第171回 ■ BANDAI SPIRITS
「mastermind JAPAN x 仮面ライダー50周年記念コラボ
S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダー新1号 BLACK Ver.」

2025年11月22日 更新

 2025年11月14日、真骨彫製法「仮面ライダー新1号 栄光の昭和ライダーエディション」が発売されました。
 こちらは三体目の新1号アーツで、(個人的には非常に不満が大きかったものの)とても好評で、SNS上でも話題が沸騰していました。
 んでもって、筆者もそういった意見を確認したり、ついでにとネットフリマ等を参照していたのですが……そこで偶然、全く見覚えのない新1号の写真を見てしまいました。

 それが、これ。

 

 真っ黒な、新1号?!
 え、何コレ知らない!


 最初は中国などで版権ド無視で造られたものかと思ったんですが、調べてみたらちゃんとした正規ライセンス品、しかもきっちり日本で発売されたものでした!
 無知は罪! なのは当然として、全く自分のアンテナに引っ掛からなかったというのが不思議でした!w
 (※ただ単にアンテナが低かっただけでした…)

 というわけで、今回はこの“真っ黒な新1号”についてレビューしたいと思います。

 あ、ちなみに

 

 本当なら、まずこっちの「栄光の昭和ライダーエディション」版からレビューするべきなんでしょうけど、諸事情あってあえて後回しにします。

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mastermind JAPAN x 仮面ライダー50周年記念コラボ
S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダー新1号 BLACK Ver.

 

 魂ウェブ商店による受注生産商品で抽選販売。

 メーカー:BANDAI SPIRITS.
 配送日:2022年3月23日(出荷日:3月22日)
 抽選受付期間:2022年1月18日〜2022年2月14日
 価格:9,900円 (税込)

 

 さて新1号BLACK(以下この表記で統一)です。
 こちらは、商品名にもある通り「mastermind JAPAN」という黒と髑髏を基調としたアパレルブランドとのコラボ商品です。
 本商品以外にも「シン仮面ライダー(S.H.フィギュアーツ)」「マジンガーZ(超合金魂)」「NARUTO(オリジナルフィギュア)」があり、それぞれ受注期間が異なっていますが、抽選販売だったのは新1号BLACKのみです。

 筆者はマジンガーZは知ってたんですが、何故かこちらには気付く事が出来ず、配送終了から3年8か月近くも経ってから初めて存在を知り&めっちゃ魅了され、急遽探して購入・入手したという経緯となります。

 

 商品名にもある通り、こちらの素体は50th Anniversary版(二つ目のバージョン)です。
 実は筆者は、とある事情から真骨彫の昭和ライダーシリーズを集めていなかったんですが、栄光シリーズの新2号が“客演版黒マスク”付きと知りあえて禁を破り購入を決意、そのついでに新1号も購入したというていたらくです。
 そんな事情から、過去に発売された真骨彫新1号との比較レビューが出来ませんが、ご容赦ください。

 

 さて新1号BLACKです。
 今までもブラックバージョンの玩具は色々ありましたが、それらは黒以外の色も使用されていて、高級感を覚えさせるものがありました。
 ですが今回のこれは、上から下まで本当に真っ黒!
 アンテナや複眼すら容赦なく真っ黒です。
 実際には、複数の黒を採用して単純な黒一色になってはいないんですが、それがまた独特な味わいを感じさせます。

 

 詳しくは後述しますが、
・艶消しブラック
・光沢ブラック
・半光沢ブラック
・ガンメタル

 の四色が各所に使用されていまして、更に複眼は黒のクリアパーツになっています(タイフーンのフードはさすがに普通のクリア)。

 

 可動範囲については真骨彫新1号準拠で、飛び抜けて優れた可動を誇る訳ではありませんが、可動時のボディラインの自然さはかなりのもの。
 手首もそこそこ交換用のものが揃っているので、様々なポージングが楽しめます。

  

 新1号BLACK、フロント&リアビュー。
 なんかこう、仮面ライダーというより「大量発生型相変異バッタオーグ」に通じる何かを感じる気もします。

 

 サイドビュー。
 全高は約14.7センチ、重量は約50グラム。

 

 頭部アップ。
 先の通り、複眼は黒のクリアパーツ。
 アンテナ、頭部中央ライン、クラッシャーはガンメタル塗装。
 アップで見ると、ガンメタ部分の塗装粒子が荒いように見えますが、これはラメが施されているためで、実際は滑らかな塗装になっているのでご安心ください。

 

 側線もガンメタル塗装。
 黒っぽい、それでいて他の黒に溶け込まない色合いで旨く自己主張しています。

 

 マフラーはPVC製で、垂れているものと靡いているものの二種類あり。
 旧版アーツ同様、結び目の辺りから取り外して差し替える方式です。
 手袋とブーツ同様、光沢のあるブラックです。

 

 風に靡いた状態のマフラー。
 ちなみに真骨彫昭和ライダーでよく採用されている布製マフラーは、今回は付属しません。

 ラングパーツは微妙なでこぼこまでしっかり表現。
 胸筋部分は若干回転させることが可能で、下にはダクトを表現したへこみがあります。

 

 タイフーン。
 ベルト部分は飾りボタンも含めて光沢ブラック。
 バックル本体やエナジーコンバーターはガンメタル。
 先の通り、風車のフードは透明。
 そして風車自体はややくすんだ塗装になっていて、何だか使い古されたような感じなのが個人的にGOODです。

 

 背面。
 背中の模様は半光沢ブラックで塗装。
 良く見ると、後頭部の塗装が一部剥げてるやん!

 

 付属品として、専用の台座があります。
 直径は約10センチで。表面テッカテカです。
 反射で三脚映っちゃってるw

 

 ライダーを載せるとこんな感じ。
 幅が狭いので、あまり大きく脚を開いたポージングだとギリギリになっちゃうかも。

 

 こちらは魂STAGE仕様なので、支柱を差し込む部分が三か所あります。
 ただし、支柱とアーム自体は付属しないので、別商品から引っ張って来る必要があります。

 

 支柱を使った状態でライダーを載せるとこんな感じ。

 

 せっかく魂STAGEの支柱出したので。

 ライダージャンプ!

  

 ライダーキック!

 なんかすっごくカッコいい!!
 新1号とはまた違ったカッコよさがある!

 

 新サイクロンに搭乗。
 ただし、これは真骨彫に合わせたバージョンじゃなくて、旧アーツ版のものです。

 実はこのバージョンの新サイクロン、真骨彫版の新1号をきっちり乗せることが出来ません
 この姿勢なら違和感ないんですが、関節の可動範囲の問題で尻が浮くというパターンになっちゃいます。
 やっぱり新しいバージョンの奴にしないと駄目なんかなあ。

 

 ついでに、同じく旧アーツ版の改造サイクロンにも搭乗。
 これも新サイクロンと同じ状態で、惜しくも乗せることが出来ません。

 ……が、何故か栄光版の新1号はそのまんま問題なく乗せちゃえるんですよねえ。
 あら不思議不思議。

 

 本物対偽者の対決?!
 栄光の栄光の昭和ライダーエディション版新1号と並べて飾ると、独自の雰囲気が出て良いものですねえ。

   

 栄光版新1号と比較。
 比較して見ると、マスクの造形が違うように思えますが、実際は同じものです。
 塗装の関係で、ブラック版の方が顎が細く見えます。
 クラッシャー側面にある僅かなへこみ位置なども同一でした。
 その他も比較しましたが、造形上の違いはないようですね。

  

 ただ、ブラック版の方がやや関節の固さがあり、腰や股関節(特に前方向)の動きがかなりぎこちない感じです。
 まあこの辺は個体差もあると思いますが、先で触れた「改造サイクロンへの搭乗」で大きな差が生じます。
 新1号だけ弄ってる段階では、結構関節が固い(※問題ではなく、丁度いい保持力の意)と思ったのですが、ブラック版と比べるとまだ柔らかい方だったんだなあと。

 

 ブラック絡みで、ついでに「真骨彫 仮面ライダーBLACK」との比較。
 こうして見ると、BLACKって結構派手なんだなぁと。
 まあ、そりゃそうか。

 

 しばらく適当なポージングを。

  

 黒一色だと、何となく彫像っぽさがありますね。
 まさに「真骨彫」という名前に相応しいと思います。

  

 ボックス及びスリーブはこんな感じ。
 左側が箱全体を包むスリーブです。
 パッケージ表面は従来の真骨彫のように頭部アップですが、光が当たっている部分は銀の箔押し(少々へこんだ部分に箔を張っている)です。
 裏側は、同じような仕様で髑髏のマークが表現されています。

 スリーブの髑髏は、マーク部分のみ艶のある丸いドットの集合体で表現・構成されています。

 

 以上、仮面ライダー新1号 BLACK Verでした。

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【総括】

 

 非常に個性的な商品で、刺さる人には思い切り刺さる感じです。
 ただし、1号ライダーの特徴を示す部分が全部黒塗りにされているため、気に入らないという人が出て来るのもわかります。
 そんな感じで、結構ハッキリ評価が分かれるだろうことが予想されます。

 まあ、とはいえもう(現時点から見ても)3年以上前の話ですし、恐らく再販されることも今後ないだろうと思われるので、このまま知る人ぞ知る商品になっていくんじゃないかと思われますね。

 個人的には、可動する彫像というイメージで大変気に入っています。
 それに「1号のみ」というアンバランスさも、何だか妙な味わいを感じます。
 膨張色が配され、よりスタイリッシュなイメージになった本商品は、仮面ライダー1号のシルエットを無駄なく表現している商品という雰囲気で、同時に、仮面ライダーが本来持っている“異形さ”も強調されている気がします。

 見慣れた新1号が秘めている魅力を、余すことなく抽出したスタイルを表現する。
 それが、本商品の最大の魅力ではないかと思います。

 なお蛇足ですが、2025年11月半ば現在メルカリやYahooフリマなどを参照した限りでは定価+αくらいの比較的ましな相場で推移しているようです。
 筆者は幸い、ほぼ定価くらいで未開封品を購入出来ましたが、意外と商品自体の知名度が高くない……のかな?

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