第57回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーW ルナジョーカー&ルナメタル
2010年7月25日 更新
最後は、3商品中最新の「ルナセット」です!
■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーW ルナジョーカー&ルナメタル

2010年7月17日発売。
同時販売物は、「仮面ライダーアクセル」。
この一週間後(7/24)に「仮面ライダーエクシードギルス」、12日後に「キュアベリー」が発売及び「ン・ダグバ・ゼバ(魂ウェブ限定)」が配送。
仮面ライダーW「ルナメタル」と「ルナジョーカー」の2体セット。
全高はそれぞれ約14.5センチ(ツノ含まず)
握り拳×4、武器持ち手B(マグナム用)※×2、お前の罪手×2、平手×3、
…以上計11個付属
アメイジングアーム2種付属。
メタルシャフト長・短の計2種付属。
価格は税込5,775円。

さて「ルナジョーカー&ルナメタル(以下ルナセット)」です。
今回は、以前の2セットに比べて大変不思議な構成内容になっており、別な意味で語るべき事が多いです。
今回はやけにオプション品が少ない上に、手首の付属構成が謎です。
メタルシャフト持ちのフォームでトリガーマグナムは用無しにも関わらず、なぜかの黄・銀の武器持ち手Bが付いていて(ご存じの通り、メタル側手首に本来この手首は要らない)、しかもシャフト用の武器持ち手Aがなかったりします。
上記のパーツ表記は間違いではなく、本当にこんな内容なのです。
後述しますが、今回だけ「ルナトリガー(セット外の同系統フォーム)に利用出来るエフェクトパーツが存在しない」という特徴もあります。
トドメとばかりに、最も肝心な「ルナメタル用のメタルシャフト」が付属していません。
その結果、どことなく割高感が漂う残念な内容になってしまいました。
■ 仮面ライダーWルナジョーカー

仮面ライダーW・ルナジョーカー。
「幻想の記憶」ルナメモリと、「切り札の記憶」ジョーカーメモリの力で生まれるフォーム。
基本的には武器非携帯の格闘型なのですが、CJやHJとの差別化のため「右の手足が伸びる」という驚きの特徴を持っています。
第1話で早速マグマドーパントを攻撃するシーンがありましたが、そのあまりに異様なファイティングスタイルには、賛否両論多くの意見が述べられました。
ちなみにメモリの相性は設定上最悪だそうで、互いの特性を殺し合うのだとか。

前面・背面比較。
LTの時も思ったけど、黒い関節がひときわ目立つかも。
黄の発色は劇中より控えめで、どちらかというと金色に近いけど、なかなか上品で良いものです。
ただ(LT同様)、馴染む馴染まないは人によるかも?

「さぁ、お前の罪を数えろ」手は左右共に付属。
劇中でやった記憶ないけど(やったっけ?)、あるとやっぱり取らせてしまうポージング。

今回最大の売り「アメイジングアーム」。
右上腕部から下を取り外し、手首とルナブレス(リングパーツ)も付け替えて再現します。
この写真は「湾曲タイプ」。
気を抜くとリングを着け替え忘れたり……

もう一つ、こちらは「波打ちタイプ」。
湾曲タイプと同様の仕組みで交換します。
劇中みたいな無茶な長さではないですが、それでもかなりのリーチがあります。
どちらも、本体色と比較しても違和感ないですね。

この「アメイジングアーム」、色々と語るべき部分があります。
まず材質ですが、どちらもほぼ全てPVC製で、手首部分にのみジョイントパーツがあります。
それでこの長さですから相当な重さがあり、うまくやらないと肩関節が重さでヘタります。
写真は肩を微調整して、ヘタり始めるギリギリの位置にしていますが、これよりちょっとでも肩関節を下側に回すと、腕全体がストン! と落下してしまいます。

マキシマムドライブ「ジョーカーストレンジ」。
TV本編で出るかどうかは不明。
本当は真っ二つになった上にルナサイドが分身しなきゃならないんだけど。
そこまで加工する気まるでなし!

こちらが、腕関係パーツ一式。
当初の発表では、アメイジングアームはベンダブル(自在に曲げられる)仕様で、しかも足も付くということでした。
ところが、実際にはこんな構成になってしまったため、相当不満の声も上がりました。
ただ、この腕パーツは見本時からずっと同じ物だったので、画像情報は当初から変更されていないことになります。
ベンダブル仕様&足パーツも付くという情報は、「S.H.figuarts COLLECTION BOOK(ホビージャパン刊)」11Pに記載されています。

と、ここまでだと単なるディスプレイアイテム止まりなので、無理やり活用する方向で。
まずは2本のアメイジングアームを繋げてリーチ延長。
ジョイント部がちょっと違和感ですがそこは我慢。
写真は魂STAGEでこっそり支えてるので、この状態の保持はさすがに無理。

長さはこんな感じです。
メジャーで実測してみたら、腕部分だけで29センチもありました。
ちなみに、やり過ぎると手首ジョイントを差し込んだ側が緩めになってしまうので注意を。

巻き付けたり吊したりは難しいので、誰もが一度は考えるお約束的なものをば。
アーツW以上に「お前の罪を数えろ」を正しく再現出来る良フィギュア・figma「神楽亜矢(Se.きらら)」モーニングコーヒーVer.であります。
無料のエロゲまで付いてきますが限定です。

かなり無理矢理だけど、足にくっつけてみたりとか。
さすがに根元から交換するのは無理がありました。
アンクレットもかなり無茶な接続。

第1話で皆を脅かしたヘンテコキック。
さすがにあのうにゅうにゅ感再現は叶わず。
まあ、スタイル的に無茶が過ぎますが、あり物で楽しむのもアリかなという提案です。
うそ、ごめん。
これはネット上で拾ったネタで自前アイデアではないです!

手足が伸びるのはルナジョーカーのみで、ルナメタルとルナトリガーは腕が伸びません(設定上は伸びるらしいけど…)。
よく誤解されていますが、他のルナ系フォームが腕を伸ばしたように思えるシーンでも、実はしっかりルナジョーカーにチェンジしています。
そんな事情もあるため、よく見かけられたルナメタルが腕を伸ばしている写真……プレイバリュー的には可能とはいえ、これで「ルナメタルにも応用可能」と評するのは難しいかと思われます。

WFC版との比較。
ルナ側の色が暗い……

同日発売の「S.H.フィギュアーツ仮面ライダーアクセル」と揃い踏み。
どっちもいい色出てます。
■ 仮面ライダーWルナメタル

次は、ルナメタル。
派生ラストは、ものっそい登場回数が少ない(だよね?)フォームです。
仮面ライダーW・ルナメタル。
「幻想の記憶」ルナメモリと、「鋼の記憶」メタルメモリの力で生まれるフォーム。
基本スタイルは「ヒートメタル」とほぼ同様ですが、「メタルシャフトをムチの様に変化させられる」という特性を持ちます。
戦闘だけでなく緊急回避にも使用され、10話ではテラードーパントのテラー汁攻撃を避けるため、シャフトを木に巻き付けるという応用を見せました。
ルナメモリはトリガーメモリ以外とは相性が良くないらしく、こちらもLJ同様設定上はバランスが微妙だとか。
まあ、派生フォームはみんなそうですけどね。

フィギュアーツWの基本派生フォーム中、ある意味で最も没個性となってしまったルナメタルです。
冒頭に書いた通り、ルナメタル最大の特徴である「曲がったメタルシャフト」が付属していません。
このため、単なるHMの色違いに落ち着いてしまいました。

まあ商品的に可能だったのかどうかは別として。
ともあれ、これでルナメタル独自のプレイバリューが大きく削がれた点はマイナスと言わざるを得ないでしょう。
エフェクト付きも含めると、これで4本目になってしまうメタルシャフト。
たとえベンダブルでなくても、一つくらい面白形状なのがあっても良かった気がします。

前面・背面比較。
全体的に明るい色調になって、HMともサイクロンメタルとも違う印象を与えます。

個体差かもしれませんが、一応報告。
今回、メタルシャフト短の接続がややきつめのようです。
HMの時と同じですね。
すんなり入る人はめっけもんですが、ギチギチな人はお馴染みシリコンスプレーを吹くなどして滑りを良くした方がいいと思います。
ちなみにうちのは、そのままだと絶対に入らないほど口径が太すぎたようです。

ヒートセットでは全く使用しない筈のジョーカー用武器持ち手Aが付属しましたが、今回は武器持ち手がすべてトリガーマグナム用の人差し指が離れた物になっています。
特にプレイバリューには問題はないし、むしろメタルシャフトを掴むメタル側の手に表情が加わるためありがたくはあるのですが、しっかりと掴むルナ側の手がとうとう手に入らず仕舞いになったりとデメリットも多いです。
トリガー側の「お前の罪」手もありませんでしたが、今回もなんでこんな処置になったのか、ちょっと意図が読めません。
単に間違えただけかもしれないし、コストダウンを計ったのかもしれないけど。
塗装手首一つ増えるだけで、相当大きな変化があるらしいですからね。

メタル側の手は、過去発売された商品からの流用で握りもバッチリ対応。
うーむ、なんとかくねくねシャフトにする良い方法ないかなあ。
ビニールコーティング針金探したけど、良い太さと色のがなかったわよ。

やっぱり付いてた「お前の罪を」手ルナバージョン。
……手首くらいしか語るポイントがないのか……
これを撮影している最中にふと思ったのですが、ひょっとしたら担当者は「ルナメタルも腕が伸びる」と勘違いしていたのかも?
もしそうだとしたら、アメイジングアームを二種付けてメタルシャフトはスルーという構成にしたのも納得出来る気がします。
一応、それでルナメタルにもプレイバリュー拡張要素を付加したことになりますからね。
或いは、何かしらの事情でメタルシャフトの別バリエーションが付属させられなかったため、アメイジングアームを二本にしてお茶を濁した、とも考えられるわけですが。
真実はわかりませんけど、仮にこれのどちらかだったとしたら、かなりガックリしてしまいそげ。

マキシマムドライブ「メタルイリュージョン」。
と言っても最後の振り抜き時のポーズですが。
ルナセット発表後かなり経ってから登場した必殺技ということもあり、「メタルツイスター」同様エフェクトパーツはありません。
まあ、時間的に余裕があっても付くことはなかっただろうけど。

WFC版と比較。
蛇足ですが、ルナセットもかなり出荷数が少なく、某量販店では同時発売だったアクセルの何分の一という嘘みたいな入荷数だったそうです。
当然ながら、こちらも最近のフィギュアーツ同様即完売という事態になりましたが、その後不思議とネット通販で見かけたりするようになり、探せば意外となんとかなったりしたようです。
なんだかよくわかりませんね。
さすがは幻想のルナ。
【買ってみて一言】
個人的には、フィギュアーツW系だと一番面白みに欠ける商品でした。
CJからLTまでの基本3体を持っていなければまた評価が変わるかもしれませんが、アメイジングアームを除けば「ルナセットならでは」というものがほとんどなく、他にいくらでも流用出来そうな、或いは絡められそうなオプションが豊富なサイクロンセット・ヒートセットには遠く及びません。
なんというか、ものすごくやっつけ感が強いです。
ルナセットの評判はネット上でもあまり良くないようで、中には痛烈な批判意見も見受けられますが、少なくとも(たとえアメイジングアーム同様形状固定でも)メタルシャフトのバリエーションが同梱されていればもっと高評価を得られたでしょう。
とにかく、片方のフォームの個性を潰してしまう仕様には、首を傾げるしかありません。
魂フィーチャーズでは「LTはCJやHMより原価が高くつく」というコメントがあり、ムックでも確認出来ますが、これと同じ理屈でルナセットも他の2セットより色々高く付いたのかもしれません。
しかし、とはいえ製品として仕様が不充分、下手すれば基本設定すら理解されているかどうか疑問という内容構成で出して良い言い訳にはなりません。
まして、ルナセットはパッケージ写真に「曲がったメタルシャフト」の写真が使われているため、「存在を知らなかった」という言い訳も通用しません。
一つだけ3ヶ月も遅れて発売と散々期待させておいてこの程度というのは、あまりにもお粗末と言わざるを得ないでしょう。
大元の出来は悪くないのだから、何かでフォローが来て欲しいところではありますが、それを望むのも難しい状況なのでしょう。

と、悪い点ばかり挙げましたが、これらはあくまで「過去のフィギュアーツWシリーズを持っている人前提」の話で、ルナセットだけ、或いは本当に好きなフォームだけつまみ食い? しているという人にとっては、必ずしもマイナス要素になるとは限りません。
HMやサイクロンセットを持っていないなら、ノーマルなメタルシャフトだって立派なセールスポイントですし、アメイジングアームは立派なサプライズです。
設定にとらわれず、メタルもトリガーも腕伸ばせばそれはそれで楽しいでしょうし、何もかも否定されるというものではないと思います。
また、これで基本9フォームが全部揃うというのも、捨てがたい魅力です。
ファングジョーカーを加えて(これを書いている現状最大の)10フォームを並べると、なかなかの大迫力です。

このルナセットで、ようやくWは一段落? かもしれません。
この後も「サイクロンサイクロン」「ジョーカージョーカー」、「サイクロンジョーカーエクストリーム」と商品が続き、更には8月7・8日秋葉原で開催される「魂フェスティバル」会場限定の「仮面ライダージョーカー」もありますから、実際にはまだまだ終わらないんですけどね。
あ、ジョーカーは正しくは「仮面ライダーW」じゃないので、一応頭数から外す事も可能ではありますが。
この上、夏の劇場版に登場する「サイクロンジョーカーゴールドエクストリーム」まで発売されたら、とんでもない事になってしまいますね……
もうしばらく、気を引き締めて行きたいところですね。

尚、一部撮影に使用した「S.H.フィギュアーツ仮面ライダーWファングジョーカー」と「仮面ライダーアクセル」ですが、諸事情あってレビューの予定はない事を先にお伝えしておきます。
理由ですが、FJは画像加工処理上の諸問題、アクセルは購入直後一部に改造と塗装追加を施してしまい、ノーマル状態ではなくなってしまったためです。
(当サイトでは、基本的に改造を施した物はレビューしない方針です)
他にも、レビューしなきゃならない物が溜まってるからという事情があります。
もし期待されてる方がおられましたら、ごめんなさいしておきます!