SECRET第18回 ■ ユージン SR「侍魂(サムライスピリッツ)」

2005年10月10日 更新

 ここでは、タイトル画像に利用したフィギュアをご紹介。
 随分と久しぶりの更新となってしまいました!
 今回は、もう発売して結構時間が経ってしまった(それだけ画像加工に手間取った)ユージンのガシャポン「侍魂」です。

                  

 こちらが、全種類。
 言うまでもありませんが、公表は全6種類、シークレット有り。
 そのうち4種に別バージョン(つまりのシークレット)があるわけです。
 アソート配分は一応均等だったんですが、このシークレットのせいで、エラい事に…。

 ま、詳しい事はそれぞれの解説で。

                  

□■ ナコルル ■□

 もはや説明は不要なくらいなんですが、一応、左がノーマル、右がシークレット。
 しっかりジャコルル(邪ナコルルの意)してくれてます。
 画面では解りづらいですが、シークレットのチチウシ(短刀)は抜かれていないため、ノーマルと造型が異なります。

 「侍魂」のガシャポンは、これ以前にも一度ユージンから発売されていました。
 そちらは「SNKベストフィギュアコレクション・サムライスピリッツ編」という名称で、キャラクターデザインが七瀬葵という事で結構評価が高かったのですが、さすがに四年以上も前の商品ですから、出来の差は歴然。

 にも関わらず、「七瀬葵版の方が絶対に出来が良い!」などという、凄まじい事をおっしゃる方がたまにいて、困ってしまいます。
 いや、絶対にそんな事ないってば。

 どーでもいいけど、袴?、地肌が透けているような塗装に見えるのは筆者だけ?

                 

 旋回撮影。
 それにしても、新作が出たとはいえ、ナコルルもデビューしてから結構経つわけで。
 そろそろ「どーして2Pカラーだと顔が違うの?」とか言い出す人が出てくるのではないか? と勝手な予想。

                  

 背面部。
 …なのはいいけれど、髪の毛で造型の違いがほとんどわからんっつーに。

 それぞれの顔のアップ。
 腕のポーズ(造型)まで違うものだから、ほとんど別物ですなこりゃ。
 こういうのだったら、バリエーション違いとしても充分成り立つと思うんですけどね。
 でも、ジャコルル、この腕は何よ。

                  

 なんと、下半身はきちんと作られていたりします。
 で、これが先に触れた「七瀬葵版」と大きく違うところ。
 前の「SNKベストフィギュアコレクション・サムライスピリッツ編」では、ナコルルの袴? は前後分割式で中身がなく、空洞でした。
 今回は、わざわざここまで手を入れてます。
 もちろん、袴はクリアパーツで、裏側は無彩色なので塗装皮膜の癒着はナシ。
 帯より下の上着の裾は独立したパーツで、写真の状態だとくるくる回転します。
 腰の接続は、「ToHeart2」でおなじみになった、ボールジョイント式。
 おかげではめ込み辛いったらもう…

 なお、褌なのはいいんですが、下半身後ろは、Tバックにはなってません。

 このパーツ構成を見れば、慣れた人はすぐわかると思いますが。
 ヘタりがかなり早いです。

                 

□■ チャムチャム ■□

 初登場の「真サムライスピリッツ」の時、その声を千葉麗子が担当したということで有名になったチャムチャム。
 こちらは、右がノーマルで、左がシークレット。
 兄のタムタムが変形した猿・パクパクは、シークレットに付属。
 いやあ、これがまた出来の良いこと。

 チャムチャムというと、幼児体型というイメージが強いですが、こちらの商品は、それなりに肉付きが良くなっています。
 特に、左脇から胸にかけての肉付きは、ものすごくリアル。
 そのスジの人達には、たまらないかもしれませんね。

 ノーマルもシークレットもほとんど同じ造型なので、代表としてノーマルの後ろ姿。
 パクパクはオマケ。

 そーいえばこいつ、好きな物がタムタム兄貴、特技が猿の調教なんですってね。
 大好きな実の兄を、調教しているわけです。
 なんだか、背徳的な香りが漂ってきましたよ。

左:チャムチャムのアップ。
右:パクパクのアップ。
 この猿には、真サム時代嫌なほど足下すくわれたから、個人的には大嫌いなんですが。

 チャムチャムの表情は、大変よく出来ていると思います。
 八重歯(牙?)も、まあそんなに違和感ないし。
 個人的には、今回のシリーズの中で一番良い顔してると思います。
 七瀬葵版もいい顔してると思ったけど、さすがに霞むなあ…。

□■ リムルル ■□

 ナコルルの妹・リムルル。
 右がノーマルで、左がシークレット。
 違いは、短刀ハハクルを持っているか、氷の精霊を掲げているか。
 で、こやつは、他と違うちょっと変わったギミックが仕込まれています。
 それについては、後述します。

 登場は「斬九郎無双剣」から…となってはいますが、本当は一作目から背景キャラとして登場中(ナコルルステージ)。
 今回のデザインは、「〜零」以降のザンバラ髪みたいです。
 七瀬葵版では、「アスラ斬魔伝」までの丸っこくまとめた髪型でしたね。

 背面写真。
 手とハハクル以外、区別ないし。

             

 顔のアップ。ノーマルとシークレットで違いはありません。

 さて、右の写真ですが、実はリムルルの腕には可動軸が設けられています。
 しかも、ナナメにカットが入っているため、ちょっと変わったポージングが楽しめます。
 しかも、右腕と左腕でカッティングが異なるため、益々独自性の強いポージングになるわけですね。
 誰よ、山○可動とか言ってる人は。

         

 写真の通り、左腕は肩と肘に回転軸がありますが、右腕は肩部分のみ。
 しかも、それぞれ肩の関節構造が異なっています。
 肩の付け根の回転と、向きの変更は別の軸で行われているわけです。
 なんか無意味にすごいぞ。

 左写真のように、シークレットはノーマルとはまた違う雰囲気のポーズが取れます。
 手首はボールジョイント。
 ちょっときつめですが、その分一度ハメると抜けたりはしません。
 ハハクルの保持力は、かなり弱め。
 精霊は、凸ジョイントで固定されます。

 で、すでにお気付きの方もおられるでしょうが、一つの胴体に二本の左腕を付け、手首を交換すると…。
 右写真のように、より表情のあるポージングが楽しめるわけです。

 リムルルも、ナコルル同様の下半身構造です。
 よって、このような分解が可能。
 執念を感じるなあ。

□■ 真鏡名ミナ ■□

 「〜零」からの新キャラクターで、侍魂の世界では珍しい弓使い。
  ただし、マシンガン並の連射力を発揮するわ、上空に何本も矢を滞空・待機させるわ、側転かましながらすれちがい様に弓撃つわ、あげくに性格がツンツン(注:デレがない)わと、必要以上に個性放ちまくり。

 左がシークレット、右がノーマルです。
 見ての通り、違いは左手に何を持っているか、です。
 武器の弓か、UFOキャッチーの景品か、の差ですな。

 ノーマル版を基準に、左横方向から撮影。
 こやつは、先のリムルルと共にガシャラーを悩ませる在庫過多キャラなんですが、造型自体はかなり良いです。
 ただし、肌の色が色なんで、差し替えで楽しむ人には
 ちょっと使いづらいかも?!

 今度は、右横方向から撮影。
 ボディラインが、かなり自然に作られているのがわかります。
 スカート(パレオ?)は別パーツで、腰部分で輪っか状になってます。
 その穴に、上半身と下半身パーツを通すわけですが…ちょっと固い。
 一度お湯につけて軟化させてから、はめ込む事を推奨します。

 左斜め後方から撮影。
 矢箱の固定方法が、すごく不思議。
 あと、お気付きでしょうが、こんなに細いパーツ構成のため、やっぱりすぐに自重に負けてしまいます。

 ノーマル版を基準に、左横方向から撮影。
 チャンプルのアップ。
 ゲーム中はやたらと「アハッ。」とか「あひゃっ。」とか、うるさいのなんのって。
  だから、ほとんどの人がコマンド入力で眠らせてしまうとか。
  でも実はこいつ、こう見えてもシーサーなんですよね。

 ノーマル版のパレオ? と武器を取り外した状態。
 胴体の分割部分に、パレオ? を挟み込むための隙間がないため、このようにしっかり結合します。これはポイント高し。
 やっぱり弓は、分割式でした。
 ま、そーじゃないとカプセルに入らないわけですが。

 最後に、顔アップ。
 ロンパリ目やん。

 あ、でも、どうやらこれは個体差みたいです。
 筆者の持つシークレット版は、ちゃんとした目になってました。
 顔そのものは、かなり良く出来ていると思いますよ。

□■ いろは ■□

 さて、真打ち登場。
 2005年9月より稼働中の最新作「侍魂 天下一剣客伝」より登場した新キャラ「いろは」。
 いわゆる“和風(間違った)メイドさん"キャラみたいなのですが、このヤバヤバしい造型が多くの注目を集め、全国で争奪戦が!
 その結果、あっという間に各所のベンダー機が空になるという事態が発生。
 また、ガシャポン単体販売の店舗でも、こやつだけ異常に高い価格で取引されました。
 にも関わらず、それもほとんどがあっさり完売!
 すごい所になると、これ一体で他のガシャポンセット丸ごと買えてさらにお釣りが来るくらいの値段だったのに…

 それほどまでにファンを狂わせた、悪魔のような出来映えを、ご堪能くだされ。
 ちなみに、これにはシークレットはありません。
 あればどれだけ救われたか…

 左斜め横から撮影。
 先は和風メイドなどと書きましたが、要するにコレ、女中さんスタイルとエプロンドレスの融合+αなんですな。
 なんか下に履かせてやってください。

 左斜め後方より。
 あられもないお姿…。
 ゲーム中では、下着(褌?)は黒なんですが、まあいいかそんな事は。

 まるで滑空できそうな翼だなあと思っていたら、こいつの正体知って納得。
 詳しくは、SR-DX版いろはのレビューページにて。

 右斜め後方。

 顔と胸元のアップ。
 ちょっと写りが悪いですが、実物はなかなか良い感じです。
 これは販促用イラストのポーズを立体化したものですが、結構良い雰囲気出してます。

 で、どーせ気になる人が居るでしょうから、サービスショット。
 ご丁寧に、エプロン? 部分は別パーツ構成。
 ただし、両肩部分の接続ポイントは本来接着されているので、それを剥がさないと、このように出来ません。

 …といいたいところだけど、どうやら未確認情報によると、稀に接着されていないものがあるとか。
 写真のものは、一度全パーツをバラしてから組み上げる筆者のクセが災いして、つい引き剥がしてしまった結果…
 だから、肩にエプロンの塗料が付いてしまっています。
 案外スッポリ抜けたのに、塗料はべったりなんだもんなあ…

 これで思い出したのですが、いろはの超必殺技で、いきなり服を脱いで相手に迫るというウホッなものがあるんですよね。
  障子越しのシルエットで、というのがまた情緒をかもし出していますが、しっかり最後は乳揺れありと。

□■ シャルロット ■□

 ビューティフルメイ、メイフラワーで有名なアレとは何の関連もないシャルロット姉さんが来ましたよ。
 こちらも、シークレットなしの単体。
 アソート数は、いろはと同じ筈なのに、まるで正反対の扱いを受けてしまっている、悲劇の商品です。
 なんとこちらにも、リムルル同様○口可動風の関節回転軸が設けられていて、なかなか面白いアイテムになっています。
 ハズレ扱いするのは、可哀想ってものだよ。

 腕を動かして、武器を構える姿勢に。
 残念ながら、左肘から下はこの状態で固定。
 ただし、上腕に回転軸があり、しかも肩可動時にはボールジョイント接続のショルダーアーマーが若干可動するため、意外にポージングバリエーションが高そうです。

 なかなか面白いアイテムなんですが、残念ながら顔が…
 この写真、よーく見ると、一見眉毛に見えるのが「二重瞼」の線で、本当の眉毛はさらにその上にあるという事がわかります。

 身体装着物をすべて外した状態。
 画像内の赤い矢印が、可動部分。
 もちろん首も可動(矢印が入らなかったけど)。
 回転軸だけでなく、右膝はきちんとした関節構造になってます(二重じゃないが)。
 左足は無可動。姿勢維持のためかな。
 青い矢印は、ショルダーアーマーを固定するためのボールジョイント。
 こうして見ると、でっかなコブにしか見えませんな。
 ちなみに、武器も当然取り外せます。

 背後から撮影。
 右足付け根の構造や、右腕関節のカッティング形状がわかりますな。
 それにしても、足首まで独立可動ってのはすごいなあ。

【買ってみて一言】

              

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【買ってみて一言】

 先に記した通り、最近人気が斜陽気味のガシャポン展開において、珍しく争奪戦になった本シリーズ。
 注目度が全盛期に比べて落ちたとはいえ、その完成度は高まる一方で、今回のシリーズも大変良く出来たアイテム群になったと思います。
 独自のプレイバリューを盛り込み、ただの棒立ち人形にしないような工夫を加える姿勢は、さすがユージンといったところ。
 部分的な造型に対する嗜好の差異はあるかと思われますが、なかなか良いものなのではないかと思います。
 もし、どこかで適価で販売されていたら、手を出してみるのも悪くないのではないかと、個人的には思うわけです。

 ところがこの商品、争奪戦になったのは事実なんですが、決してすべてのラインナップが人気を集めた訳ではありませんでした。
 いろはの項でも触れましたが、こやつだけが大きな注目を集め、それ以外のものは「その他大勢」的な扱いをされてしまいました。
 ちょっと信じられない話ですが、ただ「いろはが欲しい」というだけでベンダー機を鬼回しする人達が大勢いたそうで、あっという間に各所から商品が消えました。
 そして同時に、中古ショップに「いろは以外の」商品が…。
 いやまあ、実際はそんなに大量に流入したわけではないそうですが、このシリーズは、それだけ「いろは人気で引っ張られてしまった」わけです。
 いろはは確かに出来がいいし、なにせこのデザインですから、注目を集めるのはよぉく解ります。
 でも、なんか他のラインナップが哀れに思えますよね。

 今回のアソートは、以下のようになっていました。

  • ナコルル(ノーマル)×5
  • ナコルル(シークレット)×5
  • チャムチャム(ノーマル)×5
  • チャムチャム(シークレット)×5
  • リムルル(ノーマル)×5
  • リムルル(シークレット)×5
  • ミナ(ノーマル)×5
  • ミナ(シークレット)×5
  • いろは×5
  • シャルロット×5

 ご覧の通り、アソート数は平均的で、特に極端な偏りはない…ように見えます。
 しかし、これはシークレットの種類が多すぎたため、結果的に「シークレットがない種類」の数を減らす結果になってしまいました。
 一袋50個中に、いろはは5個しかないという事は、確率は十分の一。
 一見、ちょっと前のユージンシークレットよりはマシに見えますが、これ、ノーマルの混入数なんですよね。
 ですから、セット売り業者も、今回はノーマルセット・シークレットセットという分け方が出来ず、全10種フルセットのみの販売とするしかなくなったようです。
 そして、そのフルセットの価格が上昇していくわけですから、出遅れた人の手には、益々入りにくくなっていきます。
 なんともはや…
 ちなみに、この後に発売された「SR カプコンリアルフィギュアコレクション ファイティングジャム編」も同様の現象を見せており、イングリット(ミッドナイトブリスVer)のみが注目を集める形になりました。
 もっともこちらは、侍魂と違ってその後もかなり長く残っていましたが。

 この「SR侍魂」、Ver1.5として同年12月頃に再販されました。
 そちらでは、いろはの黒い部分が赤色(朱色?)っぽくなっています。
 アソート改善が行われたかどうかは未確認です。

 2005年10月初旬現在、ヤフオクでのいろはの落札相場は、だいたい1,200〜1,500円前後。
 「SR侍魂」は、発売直後、秋葉原某店にて全10種セットで1,595円で発売されておりました。

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