SECRET第24回 ■ ユージン SR-DXサムライスピリッツ天下一剣客伝「いろは」
2006年3月5日 更新
ここでは、タイトル画像に利用したフィギュアをご紹介。
今回は、プレイステーション2用ソフト「サムライスピリッツ天下一剣客伝」に登場した新キャラクター・“いろは”です。
ま、元々はアーケード版ですけどね。
ところでこれが、シリーズ最終作だってマジっすかい?!
18世紀の江戸時代、和風でメイドで露出で巨乳で雪国で演歌で鶴の恩返しという、なんだかよくわからん要素ごった混ぜのヒロイン・いろは。
これが初の大型立体化。
2006年3月1日発売、定価は税込3,360円。
いろは。
その正体は、雪国で若者に命を救われた、一羽の鶴が転じた魔物。
こんな姿になって、若者の元に訪れて健気に尽くすという、生まれた時代を220年ほど間違えた存在。
一見ただの間違った露出メイドですが、ゲーム内ではさらに別方向に大きく間違っており、とにかく「お前は旦那様しか目に入ってないんかい!」という勝ち台詞は、ある意味一見の価値あり。
しかしこやつ最大のギャグは、勝利時の台詞の
「暴力はいけないと思います!」
まほろさんかい! とつっこむより先に、デカデカ包丁で散々切り刻んで、あげくに乱舞叩き込まれた後にこれを言われると、世の不条理を感じてしまいます。
どーでもいいけど、江戸時代に演歌ってのは、本当ならば「中世イギリス舞台の物語でハードメタル流すようなもの」で、ミスマッチなんですよね。
股旅物などの一部ジャンルを例外とすれば、ほとんどが現代や近代舞台の
恋情・悲恋・離別物なんだし。
小学生の時からの演歌好きとしては、微妙な抵抗があるわけです。
ま、時代劇ドラマではよくある事なんですけど。
元が鶴だと思えないほど、出る所が出まくったいろは。
しかし、全体を見ると意外にスマートな印象。
佐藤好人氏の原型だという事も理由でしょうが。
以下は、いつもの様に旋回撮影。
頭部は横方向に回転可能。
ただ、最初はちょっと固いので、回らなさそうに思えるかも。
顔アップ
SR-DXシリーズはいつもの事ですが、少し仕上げが粗いですな。
まあ、元々のスタンスがガシャポンフィギュアのデラックス版だからこれも仕方ないかもしれませんが。
とはいえ、決して最悪とか、我慢できないほどではありません。
目は(ややハイライトが足りない気がするものの)丁寧に塗られていますし、造形自体はいい感じにまとまってます。
髪の毛のシャープさがないのが苦しいですけどね。
精密なパーツ抜きを求める人には不向きかもしれませんが、個人的には許容範囲。
邪魔になる左腕を外して、胸元を俯瞰で撮影。
よく見ると服の一部が盛り上がっている芸コマさ。
この辺はこだわりですね。
やや重力に引かれているような胸の形状が、どことなくリアル。
武器アップ。
鳳麟、凰嘴にはそれぞれ鶴の紋章がタンポ印刷されています。
グリップは手と一体式にはなっておらず、手の中でぐるぐる回ります。
ただし、手から外す事は出来ないみたい。
これは左右共です。
下半身のパーツ分割は、写真の通り。
これは結構賛否分かれそう。
実はメガハウス・RAHミーア・キャンベルもこれと似たような分割でパーツを分ける事で肉が重なった厚みを再現しているんですが、
こちらは結合が足りないせいか、どうしても隙間が…。
パーツを分けるとこんな感じ。
前垂れや帯が固いため、めくって見る事は困難なのですが、下半身は結構凶暴な造りになってます。
「萌えよ! アキバ人ブログ」さんの所では、両方とも左手という逆ジェイ・ガイルの旦那ないろはが確認されたそうです。
皆さんも、購入された時は最初に確認しませうね。
今回のお約束も、結果的に大変凶暴な…
がんばれ変態メイド!
着物の脇から覗く肌も、ポイントのひとーつ。
トイザらス限定・トランスフォーマーギャラクシーフォース USエディション・スタースクリーム(全高約39センチ)との比較画像。
真面目な比較、全高は約15.5センチ。
比較用のSR版いろはは、武器まで含めて約9センチ。
ただし、帯のおかげで飾るためにはそれなりの面積が必要。
パッケージは、いつものSR-DXのようなブリスターではなく、SR-DX不知火舞衣のようなボックス仕様。
サイズは、20.5×18×10.8センチ。
そんなに極端に大きくはないです。
で、パッケージから覗いてますが、一応台座とスタンドが付属しています。
しかし、使わなくても立派に自立しちゃうんだよねコレ。
なかなかすごい事です。
SR-DXだという事を考えれば、特に。
オマケ。
こちらは、1月26日に発売されたプレイステーション2版 「サムライスピリッツ天下一剣客伝」ソフトの予約特典。
一見SR版と同じですが、一応完全版という名目になってまして、設定準拠の彩色に変更されています。
って、オイ。
パッケージサイズは、13.7×11.8×6.8センチ。
元がガシャポンフィギュアですから、結構小さなブリスターパッケージです。
で、どこが変わったのかというと…
未開封品なのでちょっと判りづらい写真となってしまいましたが。
下着の色が違います!
って、えっ、それだけ?
正確には「一番目立つ違いがそれだけ」という事で、
ひょっとしたらどこか別な場所もマイナーチェンジしてるかもしれませんが、生憎筆者にはわかりませんでした。
正面から。
SR版では白でしたからね、まあ確かにこれで設定準拠と言えなくもないですが。
それ以前に下着の形状が……いや、もういいか。
ちなみにこの予約特典、ネット上では(発売前の正当な予約でも)抽選になってしまい、店舗では、問題なく入手できたという、かなり困った流通パターンになってしまいました。
だから、予約時の説明文を読まないでネット予約してしまったため、入手できなかったという人も居た事になります。
まあ…特典とソフト本数がイコールではない、というのは今に始まった話じゃないですけどね。
やっぱり釈然としない人も居たことでしょう。
何せ、これが欲しいがために、欲しくもないソフトを予約したというツワモノも結構居たようですから。
――というわけで、いろはでした。
【買ってみて一言】
露出度も大きいし、キャラクターの知名度も高いし、何より(一般流通商品としては)初の大型フィギュア化という事で、注目を集めた「SR-DXいろは」。
ただし、良くも悪くもSR-DXシリーズなので、もし、これにコトブキヤやグッドスマイルカンパニーなどの完成度を求めていてはいけないでしょう。
できる事なら、現物を見て納得したら購入するのが、望ましいかと思います。
実はこの商品、本ページのものも含め、各レビューサイトの画像を見ただけでは、実物の雰囲気が掴みづらいと思います。
言うまでもなく、完成品フィギュアは実物と写真とで大きな印象変化がありますが、本商品はそれがさらに際立っているような印象。
SR-DX慣れしている人ならいざ知らず、これで初めて本シリーズ商品に手を出すという人は、一度考えてみるのも悪くはありません。
幸い今回は、それだけの余裕もありますからね。
とはいえ、その印象の差異は、決して悪い方向にばかり向いているわけではないのです。
想像以上に良いと思われる部分も沢山ありますし、何より飾り映えする造形だというのは見逃せないポイントです。
さらに、写真で見るよりしっかりした肉感で、「細身の一部分を極端に大きくしているだけ」のような印象がないのです。
小物もさりげに良く作り込まれていますし、バランスは決して悪くありません。
価格も手頃ですから、筆者としては充分オススメできる商品だと思っています。
さて。
昨今の、一部フィギュア新作瞬殺現象の反動か、そこそこの生産数&予約期間があったにもかかわらず、なぜか血眼でこれを探す人達が発売日近くになってから突如出現、それにより、発売直後のみヤフオクなどで定価の倍以上のプレ値が付いたという、よくわからない商品「SR-DXいろは」。
現在は、特に問題なく店頭やネットで販売されているので、入手も容易だと思われます。
これも、昨年末に発生した「SR-DX翠星石争奪戦」の影響なのでしょうか。
先月のワンフェスにおいて「翠星石の再販はない」という正式告知がユージンからされてしまったため、ただでさえ再販の機会がほとんどないSR-DXシリーズは「生産一回きり」というイメージをユーザー各位に植え付けてしまったようです。
確かに、このいろはもいずれは新品流通がなくなり、徐々にプレミア対象になっていくのかもしれませんが、とにかく今回は「盲目的な争奪戦の惨めな顛末」の一部を垣間見せたという事で、本商品は大変な存在意義があったように思います。
…などと書いてたら、いきなりリペイント版発売が決定していたんですな。
「M模型限定カラー版」なるものが、同年春頃に発売されました。
――せめて赤白とか、ゲームに出てきた色にしてよ。