第98回 ■ バンダイ 超合金「キングロボ ミッキー&フレンズ」1
2013年6月9日 更新
今回は、ちょっと珍しい商品をレビューしたいと思います。
2013月3月に発売された超合金ブランドで、ディズニーキャラクターが合体してロボットになるという、よくわからないコンセプトの玩具です。
最初は単なるネタ玩具と考えてたんですが、実物を手にしたら、とんでもないハイギミック搭載の凄い奴で、驚かされました。
というわけで、今回はかなりボリュームのあるレビューになりますが、何卒お付き合い願います。
以下禁句:「おかしいな、画像が見えないぞ?」
■ 超合金 キングロボ ミッキー&フレンズ
2013年3月30日発売、価格は税込13,440円。
全8体のディズニーキャラ型マシンが合体し、オリジナルの巨大ロボになるコンセプト。
初回特典のポストカード6枚付き(本レビューでは非公開)。
超合金キングロボ。
2012年10月下旬、突然発売告知が行われ、同時期開催の「魂ネイション2012」にて試作品が公開されました。
何故ディズニーキャラが合体? という狂ったコンセプトに誰もが驚いたものですが、これより以前にも「トランスフォーマー・ディズニーレーベル」というタカラトミーの製品があったため、一部のマニアは「今度はバンダイとか」と妙な納得をしたとかなんとか。
ともあれ、単独変形だった「TFディズニーレーベル」に対し、今回は豪華な合体セット。
これまでにない期待と不安が集中するのも、仕方ありません。
実際に発売されるまでのWEB上の評判は、やはり期待よりも不安と疑問が多かった印象がありました。
あまりに突拍子もない企画なせいか、発売後もさほど大きな話題にはならず、一部の好事家?コレクターが談義するような感じでしたが、製品自体には語るべき所が非常に多く、とても語り甲斐があります。
■ ミッキー&フレンズ(個別マシン)
それでは早速、商品仕様についてレビューしてみます。
今回の商品では、画像の8体が合体します。
メーカーの説明文では「7体合体」とされていますが、何故か「イヌゴヤ」と「ダッシュプルート」を一体としてカウントしているようで、実際には8体で間違いありません。
なので、以降は8体の合体ということで話を進めさせて頂きます。
まずは、ジェットミッキー。
ミッキーマウスが搭乗・操縦する(という設定の)マシンで、大空を高速で移動することが出来る(パッケージ解説より)。
全高約8.8センチ(耳除く)、全幅最大約7センチ。
胸部全体がダイキャスト製。
首・肩・拳・胴・股間・足首・ウィングが可動。
背面。
ウィングは、左右共に上下に可動。
取り外しは出来ません。
ミッキーの意匠を上手く取り込んでロボット化させている、なかなかイカすデザインです。
このデザイン・大きさにしては、非常に良く関節が動きます。
流石に肘や膝は曲がらないので、おのずとポージングは限定されますが。
尚、このジェットミッキーを含む各個別マシンの可動は、全て合体変型ギミックの副産物として存在するもので、単体用に設けられた関節は、基本的に殆どありません(全くではありませんが)。
各個別マシン共通のギミックとして、ゴーグル部分の回転があります。
これは、後頭部にあるつまみを動かすことで、各マシンのゴーグル内部の部品が横方向に回転し、目の裏側にあるコクピットが露出するというものです。
ジェットミッキーの場合、当然ながらミッキーマウスが搭乗しています。
画像ではわかりませんが、きちんとウィンドウから奥行きが施されています。
それっぽいモールドも彫られていて、なかなか雰囲気出ています。
こういう搭乗をイメージさせるギミックは、本当に面白い&素晴らしいですね。
首が上に向くので、飛行ポーズも取れます。
この首の動きも、変型合体に必要なため組み込まれたものです。
詳しくは合体の項で触れますが、ジェットミッキーをはじめとした各マシンは、見た目からはまず想像出来ないくらい複雑な変形合体を行います。
これと、後述のスカイミニーは、複雑変型マニアにはたまらないレベルだと思いますので、(商品仕様を知らない方は)ご期待ください。
続けて、スカイミニーです。
ミニーマウスが搭乗・操縦する(という設定の)マシンで、軽やかに宙を駆けることが出来る(パッケージ解説より)。
全高約8.4センチ(耳・頭飾り除く)、全幅最大約6.8センチ。
胸部前面から首周りまで、左右つま先の一部がダイキャスト製。
首・肩・手首・脚部・バックパックが可動。
背面。
詳しくは後述しますが、ジェットミッキーと比べた際に最も目立つ違いは、このバックパック。
この時点ではちょっと目障りな黒い物体は、合体後に活用される重要パーツです。
スカイミニーは、非常に癖のある可動範囲で、ぶっちゃけると自立すら厳しいものがあります。
これは、ギミックの都合上足首に融通が利かず、バランスを整えることが難しいためです。
やや前のめりになるよう、足の付け根部分で調整すれば大丈夫ですが、くれぐれも転倒には注意したいところです。
天使の羽を背負った可愛らしい鼠娘といったスタイルで、各部可動は控えめ。
ポージングにも制約が多く、魂STAGEなどで支えてやるのもいいかもしれません。
変型時にちょっと驚くギミックが仕込まれている脚部は、蝶番部分がヒールを模してるなど、ささやかな工夫が活きています。
両肩のフードは、独立可動が可能。
これと、首の横回転、手首の回転が合体ギミックとは無関係の可動箇所になりますが、それ以外の可動は全て変型合体の為に組み込まれたものとなります。
頭部のギミック。
理屈はジェットミッキーと全く同じです。
頭飾りがパイロットの眼前にあるので、滅茶苦茶視界が狭そう。
飛行ポーズは、ジェットミッキーより決まりやすいかも。
ミッキーの方は、首の可動にちょっとした制約がある(というか頭が浮く)ので、仕方ないんですが。
女の子っぽい飛行姿勢にするのも良しってとこです。
スカイミニーと、先述のジェットミッキーは、一見すると同じ型のマシン(リデコ)に思えますが、実は構造は全くの別物です。
共通部分及び構造は、頭部のギミック以外皆無と考えて差し支えありません。
この二体が合体してキングロボの上半身を構成するのですが、説明書なしではかなり難しい工程を踏むことになります。
詳しくは、合体ギミック解説の項にて。
ダイバードナルド。
ドナルドダックが搭乗・操縦する(という設定の)マシンで水中を極限まで深く潜ることが出来る(パッケージ解説より)。
全高約11.7センチ、全幅最大約6.4センチ。
胸部がダイキャスト製。
首・肩・肘・尾・腰・足首が可動。
このダイバードナルドと、後述のアクアデイジーは、本セット中唯一の同一構造コンビです。
上記のように、可動箇所はそこそこ多いのですが、いずれも癖があるのでちょっと扱い辛いところがあります。
頭の回転時は、肩が干渉します。
肩は割とフレキシブルに動くようですが、肘が内側にしか曲がらないため、ポージングは限られてしまいます。
脚の可動は、両脚揃って動かす形になります。
また、腰を捻ることも可能です。
ただし、その場合腹前面部が干渉するため、若干背が反ってしまいます。
コクピットギミック。
くちばしとの組み合わせで、なんだか妙なかっこよさが感じられます。
お尻の銀色部分が可動するので、潜水ポーズなどを取らせることは可能です。
腰を可動させても、グリーンの丸い部分の角度は変わらないようになっています。
続けて、アクアデイジー。
デイジーダックが搭乗・操縦する(という設定の)マシンで水上を軽やかに移動することが出来る(パッケージ解説より)。
全高約10.3センチ(頭頂部まで)、全幅最大約6.4センチ。
胸部がダイキャスト製。
先の通り、基本構造は(変型合体ギミック含めて)ダイバードナルドと同じです。
肘の曲がり具合はこんなもの。
顎上げですが、肩を下げた状態では頬が肩に干渉するため、真上まで向けません。 構造そのものは真上を向けるようになっていて、ダイバードナルドは肩を下げていても問題なく上を向けます。
尚、この頭部はものすごく細いプラ製の軸一本で胴体と繋がっている構造なので、くれぐれも余計な負荷をかけないようにする必要があります。
そうでないと、マジでへし折れます。
コクピットギミック。
じっくり見れば確かにデイジー。
という程度。
アクアデイジー・ダイバードナルドは、これ全体が肩と腕・拳を構成します。
一切差し替えなしで、なかなか凝った変型をするんですが、ミッキーやミニーよりも大型なので、それなりの重量が合体後の肩ジョイントにのしかかることになります。
次は、ランドグーフィー。
グーフィーが搭乗・操縦する(という設定の)マシンで地上を力強く走行することが出来る(パッケージ解説より)。
全高約16.1センチ、全幅最大約6.7センチ。
胸部がダイキャスト製で、他に比べて妙に重いです。
脚部担当マシンは、ミッキーとミニー以上に個性の強い変型合体、そしてギミックを持っています。
ランドグーフィーは、単独マシンとしては最大の大きさを誇ります。
そのスタイルから、人間型可動フィギュア的な可動に期待出来そうな雰囲気があるのですが、そこはそれ。
他と比べても非常に癖の強い可動で、しかも一部とても気を遣わないとならないという問題もあったりします。
とりあえず可動について。
耳・首・肩・手首・腰(若干)・股間・足首が可動します。
腕は、肩を基部に回転(若干スイング可能)する程度で肘は無可動。
手首は回転します。
耳は前後に揺れる程度で、開きません。
首は、変型の都合で回転と上向きが可能。
顎は、一見開きそうに見えますが、全く動きません。
コクピットギミック。
鼻面が長い犬が座ってます。
可動する空間が一番広いですね。
さて先で「非常に癖の強い可動」と書きましたが、その一例を。
股関節ですが、この様に真横にしか開きません。
前方・後方に倒すことは不可能です。
これは、合体にも関係ない可動で、素立ちさせる場合に脚が八の字になるようにと仕込まれたものらしいのですが、立たせ方が悪いと股裂き状態で倒れてしまうので、かえってない方が良かったかもしれないギミックです。
ランドグーフィーの足には、もう一つ問題があります。
足首の内側、黄色い丸の部分は、脚部と足首を繋ぐ唯一の部分で、ここだけで足首から上の重量を全て(正確には左右で二分して)支えているわけです。
ところが、ここはプラ製で、しかもそんなに厚くないパーツです。
ここは脚側から伸びている棒状のストッパーを固定するため、つっかいが設けてあるのですが、この部分に亀裂が入りやすくなっています。
そんなに利用してなくてもすぐに白化してしまうという報告もあるようなので、できるだけ使わない方がいいでしょう。
ちなみに、このストッパーを使わなくても自立は可能です。
画像は、つっかい部分の直前でストッパーを止めている状態。
ちょっとだけ前のめり気味にするのがコツです。
全体の関節が、どのくらい動くか試してみたもの。
逆に言えば、これ以外の箇所は動かせません。
まあ、そんなに高い可動を求めるべき商品ではないので、全然構わないんですけど。
期待してる人もいるかもなので、一応ということで。
ちなみに、ランドグーフィーの股間はキングロボの右膝関節に当たります。
後は察してください。
ダッシュプルート。
プルートが搭乗・操縦する(という設定の)マシンで高速で大地を駆け巡ることが可能(パッケージ解説より)。
全長約10センチ(通常姿勢時)、全高約7.7センチ(通常姿勢時)、全幅最大約4.4センチ。
首の付け根部分がダイキャスト製。
後述の「イヌゴヤ」とセットで考えるマシンということらしいですが、先述の通り、このレビューでは別マシンとして扱います。
唯一の四足マシンなので、可動もかなり特殊です。
耳・首・胸・前脚付け根・後ろ脚付け根・後ろ足首・腰(上方向のみ)・尻尾が可動します。
ダッシュプルートは、一見正統派?な犬フィギュアなんですが、よくわからない可動範囲になっています。
まず前足ですが、基本スタイル状態から後方にしか曲げられず、前方向には一切曲げられません。
また、四肢の膝も無可動なため、前屈ポーズなどは一切取れません。
特に前脚は、それに加えて足首も曲がりません(後ろ脚は曲がります)。
こんな状態なので、犬らしいポーズを取らせるためには、相当の工夫が必要になります。
とりあえず、首は上下可動可能で、顎引きも出来ます。
「P」の字がある胸部ブロックが目測140度くらい?は動かせます。
これを組み合わせれば、高く見上げる姿勢などは行えます。
ちなみに、こちらも一見動きそうな顎は、全く開きません。
コクピットギミックはしっかり健在。
四足の犬畜生が、この体勢でどうやって操縦してるのか、興味深いものじゃわい。
イヌゴヤ。
驚くべきことに、これが正式名称です。
イヌゴヤには、(ダッシュプルートの)補助エネルギーが貯蔵されている(パッケージ解説より)。
全高約7.8センチ(イヌゴヤ本体のみ。以下同)、全幅最大約6.3センチ、奥行約6.9センチ。
ダイキャストパーツはなし。
左後方側面に、後述の「ドリームステッキ」を接続可能。
……電信柱?
このイヌゴヤは、ダッシュプルートと一緒になって腰と左脚全体を構成します。
その変型ギミックは、他のマシンに勝るとも劣らない複雑な機構です。
詳しくは、合体プロセスの項にて。
エースウィリー(蒸気船ウィリー)。
ミッキーマウスの意思で操作される。
あらゆるところでの活動が可能(パッケージ解説より)。
全長約3.1センチ、全高約3.1センチ、全幅最大約2.4センチ。
これは、ミッキーマウス&ミニーマウスのデビュー作「蒸気船ウィリー(1928)」に登場した蒸気船が元ネタだそうです。
劇中に登場した船は普通のスタイルなんですが、本商品のものはご覧の通りSD化しています。
各マシン勢揃いの図。
参考に、スーパーロボット超合金「大獣神」を並べてみました。
大獣神の大きさが、全高約約14.7センチ(ツノ含む)、肩幅約8.5センチなんで、全体がどのくらいになるのか比較参考になればと思います。
――つうか、なるのか?
次のページでは、合体システムについてです。