第182回 ■ BANDAINAMCO S.H.フィギュアーツ(真骨彫製法)「仮面ライダーBLACK RX」

2026年8月24日 更新
2026年8月27日 一部の画像を差替修正

 

 とある商品の試作品が公開されました。
 それは非常に素晴らしい出来栄えで、誰もが感嘆、感動し、このまま製品化されることに大きな期待をかけました。

 ですが、いざ製品化情報が公開された途端、ネット上は突如大炎上してしまいます。
 しかもその炎上ぶりの凄まじさは近年でも稀に見る程激しく、その製品の担当者は厳しい誹謗中傷に晒されました。

 炎上の理由は、直前になって仕様が変更されたため
 しかもその変更内容が、正気を疑うようなとんでもなく酷いものでした。

 あれほど高評価だった試作品の完成度を著しく貶め、更に高確率で経年劣化を併発する危険が含まれている上、明らかにその場の思いつきで適用した事が見え見えだった事も要因でした。
 この炎上は、X(旧Twitter)のニュースにも取り上げられる程大きな騒ぎとなり、メーカーには是非とも思い直して欲しいといった願い事も多く囁かれましたが、結局この変更は見直されることはありませんでした。

 

 ですが、実際に発売された途端、実はもう一つ大きな品質上の問題も抱えていたことが判明
 その結果、造形は最高、それなのに仕様と品質は最悪という、大きな二面性を持つ“真骨彫”が世に放たれてしまいました。

 それが、今回レビューする「仮面ライダーBLACK RX」。
 「仮面ライダーBLACK」発売から五年、大勢のファンが長年待ち続け、遂に決定版が! と思った矢先のこの酷い仕様変更は、発売後の現在も後を引いている状況です。
 というわけで、今回はコレを出来るだけ客観的な視点でレビューし、良い点と悪い点を洗い出してみたいと思います。
 長年待っていたファンが、妥協をしてでも買うのに相応しいものなのかをご判断戴く材料になれば幸いです。

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■ S.H.フィギュアーツ(真骨彫製法)「仮面ライダーBLACK RX」

 

 発売日:2026年8月8日
 価格:11,000円(税込)
 一般販売商品。

 

 2025年11月11〜16日にかけてベルサール秋葉原にて開催された「魂ネイション2025」のB1F会場にて試作品初公開。
 この時点では、一般販売かプレミアムバンダイ(魂商店)行きになるかの詳細はまだ不明でした。

 2026年1月27日商品情報の詳細が公開され、一般販売であることと、太腿に布製素材を採用するとの情報が公開されました。
 それまで公開された試作品には施されていなかった布が張られた画像に、ネット上各所では激しく炎上。
 更に、某玩具情報雑誌上にて担当者による「布を張る都合、太腿パーツを削った」旨の発言が掲載され、一部で更に炎上が加速。
 更に後日、サンライザーに透明なフードが被せられる仕様であることも判明。
 これも炎上に更に油を注ぐ形になりました。

 

 2026年2月2日16時より、予約解禁。
 そこに至るまでの大炎上の影響から、今回は瞬殺はないのでは? という大方の予想を裏切るように、web上ではどこも予約が短時間で終了
 ネット上の評判と実際の予約状況の落差に、各所で戸惑いの声が囁かれる中、これまでの一般販売系真骨彫ではあまり見られなかった事態が起きました。

 2026年2月10日、あみあみ本店で突如在庫が復活、再度予約が出来るようになるという珍しい事態が発生。
 あみあみでも2月2日の時点で一度予約完売となっているため、在庫残り続けた訳ではなく、明らかな在庫復活。
 この情報は即座にSNS上で拡散され、筆者が確認した状況では午前11時半頃に確認された在庫復活は当日午後2時前には予約停止に。
 これを皮切りにするように、その後web上の各店舗にて急に在庫復活が散見されることになって行きます。
 

 

 2026年8月8日発売日当日より、SNSを初めとするネット上各所で、太腿の布外しを試みるユーザーが多数登場。
 その結果、布の下には“スーツの皺を再現した造形”が隠されていた事、試作品同様の彩色(成形色?)である事などが判明しました。 
 またサンライザーの透明フードが非常に外れやすい事に加え、それまで全く想定外だった肩アーマーを接続している布が千切れて吹っ飛ぶという問題点も発覚。
 そして早々に太腿の布が破れた、千切れた、よじれたといった、想定通りの問題に直面したユーザーからの報告も多発していきました。

 これら諸問題が重なった為、改造・修繕・補強を施すユーザー、あえてそのままにするユーザーなど多数の意見が交わされ、製品の評価は「造形は良いが品質は最悪」という雰囲気に。
 その影響か、或いは今回の出荷数量が通常より多かったせいなのか、発売後半月を過ぎても普通に店頭で商品が見返られるという(真骨彫としては珍しい)状況が各地で散見される形となっていきます。

 

 さて、のっけから散々な事を書いてきましたが、今回の真骨彫RXはそれだけ大きな波紋を巻き起こした商品でした。
 かくいう筆者も、太腿の布使用で激怒したタチなのですが、その後の大炎上を見ているうちに「これはこれで記録に残す価値がある出来事なのでは?」と思い返し、予約に踏み切ったという次第です。

 先に言うと、筆者個人としての評価は

“確かに違和感は凄まじいけど、布や透明フードなどは、思っていたよりも慣れるのが早かった”
“一旦慣れてしまえば、そこまで悪い印象はない”
“破損しやすいor外れやすい部位は、扱いに気を付けていれば意外となんとかなる”
“造形そのものについてはほぼ完璧に近く、これ以上のRXフィギュアを求めるのは現状難しいのでは?”


 というものです。
 ただ、問題点は問題点として、良いポイントは良いポイントとして押さえてこそのレビューなので、ここからは出来るだけ自身の評価は挟まないようにして行きたいと思います。

 

 はい、ここからは製品仕様です。
 まずはフロントビュ―。
 高さは約15センチ(頭頂部まで)、重量約49グラム(デフォルト状態)。
 このように画像で見ると、若干頭でっかちに見えるのですが、実物を手にすると全然気にならないバランスです。

 

 バックビュー。
 後述しますが、背中の上半分と襟周辺は別パーツ構成で、しかもそれぞれ取り外しが可能です。

 

 サイドビュー。
 意外と複雑なデザインの前腕部や膝下・ブーツ周辺の造形もお見事。
 左手首のリストビットは位置固定で、回転などの機構はなし。
 僅か3ミリ四方の極小サイズにも拘らず、細かな彩色が丁寧に施されています。
 この角度だと、サンライザーのフードが目立ちますね。

 

 頭部アップ。
 パーツの耐久性の問題上、どうしても太くなってしまうアンテナはしょうがないとして。
 全体的に非常に再現度の高い、素晴らしい造形。
 マクロアイ(複眼)のパターンや、これまで再現が不充分だった複眼内側下の銀ラインもしっかり造形・彩色されています。

 

 後頭部。
 発売後に物議を醸した鼻筋から後頭部にかけての中央線(サイコインジケーターのある顔中央のライン)が黒一色に見え、作中の薄いガンメタルと比べると違和感を覚えますが、実はこの部分、同じ話数の連続した場面でも結構色が変わって見えることが多く(恐らくマスクも交換はしていない)、また光の反射次第では一面銀色に見えることもあるため、正しい色彩が不明瞭という面白い特徴があったりします。

 なお、本放送当時に発売された主題歌EPレコードのジャケットに使用されているマスクは、このラインが黒に見える上、「仮面ライダーディケイド」客演時等でも同様の為、決して誤りではありません。

 首の蛇腹部分は「仮面ライダーBLACK RXリニューアル版」とは違い別パーツではなく、また可動もなく頭部と一体化しています。

 

 首の可動範囲。
 RXキックの都合もあるのか、俯きはかなり深い所まで行けます。
 反面、見上げはちょっと不得手で、ほんの僅かしか顎を上げられません。
 これは首後ろの蛇腹部分が襟に干渉するためで、造形上やむを得ないことで“は”あります。

 ですが……

 

 実はちょっとだけ改善する方法が、デフォルトで存在します。
 RXの上半身は、胸から腹、背中上部、襟周辺が分割・分離可能で、しかも襟パーツが二種類存在します。

 

 デフォルトの襟パーツから、後部にスリットのあるパーツに交換します。
 この襟パーツは軟質素材で、ここにスリットがあることで襟が若干開くようになります。

 

 その結果、これまでの限界よりもう少しだけ顎を上げられるようになります。
 ……まあ、微妙な差なんですけど。
 一応、首を横に傾けしやすくなるというメリットもあるにはあるんですが、ここまで大がかりな仕掛けを施してまで確保する必要のある可動範囲なのかな? という疑問が付きまといます。

 

 肩と腕の可動について。
 腕は真横に180度くらいまで上げられ、肘は目測135度くらい曲がります。
 手首のスナップも、比較的大きめです。
 これ自体は、真骨彫のスタンダードという感じです。

 ……が、肩を動かす際にはちょっと注意というか事前知識が必要です。

 

 さてここからは、本商品最大級の問題について触れて行きます。

 まず肩の上方向可動ですが、構造的には真上まで回すことが可能です。
 ですが肩アーマーの接続位置及び接続方法の影響で、ここは最大の注意を払う必要があります。

 肩アーマーは胴体側に接続されていて、作中同様パタパタ浮かせるように可動させることが出来ます。
 しかし接続部が布製で、これがちょっと困った悪さをしてしまいます。

 

 肩アーマーは、そのデザイン上肩全体を包み込むような形状な上、上部分(黄色い丸部分)が胴体と繋がっています。
 この構造で腕をそのまま上げようとすると、肩アーマーの形状が災いしてスムーズに浮いてくれず、接続部に強烈な捻じれ(負荷)がかかります。
 その結果、肩と胴体を繋いでいる布パーツが千切れるという流れが発生しがちになるという構造のようです。

 

 この部分が、問題の布パーツです。
 これが捻じれにとても弱いようで、帯自体は切れないもののアーマーを繋いでいる部分が千切れてしまいます。

 

 ではどうすればいいのかというと、腕を上げる前に先に肩アーマーを動かし、後追いで腕を回転させるのがベストのようです。

 この画像は、肩の布に負担をかけない限界ギリギリまで腕を上げた状態となります。
 恐らくこれ以上腕を上げると、肩アーマーは吹っ飛んでいくと思われます。

 

 この状態で上半身の装甲を外した状態がこちら。
 黄色く着色した部分(矢印で指している所)が捻じれている状態の布で、左肩のものと比べるとかなり大きく引っ張られて伸びているのがわかると思います。
 これ以上やると、肩アーマーの裏側に固定されている布の末端部が千切れるわけです。

 

 こういう困った構造の為、右腕を高く上げた印象的なポーズの多いRXには致命的な問題となってしまいます。
 今回のレビューの都合、何度もこういったポーズを取るハメになりましたが、もう怖くて怖くて仕方ありませんでした。

 

 胸部から腹部アップ。
 サンバスクはクリアです。
 というより、胸部からサンバスクにかけてのパーツは全てクリアパーツで、胸は表から、サンバスクは裏から塗装されています。
 胸板部分には非常に細かなシボ加工が施されていて、これで質感の違いを表現しているわけですね。
 またグリーン部分の色も暗めで、本放送当時の雰囲気にかなり近付いています。
 「RX」のエンブレムは、彫り込みの上から金色で塗装。

 それでサンライザー(変身ベルト)ですが、ここも問題視されたポイントです。

 

 サンライザーを別角度から。
 先の通り、表面には透明の分厚いカバーがかかっています。
 これは実は試作品の時点で施されていたものなのですが、目論みとしては「作中のサンライザーにも透明なフードが付いていたから(その表現)」というものだったそうです。
 (筆者も含め)誰もそんなどうでもいい点まで回収されるなんて思ってなかったものですから、ここもかなりの批判を受けました。

 確かに作中のスーツでも透明なカバーがあることが確認出来るのですが、それは非常に薄いもので膨らんで見えるということはありません。
 ですが、それを1/12フィギュアで再現するということは 12 倍 の 分 厚 い カ バ ー を被せた状態になるわけで、なんで誰も止めなかったんだ? となるのは必然です。

 

 そしてこのカバー、取り外す事も出来るのでイメージ通りにすることも出来るのでまだ良いのですが、カバー自体の固定力が低く、しょっちゅうではないものの気が付くと外れている場合が多く、紛失に注意する必要があります。

 詳しくは後述しますが、このサンライザーは交換用のものが別途ありまして、そちらにも別途フードが付けられています。

 

 サンライザーの透明カバーを外した状態で全身を。
 このままでも全然違和感ないですね。
 ちなみにリニューアル版RXでは、こんな余計なものは付属していませんでした。

 なおサンライザーの赤い回転部分の造形ですが、これに関してはリニューアル版の方が緻密です
 バックル部の出っ張り具合は真骨彫の方に軍配が上がりますが、赤い回転部分のモールドはかなり適当で、リニューアル版のあたおかレベルの再現性には全く及んでいません。
 ここについては、どうしたんだ真骨彫と言わざるを得ません。

 

 サンライザーUP三態。
 上から通常の状態、(後述する)リボルケイン取り出しシチュエーション再現用、サンライザーを完全に取り外した状態。
 取付穴は左右で形状が違うため、差し込み時に上下を間違えることはありません。
 銀色のベルト部分は軟質樹脂製なので、サンライザーの裏側に爪を差し込んで、ちょっと強引に引っ張って取り外す感じです。
 接合力は結構高めで、勝手に落ちることはありません。

 

 今回、腹部は伸縮式で前屈の範囲を拡張させることが出来ます。
 前鏡の姿勢はRXにおいて超重要な上、実際のスーツでもここが伸びている場面が多々あるので、よく採用してくれた! と思えるポイントです。

 

 腹部の前屈は、引き伸ばした状態でこのくらいが限度。
 これだけではそこまで曲げられる印象がないのですが、ここに腰部の可動と、意外と広い股関節の可動範囲が合わさって、あのポーズも簡単に取れるようになっています。

 

 RXジャンプの特徴・地面ぶっ叩きモーションはここまでやれます。
 これまでは指先がなんとか地面に触れられる程度でしたが、今回は作中通りチョップを当てている状態まで再現出来ちゃいます。

 

 腰の捻りは、構造上360度回せるのですが、無理のない範囲での回転はこのくらいまで自然に行けます。

 

 さて、本商品を最も大炎上させた“太腿の布素材”に、ついに触れる番となりました。

 先の通り、これは試作品の時点ではなかったもので商品化詳細発表時に突然足された“忌まわしき追加要素”と云えるポイントです。
 画像を見ても分かる通り、布目やたわみ、縫い目などが異常に悪目立ちしてしまい、撮影用スーツのようなスマート感は全然ありません。
 にも拘らず、担当者曰く「作中スーツのテカテカ感を再現するため(意訳)」とのことで、これがユーザー各位から激しい反発を買う事になりました。

 確かに、これでは目が粗すぎて撮影用スーツの艶など再現されているとはとても云えません。
 また1/12サイズのフィギュアに布を使うという事は、それすなわち12倍の分厚さの布を当て、12倍の太さの糸で縫製している状態にしかならないわけです。

 アゾンインターナショナルの製品は、こういった尺度も計算の上でドールの衣装を製造販売しているのですが、そういったノウハウも工夫もなく、そのまま分厚い布を被せただけでは戴けません。
 そりゃあ、購入した人達の多くが引っぺがしたいと思うのも道理というものです。

 何はともあれ、これは真骨彫シリーズのみならず、可動フィギュア全体の中でも最大級の大失敗であることは、疑う余地もありません。

 

 ただそうは言っても、施されてしまった以上受け入れなければならないという側面もあると云えます。
 環境的な問題、或いは技術力的な問題などから、購入者全員が改造を行えるわけではないですから。
 こんな布素材ですが、一応メリットもないわけではなく、

  • RX股間部の分割を覆い隠すことで、脚を長く見せることが出来る。
  • 遠目でみると、布の表面に光が反射してテカりが感じられる。
  • 布素材の色は暗めで、意外と引き締まった感を覚えさせる。
  • 当初の想像に反して、表面部分にはあまり皺が寄らない。

 こういった特徴もあるため、リニューアル版で問題視された“股関節周辺の段差”や“脚と一体化しているパンツ”などはなく、そういう見地では古くからの問題に対処しているとも云えます。

 

 次に縫い目ですが、これは膨らみが生じてしまう都合、非常に悪目立ちしてしまいます。
 ちなみにこの布パーツはご丁寧に脚の付け根の内側で接着されているそうで、常時ぴっちりと張られテンションがかかり続けている状態です。
 これが影響し、中には根本が裂けてしまったという人もいたようで、ここも取扱い注意ということになりますね。

 というか、よりによってライダー全体の中でも特に激しいアクションポーズが魅力のRXに、どうして過去採用しなかった新要素を付与してしまったのでしょうか。
 しかもその結果、美観を損ない、更にはプレイバリューすらも妨げてしまうという。
 今後発売されるフィギュアーツまたは真骨彫には、もう二度と採用しないで欲しいものですね。

 

 その話は一旦置いておいて、今度は股関節の可動範囲について。
 両脚はここまで真横に開け、足首もそこそこ接地性能が高いです。

 

 前後方向はこれくらい。
 先の地面ぶっ叩きでもお見せしてますが、思いの外股関節の自由度が高いので脚部に関してはポージングの制約はほぼ気になりません。

 ですが、やはり布部分が気になるので、動かす時には結局注意を向ける必要は生じます。

 

 リニューアル版RXの時にも触れましたが、RXのスーツ特に下半身は、そのデザインの都合上可動フィギュアには向かないものでした。
 なんせそのまま立体化したら、ろくに脚を前に出す事も出来ない有様なんですから。
 リニューアル版は、そこを何とかしようと相当試行錯誤した痕跡が見られたもので、実際にそれだけの効果は出ていたのですが、当時は“股関節周辺の段差”や“脚の付け根とパンツの一体化がおかしい”という点に対する批判が非常に多く、ある意味今回の布問題に並びかねない程の勢いでした。

 

 ここからはちょっとだけ、個人的な想像なのですけど。

 もしかして真骨彫化にあたり、この時に批判されまくった部位に関する対策が再検討された結果が、この布素材使用だったんじゃないかな? なんてふと考えさせられました。
 RXに限った話ではありませんが、可動フィギュアの可動部は何かで覆い隠してシームレスに出来ればそれに越したことはないわけで、耐久性や経年劣化を考慮しなければどこもやりたがるものではないかと容易に想像できます。
 ですが実際はそう簡単ではなく、ご存知の通りパーツを何かで覆うということは、癒着や溶解、或いは下地の劣化促進など様々な問題を発生させるわけです。

 にも関わらずこれを採用したということは、それだけRXの股間部分周辺の問題を(過剰に)重要視したのか、或いは本当に軽いノリの思いつきで適用させたかのどちらかではないかと。
 結果的に批判は免れなかったわけですが、それでも股関節部分をスタイリッシュにする事には一応成功しているので、 普 通 に 考 え る 分 に は 相当な検討が行われていたに違いない、となります。

 ですが、試作品発表から布適用までのありえないくらいスピーディな対応、しかも何もしなくてもいいくらいしっかり造形しているパーツをわざわざ布で覆い隠しているという不可解な点を考慮すると――

 ……ううん、やっぱり、その場のパッとした思いつきだったのかなあ?

 

 気を取り直して、今度は装備についてです。

「リボルケイン!」

  

 複数のパーツと差し替えで、リボルケイン取り出しのシチュエーションを再現可能。
 ただ、サンライザーへの固定が透明フードの厚みに依存している状態のため、安定性はかなり悪いです。
 また取り出し直後のリボルケインの刀身部分がクリアになっているのは、明かな間違い(この状態ではまだ銀色であるのが正解)。

 

 リボルケインの長さ約9センチ。
 握り手は二種類三個あり、右手のみ角度のついたものが付属します。

 

 リボルケイン関連部品。
 基本的にリニューアル版同様、グリップ部分と刀身部分を組み合わせて、非点灯時と点灯時を表現するスタイルです。
 左側上から、

  • リボルクラッシュ再現用刀身
  • リボルケイン発光状態刀身
  • リボルケイン非発光状態刀身
  • 交換用サンライザー

 右側上段左から、

  • リボルケイン取り出し直後再現用(実体化)
  • リボルケイン取り出し直後再現用(非実体)

 右側下段左から、

  • リボルケイン・グリップ部(実体化)
  • リボルケイン・グリップ部(非実体)

 刀身(正しくは違うけど)全てに風車が付いているのがミソです。
 今回、ようやくグリップ部分が正しい配色になりました。

 

 リボルケインは風車部分が刀身側にあるため、グリップ側にはその外側にあたるフード部分が付いています。
 このフードの中に風車部分が入り込むように差し込むことで完成します。

 

 向かって左(RXの右手)が、非発光状態のリボルケイン。
 こちらは「仮面ライダーディケイド」客演時用に使うことが出来ます。

 向かって右が発光状態刀身+非実体状態のグリップの組み合わせ。
 リニューアル版でもこれは再現出来ましたが、今回は発光刀身側に色付きの風車が付いているため、100%全部発光状態のリボルケインは作れません。
 まあ、特に意味はないんですけど。

 

 当然のように、非実体のグリップに非発光刀身を付けたりという無意味なことも出来ます(向かって左)。

 

 第一話で有名な「折れたー!」のシーンも、当然再現出来ます。

 はい、お約束w

 

 今回この発光状態のものは蓄光素材で作られているため、暗闇で光ります。
 ただし発光具合はかなり貧弱で、何度か撮影を試みましたが全部失敗したため画像は断念しました。

 無理しなくていいのよ、って思った。

 

 なので、筆者は自力で光らせる方向で(※画像加工です)。

  

 もう一つの必殺技「RXキック」!
 真骨彫の特徴として、ドロップキック姿勢だと両脚が綺麗に揃えられないというものがありますが、このくらいなら行けます。

 

 製品仕様の概要は以上です。
 ここからは、RXで色々遊んだり他商品と比べてみます。

 

 「S.H.フィギュアーツ ライドロン」との比較。
 こちらはリニューアル版対応のものですが、元々対比的にデカすぎた為、こうして並べると前より違和感が薄れた気がします。

 

 ただしその代償として“座席に座らせることは出来るけど搭乗は出来ない”という、大変辛い状況になってしまいました。
 ご覧の通り、RXの頭がかなり高い位置に来てしまうのです。

 

 この影響で、ヴァーチカルドアを完全に閉じることが出来ません。
 画像のが限界で、これ以上無理に閉じようとするとツノが折れてしまいます。
 まあ、RXの背が高くなったので覚悟はしていたのですが、非っっ常に残念! と言わざるを得ません。

 

 ただ、載せられるといっても決してスムーズに乗車させられるわけではなく、脚の太さや前に出した時の脚の開き具合などから、少々特殊な乗せ方が求められます。
 まあ結局のところ、このライドロンはリニューアル版RXを載せるのがベスト、真骨彫は横に並べて飾るか撮影するためのオプションのように捉えた方がいいのかもしれません。

  

 「真骨彫製法 仮面ライダーBLACK」との比較。
 ようやく、高いグレードの二体で共演回を再現出来るようになりましたね。
 これは嬉しい事です。

 

 「真骨彫製法 仮面ライダーディケイド」と「同・仮面ライダーディエンド」も並べて、27話の揃い踏みシーン再現。
 これはなかなか感動モノ!
 この回の放送が2009年8月2日だったので、ほぼ17年ピッタリ! で再現可能になったわけです。

 えっ17年

 

 何度も名前を出して来た「S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーBLACK RX(リニューアルVer.)」との比較。
 身長差は約7ミリ。
 それでもこれだけ体格や全体のボリュームが異なります。

 ボディカラーの差異が印象的。

 

 それでは最後に、ちょっと凝ったポージング集など。
 こういった決めポーズを取らせた時、その造形の良さに改めて気付かされるという事にお気付き戴ければ幸いです。

 

 まずは、名乗り。

「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK! R! X!」

 やはり真骨彫、動かしてみると感じられるインパクトと説得力は流石の一言です。

   

 続いては、リボルケインを振るって。

 

 怪人系で丁度良いものがなかったので、たまたま近くにあった「真骨彫製法 仮面ライダークウガ・ライジングアルティメット(黒目Ver.)」を相手にリボルクラッシュの決めポーズを再現。
 やっぱりこれがないと、RXは締まらないですよね!

 それにしても、この再現性の高さったら……やっぱり真骨彫を名乗るだけのことはあります。

 

 以上、真骨彫製法「仮面ライダーBLACK RX」でした。

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【総括】

 

 冒頭で散々書いた通り、本商品は期待の新製品としてはありえない酷いものではありました。
 しかし、元々は大勢のファンの注目と期待を多く集めた素晴らしい出来栄えの物だったわけで、その良さがつまらない仕様変更のせいで全否定されるような結果になってしまったのは、本当に惜しいことだと思います。
 言い方を変えるなら、こんなことは今後もう二度とやっては行けない事だと思います。

 繰り返しますが、真骨彫RXの造形や可動そのものは、大変素晴らしいものです。
 これは間違いのないことで、これだけなら百点満点に限りなく近いものに違いありません。
 しかし、突然の仕様変更が大きなマイナスを加えてしまい、結果的に総合点がマイナスになってしまったような印象です。
 少なくとも世間的な感想や批判意見、問題点の指摘などを統合して考慮すると、こんな風にまとめざるを得ないでしょう。

 ファンは、長い間待ち望んだものについては、それまでの製品の集大成的なものを求めはしますが、新しい挑戦をして欲しいわけではありません。
 むしろ余計な挑戦なんか一切しないで、安定的な安心できる出来のものを求めるのです。


 真骨彫RXは、五年という長い時間待ち焦がれたファンの期待を、最悪の形で裏切りました。
 そして今後も、じわりじわりと破損や劣化が発生していくことでしょうし、嫌な思いは終わったわけではありません。
 まあそれは、全てが追加の仕様に端を発するものではありませんが。

 とりあえず、筆者も含めて「これはこれでもう受け入れるしかない」と考えるユーザーもおられるようで、新たな価値観を見出そうとする動きもあるようです。
 当然、同じように改造して自分好みに修正する向きもあるので、それも含めて今では発売前と異なる評価が生まれようとしているのかもしれません。

 ただ、こういった悪評が広まり過ぎたせいか欲しいとは思うのに手が出しにくいという人も多い様子。
 そんなことから、本商品が結局充分に売れたのか、ロボライダーやバイオライダーに繋がるくらいの売上を作れたのか、そういった事をついつい考えてしまいます。

 

 ちなみに布素材に関してですが、現状ではプラ素材の浸食や単独での劣化破損など、そういった問題の発生はあまり心配する必要はないかと思われます。
 他の部材を巻き込んでの劣化、という事例をこれまで見た・聞いた記憶がないからなんですが。
 というより、仮にそう言う問題が発生するとなると「栄光の昭和ライダーエディション」をはじめとする布製マフラーの真骨彫ライダーなども同様の問題が起こりうるわけで、RXのみでは済まなくなってしまいますね。
 ただRXの場合、単に布を使っているというだけでなく、それがピンと張られた状態であるという点の方が不安要素です。
 布自体に伸縮性があるため、膝関節の曲げ伸ばしにも付いて行ってはくれますが、いずれ伸び伸びになってしまったり、関節周辺がたわんでしまう可能性もないとは云えません。
 なので、注意するとしたらそういった事や糸のほつれ、または動かしすぎによる股関節周辺部分の破れかもしれません。

 それ以外では、布製品に常につきまとう「汚れの付着」「シミの発生」「手汗や皮脂などの酸化による変色」「埃の付着」といった諸問題にも注意が必要になりますね。

 それと、太腿の布を取り外した後に熱収縮チューブやPVCシート、合皮などを巻くといった作例が散見されますが、この辺りはかえって可動を阻害し各パーツに負担をかけるだけでなく、経年劣化の影響が大きいのでオススメは出来ません。
 特にPVCシート(熱収縮チューブも含みます)はプラを浸食する性質があり、また合皮は経年で 必 ず ボ ロ ボ ロ に 朽 ち 果 て る という避けられない問題があります。
 確かに短時間なら大丈夫ではありますが、今後年単位で大事に保管するようであれば、やらない方が賢明です。

 その他、肩アーマーの接続をビニールテープなどの粘着性テープで補強しようとする投稿もいくつか見ましたが、これも最悪の選択です。
 これは糊が拡がり周辺をベタベタにする上、周辺素材を劣化させたり硬化したりとろくなことにならないので、絶対に使っちゃいけません。
(というより、玩具製品に〇〇テープと付くものを補強や補修に使うのは元々論外なんですが)
 また、仮にベタついたとしてもそれを拭き取るために「アルコール除菌シート」なんかは絶対使わないようにしてください。
 プラ、割れます。

 

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