第145回 ■ タカラトミー ダイアクロン「ダイアバトルスV2」01

2016年6月25日 更新

『ダイアッックロン〜♪』

 

 今から36年前、当時のタカラから、ミクロマンシリーズに次ぐ新たな商品シリーズが発売されました。
 それが、「ダイアクロン」。
 そんな過去のシリーズが、36年の時を経てREBOOT!
 しかも単なるリメイクではなく、当時のシリーズから地続きでの新展開!
 加えて、近年の高年齢層向け玩具としての体裁を整え、高い完成度と広範囲可動を実現!!
 それでいて、当時のダイアクロンシリーズで重視されていたプレイバリューも、そのまま継承!!!

 その結果、ネット上でとてつもない大人気を博した、素晴らしい商品が誕生してしまいました。

 というわけで、今回はREBOOT第一弾「ダイアバトルスV2」をレビューするわけですが、いかんせん容赦のないプレイバリューの塊なもので、画像数も大変なことになっています(総数150枚)。
 更に、今回は当コンテンツ初の「動画」も投入しています。
 そのため、一部の環境では表示がおかしなことになるかもしれませんが、何卒ご容赦願います。

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■ タカラトミー ダイアクロン ダイアバトルスV2

 

 2016年5月28日発売。
 価格は、16,200円(税込)。
 同月31日配送で、「プロトタイプ(月面基地Ver.)」というカラーバリエーション商品有(タカラトミーモール限定商品)。

 バトルス01、02、03の三体セット。
 ダイアクロン隊員(黒、赤&黒、黒&赤)付属。
 ダイアクロン隊員(赤)初回特典として付属。
 ロードヴァイパー1台付属。
 キャノン砲(バトルス01用)×4個付属。
 ハンマーマグナムパーツ×2個付属。
 スラッグキャノンパーツ×2個付属。
 クラッシュキャリバー×2個付属。
 クラッシュキャリバー用ホルダーパーツ×2個付属。
 メタルラベルシート×1枚(4枚分)付属。

 

 「ダイアクロン」。
 80年から84年まで続き、後のトランスフォーマーシリーズへと繋がっていくことになる本シリーズは、テレビ番組向けの商品化は一切なく、玩具のみの独自展開で独特の世界観を構築し、絶大な人気を獲得するに至りました。
 たった3センチしかないダイアクロン隊員を、合体マシンや巨大基地ロボット等に搭乗させ、様々なギミックとプレイバリューを提供。
 まさに「遊び」を追求した名シリーズで、当時品は現在も人気が高く、中古取引も非常に高額なレートで成立しているほどです。

 アニメ作品――所謂「原作」の相当する存在がないため、本作は「原作の設定」というものに捉われることなく、ユーザーの想像に任せた自由なプレイバリューが展開出来ることが、最大の魅力でした。

 今回の商品は、ダイアクロン35周年記念に絡めた再始動(REBOOT)計画によるもので、近年の高年齢層向け玩具として完全新規で企画されたものの第一弾となります。

 

 「ダイアバトルスV2」は、当時品の「ダイアバトルス」のリメイクではなく、最新後継機という設定を持つ別機体です。
 V2の「V」はVariableを示し、たとえ戦闘中に一機が破損しても、他の二機で形態を変化させ、戦闘を続行させられるというコンセプトのようです。
 そして実際の商品も、「いやこれやりすぎでしょ!」と思わず呟きそうになるくらい、変型合体のバリエーションが多くなっています。
 まあとにかく、設定上はともかく、実質的には21世紀解釈の新ダイアバトルスなわけで、リメイク的な捉え方をしてもさほど問題はないかと思われます。

 

 「ダイアバトルスV2」の商品化情報は、2015年6月18日から21日まで、東京ビッグサイトで開催された「東京おもちゃショー2015」のタカラトミーブースにて、公開されたのが最初となります。
 この時点では、まだ未彩色の原型?に過ぎませんでしたが、その造型の細かさやプロポーションの素晴らしさは注目の的で、しかも旧ダイアクロン商品の参考展示もあいまって、進化の度合いを実感出来ました。
 更に、変型合体のバリエーションを示したボードなども展示されておりました。
 当時のダイアバトルスは、ロボット形態に合体することしか出来なかったのに、今回は7種類もの組み合わせバリエーションがあるとのことで、これも脅威の対象でした。
 もしかしたら、とんでもない商品が発売されることになるのでは? という予感がこの頃既に感じられましたが、実際の商品は、その想像を更に上回るとんでもなさに満ち溢れていました(当然、褒め言葉です)。

 

 ただ前評判の良さと期待値に対して、予約開始時は特別好調というわけではなかったらしく、担当者の談によれば、発売開始後にネット上で評判が広がったことで、売れ始めるようになった(意訳)とのことです。
 実際、発売後の各方面での評判は凄く、まさに大絶賛という表現が相応しい程の反響振りが窺えました。
 また、それまで余裕で注文可能だった各ネットショップは、発売後一週間弱程度で軒並み完売しまくり。
 そのため、ネット上の評判に影響を受けて即動いた人はともかく、考慮時間を置いてしまったファンは買いそびれてしまうという、悲しい状況も発生していました。
 尚、これを書いている2016年6月中旬現在、再販の告知はまだありません。

 

 先の通り、今回は画像数が非常に多く、触れるべき点も多すぎるので、とっとと商品に触れて参ります。
 まずはバトルス各機の紹介から始めて、ダイアクロン隊員→合体バリエーションの順に見て行きたいと思います。

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■ バトルス01:

 

 一号機・バトルス01。
 宇宙空間から海底まで、あらゆる環境下で活動可能。
 チーフパイロットが搭乗し、ダイアバトルスV2のコアとなる。
 ……という設定あり。
 全長は、約9.4センチ、全高は約6.8センチ(キャノン砲水平時)。

 

 旧商品「ダイアバトルス」のバトルス01は、どちらかというと小型戦車(車両?)といった雰囲気で、もっと前後に長いデザインだったのですが、今回は丸っこい調査船みたいな形状になりました。

 

 これだけ見ると、あまりメイン機という気がしないのですが、しっかりコアマシンとして役立っている上に、脅威のギミック(後述)も内包しているという、魅力が詰まったマシンです。

 

 後部下の樽型のパーツはメインノズルのようですが、噴射口に相当する部分がなく(合体ジョイントになっているので)、また着地時はランディングギアの役割を果たします。
 この部分は基部で可動するので、ノズルを後方に向ける事も当然可能です。

 

 フロント・サイド・バックビュー。
 全てノズルは接地形態です。

 

 キャノピーは、前倒し式で開閉可能です。

 

 バトルス01と、ダイアクロン隊員(DIA-NAUTS)の対比。
 隊員は、今回も旧シリーズと同じく約3センチです。
 対比はこんな感じで、スケール感も出て良い雰囲気です。

 

 コクピットには、ダイアクロン隊員を搭乗させられます。
 隊員の詳細については、後述します。
 画像では全身黒の隊員を搭乗させていますが、当然どの隊員を乗せても構いません。
 どれがどれのパイロット、なんて設定は全くないので、ユーザーの自由です。

 

 「やったー!ついに風防が付いたぞー!!」

 昔のダイアクロンシリーズにも隊員を搭乗させられましたが、何故かことごとく風防がありませんでした。
 よって隊員は、剥き身のままジェット機に乗ったりしなければならないという過酷な環境で――
 
 まあ、当時のはギミックの都合やら何やらで付けられない事情もあったんでしょうが。
 実際はそこまで深く考えてなかったんでしょうね、多分。

 

 上部のキャノン砲は、上方向のみですが可動します。
 また、ノズルも飛行状態にしてみました(四角い部分は、合体時のジョイントです)。
 サイドから伸びているランディングギアは、アーム部分が可動するので、かなり自在に調整が可能です。

 

 キャノン砲の砲身を差換えて、武装をハンマーマグナム(上)やスラッグキャノン(下)にすることも可能です。
 勿論、上下逆でも、本来のキャノン砲と組み合わせるのも自由です。

 以上、バトルス01でした。

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■ バトルス02:

 

 二号機・バトルス02。
 優れた操作性を持つ高速飛行戦闘マシンで、腕部武装ユニットと空中機動ブースター、またそれらを制御する単座式ボレットモジュール機で構成されている。
 全長は約12センチ、全高は約6.1センチ(尾翼上部まで)

 

 バトルス02は、青い部分と赤い部分とで別機体となっていて、それぞれで個別活動が出来る設定のようです(赤い部分は他のマシンと合体しての運用でしょうけど)。
 そのため、合体時にコクピットブロック(ボレットモジュール)が外れても余剰扱いとはならず、単独で別なサポートメカに見立てることが可能なわけです。
 これなら、余剰パーツ嫌いな人でも安心?

 

 フロント・サイド・バックビュー。
 全てノズルは接地形態です。
 バトルス01同様、02もメインノズルを下に向けることで、接地形態に出来ます。

 

 ダイアクロン隊員との比較。
 こちらはコクピットの位置がかなり低く、全体的に小型機であることが窺えます。
 この赤隊員は、初回限定特典とのことです。
 なんで、再販からは付属しなくなるのかな……?
 その割には、ブリスターに隊員四人分の空きがあるのですが。

 先に挙げたバトルス01の黒赤隊員同様、02にもこれ以外の隊員を乗せて全然問題ありません。

 

 隊員を、コクピットに搭乗。
 キャノピーは、後ろへの跳ね上げ式となります。

 

 コクピット搭乗完了。
 ちなみに、旧「ダイアバトルス」の02も、機首が青でエンジン基部(肩)と翼が赤でした。
 翼には黄色い部分もあったのですが、その辺も意識されたカラーリングになっています。

 以上、バトルス02でした。

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■ バトルス03:

 

 三号機・バトルス03。
 陸上攻撃用ハイパワーマシンで、短距離であれば空中機動も可能。
 こちらもバトルス02同様、コクピットブロックがボレットモジュールとして独立可能。
 全長は約11.5センチ、全高は約5.3センチ(天板部まで)。

 複座式コクピットのため、ダイアクロン隊員を二名同時搭乗可能。

 

 二機の飛行マシンに、一機の地上マシンという組合せが、実に素晴らしいものです。
 旧「ダイアバトルス」では、バトルス03は複座式ではあったものの、マシン自体は飛行メカでした。
 そのため、今回の地上マシン化は、なかなか大胆なアレンジとも云えます。

 

 バトルス03は、地味にギミックの宝庫です。
 パイロット搭乗をはじめとして、バイク収納(後述)やキャタピラ(あえてこう書く)可動、また脚部ユニットの汎用性の広さとか、語るべきポイントは沢山あります。
 バトルス02同様、コクピットブロックはボレットモジュールなので独立可能。
 また、向きを180度変えてキャタピラ側を前にすることも出来ます。

 

 フロント・サイド・バックビュー。
 未来の世界の重機っぽさがあっていいですよね。

 

 キャノピーは、二つがそれぞれ個別に展開可能。
 中央には仕切り板があります。

 

 ダイアクロン隊員を搭乗。
 初回版は隊員が四人付いてるからいいけど、再販で赤隊員がなくなったら、コクピットが一つ空になるのかな?
 旧「ダイアバトルス」も、バトルス03は片側のコクピットが無人でしたが……

 

 以上、バトルス03でした。
 脅威の?ギミックの数々は、変型合体の説明辺りで改めて。

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■ ロードヴァイパー:

 

 本商品には、合体マシン以外の小型ビークル「ロードヴァイパー」が付属します。
 このような、合体には直接関係しない小物は大変ありがたいものです。
 しかも、フルカウルタイプのバイクというセレクトが、実に泣かせます!

 

 このように、隊員を乗せることが出来ます。

 本体はメタリックレッド塗装で、前輪は伸縮可能。
 当然コロ走行も出来ます。
 前輪基部の構造と全体のスタイルから、なんとなくサンダー(※超音戦士ボーグマン)を連想する筆者。

 

 特にスタンドのようなものはないのですが、倒れることはなく自立可能です。

 

 勿論、他の隊員でも搭乗可能です。
 隊員は結構しっかり乗せることが出来、特に腰から脚にかけてのフィットぶりは実物のサイズを考慮すると脅威のレベルです。
 尚、ハンドルのようなものはなく、フロントカウル内に拳が収まる空間があり、そこに手を置く感じになります。
 主な固定部位は腰と脚部(要するに股関節)です。

 

 本体全長は、約4センチ。
 近年の1/12バイク(14センチ前後の可動フィギュアが搭乗できるサイズ)と比較すると、これだけの差が発生します。

 

 ロードヴァイパーは、バトルス03のボレットモジュールの後ろに収納することが可能です。
 その場合、前輪を押し縮める必要があります。
 本体下部にジョイントがあるので、脱落やガタつきの恐れはなく安心して収納出来ます。

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■ ダイアクロン隊員:

 

 ダイアクロンの魅力といえば、通称「インチマン」と呼ばれる高さ約3センチの隊員フィギュア。
 旧版にならい、本商品でも付属するのですが、時代に合わせてリニューアルされています。
 勿論、足首部分に磁石内蔵というお約束も、しっかり継承。

 本商品には、画像の四体が付属しますが、このうち左端の全身赤い隊員は、初回版限定特典とのことです。
 再販時にはなくなっちゃうのが、もったいないですよね。
 コクピットも四つあるんだし。

 

 ちょっと他の可動フィギュアと、サイズ比較をしてみます。
 先日レビューした、figma「アンジェラ・バルザック(全高約13センチ)」と比べると、これだけ大きさが違います。

 

 20円ガチャガチャカプセル(当時物)にも、余裕で入ってしまうコンパクトさ!
 本当にこのノリで販売して欲しいところです。

 ちなみに、メーカーによるとこんな小ささでも、仮にバラ売りしたら一体500円くらいになってしまうんだとか。
 値上げの時代悲しやというところですが、その分脅威の可動と細かい塗装が施されているので、しょうがないという気もします。

 

 このサイズだと、搭乗出来る(本商品以外の)商品を探すのに一苦労ですが、並べるだけなら適当なサイズのミニカーでいけるかもしれません。

 

 隊員がいるならワルダー側隊員も欲しいところですが、仕方ないのでサイズが近い別なもので代用など。
 もう無理矢理。

 

 バイクも用意してみるとか。

 

 ロードヴァイパーと併走とか。
 おお、意外と良い?

 

 他に、隊員を乗せられそうなビークル玩具はないものかと探してみたのですが、手持ちの中にこんなものがありました。
 対比はメチャクチャですが、シートの大きさが丁度良く、なかなか楽しげです。

 

 クィーンバイクにも、(本来とは違う乗せ方だけど)搭乗可能でした。
 さすがタカラ商品同士、相性も良い!

 

 他にも、某匿名掲示板上でどなたかが提案されていたトミカ「TOYOTA AUTO BODY COMS」にも乗せてみました。
 これは、コンビニの配達車両などでたまにみかけるアレですが、形状がどことなくSF的なせいか、変にマッチングする気がします。

 

 実車は人が一人乗るとぎりぎり一杯なんですが、ダイアクロン隊員だとさすがに余裕がかなり生じます。
 当然、実車の対比を考えるとありえないくらいデカい車両ということになりますが、どこはそれ、玩具なんだから適当でいいんじゃないかなと。

 

 隊員と絡ませると、食料配給車や部材配送車両みたいな感覚で一緒に飾れたりして、非常に楽しいものです。
 ロードヴァイパーと並べてしまうと、さすがに対比に違和感が生じますが、バトルス各機とならそんなに変じゃない? と個人的に思っています。

 それにしても、これを組み合わせようと考えた人は、凄い発想力の持ち主ですね!

 

 本商品には、「メタルラベル」というシールが付属します。
 これは、内部に薄い鉄板が仕込まれているシールで、一枚の台紙に四つ分カットされています。
 これを取ってユーザーが指定または任意の位置に貼ることで、ダイアクロン隊員を立たせやすくするというものです。

 

 隊員の可動範囲は、おおまかにこんな感じです。
 四肢は肩・肘・股関節・膝が可動で、加えて胴体部にも可動箇所があります。
 ただし、上腕や太股にロール軸はなく、また首も非可動です。
 もっとも、これ以上細かく動かせてしまうと、逆に耐久性が心配になってしまうので、これはむしろ適度な判断といえるのではないでしょうか。

 

 足の裏には、極細の磁石軸が仕込まれています。
 磁力は結構強めのようで、このような多少無茶なポーズでも自立してくれます。

 

 メタルラベルは、バトルス01や02のコクピットの後ろとか、03のロードヴァイパー格納庫底面に貼ることが出来ますし、そのための空間も設けてありますが、恐らくそれ以外の任意の場所に貼り付けても問題はないと思います。
 ただ、このラベルは結構粘着力のある両面テープのような素材で、一度貼ると剥がすのが困難なようです。
 
 マシンやオプションの個別紹介は、以上です。
 以降は、合体システムについて触れて行きたいと思います。

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