第152回 ■ BANDAI SPIRITS 超合金魂 GX-88「ダイラガーXV」03
2021年7月日 更新
■ダイラガーXV:
「ダイラガー! ファイティングフォーメーション、オン!」
クウラガーチームリーダー・安芸マナブの掛け声で、15体のラガーマシンが合体。
作中では、各フォーメーションを解除して15体に分離し、下から次々に重なるように合体していきます。
結構なスピードで組み上がっていくので、他のロボットアニメみたいなカタルシス演出はないのですが、作品の性質上、それで良かった気がします(多分、長々と合体されてたらダレてた)。
■ ダイラガー・ファイティングフォーメーション(合体)
合体バンクに従うなら、まずラガー14と15からなんですが、仕組みの都合上、ここから行きます。
まず、ラガー9と10の機首を、カイラガー合体時と同様に変型させます。
以下、ラガー9とラガー10で同じ工程となります。
本体を後ろから前方に跳ね上げるように、展開します。
これをやるために、先に機首を畳んでおく必要があります。
本体後部のプレートを畳み、内側に収納されているジョイントパーツを180度回転させ、一部を露出させます。
そのまま、本体を閉じます。
後部からジョイントが飛び出した状態になっていればOKです。
尚、蛇足ですが、合体から戻す場合、個体差によって少々難が発生します。
ジョイントを出す際に折り込む後部のプレートですが、これを起こす際に、やたら硬いものがあるようです。
この場合、先が丸く固すぎない棒状の「何か」を使って、プレートを引き起こすしか手がありません。
ラガー9のジョイントをラガー14に、ラガー10のジョイントをラガー15に、それぞれ後方からスライドインさせます。
この辺りの構成は、DX機甲合体を連想させます。
ところで、このままだと「下駄パーツを履かせてないDXターボロボ」状態で、安定性に乏しいわけですが。
次の手順で、このように(右参照)ラガー15の車高を落とすことで、安定性を確保することが可能となります。
実は、ラガー14と15は、前輪と後輪を内側に押し縮めることが可能です。
また、押し縮めた後にタイヤを本体に押し込めることも出来ます。
これにより、車高を落としてみた比較が、上の画像です。
同時に足首ジョイントにロックもかかるという、優れた機構となっています。
ラガー7とラガー8を、それぞれカイラガーの時の組み合わせ通りに、ラガー9と10に合体させます。
尚、その際、機首を押し縮めておく必要があります。
DX機構合体のように、後方に折り曲げる必要はありません。
このままで、行けます。
次に、ラガー11の各装甲を展開します。
内部にダイキャスト製のジョイントが折り畳まれているので、これを引き伸ばすのが主目的です。
また、その際白いフタ状のパーツを、本体下部にスライド収納されます。
ジョイントを伸ばし、フタを収納したら、展開した装甲を戻してこの状態にします。
ラガー11を、ラガー7と8に合体させます。
これで、下半身の合体が終了。
次に、ラガー11の反対側中央のフタを開き、更に収納します。
これで、腹部との合体ジョイントを露出させます。
ラガー6のアンテナを折り畳み、収納します。
ラガー6の機首を(ダイラガー基準で)右側に向けて、ラガー11のジョイント孔にサイドのブロックを差し込んで合体させます。
正直、この時はどっち向きに合体するのかが咄嗟にわかリ辛いので、混乱したらラガー6のサイドブロックを動かしてみてください。
関節が伸びる方が上、ただ回転するだけの方が下になります。
ちなみに解除時は、ラガー11のキャタピラ中心部の解除ボタンを押しながら引き抜きます。
主翼と尾翼を畳んだラガー2の、左側面のハッチ(フタ)を開き、スライド収納させます。
ラガー6の上に重ねるように、先ほど開いた孔を下向けにして、ラガー2を合体させます。
ここまでで、メインボディ完成です。
ラガー2に、ラガー3と4を合体させます。
合体位置自体は、クウラガー時と同じです。
ただしその際、合体ジョイントの反対側(外側に伸びている方の、擬似ジョイント?部分)を押し込んで縮めておく必要があります。
一応そのままでも出来るのですが、ラガー3と4を合体後に一旦前に向けてから、次の合体が楽になります。
ラガー3の後部にラガー12、ラガー4の後部にラガー13を合体させます。
ラガー12と13のタイヤは、リックラガー時と同じく畳んでおきます。
ちなみに、ラガー12と13は、ラガー3と4の後部主翼と尾翼を巻き込むようにして合体しますが、そのままの状態で肘を曲げることが出来ます。
ラガー3の解説で述べていた「脅威の構造」というのがここの事で、要はラガー12・13主体で動かす肘の可動に、ラガー3・4の主翼が回転することで連動対応するわけです。
これ、設計が甘かったら確実に破損案件ですからね、本当に良く計算されていると思います。
ラガー2に、ラガー1をノズル方向から押し込んで合体させます。
これも、ここまではクウラガー合体時と同じです。
ラガー1を合体させたまま、縮まっていた首を引き伸ばします。
その後、ハッチを開いて、ダイラガーの顔を露出させます。
最後にラガー5を、クウラガー時とは逆向きで合体させます。
ラガー2の、ツメを引っ掛けるためのミゾがあまり機能していないため、注意しないとずれてしまいます。
ラガー5の主翼を、ラガー2に沿うように折り曲げ、更に尾翼を左右に開きます。
ダイラガーXV、合体完了。
全高約28.7cm、最大全幅・約16.2cm(肩幅)、奥行・約8.2cm、全重・約1.141kg。
ようやく、ダイラガーXVについてです。
全高約29センチと、かなり大型のロボット玩具となります。
先の通り、パッと見はプラパーツが多いので軽そうに思えるのですが、実際には結構な割合のダイキャストが用いられているので、近年の玩具としてはかなり重い方になります。
前面・背面。
左右側面。
次は、可動について。
まず肩は、真横に最大でこれくらい開けます。
ただ、最初は結構硬いので、気をつけながら思い切って開く必要があるようです。
筆者のは左右共に凄まじく硬く、当初は真横に腕は開けないと思っておりました。
ちなみに、デフォルトの指はこのくらい可動します。
ただ、後述する武器を持たせる場合は、手首を交換した方がいいみたいです。
ラガー6のサイドブロック(右)の恩恵で、ダイラガーの腰は横方向に回転可能です。
かなり大きく回せます。
ラガー6の左側サイドブロックの関節が、活きる瞬間。
なんと、ダイラガーはここまで背を反らせます。
正面側から見るとこんな感じです。
アーム一本で繋がっているという、一見非常に頼りないですが、かなりしっかりと上体を支えてくれます。
ちなみに、前屈みの限度はこのくらいです。
画像では干渉するラガー5を外していますが、仮に付けたままだと、当然ここまでは曲げられません。
次に、足首。
合体直後の状態はこんな感じですが……
実は引き伸ばすことで、可動範囲を拡張することが可能です。
足裏が完全に接地出来る状態で脚を横方向に拡げると、最大でここまで行けます。
接地を無視すれは、両脚は最大でここまで拡がります。
足首の前後方向への可動は、このくらいで最大です。
結構頑張っています。
脚の前方向への可動は、ここまで行けます。
膝は、ラガー7と8に内蔵された膝関節のおかげで、(この規模の合体玩具としては)結構深く曲げられます。
ただし、合体用の軸ジョイントが抜けてしまうトラブルも起きやすいです。
また、足首も前後方向へはあまり動かせません。
28センチの大きさ、1.2キロ弱という重量で、ここまで無茶な? 可動が行えます。
殆ど変態可動の領域に達している部分もありますが、想像を越える凄さです。
ただし、ラガー11の股関節部前面のパーツなどは、下手に脚を動かすとポーンと飛んでいくので、取り扱い説明書にも表記されている通り、脚を動かす際は、まず先に脚周りの装甲(つまりラガー11)を開いてから曲げる必要があります。
尚、外れた装甲はボールジョイントで簡単に再接続出来ます。
あと、可動とは関係ないのですが、注意点など。
先でも触れた通り、ラガー5は非常に外れやすくなっています。
特に、手が当たりやすい大きな翼などが厄介で、うっかりするとこういうことになりがちです。
ただ、かといってもっとガッチリくっつくようにしたら、今度は合体や離脱の際に破損する可能性が高まってしまうので、痛しかゆしですね。
もう一つ、ラガー1の分離について。
ラガー2の上面で、ダイラガー時にラガー5によって隠される「赤い四角」は、ラガー6と分離する際に使う「解除ボタン」になっています。
しかし、実はこのボタンは、ラガー1の分離ボタンも兼ねています。
その為、ラガー1を接続したままでラガー6と分離させようとすると、ラガー1が ぴ ょ ん ! と飛び出してしまい、このような有様になります。
約一ヶ月後の3月20日に発売された、超合金魂「闘士ゴーディアン」ガービンとの比較。
ガービンの全高は、頭頂部まで約32センチ。
結構な体格差ですが、実物のボリュームは割とひけを取らない印象があります。
次に、各種装備について。
まずは、ダイラガーXVの代表的な武装「ダイラガーキルダー」についてです。
更に、ダイラガーキルダーにエフェクトが付いている状態の「スピンカッター」についても、まとめて触れて行きます。
まずは、ダイラガーキルダー(A)。
元々ラガー3と4についているローターと同じ形状で、直径が大きくなったものです。
キルダーを持つための専用の手首も付属します。
掌の部分には突起があり、ここにキルダーの中心部の凹部を差し込んで固定することが出来ます。
こちらは、スポーク? が三本のバージョン。
指の隙間にスポークを通す上、掌の突起にジョイントをはめるのはなかなか大変で、破損が怖いです。
次に、ダイラガーキルダー(B)。
こちらは、スポークが二本のバージョンで、(A)よりも格段に持たせやすいです。
次は、スピンカッター(A)。
三本スポークのダイラガーキルダー(A)に、エフェクトが付いたバージョン。
四種類目は、スポーク二本Ver.のダイラガーキルダーにエフェクトが付いたスピンカッター(B)。
スピンカッター(A)とは違い、ギザギザとした形状になっています。
これらは、ラガー3と4のローターを外して使う武器なので、持たせる時は各ローターを取り外します。
ダイラガーキルダーやスピンカッターは、付属の専用ジョイントを使うことで、「魂STAGE」でディスプレイすることが出来ます。
専用ジョイントは4つ付属します。
が、魂STAGEの軸の長さがダイラガーXVの身長と全く合わないので、普通に並べただけでは違和感が酷いです。
この画像は、魂STAGEの軸を手に持って撮影しています。
ショットアロー。
軸部分がベンダブル式になっていて、ある程度自由に曲げることが出来ます。
グリップが太く、握り手(交換手首)でガッシリ持たせられます。
全体はこんな感じです。
長さは約29センチ。
ベンダブル部だけでも約16センチあります。
ベンダブル部の硬度はそこそこあるので、グリップだけを持たせた状態で、へたれる事なく形状を保持出来ます。
ちなみに、先端部は取り外せます。
ダイラガーランサー(短)。
短、と言っても長さは約19センチもあります。
こちらも適度な太さがあるので、保持力も問題なく発揮されます。
続いて、ダイラガーランサー(長)。
こちらは、Dランサー(短)とは完全な別個体です。
長さは約30.8センチと、Dランサー(短)より11センチ以上も長いので、こちらを持たせた方がポージングが良く決まるような気がします(個人的感想)。
こちらも、保持力は問題なし。
続けて、ダイラガーXVの代表的な武器を。
まずは、スピンカッターを重ねて……
「ダイラガー・ソード!!」
ダイラガーソード。
全長約29.5センチ。
刃渡りだけでも約20.3センチあります。
先の通り、柄の十字が金色メッキ、それ以外が銀メッキと二種類のメッキを施して、豪華な感じです。
ダイラガーの肩・腕関節可動の恩恵で、上段構えが出来ます。
ただ、頭頂部のトンガリが邪魔になりますし、そのまま振り下ろせはしません。
あくまでポージングだけですが、出来るだけ凄いと思います。
ダイラガーソードは、初期回から多用されていた必殺兵器なこともあり、やはり一番サマになる気がしますね。
トミカと共に、ここまでの長物装備を比較してみます。
飾ってる台座については、後述します。
7センチのトミカとこうして比べると、いずれも結構な大物だと、改めてわかります。
最後の装備は、ダイラガーXVのボディの一部を使用するものです。
まず、後頭部の四角いパーツ(ラガー1のランディングギアがある部分)を外します。
ちなみに、ここで外したパーツ自体は、以下では使いません!
パーツを外した穴は、専用のフタパーツで埋めることが出来ます。
外したパーツと良く似た、別のパーツがあります。
これは、専用の手首(掌に穴がある)に持たせることが出来ます。
以降は、これを使います。
ここに、エフェクトパーツを差し込むことで、「電磁ビュート」を再現します。
電磁ビュートは、ダイラガーXVと比較するとこんな大きさになります。
全長はだいたい15センチくらいです。
大きく湾曲した半透明、しかも表面にはメタリックな塗装が施されたエフェクトなせいか、非常にハッタリの効いたポージングに活かせます。
掌のジョイントで固定されるので、ポロリを恐れる必要はありません。
超合金魂お約束の、専用台座。
今回は、このようなスタイルになります。
なんと、ネームプレートを差し替えることが可能で、「VOLTRON」バージョンにもすることが出来ます。
気が効いていますよね!
手首は、台座の裏側に固定することが出来ます。
以上、超合金魂ダイラガーXVでした。
お疲れ様でした!
【総評】
非常に魅力的な、とても弄り甲斐のある高プレイバリューの玩具です。
15体ものラガーマシン、そしてそれぞれ工夫を凝らした合体ギミックを持ち、しかもダイキャストもふんだんに用いて手応えズッシリ、加えて装備も充実、関節だって(さすがに1/12可動フィギュアほどではないにせよ)広い可動範囲を誇る。
細かい所にまで気を配った、本当に完成度の高い名玩具です。
合体ロボ玩具好きな人には、ダイラガーが好き・嫌いに関わらず、是非一度手に取って合体させてみて欲しいと思います。
見た目の印象が些か地味にも思え、また合体も単純に感じられる向きがありそうですが、これはそんな第一印象を大きく覆す完成度です。
そこは、ここで強く推してみたいと思います。
欠点としては、一部関節強度が緩く、特に脚部の(ふくらはぎ部に合金を使ってることもあり)保持力が低めに感じられる点があります。
また、股関節周辺の可動が非常にタイトなため、下手な動かし方をするとパーツが飛んでしまい、いずれ破損に繋がるかもしれない恐怖感があること。
その他、一部メッキの結着力が弱い点や、ラガー5の接続方式など、もう少し何とかして欲しかったところもないわけではありません。
ただ、良い部分・魅力的な部分の方が圧倒的に多く、こういった問題点も覆い尽くすほどであることも、また事実だと、個人的に思います。
当時品の玩具に詳しい方なら気付かれたかもしれませんが、本商品は、「ゴッドマーズ」や「ゴッドシグマ」「ダルタニアス」、またこの後に発売された「ゴーディアン」同様、かつての「DX超合金」シリーズをリスペクトしている節があります。
その為、『機甲艦隊ダイラガーXV』本放送当時のフラッグシップ商品「DX機甲合体」と、非常に似た特徴を多く持っています。
合体システムの一部には、まんまDX機甲合体と同一の部分があったり、また全体のスタイルもどこか良く似ています。
こういう風に、旧玩具のリニューアルとして販売し、当時品を手に入れられなかった人・手放してしまった人が新たに楽しむ機会を得られるというのは、素晴らしいことだと思います。
中には、劇中再現が甘いとか、ダイキャスト多用で関節がへたるから止めて欲しいといった意見もあるかと思いますが、
そういう人は別な商品を買えばええねん!
と、今回は以上になります。
久々に長いレビューとなりましたが、最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。