第41回 ■ バンダイ 超合金魂「六神合体ゴッドマーズ」2
2008年10月12日 更新
2ページ目は、腕担当のロボット2体。
●ウラヌス:
本編には第二話より登場。
全高15メートル、全重100トン。
北極の氷山内に格納されており、タケルの意志に反応して発進する三号機。
胸からウラヌス・フリーザーという冷凍光線を発車するが、同名のロケットパンチモドキ技としてゴッドマーズに丸ごと射出されたこともある(7話、対コールガッチ戦)。
合体時は、ゴッドマーズの右腕全体を構成。
●タイタン:
本編には第二話より登場。
全高15メートル、全重100トン。
インド洋の底にある石像の中から発進する四号機。
タイタン・サイクロンという反重力光線を胸から発射。
丸いウラヌスに対して、角ばったデザインになっているのが特徴。
合体時は、ゴッドマーズの左腕全体を構成。
ウラヌスとタイタンは、設定身長こそガイヤーと同じだが、劇中では若干大きめのロボとして描写されていることがある。
ただし劇中のロボ比較サイズはかなり不正確なので、これも決して統一されているわけではない。
腕ロボ二体は基本構造が同じなので、まとめてレビュー。
全高はそれぞれ約11センチ、重さは約110グラム程度とかなり軽量。
結構関節可動率が高く、自由度の高いポージングが楽しめるようになっている。
可動部分は、両者共に全25箇所。
実際には膝が二重関節になっているため、本来ならここに更にプラス2すべきなのだが、このうち一つは変型時の伸縮機構(後述)としてしか利用出来ないため、あえて外して数えている。
また、足首の横方向可動は、可動域に若干癖がある。
詳しくは後述。
腕ロボなので、ガイヤーに比べるとかなり箱っぽい外観になってはいるが、パッと見はとても複雑な変形機構を備えているとは思えないほどバランスが整っている。
両者とも、この状態で「スフィンクスとの合体ジョイント」「ゴッドマーズの拳」を内蔵しているのだが、構造を理解していない(まだ商品に触れていない)人には、とても想像出来ないのではないだろうか。
事実、筆者も事前に概要は聞いていたものの、「魂ネイション」で現物を見ても尚、拳収納ギミックは想像できなかった。
ウラヌス頭部アップ。
下唇を思い切り伸ばして、上唇を覆って真似してみよう。
タイタン頭部アップ。
なぜか、見る度に仲本工事を連想する不思議な作者の頭。
タイタンは、だいたい劇中イメージ通りのスタイルにまとめられているが、ウラヌスのみ大きな変更が設けられている。
ウラヌスの腕の形状は「円柱状」であり、本商品のように四角ではない。
恐らくこれは、腕部伸縮時及び内部収納時の都合を考慮したものではないかと考えられるが、気になる人には気になるかもしれない(色も違っているし)。
脚ロボ二種も同様だが、残念ながら手首の交換パーツはなしで、すべて握り拳のみとなる。
ただ、手首自体はPVC製で取り外しも可能なので、もしかしたら当初は交換用があったのでは? なんて勘ぐりたくなってしまう。
パーツ数が増え過ぎて何か支障が出るのか、それともコスト削減のために削ったのか…?
魂ゴッドマーズは、当初の企画だと三万円をぶっちぎる価格帯になってしまいそうになったため、慌ててサイズ縮小などのコストダウン策を講じたそうだが(「魂ネイション」内展示物説明文より)、ひょっとしたら、ここにもそれの影響があったりしたのかな?
…なんて妄想してみたり。
変型の都合、それぞれ両手首が下方に曲げられるようになっている。
また、頭部は横方向・縦方向に動かせるため、見上げる動きが出来る。
これを利用して、あの独特の上昇ポーズを取らせる事も可能。
あの飛行ポーズ、なんとなく優雅なイメージがあって、凄く好き。
腰部分は、ゴッドマーズの上腕ロールを兼ねているため360度回転可能。
それ以外の各関節は、脚部に若干の制約があるものの腕部はかなり自由度が高くなっている。
但し肘は二重関節ではない。
腕部各関節は、やや固めに設定されているようで、へたれる心配はまずなさそう(今のところ)。
脚は前後だいたい45度くらいまで動かせる。
こんな形状なのに足首の接地性も高いので、意外にバランスを取り易い。
ただし、後述する「GM手首収納側」の足首は、構造の問題でもう片方の足首ほど自由度がなく、横方向の可動に制限がかかってしまう。
とはいえ、それでもしっかり自立出来るのだから大した物といえる。
足の裏には、オリジナルのスラスターモールド付き。
踵部分から中心へと伸びている細長いパーツの下側が可動軸で、つま先を下に向ける時はここが基部になる。
旧版と魂版の比較。
旧ウラヌスの右手首が欠品だけど許して。
旧版は両手がロケットパンチになっている上、スフィンクスとの合体ジョイントが肩内部に露出していた。
両腕は背中側に回り、頭部は上から押し込んでロックし、足の裏に別パーツの拳を差し込むという、実に単純明快な変型構造だった。
こうしてみると、技術の進歩ぶりの凄さがあらためてわかる気がする。
魂版の合金パーツは、両方とも腰・股関節・膝関節・スフィンクスとの合体ジョイント(内蔵)、あとは両腕を支えている軸。
頭部・ボディ、膝関節以外の足全体はABS製。
変型過程や合体時の可動力がかかる部分は、ダイキャストでガッチリ固められている。
特に膝関節の構造は過剰なほどガッチリしていて、軽快な可動と耐久性を兼ね備えているという、素晴らしいパーツになっている。
…と思ったら、筆者のウラヌスの片足膝の第二関節部分だけ、異常に硬いエラー品だった…
ガイヤーを除く他の三体ロボに比べて合金比率が少ないのは、合体後の負担軽減のため?
本商品の売りの一つ「差し替えなしで変型合体」のうち、最も難所と思われた手首収納を、いともあっさり(とはいえ素晴らしいアイデアで)クリアしてしまった点は、高評価どころか脅威の域かもしれない。
魂ガンバスターのつま先変型同様、「ここまでやっちゃうのか!」という驚きを実感出来る、大事なポイントと言えるだろう。
反面、手首のジョイント基部が腕の中心軸からずれた位置に来てしまうこと、拳自体がやや小振りであること等、問題がまったくないわけではない。
特に軸ずれはプロポーション重視用の拳と交換しても改善される事はないため、気になる人にはとても気になってしまうかもしれない。
ただ、魂ゴッドマーズの場合「元々二分割されている物の真下から手首を生やす」という難儀な条件が付きまとってしまうわけだから、旧版のような処理を行うわけにはいかないだろう。
個人的には素晴らしい工夫だと思うし、こういうのは大歓迎だが、人によっては受け取り方が変わるかもしれないと、この時点ではまとめておこう。