SECRET 第55回 ■ グッドスマイルカンパニー figma「アンジェラ・バルザック(楽園追放)」
2016年5月28日 更新
今回は、約三年と四ヶ月ぶりに、figmaシリーズのレビューをやってみたいと思います。
前回はこれで、別にそれ以降何も買ってなかったわけではなく、少なくとも8〜9体は購入してはいるんですが。
今回のアンジェラは、久々にレビューで取り扱いたいと感じさせられた逸品だったもので……
というわけで、今回はこちらで行ってみます。
■ figma アンジェラ・バルザック(楽園追放)
2016年5月18日発売(GOOD SMILE ONLINE SHOP発送日は5/16)。
全高約13.9センチ。
全6種10個の手首付属。
予備手首ジョイント1個。
銃付属
パケット偽装アンジェラ一体付属。
スタンド用クリップ付属。
figma用スタンド付属。
パケット偽装アンジェラ用スタンド付属。
価格は、税込6,800円。
アンジェラ・バルザック。
2014年11月15日公開の3DCGアニメ劇場作品「楽園追放 -Expelled from Paradise-」の主人公。
廃墟と化した地球を棄て、自身の存在をデータ化した人々が暮らす電脳世界「ディーヴァ」は、地上からのハッキングを受けていた。
その調査のため、マテリアルボディ(生身の肉体)を与えられて地上に派遣されたのが、エージェントコードZQ875456:アンジェラであり、階級は三等官。
二十代後半の精神と16歳の肉体を併せ持った存在として地上に降り立ち、そこで知り合った地上捜査員ディンゴと共に、「フロンティアセッター」と呼ばれるハッカーに迫っていく。
地球を巡る隠された真実を後に知り、ディーヴァと決別するが、その際にディーヴァから剥奪した可変兵器「機動外骨格スーツ・アーハン」を駆使し、ディンゴと共に「ディーヴァ」のエージェント達との戦闘を繰り広げることになる。
尚、アンジェラ本人はややポンコツ気味かつ可愛げのある性格で、七味唐辛子を入れたうどんが好き。
さて、figmaアンジェラ・バルザックです。
「仮面ライダー鎧武」や「魔法少女まどか☆マギカ」、或いは(うちのサイト的には)「ニトロプラス」の各作品でお馴染みの、虚淵玄氏による「楽園追放」の主人公の可動フィギュアです。
2015年7月26日開催「ワンダーフェスティバル2015夏」、グッドスマイルカンパニーとマックスファクトリーの共同ブース「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!!22」にて公開されたのが、初出情報だった模様です(恐らく)。
この時点で、既に彩色済みの状態でしたが、髪各部や胴体の形状が若干異なり、現物と見比べると些か違和感を覚える出来でした(しかし完成度自体はかなりのもの)。
商品情報の公開は、同年9月30日で、予約受付開始は翌10月1日からでした。
約三年前とはいえ、前回レビューした「ニャル子さん」の約二倍の価格に驚きますが、それより何より全体的な完成度の高まり具合に驚きます。
今回は、顔の再現度のみならず、スタイルの良さも特筆もので、(ここしばらくのfigmaを購入されている人には既に常識ですが)角度やポージングによっては固定フィギュアのようにすら思えてしまう瞬間があるほどです。
まずは、恒例の前後比較。
筆者は全種買っているわけではないので断言は避けますが、最近のfigmaでよく見られる「S字立ち」前提の構成のようで、背筋をピンと伸ばすと、やや顎が前に出たような感じになります。
ただ、それも真横から見たら気になるという程度で、正面などからは特に気になることはないかと思います(上の画像は、まさにその状態になっています)。
figmaといえば、背面の穴(スタンド固定用)が特徴ですが、今回はアーマーパーツの一部をフタにすることで、隠すことが可能になりました。
これは実に嬉しい配慮です。
背中の穴は、評価が大きく分かれるポイントですからね。
ただし、フタパーツはかなり小さいので、紛失にはくれぐれもご注意。
付属の表情パーツ。
左上がデフォルトの通常顔(ドヤ顔)、右上は「トホホ顔」。
左下が「笑顔」で、ここまでは通常商品に付属します。
右下は、「GOOD SMILE ONLINE SHOP」購入特典の「ふくれ顔」で、通常版には付属していません。
尚、左寄りの表情パーツは、微妙にアイプリがずれているようで、右目がやや高めになっています(個体差ではなく、仕様のようです)。
※表情パーツの名称は、「GOOD SMILE ONLINE SHOP」内商品解説ページから引用。
特典表情パーツはパッケージ内にはなく、黒い袋に入った状態で郵送箱の中にポイっと入れられています。
ラブライブ「南ことり」も「GOOD SMILE ONLINE SHOP」で購入したのですが、その時も同じような入れられ方だったので、どうやらそれがデフォみたいですね。
可動範囲は、figmaとしては標準的な感じです。
腕の可動は、肩(ロール軸含)、肘、手首。
上体は、バスト直下にボールジョイント有りで、前後左右への傾けが可能。
その代わり、腰部分が非可動なのはこのタイプのボディでは定番。
脚部は、ベルトパーツの真下辺りに関節が有り。
出来ることなら、脚関節との境目は、ベルトパーツの下のラインにきっちり合わせて欲しかった……
この段差が、異様に目立つんですよね。
ちなみに、髪飾りの上がボールジョイントになっているので、おさげも可動させられます。
保持力はあまり高くないですけど。
肩の可動範囲ですが、若干ながら前方のみ(後方は不可)スイングが可能です。
しかし、通常ではここまでしか腕を向けられません。
まあ、(figmaにしては)デカい乳の干渉もあるから……とか思ったのですが、バスト脇を腕が通る構造なので、真正面に向ける際には、あまり関係なかったりします。
しかし、ちょっとした工夫をすることで、両手をここまで寄せる動きが可能になります。
なんのことはない、ただ単に、腕パーツを肩ジョイントに浅く挿しただけです。
腕が抜けないギリギリの状態にすることで、なんと左右の手首を交差させる事まで出来てしまいます(上の画像はそこまで浅挿ししてませんが)。
今回は、各部にクリアパーツが使用されています。
カチューシャ、髪飾り、上腕、手首、腰、膝下、足首の、やや曇ったエメラルドのパーツがそれです。
輪っか状のパーツは軟質樹脂製で(多分髪飾りも同じだとは思うけど)、触るとやや固めながらフニフニします。
尚、腰のパーツは脚を過度に動かすとあっさり取れてしまうらしいので、注意が必要です。
本商品の最大の売り。
それは、言うまでもなく、ヒップにあります。
古くは「KOS-MOS」辺りから実装が高頻度で見受けられるようになった尻肉付き脚パーツですが、ハイレグレオタードタイプのコスチュームと組み合わされた事によって発揮される破壊力は、相当なものになっています。
尚、詳しくは後述しますが、今回は自立させるのがうんざりするほど困難です。
脚の前後可動範囲は、ここまで行けます。
フィギュアーツファン等の間では、figmaは脚部の可動範囲が狭いなどと思われがちっぽい傾向がありますが、実際はそんなことはありません。
但しこの格好、単に可動範囲を示すだけだったり、真横から見る分には問題ないのですが……
ここまで広げると、足関節のてっぺん部分が露出してしまうので、角度によってはエグいことになってしまいます。
そうならない範疇で脚をギリギリまで可動させた場合、これが限界となります。
いきなり可動範囲が狭まりましたが、あくまで可動を重視するか、或いはボディラインを重要視するかで、この辺りの評価は分かれそうです。
ヒップは、ここまで身体を傾けてもラインが崩れません。
上部のヒップラインが、腰パーツ内部に潜り込むような構造になっているので、素立ち時も前屈時も尻肉に途切れが発生しないわけです。
最近、AGPシリーズなどでバンダイも模倣し始めているシステムですが、是非とも広まって頂きたいと思わされる、日本が世界に誇る大発明です。
ヒップラインの素晴らしさは、何も立ちポーズのみとは限りません。
可動範囲は些か制限を受けはするものの、こんなポーズでも映えます。
今回のアンジェラですが、先の通り、鬼のように自立が難しくなっています。
というのも、足首が変型ハイヒール型になっている上、パーツ断面部分に軸があるので、本来の人間の足首がある位置とは違う部分(黒い部分とエメラルドパーツの境)が可動します。
というか、しょっちゅう空回りしてしまうくらい軽いので、全重を支える役に立ってくれません。
また、どう見ても人間の足首が入っているとは思えないハイヒールの独特形状のせいで、つま先立ちが強要されます。
とにかく、自立させる気ゼロの足首なため、意地でも自立させようと考えると、おのずとポーズが限定されてしまいます。
まあ、素直に付属のスタンド使えば済む話ではあるんですが……そうじゃない、そういうことじゃないんだ!
装備品として、銃が付属。
こちらにもエメラルドの部位がありますが、クリアではなく塗装です。
尚、ホルスターなど、本体にホールドすることは出来ません。
それでは、以下適当なポージングなど。
よもや、可動フィギュアの尻に色気を感じる時代が来ようとは……
恒例のfigma用スタンドも、当然付属します。
今回は、先端部に取り付けられるクリップまで付属します。
保持力はかなり高めで、正直魂STAGEのクリップより相当優秀。37
これのおかげで、所謂フィギュアーツ方式による飾り方も可能になります。
どうしても背中の穴に差し込むという飾り方が嫌だという人には、こちらの利用をオススメします。
figmaといえば挿げ替え、挿げ替えといえば生首交換ですが。
たまたま手近に合った(という触れ込みでもう何度も出してる)figma「絢瀬絵里(ラブライブ!)」と頭部交換。
タッパは縮んだけど、違和感があんまりなくて意外!
逆パターンで、アンジェラのボディにエリーチカの頭部を挿げ替えた例。
尻キャラ+尻キャラのコラボで、凶悪さが更にエスカレートしたような気が。
尚、他にも色々挿げ替えてみようと思い、「初音ミクVer.2.0」を用意したんですが、これのみ通常の挿げ替えが出来ない仕様なのをすっかり失念していたため、うっかり首ジョイントを破損してしまい(他パーツの流用不可)、すっかり意気消沈してしまったという顛末……
どうせならもっと遊んでみようと思い立ち、搭乗出来るビークルがないかと、ひとまず手近な新サイクロン号に乗せてみたり。
意外と上手く乗れてる?(足首周辺の状況から目を背けつつ)
今は亡きCM'sのBRAVE合金「マグネロボ ガ・キーン」に付属する「バリアントアンカー」に乗せてみたところ、実にすんなりと搭乗出来ました。
しかも、何処にも負荷がかからず、自然体で搭乗可能という。
……まあ、乗れる乗れない以前に、全体のバランスや相性を意識しろやって話なんですけど。
今回のオマケ「パケット偽装アンジェラ」。
非常に人気のあるシーンからの立体化で、困り顔がチャームポイント。
これは嬉しいオマケです。
三面図。
大きさは、高さ約3.5センチ、最大幅約5.2センチ。
首と両腕(というか肩?)、両脚が可動します。
しかも、小生意気にもボールジョイントで。
これ専用のスタンドも付属します。
2パーツ構成で、後頭部にシャフトをぶっ刺して固定。
とりあえず立たせるだけという感じです。
手足の可動は、殆ど申し訳程度。
まあ、過度な可動範囲なんか、誰も求めちゃいないでしょうけど。
本体との比較。
オマケフィギュアの割には、結構しっかり作られてるので、マスコットとしては重宝すると思います。
ナイスな表情だ!
以上、figmaアンジェラでした。
【買ってみて一言】
細々とした不満点はあるものの、その数も少なく、個人的には満足度が非常に高い商品でした。
初めて試作画像を見た時、既に強調? されていた美尻の魅力に負け、即効で注文をかけましたが、実際に届いてみると全体的なバランスの良さの方が魅力的で(尻に魅力皆無なんて言ってない!)、とても飾り栄えするアイテムなんだなと、価値感を改められました。
7000円近い定価には正直驚きましたが、特典を意識しなければ現状それなりの割引で購入も可能なので、さほど高額すぎるという印象はないかなと思います(あくまで現状の感覚の話)。
figmaはここ数年、増産がめっきりなくなったのかチャンスを逃すと本当に入手困難になってしまいがちですから、興味を持たれた方は出来るだけ早く動かれた方が賢明だと思います。
さて、「楽園追放」観る作業に戻るか……