第98回 ■ バンダイ 超合金「キングロボ ミッキー&フレンズ」3

2013年6月9日 更新

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 それでは、いよいよ合体後の「キングロボ」に触れて行きます。
 長かったなぁ、ここまで……ボツ含めて、いったい何枚写真撮ったんだよ俺?!

キングロボ

 

 改めて、キングロボです。
 全高約21センチ(最頂部まで)、全幅最大約19センチ。
 奥行最大約9センチ。
 8体のマシンがファンタジック・フォーメーションで合体した姿。
 オリジナル玩具なので、特にこれといった設定はなく、それでいてなんだか魔法合体的な要素も含んでいるような、不可思議な存在感があります。

 

 ミッキー&ミニーとドナルド&デイジーが四方向を見つめるという、一種異様な構成の上半身。
 右脚から伸びているランドグーフィーの腕が、凄くシュールです。

 

 さて複雑なギミックの嵐の後に誕生するキングロボですが、まあこういう玩具なんで決して可動重視で語ることは出来ません。
 が、しかし、それで話を止めるには余りにもったいない「癖だらけの可動範囲」が特徴としてあるので、その辺についても語ってみましょう。

 

 まず正面。
 骨太でいい感じの箱ロボ風味になってます。
 特段箱っぽい要素は絡んでないはずなのに。

 

 側面。
 ダッシュプルートの顎が浮いてしまいましたが、実際には接地しながら立たせることも可能です。

 

 背面。
 上半身だけを見ていると、一瞬アレ?正面?と、混乱しそうなデザイン。

 

 キングロボ頭部。
 顔は、ディズニーキャラっぽさは皆無で、妙にイケメン。
 それにしても、蒸気船ウィリーをデザインした人物も、まさか85年後にこんな使われ方をするとは思ってもみなかったでしょうな。

 

 キングロボの上半身可動について。
 上半身は、首・肩・肘・手首が可動。
 肩は前後に振れる構造ではありますが、一部パーツの干渉があるため360度回転は不可能です。

 

 金メッキのM字型胸飾りは、腕の動きに出来るだけ干渉しないよう、前方にスイングさせられます。
 合体ジョイントの構造上、腰は完全に無可動です。
 それでも、首の可動が優秀なのと腕の動きに割と融通が利くため、それなりにポージングは楽しめます。

 

 首の可動範囲なんですが、かなり広めで、横回転は真横まで向かせられます。 実際は360度回転可能なんですが、ミニーの頭部に干渉します。
 その他、顔を上げたり顎を引いたりするのも可能。
 これは、スカイミニーのバックパックに付いていた黒いジョイントパーツの基部が、ボールジョイントになっているために確保出来た可動範囲。
 スカイミニー単独時はちょっと邪魔な部位でしたが、合体後に非常に意味を持つことになったわけです。

 

 キングロボの装備は、杖型の「ドリームステッキ」と、盾「マジカルミラー」の二種。
 先の変型プロセスで説明済みの通り、それぞれの装備は外付けではなく、いずれも分離時に各マシンに組み込まれています(ドリームステッキはいささか無理があるけど)。

 

 ドリームステッキ。
 武器握り用手首と交換して、指の間を通して握らせます。
 保持力は特に問題なく、真ん中辺りでも端でも自由に持たせられます。
 ただし、指の間を通すのはちょっと…否、かなりきっついです。
 個人的には、出来ればあまり持たせたくない感じ(外すのは簡単です)。

 

 ドリームステッキ単体。
 長さは約15.3センチ、最大幅約6.6センチ。
 全てプラ製。

 

 先端部アップ。
 ミッキーのシルエットを模した形状で、グリーン部分はメタリック塗装です。
 中央の宝玉?部分には、クリアパーツがはめ込まれています(裏にはなし)。

 

 ドリームステッキ末端部。
 ミッキーの下半身です。

 

 マジカルミラー。
 こちらも、武器持ち手に交換して握らせます。
 ドリームステッキとは違って、特に問題なく装備させられます。

 

 マジカルミラー単体。
 イヌゴヤの前面部が展開したものなんですが、この状態で長さ約11.3センチ。
 横幅最大約12.9センチ。
 中央の鏡部分の直径は、約3.3センチです。
 ちなみに、鏡部分には保護シートが貼られていますが、このページの写真では剥がしていません。

 

 裏面。
 黒いのはグリップです(回転可能)。
 そこら中にミッキーの紋章が。

 

 変型の解説で若干触れましたが、ドリームステッキとマジカルミラーは、取り外さなくても合体まで持って行けます。
 その場合、このようなスタイルになります。
 イヌゴヤの屋根や前面部は、適当に折りたたんでいますけど。

 

 でも公式では、ドリームステッキ装備はこっち向きの方が正位置のようです。

 

 マジカルミラーは、お尻の位置に固定されます。
 これは、合体時から接続しっ放しだけでなく、普通に合体させてから接続することも可能です。

 

 さて、ここからはキングロボの抱える問題点について。
 まず肩ですが、合体後の接続強度が非常に弱いので、少し動かすだけでしゅっちゅうポロポロ落下します。
 いやぶっちゃけ、しょっちゅうなんて言葉じゃ足りないくらいです。
 ただ外れるだけならいいんですが、ドナルドやデイジー本体が丸々落下するんで、破損がとても怖いです。
 実際、うちはこの撮影後にデイジーの首が折れました。
 画像は腕から伸びるジョイントを支える部位なんですが、磁石があるわけではなく、またロックがかかる構造でもないため、本当にあっさりとすっぽ抜けます。
 せめてもっと軸が長ければと思いますが……
 とにかく、ここはとってもストレスが溜まる、個人的にはもっとも始末の悪い最悪の部分です。

 

 もう一つ、ミッキーの足首を支える棒状のジョイントについて。
 先でも触れましたが、ここはただのプラ棒なので、下手に力のかけ方を間違えるとポッキリと折れてしまいます。
 これは非常に高い耐久性が求められる部分なんですが、完全に耐久性度外視で設計されていまして、根元に可動を設けてるとか負荷を逃がす手段が全くありません。
 こんな細い部分に、ダイバードナルドやアクアデイジーの重量と、可動させる際の反動が全てかかるわけですから、本当に神経を使います。
 先で説明した通り、はめ込む際には進入角度に要注意です。

 

 たまたま飾ってあった「DXゴーバスターエース」との比較。
 ご覧の通り、だいたい同じくらいの大きさです。
 これを指して「小さい!」というか「普通だろ」と考えるかは人それぞれですが、個人的にはこれ以上大きくても困るんで手頃なサイズじゃないかなと、思います。

 

 ちなみに重さですが、キングロボ(ドリームステッキ所持状態)は536グラム。
 ダイキャストの割合がそんなに多くない割には、結構重量感があります。

 

 参考に、ゴーバスターエース(剣なし)の重さ。
 キングロボより150グラム程度軽いです。
 150グラムというとさほど変わりないイメージですが、非ダイキャストタイプのフィギュアーツ約3体分と考えれば、かなりの差だとわかります。

 

 パッケージ表。
 大きさは、縦約37.7センチ、横約26.7センチ、奥行約9センチ。
 やや薄めではありますが、結構本格的に超合金玩具のパッケージっぽくなっています。

 

 パッケージ裏。
 こちらも迫力の合体イメージ。
 ちなみに側面には、各マシンの簡単な設定が書かれています。

 

 以上、超合金キングロボでした。

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【買ってみて一言】

 ディズニーキャラクターが合体して巨大ロボ(しかもかっこいい系)になるという、酔っ払ってないと考え付かないようなネタ成分満載の玩具なんで、情報公開直後に欲しくなり即効予約したんですが、世間というかネット上の反応は余り良くなかったようです。
 否、というか、正確には戸惑いの声が多かったのかもしれません。
 ディズニーアイテムコレクターは数あれど、ディズニーキャラ好きでかつ合体ロボット玩具も好きな人ってのは、殆どいないんじゃないかなという気がしてなりません。
 実際、どのくらいの需要があったのか、本当によくわかりません。
 こうなってくると、ネタ玩具であるなし以前に、別なことが気になってしまいます。

 んで、実際に発売された商品は、正直なところ戦隊ロボ玩具に触れるような感覚で弄ると良くも悪くも驚かされるという、本格的過ぎるガチ変型合体ロボでした。
 ネタ玩具どころか、どう考えてもこいつら本気です! としか言いようがありません。
 それくらい、キングロボは無駄に気合が入りまくりです。
 デザインモチーフがディズニーキャラだからといって、見送った人も、機会があれば是非実物に触れて再評価してやって欲しいという感じです。
 正直、近年の玩具でここまで凝った変型合体システムを搭載し、なおかつデザインやシルエットをも豹変させ、更に合体構造の流れを読ませないという徹底ぶりを感じさせるものは、まずありません。
 ある意味では、超合金魂をも越える程の凝りっぷりで、玩具好きにとってはツボを突かれまくりになること請け合いでしょう。
 反面、ギミックやデザインに注力しすぎ、パーツの耐久性を度外視した……と言われても否定し難い構造は、大きな問題といえます。
 スカイミニーのバックパックの支柱をはじめ、ドナルド&デイジー(キングロボの腕全体)の固定力など、本当にストレスが溜まる部位が多く、気軽に弄れないのは困ります。
 また、左だけ膝が曲がったり横に開けるのに、右膝は一切無可動(そのためポージングも大きく制限されてしまう)など、アンシンメトリーな可動箇所や、スムーズに曲げられない肘など、もう少しなんとかならなかったのかな、と思わされる部分がやたら気になります。

 こんな感じで、注目すべき点も多ければ、問題視すべき点も豊富なのが、本商品の大きな特徴になります。
 可愛い外見に似合わず、百戦錬磨の玩具マニアですら(色んな意味で)悩まされる超合金キングロボ。
 発売後、割とすぐに見かけなくなったので、意外に入手難度が高いのかもしれませんが、もしこれから手に入れようと考える人がいるようでしたら、くれぐれも事前に問題点を踏まえて理解を深めた上で購入することを、強くオススメします。

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