騎ライダーはボディのほとんどを流用できるわけだから、上半身・頭部・上腕部辺りだけを新造すれば、そんなに難しくない……ように思える。
 モンスターの方がどうなるのかわからないが…そもそも、香港ではライダーとモンスターをセットで売ってくれるのかどうかすらまだわからないわけだが、少なくとも「ガイ」「ライア」くらいは(日本版王蛇を持つ人にとっては)意味があるし、期待したくなるのも人情だ。
 筆者個人としては、ベルデ・インペラー辺りが発売されたら身悶えして喜ぶのだが(笑)。
 ともあれ、そういう話もあるという事だ。

 今から約1年後…2004年辺りどういう事情になっているのか、今から期待しておきたいと思う。

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