ガイアメモリに見る仮面ライダーWの裏側

鷹羽飛鳥

更新日:2010年2月21日

 『仮面ライダーW』が面白い。
 前作の『仮面ライダーディケイド』も、当初は楽しく見ていたが、途中から、いつもの如く投げっぱなしになりそうな(実際投げっぱなしにされてしまった)謎が山積してしまい、どうにもノれなくなった。
 メインライター変更とか、色々と理由はあるだろうが、視聴者の立場からすればそんなことは言い訳にならない。
 視聴率低迷によるテコ入れとか、中心スタッフが体を壊してダウンとかならまだしも、それ以外の大人の事情については、視聴者にとっては取るに足らない理由だ。
 まぁ、『ディケイド』が失速した云々はともかく、『W』は、これを書いている20話現在で、特に大きな破綻もなく、畳めそうにない風呂敷もほとんどない状態で、安心して見ていられる作品になっている。

※ここから先、劇場版『仮面ライダーW×仮面ライダーディケイド ムービー大戦2010』の内容に触れる文章が出てきます。劇場に行けず、BD、DVDが出るまで待とうという人は、読まない方が無難です。

 思えば、番組開始前、劇場版『オールライダー対大ショッカー』で顔見せした際は、「なんでこんなに格好悪い奴が乱入してきて主役食っちゃうんだ」と不満に思ったものだ。
 番組が始まってみても、作中人物にまで「半分こ怪人」呼ばわりされていた。
 実際、左右で色違いのデザインといい、妙にでかいベルトのバックルといい、デブって見えるスーツデザインといい、今でもWはデザイン面で格好いいとは思えない。
 もちろん第一印象で好きになった人もいるだろうが、鷹羽の趣味から言えば、かなり格好悪いデザインだ。
 第一、ハーフチェンジで2色組9種類というのは、不安を煽る材料にしかならなかった。
 左右それぞれ3種類の変化は、胸や手首・足首の模様部分以外は、ほとんど色違い程度のものだ。
 武器を持っていない状態の正面立ち姿をモノクロ印刷で見た時、一目でフォームを言い当てるというのは至難の業だろう。
 まして、シルエットでは、9フォームが全く区別付かないはずだ。
 かの“3体合体6変化”『光速電神アルベガス』でさえ、マリンディメンジョンとガードディメンジョン以外の4形態はシルエットだけで分かるというのに。
 え? アルベガスを知らない?
 説明すると、それだけで原稿1つ書けてしまうので、分からない人は自分で調べてください。
 調べるのが面倒なら、“かつてスタイルの変化が乏しいと言われた作品でも、そのくらいの外見変化はあった”くらいに思ってもらえばいいです。

 だが、番組が進むにつれて不安は一掃、人気が爆発した。
 最初の段階であまり大きな謎を持たせず、何も知らずに探偵事務所を訪ねてきた亜樹子の目を通してWの存在を描くという導入にしたこと、ハードボイルド気取りでハーフボイルドな翔太郎、「検索を始めよう」という印象的なセリフやたこ焼きの検索に夢中になるという怪しげな行動などからキャラ付けを始めたフィリップなど、作品世界の濃い部分を強調したことなどもあるだろうが、最も大きな要素は、9種類の変化を戦闘で見事に活かしたことだろう。
 平成ライダー中最多数の初期フォームを持ちながら、それぞれの違いをほぼ完璧に描き出している。
 その見事さは、平成ライダーシリーズで最も上手くフォームを使いこなしていた『仮面ライダークウガ』をも凌駕する。
 考えてみれば、シルエットが同じというのは、商品展開的な要請だろう。
 メタルシャフトのマウントが背中にあったり、トリガーマグナムのマウントが胸にあったりするのは、ベルトにホルスターを付けずに済ませようという狙いがあってのことだ。
 メタルとトリガーでは、ホルスターを別にせざるを得ないし、左腰に銃のホルスターというのは、なりきり商品を出す上ではかなり不利だからだ。
 しかも、左腰に2種類のホルスターが付くとなれば、フィギュア系でも、ベルトパーツが使い回せなくなってしまう。
 それ以外は、色を変えるだけでほぼ完璧に使い回せるというのに。
 実際、左右半身の取替で9つのフォームを再現できるのがウリのアクションフィギュア:ダブルフォームチェンジシリーズでは、右半身は全てマフラー用の穴が、左半身には全てメタルシャフト接続用の穴が開いている。

 Wの基本フォーム9種は、右半身の変化で風、熱、伸縮・湾曲といった特殊能力を付加し、左半身の変化で徒手、棍、銃といった武装を変化させて、左右の組み合わせで各フォームの戦闘スタイルに特色を持たせている。
 ルナジョーカーなら手足が伸びる、ルナメタルならメタルシャフトをムチやロープのように使える、ルナトリガーならビームが障害物を避けて進むなど、使い方が巧い。
 基本的には、各フォームに得手不得手があるという見せ方ではなく“その戦局に最も適した能力を持つフォームを使う”という見せ方だ。
 ウイルスに対抗するため高熱を発するヒートを使用するとか、遠くの物を掴むためにルナジョーカーで腕を伸ばすとか、人質を避けて撃つためにルナトリガーになるとか、見ていて“ああ、そのためにこのフォームになったのか”と納得できるのだ。
 当初、鷹羽は、どうして武装を司るメモリが左半身なのか不思議だった。
 普通なら、銃を使う能力は右半身に持ってくるだろう。
 右腰にホルスターを付け、抜き撃ちができるからだ。
 『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のレンジャーガンのように、左腰に銃を付けたヒーローがいないわけではないが、レンジャーガンの場合は、剣としての性格も併せ持ち、なおかつスティック形状で収納されているため、左腰から抜いても違和感がない。
 さすがに左腰から銃を抜き撃つヒーローは前例がなく、更に前述の理由からベルトにホルスターを付けることを避けた結果、トリガーマグナムは左胸に接続されたのだろう。
 左胸にホルスターなら、理解できる。
 そう、どうしたって、銃は右手で使うしかない。
 本物の拳銃も右手で使うことを前提に設計されているのだし、わざわざ左側に銃を使うフォームを持ってくるなんて…と思っていた。
 …のだが、よく考えてみれば、やはりわざわざ左半身に銃を使うフォームを持ってきたのだろう。
 そう、“銃を出現させる”という外形的な部分は左半身に置き、実際に銃を扱う右手の能力で攻撃に変化を付ければいいのだ。
 熱光線や火炎放射を撃ち出すヒートトリガー、ビームが湾曲するルナトリガーといった具合だ。
 メタルシャフトも同じで、風圧の余波を付加するサイクロンメタル、高熱を宿して殴りつけるヒートメタル、メタルシャフトをロープやムチとして使えるルナメタルと、主に武器を持つ手の方で能力の付加を行うのだ。
 そう考えると、とても巧いやり口だ。

 更に、フォームチェンジをバンクによる見せ場としていないため戦闘の流れを寸断させないというのもポイントが高い。
 何しろ左右各3種類ともパッと見はそっくりだから、CGで塗りつぶせば動いているままで違うフォームに早変わりだ。
 「ヒート! トリガァァ!」と立木ボイスが聞こえれば、次のカットでゼロワン野郎が暴れていても誰も不思議に思わない。
 “アイテムからの音声による技の演出”は、『仮面ライダー555』以降何度も出ているが、キャラクターが叫ぶのではなく無機物が特定の言葉を喋るからいいのだ。
 番組の演出的にも、商品展開的にも。
 これでガイアメモリが怪しい機械生命体だったりすると、ウダウダ喋りはじめて鬱陶しいし、商品のガイアメモリでは再現できないことになるので、一体感は相当に落ちる。
 あれ? それって炎神ソウルって言わ…

 ともかく、『W』という番組にあって、ガイアメモリは、設定面でも商品面でも要となる存在だ。
 今のところ、『W』の内包する謎は、ほぼ全てがガイアメモリに絡んでのものと言っていいだろう。
 そこで、今度はガイアメモリの設定面について見てみよう。
 現状、変身に使用されたガイアメモリは、大きく分けて5種類。
 まず、Wの変身・戦闘に使用されるWドライバー対応型の7本。
 次に、園咲家の面々が使用するドライバー対応型の5本。
 新登場のアクセルが使用するアクセルメモリ。
 そして、一般のドーパントが使用する体表面に設置したコネクタに挿すガイアメモリ。
 あと、劇場版『ビギンズナイト』においてスカルが使用するスカルメモリ。

 『ビギンズナイト』がパラレルワールドなのかテレビ本編と繋がる扱いなのかは非常に難しいところだが、本稿では、『ビギンズナイト』はダミードーパントがメモリブレイクされて事件解決、ディケイドって誰? 死神博士のガイアメモリって何? という前提で話を進める。

→【ビギンズナイトとTV本編のつながりについて】

 「帽子が様になるのは一人前の証拠だ」というおやっさん(鳴海荘吉)のセリフに翔太郎が感激するシーンがなかったことになるのは少々勿体ない気もするが、死んだ人間には二度と会えないのだから仕方がない。
 そうでないと、劇場版で出てきた情報が全部パラレルワールドの話だから関係ないことになってしまい、話が進まない。
 極端な話、荘吉はスカルメモリなど持っておらず普通に忍び込んで殺されただけで、Wドライバーも“組織”が開発したものという展開になっても不思議はないのだ。

 さて、『W』のテレビ本編1話冒頭でWドライバーが登場した際、視聴者のほとんどはWドライバーは“組織”が開発したものだと思っていただろう。
 『ビギンズナイト』において、荘吉が誰かの依頼でフィリップを救い出す(or攫う)ために行動していたこと、Wドライバーはフィリップに会う前に荘吉が持っていたものであること、フィリップは自分の名前も知らない状態だったことなどが明かされている。
 荘吉がどうやってスカルメモリとロストドライバーを手に入れたのか、どうしてあのミッション時にWドライバーを持って来ていたのかは分からないが、無意味ということはないだろうから、何か使用目的があったはずだ。
 ガイアメモリを誰が何のために作ったのかということは、『W』という番組の根幹部分を構成する謎だ。
 『ビギンズナイト』で、“組織”のガイアメモリはフィリップが作っていたらしいことが読み取れる。
 テレビ本編では、『ビギンズナイト』公開の翌週(土曜封切なので、正確には翌々週)放送の15話で冴子によるフィリップ奪還作戦が行われるが、その直前に、琉兵衛が冴子に「そろそろ新しいガイアメモリが欲しい」と言っている。
 つまり、冴子がフィリップ奪還作戦を行ったのは、“新しいガイアメモリを作るためにはフィリップが必要”だかららしいと分かる。
 その後、17話での冴子と琉兵衛の会話から、この仮説は裏付けられた。
 ちなみに、『ビギンズナイト』の限定パンフレット付属のDVDにはメイキング映像が入っているが、フィリップと荘吉が地球の本棚の中で語り合うシーンの撮影風景に、フィリップの「ここにいろと言われた。恐怖という名の男から」というセリフがある。
 荘吉の「一度でも自分で決めたことがあるか?」というセリフは、これと呼応しているわけだ。
 ともあれ、このセリフから、あの施設にはテラードーパント=琉兵衛が関わっていることがわかる。
 このセリフは実際の映像ではカットされている。
 琉兵衛の関与をぼかすつもりなのかと思っていたら、テレビ本編でも琉兵衛が関わっていることを示唆する展開となっているので、そういうわけではないらしい。
 あんな大事なシーンをどうしてカットしたのか、理解に苦しむところだ。

 それはさておき、16話での冴子の「どうせ、いらない記憶はまた消える」というセリフ、荘吉の「世界の全てを背負わされた子」などから考えると、フィリップの「らいと」としての記憶を塗りつぶして地球の本棚を構築していると思われる。
 フィリップの中に地球の本棚があるのは、それがガイアメモリを作る上で必要だからだろうが、他の人間ではダメで、フィリップにだけ地球の本棚を構築できる何らかの素質があるのだと思われる。

 では、誰がWドライバーやWのガイアメモリを作ったのか。
 フィリップではない。
 だが、フィリップはWドライバーを一目見てその能力を見抜いているから、フィリップ自身でも作るもしくは発想することが可能なシロモノだと分かる。
 もっと言えば、かつてフィリップがフィリップでない頃に作ったという可能性だってあるのだ。
 フィリップは、記憶を消された状態で施設にいたわけだから、それ以前にも地球の本棚を内に持っていて、何らかの理由で記憶を消されてしまったという可能性もありうる。
 ちょうど、16話で冴子がやろうとしていたように。
 また、タブードーパントがロストドライバーを一目見て「ロストドライバー!? なんでお前が!?」と驚いていること、“自分達以外にガイアメモリを作れる存在がいるはずはない”と思っていないことなどから、少なくともミュージアムという“組織”に関連する誰かが作ったことは間違いない。
 ドライバーの形状から見て、ロストドライバーとWドライバーの開発者は同じだろうから、荘吉にフィリップ確保を依頼したのはその開発者なのだろう。
 荘吉は、「ガイアメモリを仕事に使わないのが俺のポリシーだったんだが……やむをえん」と言っているから、フィリップ救出(誘拐)を依頼されるよりも大分前から手にしていて、本業とは別のところで(例えばドーパントを倒すためなど)に使っていたのだろう。
 開発者がミュージアムからの脱走者の類とすれば、その脱走に荘吉が関わっていてその後もボディガード的に動いていたのかもしれない。
 まぁ、そうなるとボディガードも探偵の仕事のうちだから、仕事にガイアメモリを使っていることになってしまうのだが。

 Wドライバーを作ったのが誰かという話に戻すと、一番可能性が高いのは、やはり冴子らの母親だろう。
 ミュージアムのガイアメモリとは少し規格の異なるWのガイアメモリは、ドーパントに対抗でき、なおかつガイアメモリの力に取り込まれないよう安全装置となるよう開発されたはずだ。
 しかも、ガイアメモリを使って変身している最中に、そのガイアメモリを取り出して使うことができるという特別仕様だ。
 ジョーカーエクストリームもそうだし、メモリチェンジの際に両方を外すこともある。
 スカルの場合、たった1つしかないメモリを外してマキシマムドライブをしながら、変身が解けない。
 もっと言うと、Wがコックローチドーパントにメモリを盗まれた(=自分の意思でなくメモリがなくなった)際にも変身は解けなかった。
 これは、どうやらほかのガイアメモリにはない特性のようだ。
 ガイアメモリを変身アイテムとしてでなく、武器として使う前提の設計なのだ。
 アクセルドライバーを作ったシュラウドがその人なのかもしれないし、別人なのかもしれないが、メモリのデザインが同種であるからには、Wドライバーを作ったのもシュラウドである可能性は高い。
 もっとも、アクセルがメモリを外しても変身が解けないかどうかは、今のところ不明だし、外さないままマキシマムドライブできる仕様になっているということは、外すと変身が解けてしまうのかもしれない。
 バイク形態に変形する時にはアクセルドライバーを外すが、その時も両手で握っているので、身体の一部と接続されたままと見ることができるのだ。
 ただし、それでも、設計思想が変わっただけで同一人物である可能性は捨て切れない。
 誰が作ったにせよ、それがミュージアムに敵対する人物であることは間違いないが、穿った見方をすれば、ミュージアムに取って代わろうとする新たな敵だったりするかもしれない。
 例えば、園咲家の地下の施設を横取りするとか、フィリップをミュージアムから引き離したのも、弱体化させるためでしかないとか。
 ただし、フィリップを守ることを至上命題としたファングメモリの存在、フィリップと運命共同体になってくれる人間がいることが前提のWドライバーを考え併せると、フィリップを保護しようという意思があるのは間違いないだろう。
 考えてみれば、Wの変身システムは、フィリップがダメージを受けたり錯乱したりすると右半身が動かなくなるし、右半身が大ダメージを受けるとフィリップ自身もダメージを受けるし、そもそもWに変身中はフィリップの身体は無防備になるのだから、非常に危うい構成になっている。
 その点、ファングジョーカーは、フィリップの身体を素体として直接危険に晒させる代わりに、攻撃力防御力とも申し分なく、ファングメモリがWドライバー開発当初からあったと思しきことを考え併せると、一応はフィリップの安全を気遣っているとも考えられる。

 さて、Wの7本とスカルとアクセルのメモリを作ったのがシュラウドだった場合、彼女は何を求めているのだろうか。
 ビギンズナイトが番組開始の1年前(2008年9月頃)で、アクセル=照井竜の家族が殺されたのは「去年の8月」だ。
 年度単位で動く組織の場合、「去年」というのが「前年度」を表すことが多いから、もしかしたら竜が言う「去年」は、暦どおり2009年8月ではなく2008年8月なのかもしれない。
 もし、2008年8月なら、W誕生とほとんど同時期にアクセルのメモリを開発し、1年半も掛けてアクセルドライバーを開発したことになる。
 シュラウドは、竜と同じ苦しみを味わったと言っているが、その言葉をそのまま受け取れば、家族を奪われたということになる。
 フィリップが彼女の息子だったとして、その記憶を奪われて道具にされたとすれば、家族を奪われたと解釈してもいいかもしれない。
 フィリップをミュージアムから攫い、竜にアクセルメモリを渡して何を企むのか。
 しかも、「去年の8月」が文字通り2009年8月だったならば、1年間Wが活躍しているにもかかわらず新たなライダーを開発していることになる。
 まるでWでは戦力不足だから増強したみたいだ。
 いずれにせよ、目的はミュージアムの殲滅ではないかと思われる。
 シュラウド(shroud)は“覆うもの”という意味だが、“死体を覆う布”という意味もあるそうだ。
 復讐にせよ、勢力争いにせよ、完全な善意の人ではなかろう。

 一方、「WEATHER」のメモリを持つ男は、ミュージアムの一員ではなく、敵対する者でもなく、勝手気ままに動く突然変異的な能力を持つドーパントのようだ。
 番組タイトルと同じ「W」のメモリを持つこと、メモリの文字の形状から判断して寒さだけでなく熱や雷、嵐など数種類の能力を持っているであろうことなどからすると、正にWのライバルキャラ的位置づけとなる。
 なぜ照井竜の家族を殺したのか、なぜ半年ぶり(1年半ぶり)に動き出したのかなど、謎も多い。
 19話冒頭で、フィリップが竜のことを何故か気になると言っていることも何かの伏線だろう。
 記憶を消される前のフィリップが竜を知っていた可能性が示唆されているようだが…。

 2クールも中盤に入って、レギュラーも一部整理された。
 ナスカ=霧彦の退場はもとより、若菜がミュージアム幹部としての活動するようになったこと、フィリップのヒーリングプリンセス視聴禁止により、若菜のタレント活動の描写がオミットされることになった。
 これは、描写を本筋に集中させやすい状況を作ると共に、ミュージアムの内情をよく知らない若菜の目を通して、適度なフィルターの入った敵方描写を入れる(かつての霧彦の役回りの一部)という目的と思われる。
 また、竜の登場と超常犯罪対策課新設により、警察と翔太郎との距離がこれまでとは変わってきた。
 警察情報の入手元、事件に対する警察のスタンスの描写といったこれまで刃野の役割であった部分が不要になり、刃野の存在意義がほとんど残っていない。
 後は、アクセルであることを警察組織に対して隠しておきたいらしい竜の意向を利用して変身不能の状況を作るくらいしか残っていないが、それだけなら真倉1人でおつりが来る。
 刃野役のなだぎ氏のスケジュールの関係などもあり、今後、恐らく刃野の出番は今後どんどん少なくなっていくだろう。

 かなり模様替えした『W』、これからの展開も熱く、緻密にやってもらいたいものだ。

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