第28回 ■ バンダイ 超合金魂「超電磁マシーン ボルテスV」2
2006年7月9日 更新
「レーッツ、ボルト・イーン!!」
脳内ミュージック・スタート!!
本体を折り曲げ、ボルテスの顔面を露出させたボルトクルーザーを、前方に180度回転したボルトボンバー後部に接続。
劇中通り、まだ幅を広げていない状態のボンバーに合体させることができる。
横に180度回転したボルトパンザーの後部ハッチを持ち上げ、合体口を露出。
そこに、ボルトボンバーのコクピットと肩フレームを収納。
このラチェット感がたまらない!
って、あれっ。
魂でラチェット感があるのって、よく考えると珍しいな。
パンザーのキャタピラアームを上方に回転させ、内側にずらした後、コクピットブロックを内部へ押し込む。
さすがに本編ほど奥まで入らないが(劇中では胸の近くまでめりこむ)、これがないとパンザーらしくない。
この辺で「見つめ合う瞳と瞳〜。」と歌いながら、フリゲートを合体させる人は、別な意味で通。
分割させたランダーのコクピットブロックを横倒しに。
言うまでもないが、脳内ではコクピットの角度が変わる内部図解をきちんと描いておくように。
アンテナ倒す向き間違っちゃった
ランディングギアを脛側に回して収納したフリゲートに、ランダーを合体。
この辺り、ポピニカ版持っていた人はかなり懐かしいはず。
ただ、ここは合体角度がちょっとだけシビアなので、スムーズにいかない場合が多々あり。
拳を引き出して…
脳内でボルトクルーザーのコクピット移動を以下略。
「ボォ――ルテェ――ス、ファ―――イブっ!!」
ジャッキーン!
ここで、唐突に脳内ミュージックをぶった切るのが、通というもの。
なんと、こんなに反ってても自立可能という素晴らしさ。
さすがに、最後の決めポーズは難しかった。
合体ロボだというのに、ボルテスVは良く動く動く!
特に、あまり期待されていなかった脚部可動幅の大きさは、感激モノ。
股関節は、写真のように多少前に引き出す事ができるため、さらに可動幅を向上させている。
頭部回転ギミックも、かなり秀逸。
後ろにボルトクルーザーのボディがぶら下がっているにもかかわらず、スイング機能?搭載で、可動幅を稼いでいる。
残念ながら、角度はさほど大きくなく、上を向かせる事も出来ないが、この辺はデザインとギミックの兼ね合いだから仕方ないのだろう。
装備を見てみよう。
まず、差し替えの拳から。
差し替え用の拳は、ノーマルの可動手首を一度内部に収納し、その上からフタをして、フタに付いているボールジョイントに差して使用する。
このため、魂コンバトラーVと違って、差し替え手首を回転させる事が可能になった。
また、拳の差し替え作業自体もかなりやりやすくなり、以前のようにパーツの突入角度に悩まされる事はない。
武器持ち用の握り手は、手首に角度が付いているため、剣を持たせるのに好都合。
平手と握り拳はあまり使い道がないかもしれないが、そこはそれ、工夫次第という事で。
次に、各種武器。
なぜかあまり覚えている人がいない、ボルテスバズーカ。
初使用でいきなり敵に防がれてしまったせいか、大技の割にインパクトないのかな。
でも、実は結構頻繁に使われている上、そこそこ破壊力がデカく戦況を変える役に立つ。
右手首を折り曲げ、その内部から砲塔を引き出す仕様。
手首自体がグリップになり、設定では親指がトリガーになるが、劇中ではトリガーを使用した事はない。
劇中のように構える事は不可能なので、魂版では、右腕全体を肩の上に乗せるようにする。
こうしないと、左手でグリップを持てないんだもんね。
でも、こっちの方がバズーカ構えてるっぽくていいかな?
本当は、ノーマルの可動手で持たせたいところだけど、保持力の関係で無理が出てしまうため、この撮影では握り手を使用。
腕の可動幅の関係で、銃口を向ける角度がかなり限定されてしまう。
しかし、こんなのまでいちいち取り入れてくれる心意気は買いたい。
こんなギミックを仕込まれていても、手首がプラプラする事もなし。
ただ、コツを掴むまで砲塔を引き出しにくいのが難点かと。
ちゃんと左手首の回転も可能。
少し固いけど。
ガトリングミサイル。
単なる攻撃武器だけでなく、敵の拘束から脱出する際にも使用される、さりげに汎用性の高い武器。
交換手首同様差し替えで再現。
ただし一つしかないので、本編みたいに両手掃射再現は不可能。
ちなみに、ミサイル自体は取り外し可能なので、射出直後の様子も再現できる。
チェーンナックル。
左右どちらからでも射出可能な、凶暴な形の鎖分銅?
二段階に伸びるが、劇中ではほとんどチェーン部しか伸ばさなかった。
ガトリングミサイル同様の構造で、チェーンは普通の細いアレ。
先端部を伸ばしているグレーのパイプ?部分は取り外しが可能で、射出直後の形態も再現可能(ただし、なぜか説明書には記述なし)。
結構鎖が長いので、敵に見立てた別な玩具に巻きつけたりして飾れるけど、単体だとどうすればいいだろう?
超電磁ストリング。
捨てられるわ玉結びにされるわ、あげくにVの字斬りの巻き添えで爆破されるわ(16話)と、結構悲惨な武器。
どういう収納のされ方なのか、今ひとつわからない。
超電磁ゴマとの組み合わせがメジャーだが、実は単独でも鞭のように使用する事ができる。
劇中と違い、バックル部分を開いてベルトパーツを取り外し、ストリングパーツを手に持たせるというスタイル。
先端部をベルトの脇部分に差して、引き抜くシーンを再現可能。
軟質樹脂製で自在に曲がる反面、固定・安定がほとんど不可能。
ちなみに、本来のベルトパーツを取り外すと、その下からはグランドファイヤー・グランドミサイルの射出口が現れるようになっている。
ベルトが着いたまま射出口を出すのは不可能。
超電磁ゴマ。
健一の発音の関係で、劇中では「超電磁胡麻」にしか聞こえなかった、ボルテスVのメイン武器。
超電磁ヨーヨーのように、単独射出武器としても使用されるが、超電磁ストリングと組み合わせて使われるスタイルの方が有名。
壊されると、ガラスの割れたような音がする。
本来は胸の奥から降りてきて腹から飛び出してくるが、そこまでの無茶はさすがに出来なかった。
3パーツ構成で、ドリル型の軸を持って刃を回転させる事が可能。
また、超電磁ストリングの先端の穴に、超電磁ゴマの軸パーツを差し込んで組み立てる事で、コマを操っているシーンを再現可能!
差し替え武器とはいえ、ここまでやってくれればもはや感無量。
文句を言ったらバチが当たりそう。
というわけで、ここぞとばかりに振り回してみた。
↑画像はフィクションです(こんな風に固定できないからね、念のため)。
手の上にコマを乗せて飾るのは、残念ながらバランスの関係で無理。
↓この画像もフィクションです。
天空剣。
今回のバカアイテム第一号。
ボルテスVの最強武器で、最大必殺技「天空剣Vの字斬り」を繰り出す。
また、敵拘束技・超電磁ボールもこれを使って射出する。
胸パーツが分離して、その中から長い刃が生えてくるという設定のため、これは差し替えじゃないと再現できない筈………と思われたのに。
やりやがっちゃった。
形状はガクンガクンだけど、よくもまあグリップから刃まで見事に収納したこと!
こんなものを中に収めたままでパンザーのコクピット収納まで再現したなと、感心してしまう(パンザーのコクピットの底が抜けているのはこのため)。
こういう形状のため、3話や20話で見せた「胸から刃部分だけ露出」も再現可能。
いや、ホントにやったんだって、こういうの。
ただし、こういう形状のため厚みが確保できず、またノーマルの手だと保持力がなさすぎて、うまく持たせる事が困難になってしまった。
一応持たせる事は可能ではあるが、ほとんど引っ掛けているだけの状態。
ここは素直に、握り手に差し替えて持たせたい。
もちろん、刃部分の蝶番がイヤだという人のために、スタイル重視型の天空剣が別途付属。
両手で持たせる事も可能だし、振りかぶる構えもOK!
グリップ部分も、ちゃんとアンテナ式の形状になってるし。
言うまでもなく、天空剣を引き抜いた後の「胸のフタ」も付属。
ただし、これは劇中の白っぽいピンク色ではなく、一体感のある暗い赤色になっている。
劇中のピンクは、どう見ても「色指定間違えてるだろこれ」という感じで違和感バリバリだったので、これで正解ではないかと思う。
だけど、どうしてもあのピンクがいいんだという人は、是非自己責任で塗装をどうぞ。
もっとも、あのピンクはたまーに元と同じ赤色になったり、別な色になったりと結構いい加減なんだけどね。
ちなみに、その後こんな変わった商品が発売されました。
この二本の天空剣は、いったい…?
今回のバカアイテム第二号。
「鷹メカ」。
24話から登場した、ビッグファルコンに所属していない謎の副座式飛行メカで、劇中での正式名称はない。
便宜上「鷹メカ」と呼ばれるが、24話のナレーション時のみ「メカ鷹」と呼称される。
元々はボアザン皇帝専用の遊覧機として設計されたものだが、皇帝防衛目的のため強固な装甲と超機動力を持っており、設計者はラ・ゴール。
マキシンガル合金を使用した鎧獣士にVの字斬りを封じられたボルテスVを支援するため突如出現し、超電磁加重砲を発射。
これによりマキシンガル合金の分子構造を崩壊・急激劣化させ、ボルテスVの窮地を救った。
後に、超電子加重砲をボルテスVに組み込む設計指示書を投下していったため、パイロットは生死不明になっていた剛健一郎博士かと思われたが、実は彼の同志であり、自ら角を折って反乱部隊に参加したボアザン貴族の英雄・ダンゲ将軍が操縦していた。
マッハ30という非常識極まりない速度で飛行するが、これが正体隠蔽の材料として、劇中で巧く使われていた事は特筆に価する。
普段はアルプスに隠されているボアザン反乱分子の秘密基地に格納されており、ボルテスVのピンチ時に高速飛来する。
後に、超電磁加重砲を搭載したものの、超電磁ボールを一回使っただけでエネルギーを使い果たしてしまったボルテスVに合体し、エネルギー許容量を向上させるコントロール装置を組み込む(ボルテスとの合体は、この時の一度だけ)。
長い逃亡生活の無理が祟り、命の危機に瀕した同志の妻と子を救うため、ビッグファルコンへ輸送する最中、追跡してきた獣士の攻撃を受けてしまい、ビッグファルコンの近くで墜落・炎上。
母子は無事助かったものの、ダンゲ将軍は致命的な重傷を負い、剛兄弟達に剛健一郎博士の過去と秘密を話して、命を落とした
まさかこんなものまで付けるとは…恐れ入った、いや本当に。
これ自体には特にギミックはなく、合金も未使用(全プラ製)だが、大変良く出来ている。
キャノピーのサイズと比較して、ボルトマシンとの比率が全然合ってないとか、そーいう事は言っちゃいけないきまりになっている。
ボルトパンザー上面部の謎ハッチを開き、ここにツメ部分をかませる事で合体。
そのために、わざわざパンザーのキャタピラも左右に開く構造になっている。
ただし、合体ジョイントになる脚パーツは、劇中のものとはまったくの別物。
本当は、鷹メカ内部から伸びてきたちっちゃな四本足を、ボルテス内部からせり出してきたジョイントで受け止めるという形式。
だから、この脚については、玩具的アレンジと割り切るべきだろう。
バカアイテム第三号。
「超電磁ボールコントロール装置」。
超電磁加重砲(超電磁ボール)は凄まじく大量のエネルギーを必要とし、その必要容量は、なんとビッグファルコンの全エネルギー量に相当する。
それまでのボルテスVでは必要量のエネルギーが確保できないため、天空剣使用時の落雷エネルギーを転化するアイデアが採用されるが、今度はボルテスVのボディが耐えられず、自爆してしまう。
後に、鷹メカが投下した設計図を参考に改良され、落雷エネルギーチャージから加重砲射出までを可能ならしめるが、今度は一発だけでエネルギーエンプティになってしまう。
左近寺博士の分析で、改良設計図内には「エネルギー許容量を向上させるための拡張機器に相当するものがない」事が判明。
やむなく、超電磁ボールで装甲を劣化・拘束した鎧獣士を、防衛軍の攻撃で破壊する作戦がとられる事になる。
ところが、超電磁ボールの弱点に気づいたハイネルは、今度は二体の鎧獣士を同時に派遣。
せっかくの作戦が使えず途方に暮れていたボルテスチームの元に、再び鷹メカが飛来。
突然ボルテスVに合体すると、不思議な機器を内部に組み込んで離脱。
だがそのおかげで、ボルテスVは、二発の超電磁ボールを撃ってなお行動できるようになり、鎧獣士二体を見事撃退する。
この時組み込まれた不思議な機器が、超電磁ボールコントロール装置だ。
まったく、こんなものまで作るとは…何考えてんだか!<ホメ言葉
いやでも、劇中の使われ方を知っている身としては、これの付属は大変にありがたい。
これ自体は単なるプラの塊に過ぎないが、鷹メカのツメに固定可能で、鷹メカからボルテスVへの受け渡しシーンが再現可能になる。
もちろん、これを内部に収めたまま、ボルトパンザーのハッチを閉じる事も可能。
やってくれるぜ、ホント、良い意味でイカレすぎ!!
これで、天空剣に固定できる超電磁ボールパーツなんかが入っていたら、完璧だったんだけどなあ。
ちなみに、この機器の左右から伸びている計四本のアーム状パーツと、前後計六本のパイプ状パーツは、実際にはボルテスV体内から伸びてきた接続ジョイントみたいなもので、正確にはこの機器の一部ではない。
ま、一応豆知識ということで。
専用ディスプレイ台。
ビッグファルコンを模した形状になっている、遊び心満載の台。
差し替え用パーツとすべての武器を固定可能。
ただし、その性質上超電磁ストリングの固定が甘く、かなり外れやすい。
一方、チェーンナックルの飾り方は、ちょっとしたアイデアかなあ。
スタイル重視型天空剣のせいで、見た目以上に奥行きが出てしまうが、ま、仕方ないかと。
ボルトボンバーのランディングギアは上面側に配置されるため、魂コンバトラーVのバトルクラッシャーの時のように「ランディングギアを取り外すため、わざわざ台を一度持ち上げないとならない」という不便さがない。
鷹メカの飾り方を見ていると、某バードガルーダを連想するのは筆者だけだろうか。
●問題点
細かい問題点は各項目で触れてきたが、ここでは全体的なものに触れよう。
まずボルテスV自体だが、やや股関節の保持力に問題があるようだ。
可動幅が広がったのはありがたいことで、特に基部が前にせり出す事で前方への踏み込みも可能としたのは素晴らしいのだが、それぞれが柔らかすぎるため、姿勢維持に難が出てしまう。
これはボルトフリゲート単体時でも確認できるほどで、まっすぐ一直線になるように整えるのがちょっとめんどくさい。
またこれは、姿勢によってはタイムラグをおいて倒壊しかねないものなので、かなり不安。
せめて、フリゲートの機首側を持っても脚が下方向に折れないという程度の強度は欲しかったところ。
膝や足首部分は保持強度的に問題がないので、益々気になってしまう。
胴体接合部が緩いというのも、かなりまずい。
これはパンザーとフリゲートの合体部分の事で、ここがよく外れてしまう。
このジョイントは、パンザーのコクピット脇にある二つの軟質樹脂製凸ジョイントのみで支えられるのだが、はっきり言って保持力が全然足りてない。
なにせ、胴体断面の前半分しか支えておらず、後ろ半分にはまったくジョイントがないのだ。
だから、ヘタに持ち上げようとすると後ろ半分が浮いて隙間が出来たり、酷い時には上半身が落下する。
まして、上半身は合金パーツの関係でかなり重い上に突起も多いため、かなり危険だ。
ポージングの時、妙に良いスタイルにまとまったな、と思って良く見ると、上半身が前のめりになっていて、そこで初めてジョイントが外れている事に気付いたりする。
魂ボルテスVには絶対出来ない「上半身前屈み姿勢」になっていたら、要注意だ。
その状態は、ジョイントがかなり外れやすくなっている筈だから。
次に、肘関節。
個人的にはあまり問題と感じないのだが、魂ボルテスVは魂コンバトラーVと違い、肘が二重関節ではない。
そのため、ポージングに制約がついてしまい、今ひとつ決まり切らない。
塗装の関係で、パッと見二重関節っぽく見えてしまう事も、マイナス要因と感じられる理由だろう。
恐らくこれは、魂コンバトラーVの「引き出し式二重関節」を問題視したためではないでろうか。
魂コンバトラーVでは、バトルクラッシャーのギミックの都合上、肘を二重関節にせざるを得なかったが、あの形態を維持するためには関節の主軸を引き伸ばさないとならないため、合体時に肘を曲げようとすると腕が余計に伸びてしまい、著しくバランスを崩してしまうのだ。
特に、肘を曲げた後に軸を押し戻し忘れた魂コンバトラーVは、まるで関節脱臼を起こしてしまったかのようにみっともない形になる。
これに対し、ボルトボンバーは肘を完全に折りたたむことがないため、魂コンバトラーVのような引き出し式二重関節にする必要がないと判断されたのではなかろうか。
断定は出来ないが、スタイリング重視の結果なのだとしたら、筆者はこのままでも充分だとは思う。
だけど、やはり残念に思う人も多いだろう。
首の接合が今ひとつなのも、きついところだ。
魂ボルテスVは、首部分にのみマグネットジョイントが使用されているが、磁力が弱いせいかジョイントの口径があってないせいか、座りが悪くなってしまう。
広い口径の筒に細い軸が通っていて、その奥で磁力固定しているだけなので、なんかフガフガした印象がある。
もっとも、この遊びのおかげで、やや上方を向かせる事も可能にはなっているが、どうもこれは偶発的な効果に思えてならない。
磁石ジョイント合体そのものを否定する気はないが、もうちょっとなんとかして欲しかった気がする。
先にも少し触れたが、デフォルトの手首の保持力のなさは、かなり致命的だ。
いくらオプションで握り用手首があるとはいえ、やはりデフォルトの手で武器を持たせたいと思う人達は多いだろう。
だが、指関節が緩すぎるため、ほとんど何も持てないに等しいというのは、勘弁していただきたい。
なんとか持たせる事が可能でも、それはせいぜい「形を整えた手に乗っけている」程度であり、お世辞にも優れたプレイバリューとは言い難い。
また、構造上手首が小さすぎるというのも、難点だ。
収納ギミックを快適に活かすため、指を折りたたみやすくするため保持力を犠牲にし、綺麗に収納するために手全体を小型化したというのはわかる。
だが、そんな手首も弄りなれてくるとなぜかボルトボンバー時に指先がはみ出たりしてしまう事がある。
これでは、ちょっと本末転倒な気がしてならない。
あと、せっかく内箱をウインドウパッケージ風にしてくれたのに、窓が筒抜けでセロファンが貼られていないというのは、あまりにも辛すぎる!
ウインドウが閉じられていてこそのパッケージではないか!
こればかりは、もはや詰めが甘かったとしか言い様がない気がする。
後は…顔の幅かなあ。
見慣れると大した違和感がないが、最初はちょっと戸惑うかもしれない。
もう少し、幅を広げられたのではないかと思うのだが、これもパーツとの兼ね合いの結果なのだろうか?
「ボルテス重戦車」形態になれない※のも難点だろうか。
しかし、厳密にはこれは難点とは言い難い。
ボルテス重戦車は、元々ポピニカオリジナルギミックで、コンバトラーVのグランダッシャーと似た様なスタイルを与えたものだが、あくまでギミック利用による副産的なものであり、本編内ではまったく使用されていない。
だから、なくても全然支障はないものなのだ。
逆に、重戦車形態を再現しようとすると、ボルトパンザーのキャタピラアームの不自然な延長が必要になり、ひいては、ボルテスV時の背面処理も大きく変わってしまう。
そうなるくらいなら、いっそ重戦車形態をオミットした方が正解だ。
確かに残念ではあるが、これは認めるしかないだろう。
※ただしこの後に発売された「ポピニカリスペクト版」では、重戦車形態が再現できるようになっている。
●総評
細かな不満点はあれど、とにかく、これが発売された事を素直に喜びたい。
一時期は絶望視されていたものが、最新のギミックを搭載して立体化し、しかも往年のファンを歓喜させる工夫がてんこ盛りな上、ポピニカを良く知る人達へのアピールも忘れない。
超合金魂シリーズは、いずれもそれぞれサービス精神に溢れていたが(溢れすぎて不評だったザンボット3などの例もあるけど)、今回は今までとはまた違った方面のサービスを感じる。
或いは、製作側の遊び心の昇華だろうか。
どちらにしろ、満足度の大変高い、素晴らしい商品になっている事は疑いようがない。
一見簡単そうに見え、実はさりげに難易度の高い合体システムを持っているボルテスV。
その上で、ここまで動かせるのだ。
他に何を求めるというのか。
ここは是非、本編を見ながら現物を手にとって燃えていただきたい。
あ、決してスパロボではなくて、ね。
ゲームでは、ボルテスの絶妙な使われ方・活躍の凄さが伝わらないから。